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 ペンの先についた星が書くたびに揺れ、シャラシャラと小さな音をたてる。僕はキラキラしたものに興味はなかったが、小学生の頃にクラスの女子が大好きだったので嫌というほど見ていた。しかし、僕が成長して久しぶりに見たからなのかあの頃見ていたものとはまるで違うもののように輝いて見えた。高校生にもなってシャラシャラしたペンを使っていること自体は理解しがたかったが、小さな星一つというひかえめな飾りだからまだアリなのかと思わせるなんとも不思議な星だった。僕はそれほどその星の飾りに惹き込まれていたんだろう。女の子は書き終わっても僕の為にペンを細かく揺らして見せてくれていたのだが、僕はいつ書き終わったのかにも気が付かなかった。「あの、先輩、そんなに興味があるんですか?正直言って気持ち悪いですよ。まぁこの星にはそれほどのパワーや魅力があるということがわかったので今回だけは見なかったことにしてあげてもいいですけど。」と初対面なはずなのに蔑んだ目で見下され、僕はやっと現実に引き戻された。
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