19 / 278
第19話 魔物部屋の階段の先に進みました
しおりを挟む
「それでモリス、あなたが一番問題視しているのはどの部分ですか?」
オートカさんが深刻そうな顔でモリスさんと話してる。
「それはもう間違いなく『音の感知』だね。匂いはともかく音は不味いよ。何たって国や貴族たちにとっては便利過ぎる、そして恐ろし過ぎる能力だ。彼の存在自体を秘密にされて、彼らに都合よく利用される未来しか見えないよ」
「モリス、なら我々がやるべき事はスティールと同じです。彼だけのものでなく一般的な技術に落とし込みましょう。その為にもまずはその技術、あなたが習得してみるというのはどうです?」
そんなオートカさんの言葉に、モリスさんはハッとした表情を見せた。
「そう……か。そう、そうだよ! そこに興味深い新技術がある――だったら迷わずそれに向かって突き進むのが僕じゃあないか。音と匂いの感知! 時空間魔法の新機軸になるかもしれない。新魔法として定義出来るかもしれない。ああ何だ、これはつまり『実に心躍る展開』ってやつじゃあないか。よし、そうと決まれば早速――」
「いや、今から探索ですよ」
この冷静なツッコミ……実はこの二人っていいコンビ?
「おっとそうだったね、これはうっかり。そうだったね、カルア君だって早くダンジョンに入りたいよね? あの階段の先が気になるよね? うん、もちろんそっちが優先だよ。何しろ今日ここに来た目的のひとつ――いや寧ろメインイベントの方かな。さあそれじゃあ共に行こうじゃないか! なに僕の方はその後でもぜんぜん大丈夫、むしろ先の楽しみが出来て逆に嬉しいってもんさ」
モリスさんてば、あっという間にいつもの雰囲気に戻っちゃった。
流石オートカさん、やっぱり二人はいいコンビ――って、僕が原因なのはもちろんちゃんと分かっていますから。ご心配をおかけします!
「じゃ、入ろうか。今度はカルア君のカードで入るんだよね?」
「ええ、その通りです」
「よしじゃあ、しゅっぱーーつ! カルア君、転送よろしく」
僕が転送装置にカードを翳すと――もちろん特別な何かが起こる訳もなく、僕達はダンジョン内の転移の間へと普通に転送された。
「さてカルア殿、今回は一歩目を踏み出した瞬間の魔力変動を記録しますから、ちょっとだけ待っていて下さいね。ウサダン、計測準備は?」
「完了しました。いつでもどうぞ」
「じゃあカルア君、ゆっくり一歩踏み出して下さい」
言われた通り一歩前へ。そして部屋はいつもの赤い光に変わる。
「ウサダン、計測は?」
「大丈夫です。記録出来ました」
「よかった……さっきはそこのお調子者の所為で正確な記録が取れませんでしたからね。全く、新しい魔法罠なんだからトリガー部分の記録は非常に大事だというのに」
「やだなあ、それについてはさっきちゃんと謝ったじゃあないか。僕だって本当にワンチャンスしかなかったらきちんとやるって。ほら、今だってこうして動かず待っていただろう?」
「当たり前ですっ! そしてワンチャンスとか関係なく常にふざけたりしないのが、本当の『当たり前』なのですからね!」
僕がいなかった一回目、一体ここで何があったんだろう。
聞きたいような聞きたくないような……
と言っても、モリスさんが『悪い方のモリスさんらしさ』を出しちゃった、ってとこまでは簡単に想像つくけどさ。
「さて、これでもうここで記録する事とかは無いよね? だったらこのまま魔物部屋にご招待いただこうよ。僕も早くカルア君のスティール無双を見てみたいんだよ」
という事でもう一度僕のカードを転送装置に翳してトラップを発動させれば、今度もやっぱり全員無事に魔物部屋へと転送された。
……これが当たり前に感じつつあるのがちょっと嫌だけど。
「さてさて、ここからの僕は単なる見学者だ。オートカ達もやるのは障壁と記録だけだろう?」
「そうですね。ウサダン計測は?」
「もう始めてます」
「じゃあラキは障壁の展開。タチョはウサダンと時間の連携を」
「「了解」」
「あとカルア殿にはこちらをお渡ししておきます」
メンバーに指示を出し終えたオートカさんが僕に小さな巾着を差し出した。
「何ですかこの巾着?」
「のど飴が入っています。喉が疲れた時にどうぞ」
アメちゃん貰った……
「ありがとうございます。後でいただきますね」
そんな長閑な一時はどうやら終わりを迎えそう――って魔物部屋が長閑な訳無いか。
「おっとカルア君、そろそろ団体様ご到着の時間だ。いよいよ君の【スティール】が炸裂する時が来たようだね。そこで今回は君に課題を出そう」
課題……って何だろう?
