110 / 123
4章
110話
しおりを挟む
「今は営業中だ。客もいるから出直してくれないか?」
神城は睨みながら二人組に向けて言い放つ。
「おやおや、こんなゴミ溜めに客なんかくるですね。
さっさと払うもん払ってくれれば出て行きますよ?」
中年の禿げ上がった男が下品な笑い声を上げながら近くにあった机に座る。
明らかに堅気のものではない。
店の入り口には他にも数名の人の反応がある。
一郎はいつでも反撃にできるように外に放っている鳥を配置した。
二人組を鑑定してみるとステータスは大したことない。おそらく神城だけでも何とかなるだろう。
しかし店の周囲にいる輩がなだれ込んで来たら厄介である。
相手のペースに飲まれないように、一郎は険悪な雰囲気を無視して追加で料理を注文する。
「すいません。エールのおかわりとこの料理追加でください。
そこのお二人さんにも何か飲みませんか一杯おごりますよ?」
「あ?空気読まないやつだな兄貴はビジネスの話をしてるんだ。痛い目見る前に立ち去れ」
上半身裸の男が凄んでくる。
一郎は店の外の鳥を使い入り口前を張っていた輩にちょっかいを出させる。
慌ただしくなる店の外に店内にいた二人組の注意が向いた瞬間、一郎は素早く赤いフルプレートアーマーを装備したレッドス
ケルトンの兵を2体ほど召喚した。
二人組が一郎に目を戻すと目の前にはフルプレートアーマーの騎士が立っている。
どうやら状況が飲み込めないようだ。
「とりあえず何飲みますか?」
一郎は営業スマイルで二人組に話しかける。
「じゃあエールで…」
半ば強制的にカウンターに座らせる。座った際に死角から更にフルプレートアーマーの骸の兵を召喚し、店内はフルアーマーを装備した骸の兵で満席になっていた。
入り口にも二体立たせ、人が入ることも出ることもできない状況を作る。
おそらく二人組の仲間であろう人間も流石に遠巻きに状況を確認しているにとどまっている。
「では乾杯でもしましょうか?あっ自己紹介を忘れてました。私は鈴木 一郎“骸の王”と最近呼ばれているしがない傭兵です。どうぞ宜しく」
上半身裸の男が顔を青くなった。
「あんたまさか以前ワイルドランス国に喧嘩売ってたひとかい?」
「あぁそんなこともありましたね…まぁ飲みましょう。そうだ。あなた達の事も話してください」
みじかな悲鳴とともに二人組は酒を飲みはじめた。
その後、フルプレートアーマーを装備した骸の兵で威圧しながら、二人組が所属している組織を根掘り葉掘り質問していく。
この二人組が所属している組織はセントフリーとワイルドランスを縄張りに悪どい商売を行なっている高利貸であった。
そして被害を受けている一つがこの店である。
「ふむふむ確かに借りた金は返さないといけませんね。私も協力しましょう。」
笑顔で答える一郎に二人組は唖然とする。
「へ?今なんて?」
「私も取り立ての手伝いをします。報酬はそうですね…今日の食事代でどうでしょう」
2人組の血の気が戻った。今まで生きた心地がしなかったのだろう。
しまいには一郎の事を兄貴とまで呼び始めた。
「私は傭兵なのでギルドを通すことになるますがよろしいですか?」
「あぁでは手下の1人にギルドの顔見知りを連れてこさせる」
上半身裸の男が声を張り上げ店の外の子分を呼んだ。
一郎は躯の兵を移動させ、道を開ける。
子分はオドオドしながら店内に入り、中年の男に支持されると一目散に走っていった。
「では私はちょと料理馬の様子を見て来ます」
一郎は厨房で状況をのぞいていた神城と女性のところにいき説教じみた恫喝を行う。
それと同時に一郎は紙に日本語でこれからの計画を書き始める。
神城は紙に書かれた内容を読み思わず吹だし親指を立てるのであった。
神城は睨みながら二人組に向けて言い放つ。
「おやおや、こんなゴミ溜めに客なんかくるですね。
さっさと払うもん払ってくれれば出て行きますよ?」
中年の禿げ上がった男が下品な笑い声を上げながら近くにあった机に座る。
明らかに堅気のものではない。
店の入り口には他にも数名の人の反応がある。
一郎はいつでも反撃にできるように外に放っている鳥を配置した。
二人組を鑑定してみるとステータスは大したことない。おそらく神城だけでも何とかなるだろう。
しかし店の周囲にいる輩がなだれ込んで来たら厄介である。
相手のペースに飲まれないように、一郎は険悪な雰囲気を無視して追加で料理を注文する。
「すいません。エールのおかわりとこの料理追加でください。
そこのお二人さんにも何か飲みませんか一杯おごりますよ?」
「あ?空気読まないやつだな兄貴はビジネスの話をしてるんだ。痛い目見る前に立ち去れ」
上半身裸の男が凄んでくる。
一郎は店の外の鳥を使い入り口前を張っていた輩にちょっかいを出させる。
慌ただしくなる店の外に店内にいた二人組の注意が向いた瞬間、一郎は素早く赤いフルプレートアーマーを装備したレッドス
ケルトンの兵を2体ほど召喚した。
二人組が一郎に目を戻すと目の前にはフルプレートアーマーの騎士が立っている。
どうやら状況が飲み込めないようだ。
「とりあえず何飲みますか?」
一郎は営業スマイルで二人組に話しかける。
「じゃあエールで…」
半ば強制的にカウンターに座らせる。座った際に死角から更にフルプレートアーマーの骸の兵を召喚し、店内はフルアーマーを装備した骸の兵で満席になっていた。
入り口にも二体立たせ、人が入ることも出ることもできない状況を作る。
おそらく二人組の仲間であろう人間も流石に遠巻きに状況を確認しているにとどまっている。
「では乾杯でもしましょうか?あっ自己紹介を忘れてました。私は鈴木 一郎“骸の王”と最近呼ばれているしがない傭兵です。どうぞ宜しく」
上半身裸の男が顔を青くなった。
「あんたまさか以前ワイルドランス国に喧嘩売ってたひとかい?」
「あぁそんなこともありましたね…まぁ飲みましょう。そうだ。あなた達の事も話してください」
みじかな悲鳴とともに二人組は酒を飲みはじめた。
その後、フルプレートアーマーを装備した骸の兵で威圧しながら、二人組が所属している組織を根掘り葉掘り質問していく。
この二人組が所属している組織はセントフリーとワイルドランスを縄張りに悪どい商売を行なっている高利貸であった。
そして被害を受けている一つがこの店である。
「ふむふむ確かに借りた金は返さないといけませんね。私も協力しましょう。」
笑顔で答える一郎に二人組は唖然とする。
「へ?今なんて?」
「私も取り立ての手伝いをします。報酬はそうですね…今日の食事代でどうでしょう」
2人組の血の気が戻った。今まで生きた心地がしなかったのだろう。
しまいには一郎の事を兄貴とまで呼び始めた。
「私は傭兵なのでギルドを通すことになるますがよろしいですか?」
「あぁでは手下の1人にギルドの顔見知りを連れてこさせる」
上半身裸の男が声を張り上げ店の外の子分を呼んだ。
一郎は躯の兵を移動させ、道を開ける。
子分はオドオドしながら店内に入り、中年の男に支持されると一目散に走っていった。
「では私はちょと料理馬の様子を見て来ます」
一郎は厨房で状況をのぞいていた神城と女性のところにいき説教じみた恫喝を行う。
それと同時に一郎は紙に日本語でこれからの計画を書き始める。
神城は紙に書かれた内容を読み思わず吹だし親指を立てるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる