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alive
grief
しおりを挟む雫は、何も言わずに歩き出した。
後ろからついていくと、迷惑そうに振り返る。
「……何か理由があるから聞かないでおこうと思ったんだけどさ。総司、何で私に付きまとうの?私はいいけど、森さんとか他の人が困るんだよ…わかる?」
自分のためでなく、他人のために怒る雫に、総司はどこかホッとして微笑んだ。
いつも、自分は一人で生きてます、といった雰囲気をまとっていて、実際他人を気にかける様子が見られなかった。
しかし今回、他人のために総司を怒った。
それはある意味心の成長とでもいうべきか…
雫のこの変化に、総司は笑顔が止まらなかった。
「…ねぇ、聞いてんの?」
「…うん!今日は雫の一日を見たかったから嘘ついた!」
あっさりと自白。
嘘だったことと、それを簡単には明かしたことに、雫は大きくため息をついた。
そして再びスタスタと歩いていった。
洗濯物も終わって一息つくと、総司は土方さんに連れていかれた。
元々あった仕事を放り出して来ていたらしい。
総司がいなくなったあとは、静かなものだった。
先程までの喧騒とはうってかわって落ち着いた空気に、雫は心安らぐ時間を過ごしていた。
「…暁月さんは、沖田隊長に気に入られているのですね」
「…えっ!いや、そんなことないですよ……」
必死に否定する雫に、森は首をかしげていた。
誰がどう見ようと、気に入っているから構っている、という雰囲気なのに……
雫が気付かないのも無理はなかった。
それほどまでに、人の感情に鈍くならないと生きていけない環境にいたから……
「…そう、ですか?」
森も、それ以上は何も聞かなかった。
ただ、この少年は普通から少し離れたところにいるのだということは理解していた。
それはとても悲しいことだと思い、彼は
「もしお暇でしたら、どこかにでかけませんか?」と訊ねた。
「…?」
雫は、首をかしげて彼をみていた。
「……あ、今日は私たち非番なので、どこかに出かけようという話になっているのです!それで………」
「……いえ、私は………」
みなさんで楽しんできてください、と雫は盆を下げた。
雫の笑顔は、それ以上踏み込むなといわんばかりのもので、森はそれ以上何も言えなかった。
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