「いいかい? まずはこの部屋全体を把握するんだ。そして【スティール】は闇雲に撃つんじゃなくって狙い撃つ。これは密集した魔物の群れから対象を特定して撃つ訓練ってやつだよ。この経験はきっとこれからの君の役に立つ筈だ。時間がかかっても構わないから焦らずじっくりね。……といっても階段の下を探索するくらいの時間は残しておいてくれよ、ははっ」
先生モードのモリスさんはとっても真面目。
教えてくれる内容もすごく為になるし分かりやすい。
「分かりました、やってみます。【俯瞰】」
部屋全体を把握して、と。視点は……このままでいいかな。視覚との重ね合わせだけしておこう。
それから魔法の鞄。オートカさんに教えてもらった通り口を開けて足元に置いて……よしっ、準備完了!
「さあ、いよいよお客さんのご到着だ。それじゃあカルア君、彼らの歓迎よろしくね」
モリスさんのその声と同時に部屋中に魔物が溢れる。
この光景を見るのも今回で3度目か。
最初はたった一人、絶望とともに。
その次、2度目は最初だけ少し緊張したけど何事も無く安全地帯からの乱れ撃ち。
そして今回。安全地帯からっていうのは前回と同じだけど、今回は下の階へと向かう為の単なる通り道として、そしてついでに時空間魔法の課題を与えられて。
モリスさんから出されたその課題は、【スティール】を空間魔法との連携で狙い撃つ事だ。
言われてみれば今まで狙いを定めて【スティール】した事は一度もない。狙いは全部スキル任せだったから。
自分でも気づいていなかったその事に、モリスさんは気づいてたって事なんだろう。
やっぱり凄い人だなあ。そんなモリスさんからもらった課題、ちゃんと満点回答しなくちゃね。
まずは正面の魔物を手前から奥に向かって順に狙っていこう。
「【スティール】」
よし、狙った魔物から【スティール】出来た。次!
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
うん、ちゃんと狙った通り【スティール】出来てる。ならこのまま一番奥まで一気に連続で。
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
「おおー、これがカルア君の本物のスティールかぁ。実に滑らか、実にスピーディ、実に正確。これは何て言うか、途轍もないねぇ。僕のなんちゃって【スティール】との違いをどうにか見付けないとなあ。まったく、カルア君に出した課題よりも僕に出されてる課題の方がはるかに難題だよ。まずは何とかヒントだけでも見つけないとね。いやあ楽しいなあ」
おっと、直線上のバットは全て倒して壁に到達したみたいだ。じゃあ次は壁沿いにぐるっと一周回ってみようか。
ってあれ? 今の口調ってどことなくモリスさんっぽくなかった?
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
「おっと、今度は奥側の集中攻撃を始めたのかな? 僕も【俯瞰】してっと。うん、やっぱり壁沿いに撃ち進めているみたいだね。ちゃんと狙えているようで感心感心」
一匹ずつ狙う感覚感覚はもう掴めたし何の問題も無さそうだ。次は違う事にもチャレンジしてみたいなあ……そうだ、一度に2匹まとめて【スティール】出来るかな?
「【スティール】っ」
目の前に現れた魔石はふたつ。俯瞰から消えた魔物の表示もふたつ。
やった、2匹同時の【スティール】も成功だ。魔力の減りはもともと小さすぎて違いが分からない。多分2回分減ってると思うけど。
「ん、今のは見間違いかな? 何だか2匹消えたような気がしたんだけど?」
このまま3匹、4匹と増やしていってもいいけど、きっとそんなに差は無いと思うんだよね。だから――
「【スティール】」
はい、10匹同時【スティール】成功!
「ああ、今度は絶対に見間違いじゃあない……ねえオートカ、何だか僕は凄く嫌な予感がしてきたよ……?」
「安心して下さいモリス、私もですから」
「……それを聞いてますます安心出来なくなったよ」
さあ、次はアレ。
「【スティール】」
目の前の魔石、超たくさん。
魔物は部屋の中の四分の一くらいがまとめて消えた感じかな?
