自分なんか…と思っていたらまさかの僕が最強だった

友谷良平

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自殺未遂NO.1 〜飛び降り〜

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 6月の湿気を含んだ風がボクの短い髪を、新緑の葉をやさしくゆらす。ボクがとじていたまぶたをそっと開くと、そこには言葉ではうまく表せないような景色が広がっていた。いつもは見上げているはずの家やアパート、そして学校までもを見下ろすことができた。歩いている人や犬はおろか、車までもが小さな虫に見えはじめ、自分がこの世の頂点に立っているかのような感覚に陥りそうになる。そんなひらけた視界が、ボクが今まで生きてきた世界がいかににちっぽけな、この大きな地球の一部でしかないかを知らしめてくれる。ボクの悩みはこの世界に比べればすごく小さくても、ボクにとっては重大な悩みになる。ボクにとってボクという存在はすごく大きなものだが、この世界にいる何十億という人としては小さい。今ボクが一人欠けたところで何かが大きく変わるわけではない。変わったとしても学校、家族、地域、その程度だろう。ボクはここに立ってみて覚悟が決まった。何をこんなに悩んでいたんだろうというほどに。(ボクには小さな世界しか見えていなかったんだ。もう下だけを向いて生きていくのは嫌だ。一歩前に踏み出そう。ボクは変わるんだ。)そう強く心に誓うとボクは一歩前に踏み出し、重力に任せるままにマンションの屋上から飛び降りた。
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