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竜人の子、旅立つ
19.衝突
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「…え」
シロが引き攣った表情で聞き返すと、ルーフは机の上にドカッと腰を掛けた。
一瞬、怒っているのかと思ったが、作り笑いのような表情で「別にいいじゃないか。わざわざ竜人の学校に行かなくったってさ!」と大袈裟なほど明るい声で笑った。
「でも…」
シロが言いかけたが、ルーフは手を振り「行かなくていいって言ってんだろ」と話を遮った。
「モンド王国だって十分な勉強が出来るんだろ?それに聖剣の治療なんて今まで通りスノウに任せとけばいいんだ。わざわざシロが学ぶ必要ねぇよ」
ルーフは、シロと目を合わせずに話し続けた。
「そもそもさぁ、お前つい最近まで進学しないでレニーじいさんのトコで働くって言ってただろ。それが急にやっぱり進学したい、騎士学校に行きたいって一貫性がないんだよ。そんな浮ついた気持ちじゃ、どこ行ったって意味ねぇよ。ははっ、むしろ進学なんかしねぇ方がいいんじゃねぇの?」
「…確かにそうだけど…、でも俺だって、ずっと悩んでて…」
ルーフに否定されて、シロは悲しくなった。
確かにルーフの言う通り、この数日でシロの進学に対する気持ちはずいぶん変わっていた。
でも根本的な気持ちは変わっていない。
ルーフを守るために、自分が出来る事を全てやりたいのだ。
いつもならシロの話を最後まで聞くルーフは、そっぽを向いたまま否定の言葉を続ける。
「はっ、竜人騎士学校?どうせ貴族出身のしょうもないプライド竜人たちの集まりだろ。お前みたいな野良竜人が、そのお仲間になれるわけねぇだろ。ああ、それともあれか。爆発事故で中途半端に活躍したからって、のぼせてんじゃねぇのか」
「おい、ルーフ。言い過ぎだ」
ジェスが止めに入っても、ルーフの態度は変わらない。
「いいんだよ。こいつはまだまだ世間知らずのあまちゃんなんだ。そんな奴が住んだこともねぇアスディアで1人でやっていける訳がない」
ルーフからの酷い言われように、シロの悲しい気持ちはだんだん悔しさへと変わっていった。
「シロ、お前には無理だよ、絶対無理。さっさと諦めろ」
(なんでそんなに否定するんだよー…!)
シロは思わずルーフを睨み、声を荒げた。
「そんな事っ、やってみないと分かんないだろ!!俺だって自分の甘さや弱さを嫌ってほど分かってるよっ。世間知らずなのも分かってる。…だけど、…だから騎士学校に行きたいんだっ!ルーフを守りたいから、強くなりたいんだっ!」
「誰が守ってくれなんて言ったよ!誰かに守ってもらうほど俺は弱くねぇ!つか、全部お前の独りよがりだろ!ガキが調子に乗んなっ!!」
ルーフも声を荒げ、口調はどんどん強くなる。
「…っ!!独りよがりや調子に乗ってるんじゃないよ…。好きだから…、ルーフが好きで大事だから守りたいって思うんだよ」
「…っ、意味わかんねぇよ。もういい、この話は終わりだ。とにかく騎士学校なんか行くな」
そう言ってシロに背を向けたルーフの頭を、ジェスがパチンっと叩いた。
「何すんだよ!!」
ルーフはジェスを睨みつけた。
「意味わかんねぇのはお前の方だ、ルーフ。シロ坊が決めた事を何故お前が否定するんだ?お前に何の権利がある?シロ坊の人生はシロ坊のもんだ。それをお前が否定する方がおかしいだろう」
「…っ!」
ジェスの言葉に、ルーフは唖然とした。
『シロ坊の人生はシロ坊のもんだー…』
どこかで聞いた事がある言葉。
いや、昔、自分が言った言葉だ。
ー…『シロの人生はシロのもんだろ』
シロを引き取った時、ユーロンに、もしシロの魔力が悪影響を及ぼすなら監禁しなければならないと言われ、ふざけんなと思った。
その時、ルーフがユーロンに言った言葉だった。
その考えは今でも変わらないと思っていた。
それなのに、いつのまにかシロがいる日常が当たり前になりすぎて、シロは自分から絶対離れていかないと勘違いしていたんだー…。
だから1人でアスディアに行こうとするシロに腹が立った。
ルーフは冷水を浴びせられた気分になった。
「…はは、そりゃそうだよな。俺がどうかしてた。シロ、教会学校の卒業までは面倒見てやる。その後は、…お前の好きにしろ」
「ルーフ…」
シロはルーフの腕を掴もうとしたが、するりと躱された。まるでシロを拒絶するようにー…。