「……オートカ、僕の感じていた嫌な予感を一瞬で上回ってきたヨ?」
「私ね、この間十分驚いたので今日はもう驚く事は無いと思ってたんですよ。少なくともこの部屋では」
「それで今何が起きたかと言うと……僕の把握によれば今の一度の【スティール】で切り裂きバットが全滅したみたいだ」
「つまり、把握による種類指定を【スティール】に連携出来る……という事ですか」
「…………ははっ」
「…………ふふっ」
「「…………はぁ」」
さて、じゃあもう少し大きな括りで指定してみよう。
指定するのは『範囲内の魔物』。って事で――
「【スティール】」
うん、一匹もいなくなった。魔力は……ほんのちょっと減った感じがする、かな?
「どうしようオートカ。僕また余計な事言っちゃったかな? もっとちゃんと考えてから発言した方がいいのかな? それとも僕はもうこの先一生、何も言わない方がいいのかな?」
「発言は考えて欲しいし口数も減らして欲しいですけど、これに関しては多分モリスが何も言わなくてもカルア殿はすぐにやっていたと思いますよ。目の届くところでやってくれただけ良かった、と思うしか無いでしょう」
おっと、まだ湧出は止まらないみたいだ。じゃあまた部屋中に溢れるのを待って、今度は一度で全部片付けようかな……
それから3ターンで殲滅完了。
「もう出て来ない……かな? これで終わりでしょうか?」
「そうですね、多分終わりかと思いますよ。そろそろ階段と扉が出――ああ、出ましたね」
部屋の壁に扉、そして反対側の床には下り階段が現れた。
「取り敢えずカルア君には言いたい事が色々とあるけど――ホントに色々あるけど! でも階段が出ている時間は10分間だけだし、まず今は床に散らばってるアレを全部片付けて先に進むとしようか。じゃあカルア君、課題をクリアしたご褒美に今からいいものを見せてあげよう。いいかい、よく見てるんだよ?」
何だろう? モリスさんの事だから、きっともの凄い事をやってくれるよね。これは絶対見逃せないよ! 刮目せよ僕!
「さあ行くよ、はい【収納】」
部屋中に溢れていた魔物の死骸が……全部消えた!?
「それからそれ全部この鞄の上に取り出す、と」
鞄の上に現れ続ける魔物の山、それが次々と鞄に向かって落ちていって……そのまま全部鞄に吸い込まれてく!
凄い! まるで魔法みたい! って魔法だったよ……
「スキルとして【ボックス】を発動する方がお手軽なんだけど、今のは敢えて【収納】魔法として発動したんだよ。どうだい、【収納】の感じ何となく分かったかい?」
「ありがとうございます、モリスさん。何だか見えたような気がします!」
「うんうん、参考になったのなら良かったよ。それじゃあ階段が消えちゃわないうちに下へ行こうか。オートカ、君達は準備があるんだろう?」
オートカさんの指示で調査団メンバーの準備が整うのを待って、僕達は階段を下りて行った。するとそこに待っていたのは――
「先ほどと同じような部屋ですね。広さはこちらの方が少し上でしょうか? 出口は何処にも無さそうです」
「さあて、今度は何が出てくるのかな? まさかさっきと同じ魔物がまた出てくるなんで、そんな芸の無い事はしないよねえ。もしそうだったら僕はこのダンジョンを『テヌキノダンジョン』に改名するよう申請を出しちゃうよ?」
ええー、そんな名前になったらイヤだなあ……
とその時ウサダンさんから警告。緊張が走る!
