骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

文字の大きさ
14 / 123
1章

14話

しおりを挟む
ミアからの誘いは一郎にはいい機会だった。

今しがたこの街のギルドに絶望し新たな場所で生活拠点に移動しようと考えていたところでこの話である。

一郎は二つ返事でミアの誘いに乗る。行き先はミアの故郷この街から南にあるモハべ共和国のリバーウッド村というところであった。

リバーウッド村は森に囲まれ動植物の資源が豊富なのだが同時に魔物も多数生息していることから即戦力をスカウトする為、戦闘能力の優れている者を常時探しているのだった。

そしてミアは人材を探す為に傭兵をしていたのだった。

話を聞くとその村では種族間の差別はなく能力至上主義であった。

むしろ種族で差別していたら村が壊滅してしまうくらい切迫しているらしい。

一郎の広域殲滅能力と錬金術持ちと言う即戦力として通用すると考えての勧誘とのことだった。

自分の能力を評価されての誘いであれば今の現状と比べればより良い環境と言える。

種族の偏見もなく、教会の権力がないのならばこの話に乗らない理由がない。

翌日、早速一郎は生活拠点を移動する為準備を開始する。

ミアの言っていた村はこの街から徒歩で1週間ほど南にいったところにある。

南のオークの住みついた砦を超え山を越えた森の中にあるらしい。

錬金術で使う材料や食料を大量に買いながら、今までお世話になった店に挨拶回りをした。

いく先々で引き止められられたり選別におまけしてくれたりと後ろ髪を引かれる思いだが、ここで自分が生活するには困難な為、感謝とともに各店を後にする。

この街の貴族と教会には虫唾が走るが街の人まで嫌いにはなれなかった。最後に傭兵ギルドに拠点を移動する手続きを行う。

手続きの途中ギルドマスターのビンセントに引き止めに現れたが、「もしあの踏ん反り返った貴族と教会がいなくなったら検討します。」と言い残し、ギルドから立ち去った。

まぁこの街の貴族と教会にはいつか痛い目にはあってもらうつもりではあるが・・・・


1週間後一郎とミアは目的の村に着いた。

そこはなんといくつかの大樹の上に建てられた村だった。

大樹の間にはいくつもの吊り橋が渡っていて太い幹に寄り添うように立体的に家が建てられている。

そして道ゆく村の住人のジュ族は様々で獣人、エルフ、人間、など多種多様である。

元々この村はいくつかの壊滅した集落の生き残りが寄り添ってできた村であり種族差別などしていたら生きていけないそうだ。

村長の家は大樹の一番上にある建物は他の家よりも大きかった。ここでは村の集会場も兼ねているらしい。

村長の家に入ると壮年のエルフが腕を組んでたっていた。
普通エルフは美男美女のスレンダーな種族のはずなのだが、この壮年のエルフは随分と筋肉質でショットガンとサングラスをつけたら様になるエルフであった。「おぉミアよ。よくぞ戻ってきたな。その男が新しい住人か?」
ミアはお辞儀をした後話し始める。
「お久しぶりです。ネイガー村長、この者は一郎という闇魔法と錬金術の使いでございます。隣の国では腕利きの傭兵です。」
ネイガー村長は首を傾げ眼光が鋭くなったように感じる。
一郎の身なりを観察し一郎に質問する。
「お主、傭兵にしては随分と線が細いな本当に腕利きなのか?ランクはどの位だった?」
「ランクはアイアンでございます。私は他とは違う戦い方を行う為接近戦はズブの素人です。ですがこと集団戦の指揮なら自信があります。」
「ほほぅ・・・大した自信だな。では、早速その力試させていただこうか・・・実はこの村から歩いて半刻ほどにある元エルフの砦にゴブリンが住みついておるのがわかってな。あそこは質のいい薬草や木材が取れるので困っている。
その拠点のゴブリン達を討伐できたら村の一員として認めよう。」
ゴブリン相手なら規模次第でどうにでもなる。
「因みに敵の戦力はどの位ですか?」
「約50匹だ!どうだ一人でできるか?」
「1日もあれば十分でしょう」
「ほほぉ・・・大きく出たな。よし!もし達成した暁にはお主にその砦の管理を任せよう好きに利用して良いぞ!」
「わかりましたその約束たがなぬようお願いします。」
「エルフに二言わないわでは明日から1日の猶予を与える。成果を期待しておるぞ」ネイガー村長は穏やかに話していたが目には鋭い眼差して一郎を観察していた。
一郎は村長の家を後にすると、仮住まいとして当てられた部屋で明日に向けて使う薬品と作戦を練り始めるのであった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

読者の皆様、誤字脱字だらけの文章を読んで頂きありがとうございます。

たくさんの感想やご誤字脱字の場所を教えていただき励みになります。

誤字脱字は時間を修正していく予定です。

私生活(主に仕事)が忙しくなってきた為、今後1日1話が難しくなりそうですが、頑張って投稿していきます。

今後とも宜しくお願いします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...