ホントの気持ち

神娘

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56、同じ男の人だから…

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空side

「ん…朝…?」

あれ?確か…城崎先生と話してて…陽ちゃんが来て…
それからどうしたんだっけ…



ガラッ
「おはよう、調子どう?苦しいとかある?」

苦しい?なんでそんなこと聞いてくるんだろう。

「え、あ、おはよう。大丈夫だよ」

陽ちゃんを安心させるためニコッと笑った。

「無理に笑わなくていいよ。
実は城崎先生に聞いたんだ、退院のこと不安に思ってるんだって?気付いてやれなくてごめんな、」

「うーうん、城崎先生がさすってくれたから痛いの治ったんだ。だからもう大丈夫だよ。」

「どこか痛かったのか?」

「え?あ!」

やばい!陽ちゃんには隠してたのに言っちゃった…
どうしよう…えっと…えっと…

「俺にはそういうの言いづらいか?」

「え?」

「俺には痛いとか辛いとかあんまり言ってくれないから、本当は医者だから言われなくても気付いてやらないといけないんだろうけど…」

「ごめんなさい。」

陽ちゃんの辛そうな顔見たくない…僕のせいで…

「僕…退院したくて…だから痛いの言ったらまた入院なると思って…言えなくて…ごめんなさい。」

日本語がぐちゃぐちゃで詰まりながらも一生懸命気持ちを伝えた。
陽ちゃんは最後までしっかりと聞いてくれた。

…陽ちゃんが次に言う言葉が聞きたいのに…拒絶する自分がいる。
怖い…陽ちゃんに怒られたくなくて陽ちゃんが何か言う前に笑顔で話題を変えた。

「お腹空いたね!今日の朝ごはん何かな?」

「空、ちゃんとお話しよ。」

陽ちゃんは僕の目を見て言ってきた。

「……」

「手、震えてる。俺のこと、怖い?」

「怖くないよ!大丈夫、大丈夫だよ!…」

自分の気持ちを笑顔で隠した。

「だから、無理に笑わなくていいって、」

ビクッ

「ごめん…なさい…ごめんなさい。…」

どうしよう、さっきも言われたのに…もう守れなかった…
怒らせたくないのに…



「ごめん、違う。怒ってるんじゃなくて。
空に無理してほしくなくて。ごめんな。
大丈夫、大丈夫だからな。」

陽ちゃんは優しく抱きしめ落ち着くように背中をさすってくれた。



僕は…陽ちゃんが怖いんじゃない…
陽ちゃんが優しいのは知ってる…
…でも…いつかは父さんみたいに…だから…

「嫌われたくない…」

「え?」

嫌いになったら…父さんみたいになっちゃうでしょ…

「俺は空のこと好きだよ。どうしてそう思う?」

「そっか、良かった。…」

「嫌いになったら殴ると思った?」

「え…」

「城崎先生から聞いた。
大人の男だからお父さんと同じことするって空が思ってるって…」

「えっと…えっと…陽ちゃんが優しいのは知って…それで…それで…」

「でも、お父さんと重ねちゃう。
それは仕方ないよ。親は子どもにとってそれだけ大きい存在だから。
難しいことだけど、少しずつでいい、少しずつでいいから空が俺らのこと信じられたらいいなって思ってる。」



父さんと同じって言ったら…怒られると思った…
でも陽ちゃんは違った…
少しずつ…少しずつなら僕にもできるかな…
信じたいな…僕も…

「頑張る…」

「頑張らなくていいよ。
空はもう十分頑張ったからこれからはゆっくりやっていこう。」

「うん、」

陽ちゃんの言葉一つ一つが心を温かくさせた。
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