「奥に魔力の揺らぎ発生。おそらく中型サイズ1匹です」
そして出現した魔物が――
「お、あれって――」
「成程、これは予想して然るべきでしたね。実に順当と言えます」
「あれってもしかして……『金属バット』?」
「ほう、知っていましたか。流石はカルア殿ですね。そう、あれは属性の特性を備える『属性バット』の亜種で、全身金色のその姿から『金色属性バット』という名が付いた魔物です。『金属バット』はその略称ですね」
「あれってこのフィラストダンジョンのラスボスですよね。確かコアが結界に覆われてから出現しなくなったって。ギルドの図書室でダンジョンについて調べている時に本で見ました」
「その通りです。他の場所で出現したという報告は無いのでもう実物を見る機会は無いものと思っていましたが、まさかこのような形で見る事が出来るとは」
入口の隣の部屋の下でね。
「この上の魔物部屋ってさ、ここのダンジョンの通常モンスターが一通り出てきてたんだよね? それでその下の階で待っていたのがこのダンジョンのラスボスだったと。うんうん、そう考えると実に素直でいいダンジョンじゃないか。じゃあここは『スナオナダンジョン』に改名って事でいいのかな?」
「そろそろ改名から離れて下さいモリス。ここの名前はフィラストダンジョンのままでいいですよ。それで金属バットについてですが、記録によれば出現する度に違う属性を備えていたようです。今回は何の属性を備えているのでしょうね」
「ふーん、それでオートカはアレについて何か調べたい事ってある?」
「希少な魔物ではありますが正直興味は無いですね。所詮ちょっと大きくて派手なだけの属性バットですから」
「だよねー。で、僕の興味はただ一点、『【スティール】出来るか否か』だけだ。今魔石の位置を探るからちょっと待ってて――ああ、胸のあたり中央だ。オートカ、その辺りを集中的に計測出来るかい」
「ウサダン、聞いたな? 計測位置は魔物の胸の辺りだ」
「ロック、オン。追尾、オン。対象が素早い動きを始める前にお願いします」
「了解だよ。じゃあカルア君【スティール】やっちゃって」
「はい、行きます……【スティール】!」
そして金属バットはちょっと大きめな魔石になった。
この大きさの魔物に【スティール】したのは初めてだけど、特に今までとの違いは感じなかったかな。
「あっはっは、カルア君ってば相変わらずの天敵っぷりだねえ。まあさっきの全指定殲滅のインパクトが強過ぎたお陰で今回は何の驚きも無かったけど。でも今では幻の金属バットだから持ち帰ればギルドは大騒ぎになるだろうね。と言う訳で鞄に収納しちゃおうか、カルア君」
鞄に入れようと金属バットに近付くと――
あ、その向こうにまた下り階段が現れた!
他のみんなも気付いたみたいで後ろから歩み寄ってきた。
このまま下に行くのかな? とその前にまずは収納っと。
「どうやらまだ下があるようですね。まあ今回は降りないにしてもちょっと様子だけでも――おや?」
「ん? どうしたんだいオートカ?」
「これ以上は近付けないようですね。階段の周りが障壁のようなもので覆われています」
オートカさんの言葉にモリスさんも階段に近付き、そしてやっぱり途中で止まった。
「ああ本当だねえ。これはあれだね、『何かの条件をまだ満たしていない』って事なんだろうね」
「ええ、私もそう思います。そして今までの流れからすると『入口で転移トラップを発動した者』に対する条件、という可能性が高いかと」
それって……僕?
「こうして塞がっている以上、壊して無理矢理進むってのはお勧め出来ないかな。ダンジョンそのものに悪影響が出かねないからね。今回はここまで、かな?」
「そうですね。今回は魔物部屋に現れた階段の先を確認することが目的でした。その点ではこの階段の下もまた目的地と言えなくも無いですが、この階段の条件の特定はやはり調査の趣旨から外れる気がします」
今日の調査は終了となり、僕達は全員上の部屋に戻った。
と思ったら――あれ、階段が消えた?
