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《319》放棄
しおりを挟む「どちらでもそのあの、歓迎すぎます!おふたりが、決めてください」
歓迎すぎるとは。何言ってるんだ、このちんちくりん野郎。身の程を知れ。大声で自分自身をけなしたいのをこらえ、立ち上がる。
必殺・責任放棄だ。
ノワは逃げるようにして部屋を後にした。
嫌悪感は微塵もない。
そう、無駄なことは考えずに、彼らに身を委ねればいい。
元より聖徒である自分に、行為を拒んだりする権利はないだろう。
(何、女々しいこと考えてるんだろう)
彼らは自分を愛してくれて、身体を求めてくれている。
この上ない幸せじゃないか。
ノワは考える事を放棄した。
召使いたちはいつもより入念にノワの手入れをした。
爪を切り、先は柔らかい曲線になるまで削られる。髪の先から身体中に香油を馴染まされ、際どいところの清掃中、便意を訴えたら、歳のとった女中に生ぬるい目で見られた。
最後には潤滑油の入った容器を手渡された。
ノズルの口径が細く、スポイトみたいな形をしている。
たぶん、肛門に刺して液体を注入するのだろう。
「これ、入れるの?」
恥じらいを捨てて聞くと、相手は痛みをもよおさないためだとかナントカとしどろもどろに答え、部屋を出ていってしまう。
一人になったノワは、部屋の中を彷徨いてから、最終的にベットへ落ち着いた。
心臓が口から飛び出しそうだ。
そもそも自分は、まず、何をしたらいいのだろう?
召使いたちも召使いたちだ。ここまで入念に支度して、それじゃああとは頑張ってくださいだなんて、無情にも程がある。
ノワは道理の立たない不平不満を脳内でボヤいた。
手に持った容器を降ってみる。
チャポチャポと音がする。中には、粘り気のある透明な液体が入っていた。
「··········」
本当に、全部夢みたいだ。
ノワはベットの中央に移動し、スリーパーを持ち上げた。
膝立ちになって、尻を突き出す。後ろ手に肛門を探し当て、一度深く深呼吸した。
こんな所を、フィアンやユージーンに弄らせるわけにはいかない。
「·····っ」
割れ目にノズルを突き刺す。
本来排泄をするための場所に異物が食い込む。
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