31 / 47
旅の終わり?
長い説明を聞いています①
しおりを挟む
ホープ伯爵の屋敷に戻り、侍女さんたちに入浴の手伝いをされ、また新しいワンピースに着替えた。
そして夕食の時間になると、部屋ではなく食堂へと案内された。私の腰にはケージポーチ入りのケイレブ(ねむねむ)、肩にはいつも通りベルナールがいる。テクテク歩きながら部屋に着くと、すでに伯爵は席についていた。
「近くに座りなさい」
「はーい」
部屋に入ってすぐに出された指示にしたがって、1番近い席に案内された。そして、椅子に座ってケージをテーブルの上に置いた。
「ふむ。その子達は一緒にいないといけないのか?」
「そうですね。私の仲間ですので、話を聞くならみんなで聞きます」
「そうか。ところで、生肉を塊で用意するように頼まれから準備してあるが…君が食べるのかい?」
「あー、んー、私じゃないんです。まず、そちらのお話を聞く前に私の状況を説明した方がいいですね」
「ふむ」
ホープ伯爵は何かを察したのか、執事さんを呼んでヒソヒソと何かを伝えた。すると、執事さんは給仕のために部屋にいた使用人の皆さんを引き連れて出て行ってしまった。
かと思えば、執事さんだけが食事が乗ったカートを押して部屋に入ってきた。
「この屋敷全ての管理をしているのは執事のクリスなんだ。君の話を彼に聞かせてもよいかね」
執事さんことクリスさんは私に向かってペコリと頭を下げた。私は頷きながら微笑んだ。
「もちろん、大丈夫です」
「では、食事の給仕は彼が行う。再度聞くが生肉はどうしたらいいんだ?」
「私の向かい側の席に。あ、お皿の上にのせてください」
「かしこまりました」
クリスさんはペコリと頭を下げると分厚く切られた霜降りのお肉をドーンッと皿の上に置いた。
「ケイレブ、出ておいで」
それを確認してから、机の上のケージを手に取ってテーブルとは反対の空間に向かって扉を開けた。
シュルルルッと音を立ててケイレブが外に出てくると、テーブルの上に食事の配膳をしていたクリスさんは、料理が盛られたお皿を置く姿勢でピタリと固まった。
ホープ伯爵はあんぐりと口を開けている。
私はお座りしたケイレブの隣に立ってにっこり微笑んだ。
「こちら、実兄のケイレブです」
「あ、あ、あ、兄だと?!」
「はい。次にこちらが…」
肩にいるベルナールに目配せすれば、彼は私の肩から飛び上がって少し離れるとポワンッと音を立てて人型になった。
「魔道具のベルナールです」
『初めまして、ホープ伯爵様。ベルナールと申します』
ベルナールはこの国の貴族男性が着ているような服装で現れると、胸に片手を当ててホープ伯爵に向かって軽く頭を下げた。
「はー。君は私を驚かせるのが上手いね。なんてものを隠しているんだ」
「隠してるつもりはないんですけどね。説明するのがややこしいので」
「だろうな。まあ、よい。食事を始めよう」
「はーい」
私はケイレブに反対の席に行くように指示した。彼は久々に出てきた上等な肉に尻尾をブンブン振っている。上機嫌な足取りで移動し席にやってくるとちょこんと両前足をテーブルの上に乗せて《待て》を始めた。
ベルナールは私の隣に座った。クリスさんが料理を増やそうと出て行こうとするのを制し、何もいらないことを伝えるとニコニコと微笑んだまま座っている。
クリスさんはクリスさんで混乱している様子だ。配膳が終わって空になったカートを扉の近くに置くと、誰も入ってこないように扉の前を陣取った。絶対に誰も入れてやるものかと強い意志を感じる。だが彼の手は軽く震えていた。
ホープ伯爵は初めは動揺していたものの、すぐに落ち着きを取り戻しフォークとナイフを手に取ると優雅に食事を始めた。
彼が食事をはじめたのをみて、ケイレブはガブリと生肉に食いついた。私も目の前にある素敵な前菜を食べるためにフォークとナイフを手に取った。
しばらく食事をする音だけが響く。ある適度お皿が空になった頃合いに私はホープ伯爵に説明を始めた。