「どうやらこの階段、下に降りている間は消えずに残ったままとなるようですね。それで下に誰もいなくなると消える、と」
「必ずそうなるか試すのはちょっとリスクがあるなあ」
「そうですね、試す前にこの場所で【転移】が使えるかの確認が必須でしょう。それと使えない場合のリカバリー案もですね」
探索を終えた僕達は今、ギルドへ帰る馬車に揺られている。
さっきまで元気だったモリスさんは、今はとても疲れた様子で別人のように静かだ。
まるでそう、この間ギルマスと森に行った帰り道の僕のように……
▽▽▽▽▽▽
このお話が面白いと感じてくれた方、「いいね」をお願いします。
続きが気になる方、「お気に入り」登録はいかがですか。
作者に一言ツッコみたい方やモノ申したい方、「感想コメント」お気軽にどうぞ。
オートカさんが深刻そうな顔でモリスさんと話してる。
「それはもう間違いなく『音の感知』だね。匂いはともかく音は不味いよ。何たって国や貴族たちにとっては便利過ぎる、そして恐ろし過ぎる能力だ。彼の存在自体を秘密にされて、彼らに都合よく利用される未来しか見えないよ」
「モリス、なら我々がやるべき事はスティールと同じです。彼だけのものでなく一般的な技術に落とし込みましょう。その為にもまずはその技術、あなたが習得してみるというのはどうです?」
そんなオートカさんの言葉に、モリスさんはハッとした表情を見せた。
「そう……か。そう、そうだよ! そこに興味深い新技術がある――だったら迷わずそれに向かって突き進むのが僕じゃあないか。音と匂いの感知! 時空間魔法の新機軸になるかもしれない。新魔法として定義出来るかもしれない。ああ何だ、これはつまり『実に心躍る展開』ってやつじゃあないか。よし、そうと決まれば早速――」
「いや、今から探索ですよ」
この冷静なツッコミ……実はこの二人っていいコンビ?
「おっとそうだったね、これはうっかり。そうだったね、カルア君だって早くダンジョンに入りたいよね? あの階段の先が気になるよね? うん、もちろんそっちが優先だよ。何しろ今日ここに来た目的のひとつ――いや寧ろメインイベントの方かな。さあそれじゃあ共に行こうじゃないか! なに僕の方はその後でもぜんぜん大丈夫、むしろ先の楽しみが出来て逆に嬉しいってもんさ」
モリスさんてば、あっという間にいつもの雰囲気に戻っちゃった。
流石オートカさん、やっぱり二人はいいコンビ――って、僕が原因なのはもちろんちゃんと分かっていますから。ご心配をおかけします!
「じゃ、入ろうか。今度はカルア君のカードで入るんだよね?」
「ええ、その通りです」
「よしじゃあ、しゅっぱーーつ! カルア君、転送よろしく」
僕が転送装置にカードを翳すと――もちろん特別な何かが起こる訳もなく、僕達はダンジョン内の転移の間へと普通に転送された。
「さてカルア殿、今回は一歩目を踏み出した瞬間の魔力変動を記録しますから、ちょっとだけ待っていて下さいね。ウサダン、計測準備は?」
「完了しました。いつでもどうぞ」
「じゃあカルア君、ゆっくり一歩踏み出して下さい」
言われた通り一歩前へ。そして部屋はいつもの赤い光に変わる。
「ウサダン、計測は?」
「大丈夫です。記録出来ました」
「よかった……さっきはそこのお調子者の所為で正確な記録が取れませんでしたからね。全く、新しい魔法罠なんだからトリガー部分の記録は非常に大事だというのに」
「やだなあ、それについてはさっきちゃんと謝ったじゃあないか。僕だって本当にワンチャンスしかなかったらきちんとやるって。ほら、今だってこうして動かず待っていただろう?」
「当たり前ですっ! そしてワンチャンスとか関係なく常にふざけたりしないのが、本当の『当たり前』なのですからね!」
僕がいなかった一回目、一体ここで何があったんだろう。
聞きたいような聞きたくないような……
と言っても、モリスさんが『悪い方のモリスさんらしさ』を出しちゃった、ってとこまでは簡単に想像つくけどさ。
「さて、これでもうここで記録する事とかは無いよね? だったらこのまま魔物部屋にご招待いただこうよ。僕も早くカルア君のスティール無双を見てみたいんだよ」
という事でもう一度僕のカードを転送装置に翳してトラップを発動させれば、今度もやっぱり全員無事に魔物部屋へと転送された。
……これが当たり前に感じつつあるのがちょっと嫌だけど。
「さてさて、ここからの僕は単なる見学者だ。オートカ達もやるのは障壁と記録だけだろう?」
「そうですね。ウサダン計測は?」
「もう始めてます」
「じゃあラキは障壁の展開。タチョはウサダンと時間の連携を」
「「了解」」
「あとカルア殿にはこちらをお渡ししておきます」
メンバーに指示を出し終えたオートカさんが僕に小さな巾着を差し出した。
「何ですかこの巾着?」
「のど飴が入っています。喉が疲れた時にどうぞ」
アメちゃん貰った……
「ありがとうございます。後でいただきますね」
そんな長閑な一時はどうやら終わりを迎えそう――って魔物部屋が長閑な訳無いか。
「おっとカルア君、そろそろ団体様ご到着の時間だ。いよいよ君の【スティール】が炸裂する時が来たようだね。そこで今回は君に課題を出そう」
課題……って何だろう?
