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田中葵

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スリーピース 第2章

本会議後の余波 ― 国民の受けとめと政治家たちとのズレ

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本会議後の余波 ― 国民の受けとめと政治家たちとのズレ

新聞社の編集会議

 翌朝。
 大手紙の編集会議室。
 長机に並ぶ記者たちの前で、政治部デスクが声を張る。

「昨日の本会議、三人のワードがバラバラで面白い。A紙は“未来”で行く。B紙は“芯”を突っつけ。C紙は“現実”を数字で攻めろ」

 記者の一人がため息をついた。
「でも、それじゃ……国民がさらに混乱しませんか」

 デスクは冷たく笑った。
「混乱こそニュースだ。どう受け止められるかは読者次第だ」

 活字は世論を映す鏡であり、また世論を歪める刃でもあった。



SNS ― 熱狂と冷笑の同居

 昼休み。
 スマホのタイムラインには、三人の言葉を巡る“コラ画像”や“替え歌”があふれていた。

 山田の「未来」は、アニメキャラの名台詞に重ねられ拡散。

 野島の「芯」はラーメン屋の硬さ表記(バリカタ/ハリガネ)と合成され、爆笑される。

 勝呂の「現実」は、重課税のグラフとともに皮肉のコメント付きで拡散。


 賛否よりも“遊び”が先に立ち、肝心の言葉はどんどん軽くなっていった。



ラジオの討論番組

 夕方のラジオ。
 キャスターがリスナーの声を読み上げる。

「東京都・28歳女性:未来を語るのは良い。でも、私たちの未来は家賃と保育園問題なんです」
「福岡県・45歳男性:芯を語るより、芯のある政策を一つでも出してほしい」
「長野県・62歳男性:現実を語るのは分かるが、怒鳴るだけでは耳に入らない」

 電話を繋いだ大学教授は苦々しく言う。
「政治家がズレを認識できなければ、次の選挙では“言葉の信用”そのものが崩壊しますよ」



地方紙のコラム

 深夜。
 地方紙のベテラン記者は、記事の末尾にこう記した。

> 「未来も、芯も、現実も――どれも必要だ。
 だが三人の議論は国民を置き去りにしている。
 本当に語られるべきは“私たちの生活そのもの”ではないか」



 それはネットで拡散され、思わぬ共感を呼んでいった。



地方紙の記事

 長野の地方新聞には、こう記されていた。

> 「民自党・勝呂幹事長、『現実を直視せよ』と叫ぶ」
「抽象論の応酬、国民に届かず」



 記事の下には、読者投稿欄。
「結局またケンカしてるだけだ」「でも“現実”と言ってくれる人がいるのは安心する」――相反する声が並ぶ。



SNSのタイムライン

 都内の大学生がつぶやく。
「“未来”とか“芯”とか、“現実”とか、詩人の集まり?」
 それに対して主婦が返信する。
「現実=お金。未来=子どもの進路。芯=健康。私にはそう見えた」
 賛否のコメントが交錯し、トレンドワードにまで浮上する。



ラジオ深夜便

 午前2時、地方局の深夜ラジオ。
パーソナリティはこう投げかけた。
「リスナーのみなさんにとって“芯”とは何でしょう。電話でもメールでも受け付けてます」
 トラック運転手から届いたメールは、こうだった。
「芯ってのは、帰る家。長距離走ったあと灯りがついてるのを見ると、それが芯だと思う」



コミュニティ ― 話題の広がり

シェアオフィスの夜

 東京・高円寺のシェアオフィス。
 20人ほどが集まり、ワイン片手に「社会と暮らしを語る会」が開かれていた。
 壁にはスクリーン、SNSのトレンドワード「未来×芯×現実」が映し出されている。

「昨日の国会見た?」
 フリーランスのデザイナーが切り出す。
「“未来”とか言われても、こっちは今月の請求書が現実だよ」

「でも“芯”って面白いと思った」
 大学院生がノートを広げる。
「僕にとって芯は“研究テーマ”。ブレたら何も残らない」

 子育て中の母親も加わる。
「芯って家族かな。どんなに仕事で疲れても、子どもが寝顔で笑ってると救われる」

「未来って、会社員辞めて独立することかも」
 若手エンジニアが照れながら言うと、周囲は笑い声を上げた。

 話題はやがて「政治家の言葉のズレ」から「自分たちの芯や未来」に移り、会場は熱を帯びていく。



地方の喫茶店

 名古屋の古い喫茶店でも、同じ議論が自然と起きていた。
「現実ってのは、売上だがね」
 マスターがぼそりと言うと、常連客が笑う。
「いやいや、芯は味噌カツだよ」
 そんな冗談の合間に、政治の言葉が生活の言葉に翻訳されていった。



オンラインコミュニティ

 Discordの小さなサーバーでは、夜通し議論が続く。
「未来を描けない政治は終わってる」
「でも現実を無視した未来論も危ない」
「芯って宗教っぽいな」
 チャット欄は数百件を超え、最後は「自分にとっての芯を一言で」という即興ワークショップになった。


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