説明の内容はニポニテの皆に話した内容とほぼ同じだ。
1、私とケイレブは正真正銘双子の兄妹であり、彼は実は人間である。狼の姿になってしまった理由は森が関係していると予想している。また双子ゆえ意思疎通が可能。
2、私達2人は次代の守り手に選ばれた。その理由はおそらく2人で1人の扱いだからではないかと思っている。
3、私の特技は魔道具作りだが、戦闘は出来ないためいつもケイレブに任せている。彼が入っているケージも私が作成した魔道具である。
4、ベルナールは旅の途中で拾った魔道具であり、かなり古い物のようだ。なぜ人間になったりカラスになったりするのかは不明。しゃべる魔道具が珍しく手に取ってしまったら、勝手に契約者にされてしまった。
私の説明が終わる頃には前菜からスープへ移行していた。ホープ伯爵は相槌を打ちつつも無言でひたすら食事をし、ペロリとスープを平らげるとやっと話を始めた。
「君は本当に私を驚かせるのが得意だね。この世界に住んでいたとしても守り手と出会う事すら稀だと言うのに、大きな狼の兄と喋る魔道具だなんて。この国が守り手やその伴侶の来訪で1000年以上続いていたとしても、正直言って君たちのような存在に出会ったこの国の宰相は私だけだろうな」
「いやー、そんなに褒めないでください」
「褒めとらん」
『さすが。ご主人ですね』
「ふっふっふ!ハッ、クリスさん…次のお料理めちゃくちゃ美味しそうですね。これはお魚ですか?」
コース料理なのかお皿が一つ空になると新しいお皿がやってくる。クリスさんは淡々とした様子で配膳をしているが私が話しかけるとビクッと肩を振るわせた。そして愛想笑いをしながら頷き配膳を済ませるとそそくさと定位置へと戻っていった。
「ガウガウ(肉もっと食べたい)」
「もう、すみません。クリスさん。生肉がなければ焼いたものでもいいのでお肉の追加をお願いします。あ、この狼は人間なので動物が食べてはいけない物でも食べられます。人間と同じように調理してくださって大丈夫です」
「かしこまりました。では、しばらく席を外します」
クリスさんはペコリと頭を下げると、音もなく扉を開けて素早く部屋の外に出た。そして、数分後に同じように扉を開けてスルリと部屋に入ってきた。
料理の追加はできたようだ。また運ばれてくる頃に部屋の中が見えないように扉を開けてカートを受け取り、配膳をしてくれるのだろう。
「さて。次は私の話を聞いてもらおうか」
「そうですね。簡単に詳しく教えてください」
「また難しい事を…」
ホープ伯爵は苦笑いをしながら説明を始めた。私は目の前にある美味しい料理をむしゃむしゃ食べながら聞くことにした。
彼の話は以下の通りだった。
あの皇帝陛下(以下、皇帝)はやはり行動が感情に左右される性格で、いつもホープ伯爵(以下、伯爵)は振り回されているらしい。皇帝の治世で伯爵が宰相となったのは、若い頃からの友人であり役職がある貴族の中でも皇帝を諌めるのが上手いからだそうだ。
この皇帝の自己中心的な振る舞いにより、常にこの国は混乱に満ちていた。
皇帝は感情だけでなく下半身のコントロールもできず、次々と女性に手を出す。そのためお手つきにされた女性は数知れず。妃として召し上げた女性もいるが、愛人のように囲っている女性もいる。とにかく女癖が悪い。
まあ、なんとなくお察しである。
この国には後宮があるらしく、妃は全て後宮で生活をしている。皇帝のお渡りを待つ女性達は現在100人以上いるらしい。もちろんその中には正妻である皇后も含まれている。
手をつける女性が多いため、皇帝の子供も多い。
皇子:30人
皇女:10人
無事に生まれ育っている人数が合計40人だが、流産や死産などを含めればもう少し増えるそうだ。
年齢幅は0歳から30後半まで。
この状態でありながら、実はまだ皇太子が決まっていないそうだ。
その理由は皇帝がとある事にこだわっているからだった。