「いいかい? まずはこの部屋全体を把握するんだ。そして【スティール】は闇雲に撃つんじゃなくって狙い撃つ。これは密集した魔物の群れから対象を特定して撃つ訓練ってやつだよ。この経験はきっとこれからの君の役に立つ筈だ。時間がかかっても構わないから焦らずじっくりね。……といっても階段の下を探索するくらいの時間は残しておいてくれよ、ははっ」
先生モードのモリスさんはとっても真面目。
教えてくれる内容もすごく為になるし分かりやすい。
「分かりました、やってみます。【俯瞰】」
部屋全体を把握して、と。視点は……このままでいいかな。視覚との重ね合わせだけしておこう。
それから魔法の鞄。オートカさんに教えてもらった通り口を開けて足元に置いて……よしっ、準備完了!
「さあ、いよいよお客さんのご到着だ。それじゃあカルア君、彼らの歓迎よろしくね」
モリスさんのその声と同時に部屋中に魔物が溢れる。
この光景を見るのも今回で3度目か。
最初はたった一人、絶望とともに。
その次、2度目は最初だけ少し緊張したけど何事も無く安全地帯からの乱れ撃ち。
そして今回。安全地帯からっていうのは前回と同じだけど、今回は下の階へと向かう為の単なる通り道として、そしてついでに時空間魔法の課題を与えられて。
モリスさんから出されたその課題は、【スティール】を空間魔法との連携で狙い撃つ事だ。
言われてみれば今まで狙いを定めて【スティール】した事は一度もない。狙いは全部スキル任せだったから。
自分でも気づいていなかったその事に、モリスさんは気づいてたって事なんだろう。
やっぱり凄い人だなあ。そんなモリスさんからもらった課題、ちゃんと満点回答しなくちゃね。
まずは正面の魔物を手前から奥に向かって順に狙っていこう。
「【スティール】」
よし、狙った魔物から【スティール】出来た。次!
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
うん、ちゃんと狙った通り【スティール】出来てる。ならこのまま一番奥まで一気に連続で。
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
「おおー、これがカルア君の本物のスティールかぁ。実に滑らか、実にスピーディ、実に正確。これは何て言うか、途轍もないねぇ。僕のなんちゃって【スティール】との違いをどうにか見付けないとなあ。まったく、カルア君に出した課題よりも僕に出されてる課題の方がはるかに難題だよ。まずは何とかヒントだけでも見つけないとね。いやあ楽しいなあ」
おっと、直線上のバットは全て倒して壁に到達したみたいだ。じゃあ次は壁沿いにぐるっと一周回ってみようか。
ってあれ? 今の口調ってどことなくモリスさんっぽくなかった?
「【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】【スティール】」
「おっと、今度は奥側の集中攻撃を始めたのかな? 僕も【俯瞰】してっと。うん、やっぱり壁沿いに撃ち進めているみたいだね。ちゃんと狙えているようで感心感心」
一匹ずつ狙う感覚感覚はもう掴めたし何の問題も無さそうだ。次は違う事にもチャレンジしてみたいなあ……そうだ、一度に2匹まとめて【スティール】出来るかな?
「【スティール】っ」
目の前に現れた魔石はふたつ。俯瞰から消えた魔物の表示もふたつ。
やった、2匹同時の【スティール】も成功だ。魔力の減りはもともと小さすぎて違いが分からない。多分2回分減ってると思うけど。
「ん、今のは見間違いかな? 何だか2匹消えたような気がしたんだけど?」
このまま3匹、4匹と増やしていってもいいけど、きっとそんなに差は無いと思うんだよね。だから――
「【スティール】」
はい、10匹同時【スティール】成功!
「ああ、今度は絶対に見間違いじゃあない……ねえオートカ、何だか僕は凄く嫌な予感がしてきたよ……?」
「安心して下さいモリス、私もですから」
「……それを聞いてますます安心出来なくなったよ」
さあ、次はアレ。
「【スティール】」
目の前の魔石、超たくさん。
魔物は部屋の中の四分の一くらいがまとめて消えた感じかな?