「…悪い。ちょっと頭冷やしてくるわ」
そう言ってルーフは家を出た。
シロが引き攣った表情で聞き返すと、ルーフは机の上にドカッと腰を掛けた。
一瞬、怒っているのかと思ったが、作り笑いのような表情で「別にいいじゃないか。わざわざ竜人の学校に行かなくったってさ!」と大袈裟なほど明るい声で笑った。
「でも…」
シロが言いかけたが、ルーフは手を振り「行かなくていいって言ってんだろ」と話を遮った。
「モンド王国だって十分な勉強が出来るんだろ?それに聖剣の治療なんて今まで通りスノウに任せとけばいいんだ。わざわざシロが学ぶ必要ねぇよ」
ルーフは、シロと目を合わせずに話し続けた。
「そもそもさぁ、お前つい最近まで進学しないでレニーじいさんのトコで働くって言ってただろ。それが急にやっぱり進学したい、騎士学校に行きたいって一貫性がないんだよ。そんな浮ついた気持ちじゃ、どこ行ったって意味ねぇよ。ははっ、むしろ進学なんかしねぇ方がいいんじゃねぇの?」
「…確かにそうだけど…、でも俺だって、ずっと悩んでて…」
ルーフに否定されて、シロは悲しくなった。
確かにルーフの言う通り、この数日でシロの進学に対する気持ちはずいぶん変わっていた。
でも根本的な気持ちは変わっていない。
ルーフを守るために、自分が出来る事を全てやりたいのだ。
いつもならシロの話を最後まで聞くルーフは、そっぽを向いたまま否定の言葉を続ける。
「はっ、竜人騎士学校?どうせ貴族出身のしょうもないプライド竜人たちの集まりだろ。お前みたいな野良竜人が、そのお仲間になれるわけねぇだろ。ああ、それともあれか。爆発事故で中途半端に活躍したからって、のぼせてんじゃねぇのか」
「おい、ルーフ。言い過ぎだ」
ジェスが止めに入っても、ルーフの態度は変わらない。
「いいんだよ。こいつはまだまだ世間知らずのあまちゃんなんだ。そんな奴が住んだこともねぇアスディアで1人でやっていける訳がない」
ルーフからの酷い言われように、シロの悲しい気持ちはだんだん悔しさへと変わっていった。
「シロ、お前には無理だよ、絶対無理。さっさと諦めろ」
(なんでそんなに否定するんだよー…!)
シロは思わずルーフを睨み、声を荒げた。
「そんな事っ、やってみないと分かんないだろ!!俺だって自分の甘さや弱さを嫌ってほど分かってるよっ。世間知らずなのも分かってる。…だけど、…だから騎士学校に行きたいんだっ!ルーフを守りたいから、強くなりたいんだっ!」
「誰が守ってくれなんて言ったよ!誰かに守ってもらうほど俺は弱くねぇ!つか、全部お前の独りよがりだろ!ガキが調子に乗んなっ!!」
ルーフも声を荒げ、口調はどんどん強くなる。
「…っ!!独りよがりや調子に乗ってるんじゃないよ…。好きだから…、ルーフが好きで大事だから守りたいって思うんだよ」
「…っ、意味わかんねぇよ。もういい、この話は終わりだ。とにかく騎士学校なんか行くな」
そう言ってシロに背を向けたルーフの頭を、ジェスがパチンっと叩いた。
「何すんだよ!!」
ルーフはジェスを睨みつけた。
「意味わかんねぇのはお前の方だ、ルーフ。シロ坊が決めた事を何故お前が否定するんだ?お前に何の権利がある?シロ坊の人生はシロ坊のもんだ。それをお前が否定する方がおかしいだろう」
「…っ!」
ジェスの言葉に、ルーフは唖然とした。
『シロ坊の人生はシロ坊のもんだー…』
どこかで聞いた事がある言葉。
いや、昔、自分が言った言葉だ。
ー…『シロの人生はシロのもんだろ』
シロを引き取った時、ユーロンに、もしシロの魔力が悪影響を及ぼすなら監禁しなければならないと言われ、ふざけんなと思った。
その時、ルーフがユーロンに言った言葉だった。
その考えは今でも変わらないと思っていた。
それなのに、いつのまにかシロがいる日常が当たり前になりすぎて、シロは自分から絶対離れていかないと勘違いしていたんだー…。
だから1人でアスディアに行こうとするシロに腹が立った。
ルーフは冷水を浴びせられた気分になった。
「…はは、そりゃそうだよな。俺がどうかしてた。シロ、教会学校の卒業までは面倒見てやる。その後は、…お前の好きにしろ」
「ルーフ…」
シロはルーフの腕を掴もうとしたが、するりと躱された。まるでシロを拒絶するようにー…。
「…悪い。ちょっと頭冷やしてくるわ」
そう言ってルーフは家を出た。
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