骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

文字の大きさ
8 / 123
1章

8話

しおりを挟む
一郎が用意したのはサンドイッチと色々な野菜の入ったスープだった。

普通モンスターの徘徊する森の中ではこんなに悠長に食事はできない。

見張りを立たせ交代で食事を取るのが普通である。

しかし一郎は公園でピクニックをするかの如くリラックスして食事をとっている。

ミアが索敵で探って見てもモンスターの気配が感じられなかった。

それどころかこの森に入ってから一度も一郎のスケルトン以外モンスターの気配が感じられない。

ミアはサンドイッチをほうばる一郎に対して質問する。
「色々と聞きたいことがあるんだけど、一郎の戦い方は異常だよ?
5~10人位でPT組んで森の中を索敵しながら行うのに、一郎は一人でモンスター倒してるよね?
しかも当の本人はその場からほとんど動かず使役したスケルトンの軍団が倒していくって今まで聞いたことないんだけど・・・
スケルトンの残骸ないし恐ろしく殲滅スピード早いし、私が来た時もあらかじめわかってたよね?
てか私PTにいる意味ある?索敵もせず永遠と耳と貴金属の回収って・・・」

「まぁゴブリン殲滅の際はいつもこんな感じなので慣れていただければ・・・
私のスケルトンは物の価値がわからないのと手先が器用ではありません。
耳や貴金属の判別ができませんので、ミアさんと組んだおかげで随分と助かってます。
今まで指揮しながら回収していたので効率が悪かったんですよ。
おかげでいつもより良いペースで倒せてます」

「そ…そうそれは良かったわね。この後はどうするの?このまま討伐終わるとなんか悪い気がする・・・」

「そうですね。ではこの辺のモンスターは狩り尽くしたので、このキノコと木ノ実を2時間ほど採取お願いしてもよろしいですか?私は試したいことがあるのでそれ終わったら早めに街に戻りましょう」

一郎が毒々しいキノコと赤い木ノ実の見本を見せて来た。

「わかったわ。こちらも戦闘なしで楽させてもらってるし採取しておくわ」

食事の終わった。ミアは一郎から手渡された袋を持って森の中に入っていった。

一郎はミアが森で採取をしているのを遠隔指揮で確認し早速実験行う。

今までは一つの屍に対して一体のアンデットであったが、闇魔法が中級に上がったことにより鑑定の結果から複数の屍を使って中級のアンデットを使役できるようになっていた。

早速ゴブリンの死体を5体を生贄に一体のアンデットを作るようにクリエイティブアンデットを行うと全身が赤い黒いスケルトンが現れた。
ゴブリンのように小柄でわなく、一般男性並みの大きさと手には片手斧と楕円形の小柄のバックラー装備している。

鑑定を行うと

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
氏名 無し
種族 スケルトン(ブラッドスケルトン)
HP 200
MP 0
スケルトンの3倍のスピードで動ける高機動スケルトン。戦闘技術も普通のスケルトンとは比べ物にならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どこぞのロボットアニメのようなスケルトンが使役された。

闇魔法が中級になってから普通のスケルトンも一般男性の駈歩程度の移動速度に上がった。

今までは機動力の遅さで戦術に制限があったが、これからは数にものを言わせた集団戦だけでなく少数の奇襲も可能になった。

その後屍体の数を増やして闇魔法を試したところ50体の屍を生贄にして使役した時に
成人男性の3倍の大きさの黒色全身真っ黒のスケルトンが現れた。

鑑定を行うと

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
氏名 無し
種族 スケルトン(ブラックスケルトン)
HP1000
MP0
スキル自己再生
足が遅いが力が強く頑丈、近くに屍がある場合糧にして自己再生を行う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんかすごいのができた。ちょいとした大型兵器である。

使役するMP消費が50と高いがそれを補う耐久力の高さに笑みを隠せない一郎であった。

闇魔法(中級)の実験をあらかた済ませた時ミアが戻って来た。

まだ日は明るいが一通り外でやることは済んだのでスケルトン達はまた地中に隠して二人は街に戻る。


傭兵ギルドで早速ゴブリン駆逐の報奨金と貴金属の換金を行なった。

今回は山分けなのだったが一人金貨5枚と短時間の狩にしては中々の収入になった。

そして今回の成果でカッパーからブロンズへの昇格できた。

登録してから1ヶ月半くらいなのでかなり早い方らしい普通なら半年から1年かかるそうだ。

これでモンスターの討伐依頼や護衛など受けられるクエストの幅が広がった。

喜ばしい限りである。

そして只今ミアさんと隣の酒場で打ち上げ中~ミアは上機嫌でエールを飲んでいる。

一郎は肉エールをチビチビと飲みながら注文ておいた肉の野菜炒めを食べながら早めの夕食を行う。

「ミアさん本日はありがとうございました。おかげで戦闘に専念できました。それに報酬にならない採取まで行っていただき助かりました」

「いやいや、私も稼がせてもらいました。しかし半日森でゴブリン退治しただけでまさか金貨10枚も貰えるなんて一郎の戦い方はすごわね。
しかもスケルトンだけでゴブリンを倒すなんて・・・スケルトンは遅い脆い弱いの雑魚モンスターのはずなのに一郎が指揮するとなぜかすごいことになるよね・・・」

ミアは自分の戦い方に不思議に思っているようだ。

「確かにスケルトン単体で正面から戦いを挑めば簡単に倒されるだろうけど集団で奇襲・挟み撃ち・待ち伏せを適切なタイミングで行えば結構なんとかなるものだよ。」

「普通それをあの数で行うのがすごいことなんだけどね・・・」

「まぁそこは昔取った杵柄です。あまり悪目立ちしたくないのでなるべく秘密でおねがします。」

「わかったわ。助けてもらった借りもあるので黙っとくわ」

そんなこんなで景気のいい話をしながら夜が更けるまで二人の打ち上げは続くのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...