【完結】高嶺のバスケ部主将(ヤンデレ後輩&不良後輩×世話焼き先輩)

亜依流.@.@

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第七章

《第41話》雨の学校

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ぱちゅん、と少し乱暴に奥を突かれる。
姫宮の体は大きく仰け反った。

ぶっ壊して、何もかもダメにしてしまいたい。


「んっ!ん、っ、んぅっ」


何度も奥をうちつける。
咥えさせられたネクタイを濡らしながら溢れる喘ぎ声が、部屋を淫らに彩る。

予告も無く、奥へ白濁を流し込む。
姫宮のナカが一際素早く痙攣した。


「···中出しされて、イったんすか?」


綺麗な記憶の、雲の上にいたような人。
本当はこんな風に、手篭めにしたかった。
───こんなふうに?


「ありえねえ」


嘲笑するように呟く。
何度も夢に見た光景。
夢とは比べ物にならないほど恍惚で、有罪的だ。


「んっ···ふ、ぅ···」


弱々しく惚けられていた目が、一瞬、強くこちらを睨みつける。
まだそんな顔をする余裕があったらしい。
快感が駆け抜ける一方、強い視線に射抜かれ、ギクリとする。


「くそが·····」

「ンっ!ん、っん、んぅ」


ナカを擦ってやると、姫宮はたちまち泣き出しそうな、気持ちよさそうな顔をした。


「アンタ、自分がどんな顔してケツに後輩のちんこ突っ込まれてるか分かってる?」


ほら、と、根元まで押し込んで、顔を覗き込む。
顔を背けながら、それでもさらに濃くなる濡れた瞳が、酷くいやらしい。

望んでいた事のはずだ。
彼の身体を好きに貪って、自分の印を刻む。
何度も何度も、何度も夢に見た事だ。

それなのに、どうしてこんなにも、虚しいんだ?






















「君、大丈夫か?」


声をかけられ、おもむろに顔を上げる。

暗くてよく見えない。
不意に、明るい光がこちらを照らした。

目を細めると、光は別の方向へ行った。
懐中電灯が、持ち主の顔を照らす。
警備服を着た50代後半ほどの男性だった。

彼はこちらを見、シワの寄った目を見開いた。


「こんなとこでずぶ濡れで···何やってんだ。早く帰りなさい」

「·····」


庵野はしばらく彼をぼうっと見ていて、やはりおもむろに腕時計を見下ろす。
時刻は22時を回っていた。
いつの間にか時が経っていたらしい。


「あんたといいさっきの兄ちゃんといい、いい男が揃いも揃って何してんだか···」


警備員の呟きに、庵野は再び彼の方を見る。
レインコートを被っているにもかかわらず、警備員の顔ずぶ濡れだった。


「さっきの?」

「校内の見回りをしてたら、偉い見た目の綺麗な兄ちゃんが廊下にしゃがみこんでて」


おまけにシャツのボタンはかけ違えてるし真っ青な顔で、あんまり整ってるもんだからとうとう化けてでたのかと思った。そう話す警備員の肩を、庵野は強く掴んだ。


「彼はどこへ?」

「え?あ、ああ、職員室の裏口の方から、外に出したよ···」


言葉を聞き終わる前に、庵野は駆け出していた。

ぬかるんだ土を踏んで、前のめりに倒れ込む。
長時間雨に濡れていたせいか、足の感覚が乏しかった。

前を向いたまま機械的に立ち上がり、再び走り出す。
全身ずぶ濡れで、髪もぐちゃぐちゃだ。
おまけにぬかるんだ地面に転んだので、所々土がこびりついた。

気にしている余裕もなく、校舎を外側から周り、裏門の方へ駆けた。

何を弱気になっていたんだ。
目が覚めるような気がした。

絶対に諦めてやるもんか。
あなたがいればもう、なんだって構わない。
あなたがいる限り、希望は決して捨てない。

大粒の雨が視界を邪魔する。
裏門から続いている公園の方へ、目を凝らす。
人影を見つけた。

公園の入口をくぐり、広場の中央へ、足を止めることなく進む。


「·····」


相手がこちらを向いた。
ピクリとも動かないが、確かにこちらをじっと見ていた。
徐々に、庵野の足は勢いを無くす。

とうとう、ゆっくりと歩いていた足が、ピタリと止まった。
庵野と相手の距離は、約5メートル。
濡れた黒髪の間から、目つきの悪い瞳が覗いた。


「·····──こにいる?」


庵野が呟く。
シャツに、血が滲んでいるのが見える。
それが彼の血でないことは、すぐに理解出来た。







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