骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

文字の大きさ
73 / 123
2章

73話

しおりを挟む
ソルトロックの祝勝会が無事に終わり、用事をすませた一郎は活気を取り戻しつつあるソルトロックの街中を散策していた。

海での漁も本格的に再開され船着場はこれからさらに活気付くのだろう。

散策前に一朗は傭兵ギルドで報酬を受け取りに行った。

今回はあまり表立って行動しなかったので報酬はどの位になるか予想ができなかった。

そして作戦の一環とはいえ街の穀倉地帯を半分燃やしたり船着場を血の海にしたので過度な期待はしていない。

受付に問い合わせると別室に案内される。

しばらくするとソルトロックのギルドマスターがやってきた。

これはお説教タイムかな?

一朗は半ば覚悟しながら対応を待っていると

受付の職員が木の箱を机においた。

「これが一朗さんの今回の報酬です」

ギルドマスターの笑みが逆に怖い。

恐る恐る箱を開けるとなんと金貨がびっしりと詰まっていた。

その中には用紙と銀色のタグも入っていた。

「今回の防衛戦における報酬金貨100枚と傭兵ギルドのランクアップ認定書です。
その活躍に相応しいランク上げて起きました」

今回の功績でシルバーに昇格した。

罰金も特になく今回かかった経費を差し引いいてもしばらくは働かなくても大丈夫な金額を手に入れた。

その後このままソルトロックを拠点に活動しないかと誘われたが自宅がリバーウッドにある為、丁重に断った。

懐事情が暖かくなった一朗はマジッグバッグに報酬を入れると早速市場に足を運ぶ。

そして海の幸を買い漁った。

海の幸が手に入るのでリバーウッドの住民と海鮮バーベキューを行う為である。

口にあうかはわからないがまぁ不評ならマジックバッグに保管しておけばいいので問題はない。

うまくいけば新しい交易の品になり内陸のリバーウッドにも海産物が手に入りやすくなれば御の字である。

今後リバーウッドとソルトロックの間で行商が盛んになることが予想される。

ソルトロックは穀倉地帯が誰かさんのおかげで半分焼けてしまっている。

作物の安定をはかる為に他の街に頼るだろう。

そこで農業の生産が盛んなリバーウッド周辺は交易の相手としては相性が良い。

リバーウッドも内陸の為塩の安定供給の為にソルトロックからの商団が頻繁に来ることは有益である。

更にリバーウッド南区は物流を集める倉庫が数多くある為、その先にある鉱山で取れる鉄も取引が可能である。

鉄条網を作る為に鉄は欠かせないので今後はより密接な関係が構築できそうである。

 商談が通る様になればその途中の村にも金が落ち潤う。

 そして商団の護衛の仕事ができ傭兵の新しい稼ぎの場ができる。

 今後二つの町周辺はより物と人の動きが活発になるだろう。

 そして今後さらなる国力の向上に一郎は思いを馳せながら買い物を続けた。

しばらく町をぶらつくとバザー会場に出た。

中古の武器や鎧錬金術の素材なども売っている。

店舗を持たない難民の貴重な収入源の様である。

さながら闇市の様でもあったが、掘り出し物がないか一郎は鑑定を使用しながら
店を回った。

すると一つの杖が目に止まる。

鑑定の結果は次の通りであった。

========================
幻影の杖
己の思い浮かべ映像を幻影として出現することができる。
========================

商人は以前遺跡調査行なっていた傭兵から買い取ったものだそうだ。

なんでも幻を目の前に出すだけで戦闘の役に立たない為、売れ残ってしまうそうだ。

一郎はその杖の購入を決める。

商人の言い値で金貨10枚ほど渡した。

一朗の予想通りの仕様なら安い買い物である。

杖を購入した一郎は早速手頃な空き地で幻影の杖の実験を行う。

範囲は半径5メートル映像は思い浮かべ魔力を杖に流し込むと白い雲の様な物が出て次第に形と色がつき幻影が完成する。

幻影自体に攻撃能力はなく見えるだけ、思い浮かべるものを鮮明にしなければモザイクがかかった様な形になってしまった。

確かに囮にしては出せる範囲は狭すぎて戦闘で使うのは難しいのかもしれない。

「だいたい予想通りの結果だ。
これプロジェクターだ...」

武器とは違う用途に心弾ませる一朗であった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...