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2.婚約破棄まであと5ヶ月
12.性悪ヒロインはシナリオ通り
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最近私の周りで、不審人物を見かけるようになってきた。
不審人物といっても、正体はベリー王国の刺客で私を誘拐するためにウロチョロするただの雑魚キャラだ。
いや、イベントの盛り上げ要員と呼んであげた方がいいかしら。
とにかく正体は分かっているので、怖くはない。
むしろ次のイベントが始まる合図だからワクワクする。次の休みの日には必ず街へ行かなくちゃ。
そこでメアリーが誘拐事件に巻き込まれる。
これが今回のイベントだ。
あー、楽しみ。
今の所シナリオ通りに進んでいると思う。
順調、順調。
私は顔がニヤケそうなのを我慢しながら歩いていると前からアレンとフランがやって来た。
イベントきたー!!
ここで私は「街の様子を見に行ってみるかい?」と誘われるはず。さあ、来い!攻略対象者たち!
「やあ、メアリー。調子はどう?」
まず話しかけてきたのは、頬を赤く染めたフラン。
攻略難易度が1番低いフランは、私に惚れていることが手に取るように分かるため気分が良い。
「こんにちは。アレン様とフラン。おかげさまで学園生活にも慣れてきて楽しいわ。」
私が笑顔で答えれば、フランの顔はとろけそうな笑顔で「それは良かった。」と言った。
ふふ、フランはチョロすぎるわ。
「楽しむ事も大切だが、貴族のマナーにも早く慣れてくれ。」
アレンも笑顔で言うが、目は全然笑っていない。
きっと私のことが嫌いなのだろう。
まあ、それもシナリオ通り。
まずはアレンに嫌われないと攻略への道に繋がらない。
「もちろんよ。そういえば最近、街が賑やかね。なにか催し事があるの?」
私は可愛らしく首を傾けてみた。
「ああ、夏祭りの準備をしているんだよ。そうだ、今度の休みに街の様子を見に行ってみるかい?」
ああ、フラン最高。
あなたの言動は寸分の狂いもなくシナリオ通りだわ。
まあ、私はフランと恋をするつもりはないけど。
「えー!行ってみたぁい!いいのぉ~?」
「もちろんだよ!ね、アレン。」
私とフランはアレンを見る。
さあ、アレン。次はあなたの番よ。
あなたの一言でストーリーの進み具合が分かる。
「いや、俺は反対だ。今メアリーの周りで不審人物を見かけたと報告が何件か入っている。あまり人が集まる所へは行かない方がいいと思うぞ。」
キター!はい、順調にシナリオ通り!!
私はガッツポーズを心の中で何度もした。
アレンは一回反対するのよね。まさにフラグ的発言。
「そう…よね。初めて王都で過ごす夏だったから行ってみたかったけど…あきらめる。みんなに迷惑は掛けられないもの…。」
私は目を潤ませて残念そうに俯く。
はい、ここでフランからの提案どうぞ。
「護衛をしっかり付ければ大丈夫だろう。私もメアリーの側にずっといるよ。何かあっても必ず守る。だから3人で行ってみよう。」
うんうん、やっぱりシナリオ通り。
「わあ!それってすごく素敵!」
私は両手を合わせて、ぴょんと跳ねてみた。
前世の私がやったら鳥肌の立つリアクションだが、天使のようなメアリーの姿だと凄く可愛いリアクションになる。
「…悪いが俺は先約があるから行けない。どうしても行くなら護衛と衛兵をいつもより多く連れていけ。普段以上に警備の強化はしているが、くれぐれも気を付けてくれ。」
こうして私とフランはシナリオ通り街へ出掛けた。
ここまで順調だったはず。
それなのにイベント当日、事件は起こった。いや、正確には事件が起こらなかったのだ。
本来ならひったくり騒ぎの間に、私は誘拐されるはずだった。そしてアレンが私を助けに現れるはずだった。
しかし実際は、誘拐される前に犯人が捕まってしまった。だから当然アレンも現れなかった。
何がいけなかったんだろう。
好感度が足りなかったのか、アレンに嫌われ過ぎてしまったのか、フランに好かれ過ぎてしまったのか。
私が誘拐されないとストーリーは進まない。
こうなったら自分から誘拐されにいかないと。
その日、フランは宣言通り常に私にひっついて守ってくれるので、彼を撒くため一度寮まで送ってもらい解散した。
そして夕方、私は誘拐されるために再び街へ出掛けた。
不審人物といっても、正体はベリー王国の刺客で私を誘拐するためにウロチョロするただの雑魚キャラだ。
いや、イベントの盛り上げ要員と呼んであげた方がいいかしら。
とにかく正体は分かっているので、怖くはない。
むしろ次のイベントが始まる合図だからワクワクする。次の休みの日には必ず街へ行かなくちゃ。
そこでメアリーが誘拐事件に巻き込まれる。
これが今回のイベントだ。
あー、楽しみ。
今の所シナリオ通りに進んでいると思う。
順調、順調。
私は顔がニヤケそうなのを我慢しながら歩いていると前からアレンとフランがやって来た。
イベントきたー!!
