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旅に出ます
昔話長いの聴いてます
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『あ、あの。続きを話しても?』
「ああ、ごめんごめん。どうぞ」
私が魔石をぎゅっと握り締めれば、ベルナールは涙目になりながらも嬉しそうに笑い話を続けた。
『私が初めに選んだのは、自分の息子でした。その理由は様々ありますが、彼が今後の適任者だと判断したからです。選ばれた者は額に3枚の花びらの模様が現れました。こうして、私が選んだ者が王となり、導くようになったのです。しかし時代が進むと当時を知るものが少なくなり、記録に残していても湾曲して考える人も増えていくようになりました。最終的には王族以外の男性が選ばれれば王族の血筋と婚姻し、王配になる。婚姻した女性が女王に。女性が選ばれればその逆になっていきました。私が選んだ人物が王に成るべきでしたが、時が経てば経つほど王族という血筋が優先されるようになっていきました』
「あー、なるほどね」
『それでも政治力が強く、国を統治することができる人物であるなら…私はそれでも良かったのです。私は両親が存在した証を残したいだけであり、血筋に特にこだわりはありませんから。国が良きように存続し続けることが出来るならば、それで良い。そう思いながら、私は彼らに力を与え続けました』
ベルナールは悲しそうに微笑むと、そっと上を見上げた。私が釣られるように上を向けば、そこには満点の星空が輝いてた。
『私は自身が選んだ人物に力を与えました。時には誰よりも強い戦闘力、誰よりも優れた記憶力などの能力をです。森が与えるような奇跡は起こす事はできませんが、まるで魔法のような能力を与えることが出来たのです。父のように強く、優しく、統率力があり、優れた王になってほしい。そんな想いから選んだ人物に足りない力を与えました』
「でもだんだんと血統が優先されたと…」
『そうです。人間というものは…尊くも卑しい生き物です。徐々に私が選んだ人達が虐げられるようになっていきました。力だけを搾取され、国のために使われ、そして最後はゴミのように捨てられていく。そんな人々が増えていきました。力を持つものが1人いたとして、その人の周りに味方がどれだけいるのか。それだけで人というものはすぐに支配されていく。私は誰かに見られる事はありませんが、彼らを見る事は出来ました。その時代時代に合った適任者を選び抜いていたつもりです。なんとかその流れを変えようと足掻いたこともあります。彼らに足りない能力を補っていたつもりでした。ですが…例え王族を選んだとしても…多勢に無勢である事には変わりませんでした』
「結果的に選んだ人々が不幸になっていったと…」
ベルナールは目線を私に戻すと、力無く頷いた。そしてまた空を見上げ話し始めた。
『母は言っていました。人は死ぬと空に還って星になり残してきた人々を見守っているのだと。だから自分たちが死んでも貴方は1人ではない。ずっと見守っていると…。私は選ばれた人々が空に還っていく度にその言葉を思い出しました。そして、自分の無力さを痛感し、きっと彼らは空から私を眺め蔑んで恨みの目を向けている。そんな気持ちになる度に森の言葉を思い出しました。[お前の父親は我の加護だけで本当に国を守っていたと思うのか]という言葉を…。私は彼らを不幸にしたかったわけではありません。選ばれた故の不幸を呪って〈何故自分を選んだのだ〉と涙を流して私を壊そうとする者もいました。私は力があれば無いよりはいいだろうと思っていただけなのです。…その力を振るう事ができる環境を整える事の重要性にも気が付かず、国が滅びるまで力が全てだと信じた愚かな男なのです』
ベルナールはそこまで言葉を紡ぐと涙を堪えるように上を向いたまま肩を小さく震え始めた。さっきまでの私に揶揄われて涙目になっていたあの様子とは違い、抑えきれない感情が溢れており、それをなんとか抑えたい。そんな気持ちが伝わってくる涙の流し方をしていた。
「力を与えられるだけでは人は怠惰になる。与えられた力をどう活かすか殺すかも人次第。そして、与えられた人を支えるのもまた人…」
私がポツリとそう呟けば、ベルナールは涙を流しながらウンウンと頷いた。そして、今まで穏やかに話していた彼は想いが溢れたのか勢いよく話し始めた。
『わ、わったしが。魔石に成る前にそのことに気がつき、そして私自身が王となるべきだったのです。父の意思を、姿を、成そうとしていた事を、見て知っていたのは私だったのだから!!!それなのに、私は…国を護りたいなんて言いつつも…結果的に自分で国を滅ぼしてしまいました…。父親の本当の姿を見ているようで、見えていない愚かな私が気がついていれば…。森からの恩恵だけで国があのように豊かになったわけでは無い。父が、母が、人を見て、集め、育て、そしてその人々が父と母を愛し尊敬し、父も母も彼らを愛した。力はないよりあったほうが良いですが、人の集まりはそれだけではない…私の行為はなんと愚かな事だったことか…』
涙をポロポロと流しながら、彼は嗚咽混じりで泣き叫ぶように話すと床に突っ伏すように蹲った。そして『ごめんなさい』の言葉を懺悔のように繰り返し床を涙で濡らし始めた。
(なんか…胸がギュッとなる…)
私は右手で胸を押さえなら、隣にいるケイレブにそっと身を寄せた。ケイレブも何か思うところがあったのか、慰めるように私の体に身を寄せてきた。
ベルナールはしばらく泣いていたが、気が済むまで泣くと急に頭を上げて私を見つめてきた。そして、しんみりしている私達に近寄ると膝立ちで両手を組んで、まるで神に祈るかのような姿になった。
『だから、美しい人よ。どうかお供として連れて行って下さいませ!!!!必ずや貴方の力になると誓います!!!』
「いやいや、ちょっと待てい!国が滅んだからの、ついていきたいのですは意味わからんて!!!!!」
『え?そうでしょうか』
「そうだよ!!」
「ガウ(そうだな)」
ベルナールはコテンっと首を傾げると、真っ赤になった目で私達を見つめながらパチパチと瞬きを繰り返した。そして少しとぼけた顔でニッコリ微笑んだかと思えばパッと目の前から姿を消した。
彼がいたところを眺めればポワンっと煙が出てきて、そこから黒い影が現れた。
『お願いしましゅ』
坊ちゃんヘアの黒髪、ウルウルの黒い瞳、赤子の時にあったであろうほっぺたのお肉が少し残っている幼い顔立ち、手足は短くお腹はポッコリ…
推定2歳ほどの幼児。そんなショタ姿に変身したベルナールはお願いポーズで私を見つめている。正直2歳にしては流暢な喋りだけども!だけども!
そんなの関係ない!!(え)
もう、可愛い。本当に可愛い。ぷにぷにの両手、可愛い。あの手の甲にある窪み!!かぁあいいい、ああぉー!!グーにしてもとんがらないグーの形!!可愛いいいい!!!
「許可しちゃううううう!!!」
たらりと鼻血を片鼻から出しながら私はベルナールに抱きついた。深く考えてはいけない、感じるのだ!この、ぷにぷにを!!!そう私の中の何かが囁いている!!
実体はないはずなのに、何故か抱きしめることが出来た彼を私は思いのままにクンカンクカと匂いを嗅ぎ、そしてすりすりと頬擦りを繰り返した。
『えっへへ、やったー!』
「んもおおお、コレからお風呂もオネンネも一緒よおおおおお!!!」
「ガウガウガー!!!!(落ちつけえええ!中身はおっさんだぞ!!!)」
「いいのよおおおお、コレが合法ってやつなのおおおおお」
興奮している私を制するようにケイレブは私の服の裾を噛んで後ろに引っ張っている。私はそんなことも気にせずベルナールに対して、今まで我慢していた幼児を堪能したい欲を爆発させていた。
『ふふふ、たのちいねえ』
ベルナールはニコニコと微笑むと私とケイレブの一連の様子を嬉しそうに眺めた。
「ハァァァァ。ベルナール、いや、ベル君。かぁいいねぇええ。お腹、ポッコリしてるねぇええ」
ハァハァしながらベルナールのお腹を撫でる。実態はないはずなのに触れるこのショタに大興奮している私をケイレブは少し冷静な様子で眺めながら、ブツブツと独り言を呟いた。
「ガウ…?ガウガウ…?(相手が人でもない、精神体だから獣化しないのか?まさかマジで合法??うそん)」
ケイレブが何かを思案してる隙に、ベルナールは可愛く微笑んで私におねだりポーズで声変わり前の高い可愛い可愛い声で話しかけてきた。
『ふふふ、じゃあ…おねえたん。僕の石にチュッてして??」
「するするぅ!!」
お願いっと両手を組んでウルウルされたら、もうたまらん。ウンウンと激しく頷けばケイレブが焦ったように声をかけてきた。
「ガ、ガウ!(ちょ、まて、やめろ!!)」
可愛いショタのおねだり!コレは叶えるしかない!