金髪または金眼が皇族の色とされており、時代によってはこの色がない皇帝もいた。そして、現在の皇帝はどちらも保有していた。彼は自分の色合いが初代皇帝と同じだと気がつき、それは彼の(無駄な)自信につながった。
そして自分の色を引き継いだ者を次の皇帝に据えよう。そう考えた。
だが生まれてくる男児は金髪であってもくすんだ色や皇帝よりも濃い色。金眼の子供はなかなか生まれない。自身と同じように光があたれば煌めくような金髪の皇子は生まれてこなかった。
しかし、今回の火種であるキャスリーン第3皇女殿下(以下、皇女)は違った。彼女だけ、皇帝の髪色を引き継いだのだ。それはもう生まれた時から皇帝は皇女を可愛がった。
だが、彼女の母親の後ろ盾はとても弱かった。
母親は城に勤める下級貴族出身の侍女で皇帝がムラムラッとした際にお手つきにした女性だった。先代皇帝の時代であれば妊娠すればすぐに妃(以下、側妃)となるが、今代は手をつける女性の多さから男児を出産した女性に限り後宮に入ることになっていた。
女児の場合は子供だけ取り上げられ、子供がいる妃達に育てられる。産みの母親は一緒に暮らすことはない。
そんな環境の中生まれてきた皇女は皇帝の色を引き継いでいた。
それをきっかけに皇女の母親は特例の側妃として後宮に入った。日当たりの良い部屋を割り振られ、皇女に毎日会いにくる皇帝にも寵愛されるようになった。
が、後宮とは女の嫉妬が渦巻く場所。
後ろ盾がないに等しい皇女の母親は、彼女が3歳の時に儚くなった。
誰かに殺されたのか、病気だったのか。伯爵は語らなかったが、おそらく誰かに殺されたのだろう。
子供は等しく母親が住まう後宮で育てられる。それが通例であったが、皇帝は皇女を自身が住まう宮殿で育てると宣言をした。
これには周りが大慌て。皇后の立場もあるため、やめるように伯爵+その他大勢で説得するが皇帝は自分の考えを曲げない。
伯爵達の話も聞かず、彼は宮殿の敷地内に離宮を建て皇女を育てると宣言。その際に、乳母となったのは皇帝にお手つき経歴がある高位貴族の女性であった。名前をケリー夫人という。
ケリー夫人はとても不幸な方だ。政略結婚ではあるが貴族同士の結婚をして3日もしないうちに、同じ夜会に参加していた皇帝に襲われたらしい。皇帝ほんとひでー野郎だ。
一度だけだがお手つきをされたケリー夫人の子供は3人いるらしい。3人とも夫人または夫人の夫どちらかの色合いを引き継いで生まれてきたため現在も円満なご夫婦だそうだ。
さて、話を戻すと。皇帝はケリー夫人の2番目の子供(女児)が4歳であり、皇女と年が近い事や夫人の教育により4歳でありながらも貴族としても申し分ない教養を待っていることから、ケリー夫人の能力を見込んで乳母として雇ったそうだ。
彼女は皇帝に2度と抱かれないという条件をつけながらも、自身を襲った男の要求をのんだ。政治的な意味合いもあったそうだ。
皇帝の見込み通り、ケリー夫人は子育てがうまかった。そして彼女が育てている子供達同様、皇女殿下を慈しみ育てた。伯爵は彼女が嫌な性格であればどんなに良かったかと語る。
母親がいない皇女は父親のような自己中心的な考えをせず、誰かのために自分を犠牲にする事を厭わない、思いやりに溢れ、自身の立場におごらず家臣に接する事ができる女性に育った。
また、皇女は女性であってもどこか男性的な趣向の持ち主だった。だが、ケリー夫人はそれを咎めることなく皇女の意思を尊重して育てた。
スカートよりもズボンを好み、刺繍やダンスよりも剣術を好んだ。性格も凛々しく、大人の男性に混じって汗水を流し訓練する。
勉学は誰よりも真面目に取り組み、皇女より年上の皇子や皇女よりも優秀だった。そして、剣術の才能さえどの皇子よりも優秀だった。
この国で皇帝になれるのは男性のみ。どんなに優秀であっても皇女は決して皇帝にはなれない。
性別を間違えて生まれてきてしまった優秀な皇女。そう、周りの人々は口々に言っていた。