ここで私は「街の様子を見に行ってみるかい?」と誘われるはず。さあ、来い!攻略対象者たち!
「やあ、メアリー。調子はどう?」
まず話しかけてきたのは、頬を赤く染めたフラン。
攻略難易度が1番低いフランは、私に惚れていることが手に取るように分かるため気分が良い。
「こんにちは。アレン様とフラン。おかげさまで学園生活にも慣れてきて楽しいわ。」
私が笑顔で答えれば、フランの顔はとろけそうな笑顔で「それは良かった。」と言った。
ふふ、フランはチョロすぎるわ。
「楽しむ事も大切だが、貴族のマナーにも早く慣れてくれ。」
アレンも笑顔で言うが、目は全然笑っていない。
きっと私のことが嫌いなのだろう。
まあ、それもシナリオ通り。
まずはアレンに嫌われないと攻略への道に繋がらない。
「もちろんよ。そういえば最近、街が賑やかね。なにか催し事があるの?」
私は可愛らしく首を傾けてみた。
「ああ、夏祭りの準備をしているんだよ。そうだ、今度の休みに街の様子を見に行ってみるかい?」
ああ、フラン最高。
あなたの言動は寸分の狂いもなくシナリオ通りだわ。
まあ、私はフランと恋をするつもりはないけど。
「えー!行ってみたぁい!いいのぉ~?」
「もちろんだよ!ね、アレン。」
私とフランはアレンを見る。
さあ、アレン。次はあなたの番よ。
あなたの一言でストーリーの進み具合が分かる。
「いや、俺は反対だ。今メアリーの周りで不審人物を見かけたと報告が何件か入っている。あまり人が集まる所へは行かない方がいいと思うぞ。」
キター!はい、順調にシナリオ通り!!
私はガッツポーズを心の中で何度もした。
アレンは一回反対するのよね。まさにフラグ的発言。
「そう…よね。初めて王都で過ごす夏だったから行ってみたかったけど…あきらめる。みんなに迷惑は掛けられないもの…。」
私は目を潤ませて残念そうに俯く。
はい、ここでフランからの提案どうぞ。
「護衛をしっかり付ければ大丈夫だろう。私もメアリーの側にずっといるよ。何かあっても必ず守る。だから3人で行ってみよう。」
うんうん、やっぱりシナリオ通り。
「わあ!それってすごく素敵!」
私は両手を合わせて、ぴょんと跳ねてみた。
前世の私がやったら鳥肌の立つリアクションだが、天使のようなメアリーの姿だと凄く可愛いリアクションになる。
「…悪いが俺は先約があるから行けない。どうしても行くなら護衛と衛兵をいつもより多く連れていけ。普段以上に警備の強化はしているが、くれぐれも気を付けてくれ。」
こうして私とフランはシナリオ通り街へ出掛けた。
ここまで順調だったはず。
それなのにイベント当日、事件は起こった。いや、正確には事件が起こらなかったのだ。
本来ならひったくり騒ぎの間に、私は誘拐されるはずだった。そしてアレンが私を助けに現れるはずだった。
しかし実際は、誘拐される前に犯人が捕まってしまった。だから当然アレンも現れなかった。
何がいけなかったんだろう。
好感度が足りなかったのか、アレンに嫌われ過ぎてしまったのか、フランに好かれ過ぎてしまったのか。
私が誘拐されないとストーリーは進まない。
こうなったら自分から誘拐されにいかないと。
その日、フランは宣言通り常に私にひっついて守ってくれるので、彼を撒くため一度寮まで送ってもらい解散した。
そして夕方、私は誘拐されるために再び街へ出掛けた。
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