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2.婚約破棄まであと5ヶ月
10.腹黒王子はもどかしい
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キーナと食事に行く当日、俺はハンドリー公爵家へ向かった。
キーナの自室を訪ねようと廊下を歩いていると、話し声が聞こえていた。
「おお、今日は一段と気合が入ってますね。アレン王子とのデートがよほど楽しみだったんですねー。」と、あの従者の声だ。
デートがよほど楽しみだった…。
その言葉に俺は思わず口元が緩んだ。
そうか、キーナも楽しみにしていてくれたのか。
「べっ、別にそんなのじゃないわ。王子の婚約者としての最低限のマナーよ。それに私が楽しみなのはアレン様とのデートじゃなくて食事よ。」
キーナの強気な声も聞こえてきた。
…食事の方が楽しみなのか。
少し複雑な気持ちになったが、久々に聞いたキーナの本音がなんだか嬉しい。
「キーナは俺とのデートより食事の方が楽しみなのか。それは残念だ。」
少し揶揄うつもりで、そう言って彼女を迎えるとキーナは慌てて誤魔化そうとした。
そんな姿も可愛らしい。
つまらない言い訳などしなくて良い。
婚約者らしくしなくていいから、ありのままでいて欲しい。
まあ、まずデートを楽しませないといけないな。
そう思っていた矢先、ひったくりに遭遇するトラブルに巻き込まれた。
キーナの魔法攻撃のおかげで犯人はすぐに捕まえたが、そいつはよりによってキーナに暴言を吐いた。
衛兵に犯人を引き渡し、地下牢へぶち込むように命令した。
犯人にも腹が立つが、キーナより先に動けなかった自分にも腹が立った。しかも事前に警備の確認をしていたのにも関わらずトラブルに巻き込んでしまった。
俺は他の衛兵にキーナの護衛を頼み、衛兵隊長と犯人について警備の話をした。
「警備の強化をするようにと話したつもりだが?」
「申し訳ございません、アレン王子。今年はいつも以上に人手が多く…。警備の見直しをします。」
「ああ、頼む。確かに人手は例年よりかなり多いな。特に外国人が多い。」
「ええ。それだけフィルコートが外国からも注目されているという事でしょうが、やはり…。」
「光魔法の話が広がっている…か。」
「仰る通りでございます。光魔法の使い手は、その姿を目にするだけでもご利益がある、という言い伝えがあるようです。メアリー殿の姿を見るために王都へ来た者も大勢いますよ。」
「ふん、バカらしいな。とにかく街の警備とメアリーの警護にさらに力を入れろ。」
「かしこまりました。」
俺がキーナの元へ戻ると、彼女は何事もなかったように笑顔で俺を迎えた。
「…いつもそうなのか?」
「え?」
「さっきの男に火魔法を使っただろ。あの男はキーナが魔法を使った事に気付いて暴言を吐いただろ?危ないとは思わないのか?」
普通の令嬢なら恐怖を感じるだろうし、暴言には傷付いたり憤りを感じるはずだ。
なにより危ない事は男に任せるべきだし、頼って欲しかった。
なぜ平気な顔をして、1人で解決しようとするのだ。
「ご心配をおかけしてしまい申し訳ありません。しかしあの火はケガなどしない魔法を使いました。あの男の足止めになればいいと思いましたが、やはり街中で火魔法を使うべきではありませんでしたね。」
なぜかキーナは魔法を使用した事を謝罪し、俺が心配している事を全く分かっていなかった。
キーナの自室を訪ねようと廊下を歩いていると、話し声が聞こえていた。
「おお、今日は一段と気合が入ってますね。アレン王子とのデートがよほど楽しみだったんですねー。」と、あの従者の声だ。
デートがよほど楽しみだった…。
その言葉に俺は思わず口元が緩んだ。
そうか、キーナも楽しみにしていてくれたのか。
「べっ、別にそんなのじゃないわ。王子の婚約者としての最低限のマナーよ。それに私が楽しみなのはアレン様とのデートじゃなくて食事よ。」
キーナの強気な声も聞こえてきた。
…食事の方が楽しみなのか。
少し複雑な気持ちになったが、久々に聞いたキーナの本音がなんだか嬉しい。
「キーナは俺とのデートより食事の方が楽しみなのか。それは残念だ。」
少し揶揄うつもりで、そう言って彼女を迎えるとキーナは慌てて誤魔化そうとした。
そんな姿も可愛らしい。
つまらない言い訳などしなくて良い。
婚約者らしくしなくていいから、ありのままでいて欲しい。
まあ、まずデートを楽しませないといけないな。
そう思っていた矢先、ひったくりに遭遇するトラブルに巻き込まれた。
キーナの魔法攻撃のおかげで犯人はすぐに捕まえたが、そいつはよりによってキーナに暴言を吐いた。
衛兵に犯人を引き渡し、地下牢へぶち込むように命令した。
犯人にも腹が立つが、キーナより先に動けなかった自分にも腹が立った。しかも事前に警備の確認をしていたのにも関わらずトラブルに巻き込んでしまった。
俺は他の衛兵にキーナの護衛を頼み、衛兵隊長と犯人について警備の話をした。
「警備の強化をするようにと話したつもりだが?」
「申し訳ございません、アレン王子。今年はいつも以上に人手が多く…。警備の見直しをします。」
「ああ、頼む。確かに人手は例年よりかなり多いな。特に外国人が多い。」
「ええ。それだけフィルコートが外国からも注目されているという事でしょうが、やはり…。」
「光魔法の話が広がっている…か。」
「仰る通りでございます。光魔法の使い手は、その姿を目にするだけでもご利益がある、という言い伝えがあるようです。メアリー殿の姿を見るために王都へ来た者も大勢いますよ。」
「ふん、バカらしいな。とにかく街の警備とメアリーの警護にさらに力を入れろ。」
「かしこまりました。」
俺がキーナの元へ戻ると、彼女は何事もなかったように笑顔で俺を迎えた。
「…いつもそうなのか?」
「え?」
「さっきの男に火魔法を使っただろ。あの男はキーナが魔法を使った事に気付いて暴言を吐いただろ?危ないとは思わないのか?」
普通の令嬢なら恐怖を感じるだろうし、暴言には傷付いたり憤りを感じるはずだ。
なにより危ない事は男に任せるべきだし、頼って欲しかった。
なぜ平気な顔をして、1人で解決しようとするのだ。
「ご心配をおかけしてしまい申し訳ありません。しかしあの火はケガなどしない魔法を使いました。あの男の足止めになればいいと思いましたが、やはり街中で火魔法を使うべきではありませんでしたね。」
なぜかキーナは魔法を使用した事を謝罪し、俺が心配している事を全く分かっていなかった。
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