骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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2章

58話

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一夜明け、何食わぬ顔で宿併設の食堂で粥を無心に食べている一郎のエクスプロのメンバー合流してきた。

最後に降りて来たジョーンズは頭を掻きながら、

「昨日は夜遅くに宿に来ましたがお楽しみでしたか?」

「えぇ有意義な時間を過ごさせてもらいました」
と一郎は笑顔で返す。

「まぁ休息時間に何やっても構いやしませんが、美人の連れがいるんですからだからほどほどにしてくださいね」

これが彼の方針なのだろう。こちらとしてもありがたい。

その後米のある村を後にロックソルトのの街道を進む。

途中の集落跡はゴブリンの死骸が散らばっていたがジョーンズは苦笑いして済ませてくれた。

その後度々モンスターの集団を駆除しながらソルトロックに向かう。

今後の大規模戦を予想してエクスプロのメンバーと連携を密に取れる様に共同で障害のモンスター排除した。

やはりエクスプロのメンバーは戦闘に安定感がある。まるでメンバー10人が一つの生物の様に動き行動する。

戦闘方法は索敵能力と機動力を生かしたヒットアンドアウェイである。

ダンジョンの探索は敵との遭遇戦が多くまた時間をかければモンスターが集まってきて危険な為、短期戦を行うスタイルになったという。

体力の無い一郎は同じ動きをできない為、もっぱら敵の広域索敵で敵の場所を伝えるオペレーターとして協力するしかなかった。

ブラッドスケルトンならギリギリ動きについて行けるが攻撃のコンビネーションなど合わせることはできなかった。

以前よりスケルトンの動きが良くなったとはいえ高度な戦闘技術はない。

中堅所の傭兵と正面で同じ武器で戦ったらひとたまりもないのだろう。

しかしこの動きは少数精鋭の部隊を編成した時に一つの参考になるのでありがたい。

ジョーンズ達からは「旦那の正確な敵情報のおかげでいつもより安全に動けました。今度の遺跡の手伝いも期待してますぜ」

どうやら一定の信頼を得られた様で何よりだ。

そして目的のソルトロックの見える丘を越えた時、一同が止まる。

「旦那予想は的中でしたかな?」

「最悪ではないですがまずい事態ですね」

目の前にソルトロックと予想の下光景が見えた。

ソルトロックの街は海に面した丘に建てられている。壁が3重に設けてある内側にいくにつれて建物が立派になってる。

真ん中は屋敷が立っているので有力者がいるのだろう。その外側は下町の様な感じになって降り最後の外側は本来は穀倉地帯と塩を精製の塩田であろう。

しかしその一番外の壁は所々破壊されモンスターの侵入を許してしまっている。

望遠鏡で見るとオークとゴブリンが何故か協力して行動している様だ。

複数の人型モンスターが共に行動しているのは初めてみる。

「ありゃまずいですね。稀にモンスター達も環境が急激に変わるとカリスマ性の持った上位種が現れて、多種にモンスターを従えちまう場合があるんでさぁ旦那」

「なるほど種族の垣根を超えて共闘するのですか勉強になります」

遺跡でも閉鎖空間で遺跡の主が生まれ多種のモンスターが協力して襲ってくることがるそうだ。

一郎は望遠鏡を覗き込みその上位種を探す。

モンスター連合団は横に広い陣形を取っている。

そのオークとゴブリンの数の総数約3000。

更にフォレストウルフやら熊の様なモンスターも見かけられる。

今は直接戦闘を行なっていない様だが、門の周りにはモンスターの死体が転がって
壮絶な光景が予想される。

しばらく観察すると、屋根の外れた馬車に周りよりもひとまわり大きいオークが仁王立している。

そのオークはモヒカンのような赤髪を逆立て全身入れ墨のような紋様が描かれてる。

そしてその周りには屈強なオークの戦士と魔法使いの格好をしたゴブリンが数匹いた。

なるほどあそこが本陣かジョーンズに望遠鏡をわたし確認してもらうと、

「あちゃーまずいですぜ旦那、上位種が何匹もいますわ。
魔法使えるのも結構いるみたいですぜこりゃ守りの方ソルトロックもあぶないかもしれませんな」

「さてこれは随分とハードな依頼になりましたね」

「まったくですぜ。これだと下手に手を出さずにソルトロックの情報を伝えるだけの方がいいかもしれませんなぁ」

「そうですね。中間報告を入れておいた方がいいですね」

一郎はアンデッド化した鳥に今まで得た情報を紙に書き飛ばす。

そして今後のソルトロックの状況打破を考えるのであった。
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