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2.婚約破棄まであと5ヶ月
9.腹黒王子と生徒会会計
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俺は仕事の合間を縫ってハンドリー公爵家に寄り、キーナと食事の約束をした。
相変わらず理想的な婚約者を演じるようなキーナの態度に裏切られたような気持ちになったが、食事に誘うと嬉しそうな表情を見せた。
キーナが行きたいと言ったレストランは王都で一二を争う有名店だった。
ー…場所は大通りを抜けた先だよな…。
丁度夏祭りの準備で大通りも賑わっているだろう。念の為、治安の確認もしとくか。
俺はハンドリー公爵家を出た後、レストラン近辺の偵察へ向かった。
大通りを歩くと、すでに夏祭りの準備が始まっていた。出店には見慣れない海外の装飾品や雑貨なども並んでいる。
珍しいものが好きなキーナを連れてくれば喜ぶかもしれないな…。
「あっれー?アレンじゃん。街中を歩いてるなんて珍しいな。買い物か?」
声を掛けられ、振り向けば生徒会で会計を担当しているスルギが立っていた。
俺と同い年のスルギはウィンター伯爵家次男で子供の頃からの付き合いだ。
爵位を気にしない自由奔放なスルギは、王子の俺にも平等に接してくる数少ない友人だ。
「いや、偵察に来た。この時期は人手が多い分、トラブルも多いからな。」
「あー、そうだな。そういえば最近、王都で怪しい人物をよく見かけるって話は聞いているか?」
「ああ、聞いたよ。おそらく他国の密偵だろうな。メアリーの噂でも聞いたんだろう。」
最近、見慣れない格好をした者たちが学園の周りや王都の中をうろついているらしい。
外国人観光客を装っているが、おそらく密偵だろう。
そして目的は光魔法の使い手であるメアリーの調査。
なんらかの形でメアリーと接触し、自国へ連れて行こうという魂胆だろう。
やはりどの国も光魔法の使い手が欲しいのだ。
「やっぱりね。まあ、でもフランがメアリーにベッタリ警護しているから大丈夫だろ。フランがあそこまで入れ込むなんて、さすがメアリーだよなぁ。」
スルギは笑いながら言った。
「ああ、おそらくメアリーは魅了の力も兼ね備えているのだろう。」
「なるほどねー。でもアレンには効かないみたいだな。相変わらずキーナ一筋なんだろ。」
スルギは揶揄うように俺を見た。
「うるさい。お前こそメアリーによく話しかけられているだろ。効いてないのか?」
「やっぱり目を合わせて話しているとクラっとくる時があるよ。なんつーか庇護欲を掻き立てられるんだよな。まあ、でも俺の恋愛対象は基本男だからな。そこは理性で抑えられる。だけどゲイの俺でも魅了されるくらいだからメアリーの魔力はやっぱり凄いと思うぞ。」
「ああ。俺もメアリーの魔力の多さには驚いている。やっぱり国としても手放せない存在だよ。なんとか彼女をフィルコートに留まらせたい。」
「ふーん。噂じゃお前とメアリーは両思いらしいぞ。案外お前がメアリーと結婚すりゃ丸く収まるんじゃないか?キーナだって納得してくれると思うぞ。」
その言葉を聞いて俺はスルギを思い切り睨み付けた。
だれが婚約破棄などするか。
「怖っ!!そう怒るなよ。まあ、俺に出来ることが言ってくれ。協力するからさ。」
そう言ってスルギは逃げるように帰っていった。
相変わらず理想的な婚約者を演じるようなキーナの態度に裏切られたような気持ちになったが、食事に誘うと嬉しそうな表情を見せた。
キーナが行きたいと言ったレストランは王都で一二を争う有名店だった。
ー…場所は大通りを抜けた先だよな…。
丁度夏祭りの準備で大通りも賑わっているだろう。念の為、治安の確認もしとくか。
俺はハンドリー公爵家を出た後、レストラン近辺の偵察へ向かった。
大通りを歩くと、すでに夏祭りの準備が始まっていた。出店には見慣れない海外の装飾品や雑貨なども並んでいる。
珍しいものが好きなキーナを連れてくれば喜ぶかもしれないな…。
「あっれー?アレンじゃん。街中を歩いてるなんて珍しいな。買い物か?」
声を掛けられ、振り向けば生徒会で会計を担当しているスルギが立っていた。
俺と同い年のスルギはウィンター伯爵家次男で子供の頃からの付き合いだ。
爵位を気にしない自由奔放なスルギは、王子の俺にも平等に接してくる数少ない友人だ。
「いや、偵察に来た。この時期は人手が多い分、トラブルも多いからな。」
「あー、そうだな。そういえば最近、王都で怪しい人物をよく見かけるって話は聞いているか?」
「ああ、聞いたよ。おそらく他国の密偵だろうな。メアリーの噂でも聞いたんだろう。」
最近、見慣れない格好をした者たちが学園の周りや王都の中をうろついているらしい。
外国人観光客を装っているが、おそらく密偵だろう。
そして目的は光魔法の使い手であるメアリーの調査。
なんらかの形でメアリーと接触し、自国へ連れて行こうという魂胆だろう。
やはりどの国も光魔法の使い手が欲しいのだ。
「やっぱりね。まあ、でもフランがメアリーにベッタリ警護しているから大丈夫だろ。フランがあそこまで入れ込むなんて、さすがメアリーだよなぁ。」
スルギは笑いながら言った。
「ああ、おそらくメアリーは魅了の力も兼ね備えているのだろう。」
「なるほどねー。でもアレンには効かないみたいだな。相変わらずキーナ一筋なんだろ。」
スルギは揶揄うように俺を見た。
「うるさい。お前こそメアリーによく話しかけられているだろ。効いてないのか?」
「やっぱり目を合わせて話しているとクラっとくる時があるよ。なんつーか庇護欲を掻き立てられるんだよな。まあ、でも俺の恋愛対象は基本男だからな。そこは理性で抑えられる。だけどゲイの俺でも魅了されるくらいだからメアリーの魔力はやっぱり凄いと思うぞ。」
「ああ。俺もメアリーの魔力の多さには驚いている。やっぱり国としても手放せない存在だよ。なんとか彼女をフィルコートに留まらせたい。」
「ふーん。噂じゃお前とメアリーは両思いらしいぞ。案外お前がメアリーと結婚すりゃ丸く収まるんじゃないか?キーナだって納得してくれると思うぞ。」
その言葉を聞いて俺はスルギを思い切り睨み付けた。
だれが婚約破棄などするか。
「怖っ!!そう怒るなよ。まあ、俺に出来ることが言ってくれ。協力するからさ。」
そう言ってスルギは逃げるように帰っていった。
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