だが、何を考えたのか皇帝は彼女に帝王学を学ばせた。それも周りの反対を押し切って。剣術の才能あふれる彼女を軍務大臣に任命したのは、成人してすぐの頃だったそうだ。
性別は違えど扱いは皇太子同然。伯爵は皇帝に考えを改めるよう諫めたが、糠に釘。
皇帝曰く「我の色の持たぬものであっても、あの子より優秀であればよかったのだ」と言って悪びれる様子もなかった。
かといって、制度を見直し女性でも皇帝になれる道を作るのかと思いきや、そんな行動もしない。伯爵は皇帝を叱りに叱ったが、暖簾に腕押しだった。
そして皇女の特別扱いに後宮に住まう妃達とその子供達の堪忍袋がついに切れた。それが1年前。皇女が20になる前だった。
他の娘達は成人してすぐに同盟国に売り飛ばすように嫁がせるが、皇女はずっと手元に置き続けようとあの手この手で縁談を断ってゆく皇帝。
妃達の中には皇帝に無理やりお手つきにされ、妊娠し、子供が男児だったため側妃になった女性達がいる。彼女達の中には想い人や幼き頃から絆を深めた婚約者と泣く泣く離れたものも多かった。
なのに、生まれた子供は大切にされず…。
長年溜まりに溜まった不満が大爆発。むしろ今までよく我慢したよ…。
妃の中でも1番力の強い皇后は国内の公爵家出身。彼女は皇子を2人産んでいた。
その子供達も帝王学を学び、皇女ほどではなくとも優秀だった。皇女という比較対象がいなければ、この国の誉と褒め称えられたのは彼らだった。
また、皇后の子供達は30歳をこえ、すでに婚姻し子供もいた。皇家を存続させることを考えても、皇女よりも安定している存在だった。
何度も皇帝に息子を皇太子にするように願ったらしい。だが、皇帝はなかなか意見を曲げない。彼女のことを大事にしてくれる(無駄に女性の扱いが上手いゆえ女性達も強く言えない罠があるようだ)皇帝を信じ続けたが、周りの妃達の声もあり皇后が代表で行動を始めた。
それは皇女を亡き者にしようとする動きだった。
これを察知したのが伯爵だった。皇女の命がこのままでは危うく、儚くなってしまう。皇女を嫁がせ手放すか、皇子から皇太子を選ぶかどっちかせよと皇帝を脅したそうだ。
皇帝は愛娘が儚くなることを望んでおらず、渋々彼女の縁談を探した。その動きを察知した後宮の方々は、一旦出した刃物を下ろし状況を見守った。
が、ここで皇帝はまた悪あがきをし始めた。皇女の口癖である〈付き合いをするなら高め合える相手が良い〉という言葉を湾曲解釈し、〈皇女よりも強い相手〉を婚姻相手の対象とした。
皇女は自身の婚姻がなかなか決まらないことに疑問を感じていたが、特に気にしていなかった。皇帝に何か考えがあってのことだろうを思っていたそうだ。
なぜそれを伯爵が知っているかといえば、彼は皇女から話をきき彼女の好みや考えを調査していたからだ。
その結果、皇女は【恋愛】に興味がないことがわかった。
彼女の性的指向の対象は【男性】なのだが【恋愛】に全く興味がない。父親が決めた嫁ぎ先ならばなんでもいい。できれば自身よりも能力が高い相手であれば良い。それならば結婚後にでも何かの情は芽生えるだろうから。そのような考えで過ごしていた。
また自身が帝王学を学び、剣術を学び、他の皇子は任命されない大臣として働く事についてはこう言っていたそうだ。
〈適材適所だろう。私は兄上達と違い社交が苦手だ。国外での公務なんぞ、やりたくもない。だが兄上達は外交が得意だ。皇族としての役目をしっかりされていらっしゃる。役職に就かねば皇帝になれぬのか?そうではないだろう?私が帝王学や剣術を学べたのも、父上が柔軟な対応で私自身の才能を伸ばしてくださったからだ。女の身でありながらこれだけの知識を得られた私はとても幸福だ。長年我が儘をさせてもらったのだ。兄上達のどなたが皇帝になるのか、私にはわからないが必ず臣下としてお仕えしこの恩をお返しするつもりさ〉
伯爵は皇女を話をしたことで、決心したそうだ。
