ホントの気持ち

神娘

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69、おいしい

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空side

どうしたらいいんだろう…先生達がこっちを見ているのは分かる…
でも、どうしたらいいかが分からない…
どうしたらいい子だって思ってくれるだろう…

みんなは今…怒ってるのかな…

怖くて先生達の顔が見れないから怒ってるかどうか分からない…


「空くん?…しんどい?」


「……ごめん…なさい」


「え?どうしたの?何かあった?」

神山先生は膝をつき目線を合わせてくれているのにそれでも目を見ることができない。

怖い…先生が優しいことは知ってるはずなのに…
どうしたらいいか分からず体をこわばらせた。
握りしめた手は手のひらに爪がくい込み痛かったが、それよりも胸をぎゅーっと締め付ける痛みの方が強い。




「夕紀、俺らは誰も怒ってないぞ。大丈夫、大丈夫だからな。」

城崎先生は力の入った肩をそっと撫でてくれた。
徐々に体の力が抜けていった。


「とりあえず座って温かいものでも飲もうか。」

神山先生がホットミルクを片手に提案した。

「そうだな、夕紀、おいで。」





ソファーの前のホットカーペットの上に座った。
ベランダが見えない席に促された。
ソファーでは陽ちゃんが寝ている。

あ、僕がベット使っちゃってたからか…悪いことしちゃったな…
後で謝らないと…




「自らリビングに出てくるなんて凄いな、頑張ったな!」
城崎先生は僕の頭をワシャワシャしながら褒めてくれた。

今は少し落ち着いたが出る時は本当に恐怖しか無かった。
自分の頑張りを認めてくれたことが嬉しくて城崎先生の顔を見た。

「今日初めて顔見てくれた。」

確かに今日はずっとみんなと目を合わせるのが怖くて顔を背けていたかもしれない。




病院では普通に話せていたのに何故だろういつものように話すことができない。
何を話したらいいんだろう。
どれだけ考えても分からなくて、袖をギュッと掴んだ。


「そんなに緊張しなくても、こっちおいで。」

城崎先生は両手を大きく広げてきた。
何をしたらいいんだろう?
おいでってことは行ったらいいの?
そう思い城崎先生に近づくと優しくギューっと抱きしめてくれた。
この温もり、
先生達にはよくハグしてもらう。
いつもこの温もりには安心する。


しばらく城崎先生の胸でうとうとしていると、キッチンでお湯が沸騰する音が聞こえた。

「あ、お湯沸かしてたの忘れてた。夕紀お引越し~」
っと言って、神山先生の膝の上に乗せられた。


「空くんちょっと重くなったね。」

「ごめんなさい、降りる…」

「あっ!!違うよ、そういう意味じゃなくてちゃんとご飯食べれてるんだなって思っただけ。ごめんね、」

神山先生は慌てて訂正した。

ご飯かぁ、そういえば今日は何も食べてないな…
せっかく作ってもらったお粥も…

「お粥…作ってくれたのに食べれなくてごめんなさい。」


「夕紀、今は?お腹空いてる?」
城崎先生がキッチンから聞いてきた。


「……」

ちょっとはお腹空いてるけど、そんなに空いてない。
もし空いてると言って作ってもらってもちゃんと食べられる自信がない…

「あんまり空いてないかな?」

神山先生が優しく問いかけた。

「うん…ごめんなさい」

「謝ることじゃないよ。
退院したばかりで色々しんどいんだよね。」

神山先生は何も言わなくてもいつも気づいてくれる。

「じゃあご飯は無理でもこんな物だったら食べれたりするかな?」

神山先生の手に持っているものは俺の大好きなマシュマロだった。

先生、僕がマシュマロ好きなの覚えててくれてたの?

「マシュマロ、」

俺は嬉しさのあまり自然と口角が上がっていた。


「ホントに好きなんだね。これなら食べれそう?」

僕はすぐに首を縦の振った。
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