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〖第七話〗

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尻の穴に、熱く湿ったものが当てられた。


そんな所に何かを入れるなんて、想像さえしていなかった。


そもそも挿入るのだろうか。きっと、とても痛いに決まってる。


ネロは、両耳元のシーツをきつく握りしめた。



しかし、痛みは待てどもやってこない。



「····本当に慣れているのか?」



イヴァンが問いかける。


ネロの片手が、彼の手に包まれる。


柔らかい手は、小刻みに震えていた。


ネロは弱く首を横に振った。



「··········。」



イヴァンがため息をつく。少し痛いぞと忠告した彼は、ネロの服を脱がせた。



「あっ」



中指が肛門にあてられ、ゆっくりと押し込まれてゆく。


ネロは不安げにイヴァンを見上げた。



「ぁ·····っ」


息を吸って、吐く。少し楽になると、人差し指も押し込まれた。


「んん·····っ」


異物感が動き出す。
ネロは、こわい、と呟いた。



「力を抜け」



静かな声が命令する。
部屋な感じだ。


一定の箇所を擦られると、意図せず身体が反れた。



「あっ·····?はぁ、········んっ·····」



同じ場所を叩かれる。むず痒い焦れったさを感じた。イヴァンの腕に手をやり、ネロは小さく首を振った。



「気持ちいいのか?」



止めて欲しくて腕を支えたはずが 、彼は「ほら」と速度をあげてそこを叩いた。



「ふぁっ?·····あっ、ぁ、やっ·····ぁんっ」



ナカはネロの意思を無視して震え上がる。ピンと立った陰茎は、涎を垂らしていた。


指が抜かれ、休むまもなく、大きな物質をねじ込まれた。



「あ、ぁあ…!?」



ネロの身体がそれる。半開きになった口元からは、唾液が溢れ出た。


深く突き刺された棒は、ドクドクと脈打っていた。
驚くほど硬くて、熱い。ネロは、腹のそこから伝わる振動に慌てふためいた。



「·····本当に初物なんだな」



イヴァンの声は、上擦っていた。



濡れた男の声だ。
ネロは無意識にナカを締め付けた。


「ひぃ·····!」


大きく引き抜かれ再び押し込まれた棒に、泣きそうなあえぎ声をもらす。



「い、たぃ·····!·····あ·····っ」



激痛に構わず、ナカは勝手に力を入れ、イヴァンを引き込もうとした。


痛みを訴える声はやがて甘く愚図り出す。下唇を噛むが、口元は一突きされれば直ぐに緩まった。



「ひぃ…っ!い、たぁ…っあ"んっ♥」



目の前でチカチカと火花が散った。



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