なんとしてもこの方を父親から引き剥がそうと。
そして夕食の時間になると、部屋ではなく食堂へと案内された。私の腰にはケージポーチ入りのケイレブ(ねむねむ)、肩にはいつも通りベルナールがいる。テクテク歩きながら部屋に着くと、すでに伯爵は席についていた。
「近くに座りなさい」
「はーい」
部屋に入ってすぐに出された指示にしたがって、1番近い席に案内された。そして、椅子に座ってケージをテーブルの上に置いた。
「ふむ。その子達は一緒にいないといけないのか?」
「そうですね。私の仲間ですので、話を聞くならみんなで聞きます」
「そうか。ところで、生肉を塊で用意するように頼まれから準備してあるが…君が食べるのかい?」
「あー、んー、私じゃないんです。まず、そちらのお話を聞く前に私の状況を説明した方がいいですね」
「ふむ」
ホープ伯爵は何かを察したのか、執事さんを呼んでヒソヒソと何かを伝えた。すると、執事さんは給仕のために部屋にいた使用人の皆さんを引き連れて出て行ってしまった。
かと思えば、執事さんだけが食事が乗ったカートを押して部屋に入ってきた。
「この屋敷全ての管理をしているのは執事のクリスなんだ。君の話を彼に聞かせてもよいかね」
執事さんことクリスさんは私に向かってペコリと頭を下げた。私は頷きながら微笑んだ。
「もちろん、大丈夫です」
「では、食事の給仕は彼が行う。再度聞くが生肉はどうしたらいいんだ?」
「私の向かい側の席に。あ、お皿の上にのせてください」
「かしこまりました」
クリスさんはペコリと頭を下げると分厚く切られた霜降りのお肉をドーンッと皿の上に置いた。
「ケイレブ、出ておいで」
それを確認してから、机の上のケージを手に取ってテーブルとは反対の空間に向かって扉を開けた。
シュルルルッと音を立ててケイレブが外に出てくると、テーブルの上に食事の配膳をしていたクリスさんは、料理が盛られたお皿を置く姿勢でピタリと固まった。
ホープ伯爵はあんぐりと口を開けている。
私はお座りしたケイレブの隣に立ってにっこり微笑んだ。
「こちら、実兄のケイレブです」
「あ、あ、あ、兄だと?!」
「はい。次にこちらが…」
肩にいるベルナールに目配せすれば、彼は私の肩から飛び上がって少し離れるとポワンッと音を立てて人型になった。
「魔道具のベルナールです」
『初めまして、ホープ伯爵様。ベルナールと申します』
ベルナールはこの国の貴族男性が着ているような服装で現れると、胸に片手を当ててホープ伯爵に向かって軽く頭を下げた。
「はー。君は私を驚かせるのが上手いね。なんてものを隠しているんだ」
「隠してるつもりはないんですけどね。説明するのがややこしいので」
「だろうな。まあ、よい。食事を始めよう」
「はーい」
私はケイレブに反対の席に行くように指示した。彼は久々に出てきた上等な肉に尻尾をブンブン振っている。上機嫌な足取りで移動し席にやってくるとちょこんと両前足をテーブルの上に乗せて《待て》を始めた。
ベルナールは私の隣に座った。クリスさんが料理を増やそうと出て行こうとするのを制し、何もいらないことを伝えるとニコニコと微笑んだまま座っている。
クリスさんはクリスさんで混乱している様子だ。配膳が終わって空になったカートを扉の近くに置くと、誰も入ってこないように扉の前を陣取った。絶対に誰も入れてやるものかと強い意志を感じる。だが彼の手は軽く震えていた。
ホープ伯爵は初めは動揺していたものの、すぐに落ち着きを取り戻しフォークとナイフを手に取ると優雅に食事を始めた。
彼が食事をはじめたのをみて、ケイレブはガブリと生肉に食いついた。私も目の前にある素敵な前菜を食べるためにフォークとナイフを手に取った。
しばらく食事をする音だけが響く。ある適度お皿が空になった頃合いに私はホープ伯爵に説明を始めた。
説明の内容はニポニテの皆に話した内容とほぼ同じだ。
