骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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1章

12話

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 真夜中の奇襲が成功し、一郎は屍体の中に敵の生存者がいないかスケルトンを指揮して手早く確認する。

数体死んだふりをしていたので始末した。

オーク軍の約半数は破壊された扉に瓦礫や家具を積み上げバリケードを作り建物の中に立てこもった。

奇襲の最中に建物内に侵入したアンデット化したネズミとホーンラビットは壁の隙間や瓦礫の影に身を潜め、建物内のオークの動きを観察しているので中の様子は筒抜けにしている。

どうやらオークの指揮官は生存していた様で騒然とした状況を打開すべく怪我しているオークの治療を指示したりバリケードの状態を確認をしている。どうやら立てこもりを継続する様だ。

おそらく建物内には食料に余裕があるのだろう。外に出ていたオークの斥候が異変に気付き砦の周りにいるアンデットを攻撃するまで建物内に立てこもり反撃の機会を待ち、砦の内外から挟撃をしようと考えているのかもしれない。

一郎が砦に着く道中に森にいた斥候を倒し、外に出ていたオークの大半が戻ってこないことを知らずに・・・

一郎はオークの指揮官の優秀さに感心し協会側の指揮官の無能さを改めて軽蔑する。

教会の指揮官は人間至上主義を掲げているくせに敵を見つけたら何も考えず突撃。

一方オークは現状を理解し打開する為に行動している。

モンスターより知性を感じられない指揮はいかがなものだろう。

もし人間側が教会の指揮官の様な無能な指揮官ばかりなら近いうち街も終わりだろう。そんなこと思いながら次の作戦に入る。

まず初めにオークの反撃のタイミングを遅らせるために出入り口全てをオークの死体で塞ぐ。

次に小動物アンデットの情報でオーク達の動きから食料保存庫と井戸を突き止め毒まみれのホーンラビットを駆け回らせ井戸に落として食料と井戸の水を汚染し使い物にならなくした。

最後に相手が弱りきるまで待ち続けた。砦の外にいた近づいたオークの残党を倒しながらひたすら待った。


奇襲から1週間後

一郎は相変わらず遠隔指揮で状況を眺めながら買い溜めしていた食料を食べている。

時折砦に近付こうとしたオークを倒したり森の獣を飼って骸の兵を増やしていく。

一方オークの軍勢は体制を取り戻すどころか時間が経てば経つほど空腹と閉じ込められたストレスで疲弊し士気が落ちていった。
 
さらに1週間経つとオーク軍の反応が徐々に減っていった。

餓死が自殺がわからないが勝手に戦力が減っていく。

真っ先にフォレストウルフの数が急激に少なくなったのでおそらく食料になったのだろう。

ついに砦にこもったオークの数はついに100を切った。

ここでようやく一郎は動き出す。一応監視員事前に伝え作戦を開始する。

入り口の一つの死体を取り除きバリケードをブラックスケルトンで破壊する。

破壊と同時に相手にとって悪夢であろうイオウダケとスモールボムの樽を投げ込み再びオークの集団は騒然とする。

次に油の樽を乗せたスケルトンフォレストウルフを砦内を駆け回らせて油まみれにしてから火を放つ。

オーク軍は逃げ場を失い生きたまま焼かれていった。最後の突撃を行うオークもいたがブラックスケルトンとオークゾンビがで待ち構えており倒されていく。

火が自然に消えた後わずかに残った生き残りのオークを倒して砦攻略戦終了である。

オーク軍の敗因は斥候の能力を高く評価しすぎていたことである。

斥候の索敵網が破られることを考えず砦防衛の見張りをおろそかにしていた。

また援軍が来ると信じて立てこもっていた時間が長すぎたことだろう。

死体で入り口を塞がれる前や食料が汚染された時に反撃していれば結果は変わっていたのかもしれない。

一郎は今回の砦攻略戦の考察をしながら監視員ともに砦の中を確認する。

砦内の武器庫を漁り、傭兵達が使っていたであろう武器や防具貴金属などの戦利品をバッグにしまい込んだ後、久しぶり振りの街に戻る一郎であった。
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