私はケイレブの制止も聞かずに手に持っていた真っ白な魔石にチュッチュッチュッチュッと口付けを繰り返した。
すると魔石がピカーっと強く光り輝いたかと思えば、金でできた台座を残して跡形もなく消えてしまった。
魔石が壊れるのは力を全て使い切った時だけ。魔石の力を使えなくなったとしても原型を保てなくなるほど消えてしまう事は無い。壊れると言っても割れたりヒビが入ったりする程度だ。
魔石の大きさが大きいのほど力も強く物持ちが良い。
手の中にあった魔石はLサイズの卵ほどの大きさだった…はずなのだが…。
「え?ええ?」
私が金の台座を呆然としながら眺めていると、とても晴れ晴れとした低めの声が聞こえてきた。
『ありがとうございます、美しい人』
声が聞こえた方に目線を向ければ、さっきまで可愛いショタ姿だったベルナールが元の姿に戻ってニッコリと私に微笑んでいた。
「……え?」
『無事に契約成立ですね。これからよろしくお願いします』
「け、けいや?く??」
『はい!美しい人の情熱的な口付けにより、魔石であり魔道具でもある私と契約を結びました。ちなみに、私が契約した主人は貴方様が初めてです!何故なら、国が滅びてから自分がただの道具だと気がついたので。ふふっ』
「どゆことですかぁあぁぁあ!!!」
「ガウガウ…(あーあ、なんか面倒な事に巻き込まれた気がする)」
後悔先に立たず。
私は完全に何かをやらかした。
契約はしっかりと内容を把握してから。
欲望とはなんと恐ろしいものなのか。
私はガクッと膝をつくと、ニッコニコのベルナールを眺めて乾いた笑いしかできなかった。
「ああ、ごめんごめん。どうぞ」
私が魔石をぎゅっと握り締めれば、ベルナールは涙目になりながらも嬉しそうに笑い話を続けた。
『私が初めに選んだのは、自分の息子でした。その理由は様々ありますが、彼が今後の適任者だと判断したからです。選ばれた者は額に3枚の花びらの模様が現れました。こうして、私が選んだ者が王となり、導くようになったのです。しかし時代が進むと当時を知るものが少なくなり、記録に残していても湾曲して考える人も増えていくようになりました。最終的には王族以外の男性が選ばれれば王族の血筋と婚姻し、王配になる。婚姻した女性が女王に。女性が選ばれればその逆になっていきました。私が選んだ人物が王に成るべきでしたが、時が経てば経つほど王族という血筋が優先されるようになっていきました』
「あー、なるほどね」
『それでも政治力が強く、国を統治することができる人物であるなら…私はそれでも良かったのです。私は両親が存在した証を残したいだけであり、血筋に特にこだわりはありませんから。国が良きように存続し続けることが出来るならば、それで良い。そう思いながら、私は彼らに力を与え続けました』
ベルナールは悲しそうに微笑むと、そっと上を見上げた。私が釣られるように上を向けば、そこには満点の星空が輝いてた。
『私は自身が選んだ人物に力を与えました。時には誰よりも強い戦闘力、誰よりも優れた記憶力などの能力をです。森が与えるような奇跡は起こす事はできませんが、まるで魔法のような能力を与えることが出来たのです。父のように強く、優しく、統率力があり、優れた王になってほしい。そんな想いから選んだ人物に足りない力を与えました』
「でもだんだんと血統が優先されたと…」
『そうです。人間というものは…尊くも卑しい生き物です。徐々に私が選んだ人達が虐げられるようになっていきました。力だけを搾取され、国のために使われ、そして最後はゴミのように捨てられていく。そんな人々が増えていきました。力を持つものが1人いたとして、その人の周りに味方がどれだけいるのか。それだけで人というものはすぐに支配されていく。私は誰かに見られる事はありませんが、彼らを見る事は出来ました。その時代時代に合った適任者を選び抜いていたつもりです。なんとかその流れを変えようと足掻いたこともあります。彼らに足りない能力を補っていたつもりでした。ですが…例え王族を選んだとしても…多勢に無勢である事には変わりませんでした』
「結果的に選んだ人々が不幸になっていったと…」
ベルナールは目線を私に戻すと、力無く頷いた。そしてまた空を見上げ話し始めた。
『母は言っていました。人は死ぬと空に還って星になり残してきた人々を見守っているのだと。だから自分たちが死んでも貴方は1人ではない。ずっと見守っていると…。私は選ばれた人々が空に還っていく度にその言葉を思い出しました。そして、自分の無力さを痛感し、きっと彼らは空から私を眺め蔑んで恨みの目を向けている。そんな気持ちになる度に森の言葉を思い出しました。[お前の父親は我の加護だけで本当に国を守っていたと思うのか]という言葉を…。私は彼らを不幸にしたかったわけではありません。選ばれた故の不幸を呪って〈何故自分を選んだのだ〉と涙を流して私を壊そうとする者もいました。私は力があれば無いよりはいいだろうと思っていただけなのです。…その力を振るう事ができる環境を整える事の重要性にも気が付かず、国が滅びるまで力が全てだと信じた愚かな男なのです』
ベルナールはそこまで言葉を紡ぐと涙を堪えるように上を向いたまま肩を小さく震え始めた。さっきまでの私に揶揄われて涙目になっていたあの様子とは違い、抑えきれない感情が溢れており、それをなんとか抑えたい。そんな気持ちが伝わってくる涙の流し方をしていた。
「力を与えられるだけでは人は怠惰になる。与えられた力をどう活かすか殺すかも人次第。そして、与えられた人を支えるのもまた人…」
私がポツリとそう呟けば、ベルナールは涙を流しながらウンウンと頷いた。そして、今まで穏やかに話していた彼は想いが溢れたのか勢いよく話し始めた。
『わ、わったしが。魔石に成る前にそのことに気がつき、そして私自身が王となるべきだったのです。父の意思を、姿を、成そうとしていた事を、見て知っていたのは私だったのだから!!!それなのに、私は…国を護りたいなんて言いつつも…結果的に自分で国を滅ぼしてしまいました…。父親の本当の姿を見ているようで、見えていない愚かな私が気がついていれば…。森からの恩恵だけで国があのように豊かになったわけでは無い。父が、母が、人を見て、集め、育て、そしてその人々が父と母を愛し尊敬し、父も母も彼らを愛した。力はないよりあったほうが良いですが、人の集まりはそれだけではない…私の行為はなんと愚かな事だったことか…』
涙をポロポロと流しながら、彼は嗚咽混じりで泣き叫ぶように話すと床に突っ伏すように蹲った。そして『ごめんなさい』の言葉を懺悔のように繰り返し床を涙で濡らし始めた。
(なんか…胸がギュッとなる…)
私は右手で胸を押さえなら、隣にいるケイレブにそっと身を寄せた。ケイレブも何か思うところがあったのか、慰めるように私の体に身を寄せてきた。
ベルナールはしばらく泣いていたが、気が済むまで泣くと急に頭を上げて私を見つめてきた。そして、しんみりしている私達に近寄ると膝立ちで両手を組んで、まるで神に祈るかのような姿になった。
『だから、美しい人よ。どうかお供として連れて行って下さいませ!!!!必ずや貴方の力になると誓います!!!』
「いやいや、ちょっと待てい!国が滅んだからの、ついていきたいのですは意味わからんて!!!!!」
『え?そうでしょうか』
「そうだよ!!」
「ガウ(そうだな)」
ベルナールはコテンっと首を傾げると、真っ赤になった目で私達を見つめながらパチパチと瞬きを繰り返した。そして少しとぼけた顔でニッコリ微笑んだかと思えばパッと目の前から姿を消した。
彼がいたところを眺めればポワンっと煙が出てきて、そこから黒い影が現れた。
『お願いしましゅ』
坊ちゃんヘアの黒髪、ウルウルの黒い瞳、赤子の時にあったであろうほっぺたのお肉が少し残っている幼い顔立ち、手足は短くお腹はポッコリ…
推定2歳ほどの幼児。そんなショタ姿に変身したベルナールはお願いポーズで私を見つめている。正直2歳にしては流暢な喋りだけども!だけども!
そんなの関係ない!!(え)
もう、可愛い。本当に可愛い。ぷにぷにの両手、可愛い。あの手の甲にある窪み!!かぁあいいい、ああぉー!!グーにしてもとんがらないグーの形!!可愛いいいい!!!
「許可しちゃううううう!!!」
たらりと鼻血を片鼻から出しながら私はベルナールに抱きついた。深く考えてはいけない、感じるのだ!この、ぷにぷにを!!!そう私の中の何かが囁いている!!
実体はないはずなのに、何故か抱きしめることが出来た彼を私は思いのままにクンカンクカと匂いを嗅ぎ、そしてすりすりと頬擦りを繰り返した。
『えっへへ、やったー!』
「んもおおお、コレからお風呂もオネンネも一緒よおおおおお!!!」
「ガウガウガー!!!!(落ちつけえええ!中身はおっさんだぞ!!!)」
「いいのよおおおお、コレが合法ってやつなのおおおおお」
興奮している私を制するようにケイレブは私の服の裾を噛んで後ろに引っ張っている。私はそんなことも気にせずベルナールに対して、今まで我慢していた幼児を堪能したい欲を爆発させていた。
『ふふふ、たのちいねえ』
ベルナールはニコニコと微笑むと私とケイレブの一連の様子を嬉しそうに眺めた。
「ハァァァァ。ベルナール、いや、ベル君。かぁいいねぇええ。お腹、ポッコリしてるねぇええ」
ハァハァしながらベルナールのお腹を撫でる。実態はないはずなのに触れるこのショタに大興奮している私をケイレブは少し冷静な様子で眺めながら、ブツブツと独り言を呟いた。
「ガウ…?ガウガウ…?(相手が人でもない、精神体だから獣化しないのか?まさかマジで合法??うそん)」
ケイレブが何かを思案してる隙に、ベルナールは可愛く微笑んで私におねだりポーズで声変わり前の高い可愛い可愛い声で話しかけてきた。
『ふふふ、じゃあ…おねえたん。僕の石にチュッてして??」
「するするぅ!!」
お願いっと両手を組んでウルウルされたら、もうたまらん。ウンウンと激しく頷けばケイレブが焦ったように声をかけてきた。
「ガ、ガウ!(ちょ、まて、やめろ!!)」
可愛いショタのおねだり!コレは叶えるしかない!
私はケイレブの制止も聞かずに手に持っていた真っ白な魔石にチュッチュッチュッチュッと口付けを繰り返した。
すると魔石がピカーっと強く光り輝いたかと思えば、金でできた台座を残して跡形もなく消えてしまった。
魔石が壊れるのは力を全て使い切った時だけ。魔石の力を使えなくなったとしても原型を保てなくなるほど消えてしまう事は無い。壊れると言っても割れたりヒビが入ったりする程度だ。
魔石の大きさが大きいのほど力も強く物持ちが良い。
手の中にあった魔石はLサイズの卵ほどの大きさだった…はずなのだが…。
「え?ええ?」
私が金の台座を呆然としながら眺めていると、とても晴れ晴れとした低めの声が聞こえてきた。
『ありがとうございます、美しい人』
声が聞こえた方に目線を向ければ、さっきまで可愛いショタ姿だったベルナールが元の姿に戻ってニッコリと私に微笑んでいた。
「……え?」
『無事に契約成立ですね。これからよろしくお願いします』
「け、けいや?く??」
『はい!美しい人の情熱的な口付けにより、魔石であり魔道具でもある私と契約を結びました。ちなみに、私が契約した主人は貴方様が初めてです!何故なら、国が滅びてから自分がただの道具だと気がついたので。ふふっ』
「どゆことですかぁあぁぁあ!!!」
「ガウガウ…(あーあ、なんか面倒な事に巻き込まれた気がする)」
後悔先に立たず。
私は完全に何かをやらかした。
契約はしっかりと内容を把握してから。
欲望とはなんと恐ろしいものなのか。
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