1、私とケイレブは正真正銘双子の兄妹であり、彼は実は人間である。狼の姿になってしまった理由は森が関係していると予想している。また双子ゆえ意思疎通が可能。
2、私達2人は次代の守り手に選ばれた。その理由はおそらく2人で1人の扱いだからではないかと思っている。
3、私の特技は魔道具作りだが、戦闘は出来ないためいつもケイレブに任せている。彼が入っているケージも私が作成した魔道具である。
4、ベルナールは旅の途中で拾った魔道具であり、かなり古い物のようだ。なぜ人間になったりカラスになったりするのかは不明。しゃべる魔道具が珍しく手に取ってしまったら、勝手に契約者にされてしまった。
私の説明が終わる頃には前菜からスープへ移行していた。ホープ伯爵は相槌を打ちつつも無言でひたすら食事をし、ペロリとスープを平らげるとやっと話を始めた。
「君は本当に私を驚かせるのが得意だね。この世界に住んでいたとしても守り手と出会う事すら稀だと言うのに、大きな狼の兄と喋る魔道具だなんて。この国が守り手やその伴侶の来訪で1000年以上続いていたとしても、正直言って君たちのような存在に出会ったこの国の宰相は私だけだろうな」
「いやー、そんなに褒めないでください」
「褒めとらん」
『さすが。ご主人ですね』
「ふっふっふ!ハッ、クリスさん…次のお料理めちゃくちゃ美味しそうですね。これはお魚ですか?」
コース料理なのかお皿が一つ空になると新しいお皿がやってくる。クリスさんは淡々とした様子で配膳をしているが私が話しかけるとビクッと肩を振るわせた。そして愛想笑いをしながら頷き配膳を済ませるとそそくさと定位置へと戻っていった。
「ガウガウ(肉もっと食べたい)」
「もう、すみません。クリスさん。生肉がなければ焼いたものでもいいのでお肉の追加をお願いします。あ、この狼は人間なので動物が食べてはいけない物でも食べられます。人間と同じように調理してくださって大丈夫です」
「かしこまりました。では、しばらく席を外します」
クリスさんはペコリと頭を下げると、音もなく扉を開けて素早く部屋の外に出た。そして、数分後に同じように扉を開けてスルリと部屋に入ってきた。
料理の追加はできたようだ。また運ばれてくる頃に部屋の中が見えないように扉を開けてカートを受け取り、配膳をしてくれるのだろう。
「さて。次は私の話を聞いてもらおうか」
「そうですね。簡単に詳しく教えてください」
「また難しい事を…」
ホープ伯爵は苦笑いをしながら説明を始めた。私は目の前にある美味しい料理をむしゃむしゃ食べながら聞くことにした。
彼の話は以下の通りだった。
あの皇帝陛下(以下、皇帝)はやはり行動が感情に左右される性格で、いつもホープ伯爵(以下、伯爵)は振り回されているらしい。皇帝の治世で伯爵が宰相となったのは、若い頃からの友人であり役職がある貴族の中でも皇帝を諌めるのが上手いからだそうだ。
この皇帝の自己中心的な振る舞いにより、常にこの国は混乱に満ちていた。
皇帝は感情だけでなく下半身のコントロールもできず、次々と女性に手を出す。そのためお手つきにされた女性は数知れず。妃として召し上げた女性もいるが、愛人のように囲っている女性もいる。とにかく女癖が悪い。
まあ、なんとなくお察しである。
この国には後宮があるらしく、妃は全て後宮で生活をしている。皇帝のお渡りを待つ女性達は現在100人以上いるらしい。もちろんその中には正妻である皇后も含まれている。
手をつける女性が多いため、皇帝の子供も多い。
皇子:30人
皇女:10人
無事に生まれ育っている人数が合計40人だが、流産や死産などを含めればもう少し増えるそうだ。
年齢幅は0歳から30後半まで。
この状態でありながら、実はまだ皇太子が決まっていないそうだ。
その理由は皇帝がとある事にこだわっているからだった。
金髪または金眼が皇族の色とされており、時代によってはこの色がない皇帝もいた。そして、現在の皇帝はどちらも保有していた。彼は自分の色合いが初代皇帝と同じだと気がつき、それは彼の(無駄な)自信につながった。