「……オートカ、僕の感じていた嫌な予感を一瞬で上回ってきたヨ?」
「私ね、この間十分驚いたので今日はもう驚く事は無いと思ってたんですよ。少なくともこの部屋では」
「それで今何が起きたかと言うと……僕の把握によれば今の一度の【スティール】で切り裂きバットが全滅したみたいだ」
「つまり、把握による種類指定を【スティール】に連携出来る……という事ですか」
「…………ははっ」
「…………ふふっ」
「「…………はぁ」」
さて、じゃあもう少し大きな括りで指定してみよう。
指定するのは『範囲内の魔物』。って事で――
「【スティール】」
うん、一匹もいなくなった。魔力は……ほんのちょっと減った感じがする、かな?
「どうしようオートカ。僕また余計な事言っちゃったかな? もっとちゃんと考えてから発言した方がいいのかな? それとも僕はもうこの先一生、何も言わない方がいいのかな?」
「発言は考えて欲しいし口数も減らして欲しいですけど、これに関しては多分モリスが何も言わなくてもカルア殿はすぐにやっていたと思いますよ。目の届くところでやってくれただけ良かった、と思うしか無いでしょう」
おっと、まだ湧出は止まらないみたいだ。じゃあまた部屋中に溢れるのを待って、今度は一度で全部片付けようかな……
それから3ターンで殲滅完了。
「もう出て来ない……かな? これで終わりでしょうか?」
「そうですね、多分終わりかと思いますよ。そろそろ階段と扉が出――ああ、出ましたね」
部屋の壁に扉、そして反対側の床には下り階段が現れた。
「取り敢えずカルア君には言いたい事が色々とあるけど――ホントに色々あるけど! でも階段が出ている時間は10分間だけだし、まず今は床に散らばってるアレを全部片付けて先に進むとしようか。じゃあカルア君、課題をクリアしたご褒美に今からいいものを見せてあげよう。いいかい、よく見てるんだよ?」
何だろう? モリスさんの事だから、きっともの凄い事をやってくれるよね。これは絶対見逃せないよ! 刮目せよ僕!
「さあ行くよ、はい【収納】」
部屋中に溢れていた魔物の死骸が……全部消えた!?
「それからそれ全部この鞄の上に取り出す、と」
鞄の上に現れ続ける魔物の山、それが次々と鞄に向かって落ちていって……そのまま全部鞄に吸い込まれてく!
凄い! まるで魔法みたい! って魔法だったよ……
「スキルとして【ボックス】を発動する方がお手軽なんだけど、今のは敢えて【収納】魔法として発動したんだよ。どうだい、【収納】の感じ何となく分かったかい?」
「ありがとうございます、モリスさん。何だか見えたような気がします!」
「うんうん、参考になったのなら良かったよ。それじゃあ階段が消えちゃわないうちに下へ行こうか。オートカ、君達は準備があるんだろう?」
オートカさんの指示で調査団メンバーの準備が整うのを待って、僕達は階段を下りて行った。するとそこに待っていたのは――
「先ほどと同じような部屋ですね。広さはこちらの方が少し上でしょうか? 出口は何処にも無さそうです」
「さあて、今度は何が出てくるのかな? まさかさっきと同じ魔物がまた出てくるなんで、そんな芸の無い事はしないよねえ。もしそうだったら僕はこのダンジョンを『テヌキノダンジョン』に改名するよう申請を出しちゃうよ?」
ええー、そんな名前になったらイヤだなあ……
とその時ウサダンさんから警告。緊張が走る!
