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96、気持ちを肯定
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名取side
インターフォンが鳴った途端目を泳がせ体を強ばらせていた。
病院では俺たち以外にも看護師と少し関わってはいたが、いつもの作り笑顔で心を閉ざしていた。
やっぱりまだ知らない人は怖いんだろうな。
荷物をリビングに置き、静かに寝室を開ける。
「空くん泣かせちゃいました。」
「すみません、起こしちゃって、配達の人が怖かったみたいで、」
「そうだったんですか、昨日の探検頑張ったね。って言ったら泣いちゃって、」
「多分、頑張ったって認めてもらって嬉しかったんだと思いますよ。ありがとうございます。」
「いえいえ、俺は自分の気持ち言っただけなので、そういや配達って何か頼んでたんですか?」
「空と交換ノートしようと思って、そのノートが届いたんですよ。
文字なら弱音吐いてくれるかなって思って、
実は昨日、紙に弱音を書いて吐き出そうとしてたんです。だから、口から弱音を吐くことは難しくても文字ならできるかもしれない。って話しになって、」
「なるほど、文字いいですね。
俺がそうなんですけど、弱音を吐くことって自分の中に秘めてる辛い気持ちを辛いって肯定するみたいで余計ストレスが溜まっちゃうんですよね。
しかも、相談相手が大切な人だったら余計言いづらくなっちゃうんですよね。
でも、文字ならちょっと気軽に言えるかもしれないですね。」
「神山先生もそうなんですか、
辛いを肯定するですか…確かに空もそうかもしれないです。
本当に辛い時は絶対『大丈夫』を自分に言い聞かせるみたいに繰り返すんです。
本当は辛いって言いたいけど言ったら心が潰れてしまいそうなんだな。って思うんですよ…」
インターフォンが鳴った途端目を泳がせ体を強ばらせていた。
病院では俺たち以外にも看護師と少し関わってはいたが、いつもの作り笑顔で心を閉ざしていた。
やっぱりまだ知らない人は怖いんだろうな。
荷物をリビングに置き、静かに寝室を開ける。
「空くん泣かせちゃいました。」
「すみません、起こしちゃって、配達の人が怖かったみたいで、」
「そうだったんですか、昨日の探検頑張ったね。って言ったら泣いちゃって、」
「多分、頑張ったって認めてもらって嬉しかったんだと思いますよ。ありがとうございます。」
「いえいえ、俺は自分の気持ち言っただけなので、そういや配達って何か頼んでたんですか?」
「空と交換ノートしようと思って、そのノートが届いたんですよ。
文字なら弱音吐いてくれるかなって思って、
実は昨日、紙に弱音を書いて吐き出そうとしてたんです。だから、口から弱音を吐くことは難しくても文字ならできるかもしれない。って話しになって、」
「なるほど、文字いいですね。
俺がそうなんですけど、弱音を吐くことって自分の中に秘めてる辛い気持ちを辛いって肯定するみたいで余計ストレスが溜まっちゃうんですよね。
しかも、相談相手が大切な人だったら余計言いづらくなっちゃうんですよね。
でも、文字ならちょっと気軽に言えるかもしれないですね。」
「神山先生もそうなんですか、
辛いを肯定するですか…確かに空もそうかもしれないです。
本当に辛い時は絶対『大丈夫』を自分に言い聞かせるみたいに繰り返すんです。
本当は辛いって言いたいけど言ったら心が潰れてしまいそうなんだな。って思うんですよ…」
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