そして自分の色を引き継いだ者を次の皇帝に据えよう。そう考えた。
だが生まれてくる男児は金髪であってもくすんだ色や皇帝よりも濃い色。金眼の子供はなかなか生まれない。自身と同じように光があたれば煌めくような金髪の皇子は生まれてこなかった。
しかし、今回の火種であるキャスリーン第3皇女殿下(以下、皇女)は違った。彼女だけ、皇帝の髪色を引き継いだのだ。それはもう生まれた時から皇帝は皇女を可愛がった。
だが、彼女の母親の後ろ盾はとても弱かった。
母親は城に勤める下級貴族出身の侍女で皇帝がムラムラッとした際にお手つきにした女性だった。先代皇帝の時代であれば妊娠すればすぐに妃(以下、側妃)となるが、今代は手をつける女性の多さから男児を出産した女性に限り後宮に入ることになっていた。
女児の場合は子供だけ取り上げられ、子供がいる妃達に育てられる。産みの母親は一緒に暮らすことはない。
そんな環境の中生まれてきた皇女は皇帝の色を引き継いでいた。
それをきっかけに皇女の母親は特例の側妃として後宮に入った。日当たりの良い部屋を割り振られ、皇女に毎日会いにくる皇帝にも寵愛されるようになった。
が、後宮とは女の嫉妬が渦巻く場所。
後ろ盾がないに等しい皇女の母親は、彼女が3歳の時に儚くなった。
誰かに殺されたのか、病気だったのか。伯爵は語らなかったが、おそらく誰かに殺されたのだろう。
子供は等しく母親が住まう後宮で育てられる。それが通例であったが、皇帝は皇女を自身が住まう宮殿で育てると宣言をした。
これには周りが大慌て。皇后の立場もあるため、やめるように伯爵+その他大勢で説得するが皇帝は自分の考えを曲げない。
伯爵達の話も聞かず、彼は宮殿の敷地内に離宮を建て皇女を育てると宣言。その際に、乳母となったのは皇帝にお手つき経歴がある高位貴族の女性であった。名前をケリー夫人という。
ケリー夫人はとても不幸な方だ。政略結婚ではあるが貴族同士の結婚をして3日もしないうちに、同じ夜会に参加していた皇帝に襲われたらしい。皇帝ほんとひでー野郎だ。
一度だけだがお手つきをされたケリー夫人の子供は3人いるらしい。3人とも夫人または夫人の夫どちらかの色合いを引き継いで生まれてきたため現在も円満なご夫婦だそうだ。
さて、話を戻すと。皇帝はケリー夫人の2番目の子供(女児)が4歳であり、皇女と年が近い事や夫人の教育により4歳でありながらも貴族としても申し分ない教養を待っていることから、ケリー夫人の能力を見込んで乳母として雇ったそうだ。
彼女は皇帝に2度と抱かれないという条件をつけながらも、自身を襲った男の要求をのんだ。政治的な意味合いもあったそうだ。
皇帝の見込み通り、ケリー夫人は子育てがうまかった。そして彼女が育てている子供達同様、皇女殿下を慈しみ育てた。伯爵は彼女が嫌な性格であればどんなに良かったかと語る。
母親がいない皇女は父親のような自己中心的な考えをせず、誰かのために自分を犠牲にする事を厭わない、思いやりに溢れ、自身の立場におごらず家臣に接する事ができる女性に育った。
また、皇女は女性であってもどこか男性的な趣向の持ち主だった。だが、ケリー夫人はそれを咎めることなく皇女の意思を尊重して育てた。
スカートよりもズボンを好み、刺繍やダンスよりも剣術を好んだ。性格も凛々しく、大人の男性に混じって汗水を流し訓練する。
勉学は誰よりも真面目に取り組み、皇女より年上の皇子や皇女よりも優秀だった。そして、剣術の才能さえどの皇子よりも優秀だった。
この国で皇帝になれるのは男性のみ。どんなに優秀であっても皇女は決して皇帝にはなれない。
性別を間違えて生まれてきてしまった優秀な皇女。そう、周りの人々は口々に言っていた。
だが、何を考えたのか皇帝は彼女に帝王学を学ばせた。それも周りの反対を押し切って。剣術の才能あふれる彼女を軍務大臣に任命したのは、成人してすぐの頃だったそうだ。