「奥に魔力の揺らぎ発生。おそらく中型サイズ1匹です」
そして出現した魔物が――
「お、あれって――」
「成程、これは予想して然るべきでしたね。実に順当と言えます」
「あれってもしかして……『金属バット』?」
「ほう、知っていましたか。流石はカルア殿ですね。そう、あれは属性の特性を備える『属性バット』の亜種で、全身金色のその姿から『金色属性バット』という名が付いた魔物です。『金属バット』はその略称ですね」
「あれってこのフィラストダンジョンのラスボスですよね。確かコアが結界に覆われてから出現しなくなったって。ギルドの図書室でダンジョンについて調べている時に本で見ました」
「その通りです。他の場所で出現したという報告は無いのでもう実物を見る機会は無いものと思っていましたが、まさかこのような形で見る事が出来るとは」
入口の隣の部屋の下でね。
「この上の魔物部屋ってさ、ここのダンジョンの通常モンスターが一通り出てきてたんだよね? それでその下の階で待っていたのがこのダンジョンのラスボスだったと。うんうん、そう考えると実に素直でいいダンジョンじゃないか。じゃあここは『スナオナダンジョン』に改名って事でいいのかな?」
「そろそろ改名から離れて下さいモリス。ここの名前はフィラストダンジョンのままでいいですよ。それで金属バットについてですが、記録によれば出現する度に違う属性を備えていたようです。今回は何の属性を備えているのでしょうね」
「ふーん、それでオートカはアレについて何か調べたい事ってある?」
「希少な魔物ではありますが正直興味は無いですね。所詮ちょっと大きくて派手なだけの属性バットですから」
「だよねー。で、僕の興味はただ一点、『【スティール】出来るか否か』だけだ。今魔石の位置を探るからちょっと待ってて――ああ、胸のあたり中央だ。オートカ、その辺りを集中的に計測出来るかい」
「ウサダン、聞いたな? 計測位置は魔物の胸の辺りだ」
「ロック、オン。追尾、オン。対象が素早い動きを始める前にお願いします」
「了解だよ。じゃあカルア君【スティール】やっちゃって」
「はい、行きます……【スティール】!」
そして金属バットはちょっと大きめな魔石になった。
この大きさの魔物に【スティール】したのは初めてだけど、特に今までとの違いは感じなかったかな。
「あっはっは、カルア君ってば相変わらずの天敵っぷりだねえ。まあさっきの全指定殲滅のインパクトが強過ぎたお陰で今回は何の驚きも無かったけど。でも今では幻の金属バットだから持ち帰ればギルドは大騒ぎになるだろうね。と言う訳で鞄に収納しちゃおうか、カルア君」
鞄に入れようと金属バットに近付くと――
あ、その向こうにまた下り階段が現れた!
他のみんなも気付いたみたいで後ろから歩み寄ってきた。
このまま下に行くのかな? とその前にまずは収納っと。
「どうやらまだ下があるようですね。まあ今回は降りないにしてもちょっと様子だけでも――おや?」
「ん? どうしたんだいオートカ?」
「これ以上は近付けないようですね。階段の周りが障壁のようなもので覆われています」
オートカさんの言葉にモリスさんも階段に近付き、そしてやっぱり途中で止まった。
「ああ本当だねえ。これはあれだね、『何かの条件をまだ満たしていない』って事なんだろうね」
「ええ、私もそう思います。そして今までの流れからすると『入口で転移トラップを発動した者』に対する条件、という可能性が高いかと」
それって……僕?
「こうして塞がっている以上、壊して無理矢理進むってのはお勧め出来ないかな。ダンジョンそのものに悪影響が出かねないからね。今回はここまで、かな?」
「そうですね。今回は魔物部屋に現れた階段の先を確認することが目的でした。その点ではこの階段の下もまた目的地と言えなくも無いですが、この階段の条件の特定はやはり調査の趣旨から外れる気がします」
今日の調査は終了となり、僕達は全員上の部屋に戻った。
と思ったら――あれ、階段が消えた?
「どうやらこの階段、下に降りている間は消えずに残ったままとなるようですね。それで下に誰もいなくなると消える、と」
「必ずそうなるか試すのはちょっとリスクがあるなあ」
「そうですね、試す前にこの場所で【転移】が使えるかの確認が必須でしょう。それと使えない場合のリカバリー案もですね」
探索を終えた僕達は今、ギルドへ帰る馬車に揺られている。
さっきまで元気だったモリスさんは、今はとても疲れた様子で別人のように静かだ。
まるでそう、この間ギルマスと森に行った帰り道の僕のように……
▽▽▽▽▽▽
このお話が面白いと感じてくれた方、「いいね」をお願いします。
続きが気になる方、「お気に入り」登録はいかがですか。
作者に一言ツッコみたい方やモノ申したい方、「感想コメント」お気軽にどうぞ。
281
あなたにおすすめの小説
一流冒険者トウマの道草旅譚
黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。
しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。
そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――
銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」
世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。
魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。
彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。
一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。
構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。
彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。
「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」
暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。
管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。
これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。
※アルファポリスで先行で公開されます。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた
Mr.Six
ファンタジー
仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。
訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。
「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」
そう開き直り、この世界を探求することに――
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる