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31、空くんの苦痛を減らしたい。
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神山side
最近空くんが自分の気持ちを伝えてくれるようになった。
少しでも空くんの辛い気持ちを減らしてあげれたらいいな。
さっき名取先輩から空くんが熱を出したと連絡があったが、心配で寝ていてもいいから会いたいと思い病室に向かった。
ガラッ
空くんは寝ていると思っていたがまさか名取先輩も一緒のベッドで寝ているとは思わなかった。
起きるまでベッド横の椅子で待つことにした。
「んっ…うう゛う゛う゛…うう゛…」
「空くん?起きて、空くん、空くん……」
空くんが魘されていたため背中をさすり起こそうとした。
「あ、おはようございます。すみません、寝てました。ん?あ、空、起きろ~、よいっしょ、大丈夫、大丈夫、」
名取先輩が起きた。
俺の目線に気付き空くんを抱き上げた。
空くんはまだ寝ぼけている様子だったが、名取先輩の顔を見るとまた夢の中に入っていった。
「すみません、そこの体温計取ってもらってもいいですか?」
「あ、はい」
名取先輩は空くんの体温を測り、体温計を見つめていた。
「何度でしたか?」
「さっきよりは下がっていますが、まだ38.4度あります。幼い頃から1度熱が出るとなかなか治らないんですよね…原因はストレスかな……」
「ストレスが無くなるのは難しいですよね…」
「実は今朝もパニックを起こしてしまって、」
「原因は…?」
「熱が原因でした。家でよく熱を出していたのか、熱が出ていると知った途端フラッシュバックが起きて、」
「フラッシュバックって……どういう事が、」
「父親の声が聞こえるって言っていました。
今まではリストカットをして落ち着いていたんですが、この部屋に刃物が無いから耳を塞いで叫んで耐えていました。」
もうここは安全なのに…
空くんのお父さんが捕まっても空くんはお父さんから解放されていないんだな。
お父さんの声が聞こえるって辛いだろうな。考えるだけで胸がギュッと痛くなる。
何もしてあげれない自分が嫌だ。
空くんはどれだけの辛さを抱えているのだろう。
「神山先生……」
気付くと涙が頬を伝っていた。慌てて涙を拭った。
「すみません、俺が泣いても何も解決しないですよね。」
「いえ、そういえばこの前空が嬉しそうに話してくれました。神山先生が自分のために、自分の分涙を流してくれたって」
空くん、そんなふうに思ってくれてたんだ。良かった。
「でも、あまり溜め込みすぎないようにしてください。
空が一人じゃないように、神山先生にも私たちがついているので、いつでも頼ってきてください。」
「ありがとうごさいます。」
名取先輩の言葉がとても温かかった。
空くんの優しさは名取先輩に似ているのかな。
昼になり、空くんが起きた。
今日から城崎と同じように空くんと同じご飯を食べることにした。
「「いただきます」」
空くんはスプーンを持っている名取先輩を嫌な顔で見ている。
「自分で食べたい。」
「熱の時くらい甘えていいんだぞ、ほら、あーん」
「自分で食べる。もうギブス外れたし食べれる。」
今朝右腕のギブスが外れたらしい。
「はぁ、分かったよ。はい、」
名取先輩は渋々スプーンを空くんに渡した。
「あーあ、最近空が俺に冷たいな~もっと甘えてくれてもいいのに。寂しいなぁ~、あ~もっとお兄ちゃんしたいな~」
空くんはお腹が空いていたのだろう。
名取先輩も声に耳を傾けることなく黙々と食べていた。
「空くん、美味しい?無理しなくていいからね。」
「うん!!美味しい!!大丈夫!!昨日城崎先生と食べて完食できたから!」
昨日完食できたことが空くんの自信になったんだな。
名取先輩はちょっと拗ねながらも空くんの様子を見ていた。
「ごちそうさま!!」
熱が出ていたからご飯は少なめだったがそれにしても食べ終えるのが早かった。
「ゆっくり食べないと喉詰めるぞ、」
「はーい」
名取先輩の注意に軽く返事をした。
俺に完食できたことを褒めてほしいのだろう。
キラキラした目で見つめられている。
「空くん、すごいね!!全部食べれたね!!」
空くんを褒め頭を撫でると、しっぽが生えているのか疑うほど喜びが伝わってきた。
「神山先生、明日も一緒に食べれる?」
「うん、食べれるよ!楽しみだね。」
「うん!!」
やっぱり1人より2人で食べる方が美味しいよね。
俺もいつも1人で食べているから一緒に食べれるのが嬉しかった。
最近空くんが自分の気持ちを伝えてくれるようになった。
少しでも空くんの辛い気持ちを減らしてあげれたらいいな。
さっき名取先輩から空くんが熱を出したと連絡があったが、心配で寝ていてもいいから会いたいと思い病室に向かった。
ガラッ
空くんは寝ていると思っていたがまさか名取先輩も一緒のベッドで寝ているとは思わなかった。
起きるまでベッド横の椅子で待つことにした。
「んっ…うう゛う゛う゛…うう゛…」
「空くん?起きて、空くん、空くん……」
空くんが魘されていたため背中をさすり起こそうとした。
「あ、おはようございます。すみません、寝てました。ん?あ、空、起きろ~、よいっしょ、大丈夫、大丈夫、」
名取先輩が起きた。
俺の目線に気付き空くんを抱き上げた。
空くんはまだ寝ぼけている様子だったが、名取先輩の顔を見るとまた夢の中に入っていった。
「すみません、そこの体温計取ってもらってもいいですか?」
「あ、はい」
名取先輩は空くんの体温を測り、体温計を見つめていた。
「何度でしたか?」
「さっきよりは下がっていますが、まだ38.4度あります。幼い頃から1度熱が出るとなかなか治らないんですよね…原因はストレスかな……」
「ストレスが無くなるのは難しいですよね…」
「実は今朝もパニックを起こしてしまって、」
「原因は…?」
「熱が原因でした。家でよく熱を出していたのか、熱が出ていると知った途端フラッシュバックが起きて、」
「フラッシュバックって……どういう事が、」
「父親の声が聞こえるって言っていました。
今まではリストカットをして落ち着いていたんですが、この部屋に刃物が無いから耳を塞いで叫んで耐えていました。」
もうここは安全なのに…
空くんのお父さんが捕まっても空くんはお父さんから解放されていないんだな。
お父さんの声が聞こえるって辛いだろうな。考えるだけで胸がギュッと痛くなる。
何もしてあげれない自分が嫌だ。
空くんはどれだけの辛さを抱えているのだろう。
「神山先生……」
気付くと涙が頬を伝っていた。慌てて涙を拭った。
「すみません、俺が泣いても何も解決しないですよね。」
「いえ、そういえばこの前空が嬉しそうに話してくれました。神山先生が自分のために、自分の分涙を流してくれたって」
空くん、そんなふうに思ってくれてたんだ。良かった。
「でも、あまり溜め込みすぎないようにしてください。
空が一人じゃないように、神山先生にも私たちがついているので、いつでも頼ってきてください。」
「ありがとうごさいます。」
名取先輩の言葉がとても温かかった。
空くんの優しさは名取先輩に似ているのかな。
昼になり、空くんが起きた。
今日から城崎と同じように空くんと同じご飯を食べることにした。
「「いただきます」」
空くんはスプーンを持っている名取先輩を嫌な顔で見ている。
「自分で食べたい。」
「熱の時くらい甘えていいんだぞ、ほら、あーん」
「自分で食べる。もうギブス外れたし食べれる。」
今朝右腕のギブスが外れたらしい。
「はぁ、分かったよ。はい、」
名取先輩は渋々スプーンを空くんに渡した。
「あーあ、最近空が俺に冷たいな~もっと甘えてくれてもいいのに。寂しいなぁ~、あ~もっとお兄ちゃんしたいな~」
空くんはお腹が空いていたのだろう。
名取先輩も声に耳を傾けることなく黙々と食べていた。
「空くん、美味しい?無理しなくていいからね。」
「うん!!美味しい!!大丈夫!!昨日城崎先生と食べて完食できたから!」
昨日完食できたことが空くんの自信になったんだな。
名取先輩はちょっと拗ねながらも空くんの様子を見ていた。
「ごちそうさま!!」
熱が出ていたからご飯は少なめだったがそれにしても食べ終えるのが早かった。
「ゆっくり食べないと喉詰めるぞ、」
「はーい」
名取先輩の注意に軽く返事をした。
俺に完食できたことを褒めてほしいのだろう。
キラキラした目で見つめられている。
「空くん、すごいね!!全部食べれたね!!」
空くんを褒め頭を撫でると、しっぽが生えているのか疑うほど喜びが伝わってきた。
「神山先生、明日も一緒に食べれる?」
「うん、食べれるよ!楽しみだね。」
「うん!!」
やっぱり1人より2人で食べる方が美味しいよね。
俺もいつも1人で食べているから一緒に食べれるのが嬉しかった。
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