性別は違えど扱いは皇太子同然。伯爵は皇帝に考えを改めるよう諫めたが、糠に釘。
皇帝曰く「我の色の持たぬものであっても、あの子より優秀であればよかったのだ」と言って悪びれる様子もなかった。
かといって、制度を見直し女性でも皇帝になれる道を作るのかと思いきや、そんな行動もしない。伯爵は皇帝を叱りに叱ったが、暖簾に腕押しだった。
そして皇女の特別扱いに後宮に住まう妃達とその子供達の堪忍袋がついに切れた。それが1年前。皇女が20になる前だった。
他の娘達は成人してすぐに同盟国に売り飛ばすように嫁がせるが、皇女はずっと手元に置き続けようとあの手この手で縁談を断ってゆく皇帝。
妃達の中には皇帝に無理やりお手つきにされ、妊娠し、子供が男児だったため側妃になった女性達がいる。彼女達の中には想い人や幼き頃から絆を深めた婚約者と泣く泣く離れたものも多かった。
なのに、生まれた子供は大切にされず…。
長年溜まりに溜まった不満が大爆発。むしろ今までよく我慢したよ…。
妃の中でも1番力の強い皇后は国内の公爵家出身。彼女は皇子を2人産んでいた。
その子供達も帝王学を学び、皇女ほどではなくとも優秀だった。皇女という比較対象がいなければ、この国の誉と褒め称えられたのは彼らだった。
また、皇后の子供達は30歳をこえ、すでに婚姻し子供もいた。皇家を存続させることを考えても、皇女よりも安定している存在だった。
何度も皇帝に息子を皇太子にするように願ったらしい。だが、皇帝はなかなか意見を曲げない。彼女のことを大事にしてくれる(無駄に女性の扱いが上手いゆえ女性達も強く言えない罠があるようだ)皇帝を信じ続けたが、周りの妃達の声もあり皇后が代表で行動を始めた。
それは皇女を亡き者にしようとする動きだった。
これを察知したのが伯爵だった。皇女の命がこのままでは危うく、儚くなってしまう。皇女を嫁がせ手放すか、皇子から皇太子を選ぶかどっちかせよと皇帝を脅したそうだ。
皇帝は愛娘が儚くなることを望んでおらず、渋々彼女の縁談を探した。その動きを察知した後宮の方々は、一旦出した刃物を下ろし状況を見守った。
が、ここで皇帝はまた悪あがきをし始めた。皇女の口癖である〈付き合いをするなら高め合える相手が良い〉という言葉を湾曲解釈し、〈皇女よりも強い相手〉を婚姻相手の対象とした。
皇女は自身の婚姻がなかなか決まらないことに疑問を感じていたが、特に気にしていなかった。皇帝に何か考えがあってのことだろうを思っていたそうだ。
なぜそれを伯爵が知っているかといえば、彼は皇女から話をきき彼女の好みや考えを調査していたからだ。
その結果、皇女は【恋愛】に興味がないことがわかった。
彼女の性的指向の対象は【男性】なのだが【恋愛】に全く興味がない。父親が決めた嫁ぎ先ならばなんでもいい。できれば自身よりも能力が高い相手であれば良い。それならば結婚後にでも何かの情は芽生えるだろうから。そのような考えで過ごしていた。
また自身が帝王学を学び、剣術を学び、他の皇子は任命されない大臣として働く事についてはこう言っていたそうだ。
〈適材適所だろう。私は兄上達と違い社交が苦手だ。国外での公務なんぞ、やりたくもない。だが兄上達は外交が得意だ。皇族としての役目をしっかりされていらっしゃる。役職に就かねば皇帝になれぬのか?そうではないだろう?私が帝王学や剣術を学べたのも、父上が柔軟な対応で私自身の才能を伸ばしてくださったからだ。女の身でありながらこれだけの知識を得られた私はとても幸福だ。長年我が儘をさせてもらったのだ。兄上達のどなたが皇帝になるのか、私にはわからないが必ず臣下としてお仕えしこの恩をお返しするつもりさ〉
伯爵は皇女を話をしたことで、決心したそうだ。
なんとしてもこの方を父親から引き剥がそうと。
12
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる