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第51話 『氷』+『錬成』=『新魔法』? #1
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ワルツが加わった事で僕達パーティは以前よりもずっと強くなっている気がする。
って言うか強くなった。
いまいち実感が湧かないけど、クーラ先生がそう言ってるんだから間違いない。でも実感が湧かないのもそのクーラ先生のせい。毎回一方的にボコボコにされてるから。
だからそろそろ冒険者登録する前にやらなきゃならないもうひとつの課題にも手を付けなきゃ。そう――生きて帰る為の命綱、『回復魔法』の習得をね。
パーティによっては【回復】に特化した『回復役』を立てる場合もあるらしいけど、僕はパーティ全員に回復魔法を覚えさせ、自分や仲間を【回復】出来る力を持たせたいと思ってる。
だって――
突然の事故で自分以外のパーティメンバーが動けなる可能性だってあるから。
全ての狩りに毎回パーティ全員が参加するとは限らないから。
一人でいる時に突然危険な目に遭う事だってあり得るから。
こういう考え方って、やっぱりずっとソロでやってきたから――なんだろうなあ。
でも別に『回復役』を否定するつもりはない。むしろ、パーティで活動するのならば効率のいい回復方法だと思う。
でもそれはそれとして、みんな自分の身は自分で守れるように回復魔法を覚えとこうよって事。
――命だいじに。
という事だからさ――
「そろそろ、回復魔法の勉強を始めなきゃね」
「そっか。そういえば回復魔法も冒険者登録に必要って話だったわね。でも、回復魔法の授業っていつやるんだろ? ねえ、誰か知ってる?」
アーシュが話を振ると、みんな首を振ったり肩を竦めたり。
でもそこで案を出してくれるのがノルト。地味に頼れる男。
「じゃあ今日の放課後、訓練の時にクーラ先生に訊いてみない?」
「いいかもな。冒険者クラスだったら間違いなく回復魔法の訓練もやるだろう」
ネッガーも賛成。確かに冒険者クラスは在学中にみんな冒険者登録するだろうから、回復魔法の授業は早い段階でやってそう。
「じゃあそうしましょう。あ、でもその前に午後の実技の先生にも訊いてみるわよ。属性別の指導にも追加してもらえるかも」
それもそうだ、流石は陰ってない『陰のリーダー』アーシュ……
お昼も終わり、今日も午後の実技授業がスタート!
「それでは今日も、希望する属性に分かれて下さい」
クラスのみんながそれぞれに散っていく中、僕達は先生の元へと集まった。
「先生すみません、僕達は回復魔法を覚えたいんですけど、その場合はどうしたらいいですか?」
「ああ、回復魔法ですか。魔法師クラスの回復魔法の授業はもう少し後に予定されていますが……そうか、あなたたちは冒険者登録したいのでしたね」
「そうなんです。夏頃に登録したいと考えてるので、全員それまでに使えるようになりたくて」
「ふむ」
軽く顎に手を添えた実技の先生は、僕の言葉にちょっと考える様子。
「回復魔法はちょっと特殊な魔法なので、まずは座学できちんと仕組みを理解する必要があります。回復担当の先生に相談してみますので、今日のところは属性の訓練を進めていて下さい」
やった!
振り返ると、みんなもいい笑顔で頷いてる。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
【身体強化】のネッガーはそのままこの場へ残り、ノルトは今日もやっぱり土魔法。
そして僕はちょっと考えるところがあって氷魔法を受ける事にした。
そして何と、アーシュはワルツと一緒に水魔法へ。てっきり今日もついて来ると思ってたから意外に思ってたら――
「制御出来ない魔法なんて、発動出来ないよりも質が悪いわ! 見てなさい、水魔法だってきちんと制御が出来るようになって、あんたとの差を一気に広げてやるんだから!」
よかった、アーシュは今日もやっぱりアーシュだった。
そしてワルツはと言うと――
「目標コップ2杯」
一度に出せる水の量を増やしたいみたい。
うん、確かに氷のナイフが大きくなれば攻撃力が増すからね。
すっごくいい考えだと思うよ。
僕は氷魔法の指導員さんに声を掛けた。
「すみません、氷魔法のイメージについて教えて下さい」
他のみんながそれぞれ自分の訓練を始めて、指導員さんの手が空いた今がチャンス。
「はいいいですよ。君はえっと……ああカルア君か、あの――」
『あの』って一体どの!? すっごく気になるんですけど。
でも聞きたいような聞きたくないような……うん、訊かないに決めた。
「えっと……僕は錬成魔法を使うんですけど、錬成魔法の【凝固】と何が違うのかよく分からなくって。錬成魔法を教えてくれた人は、『錬成魔法は温度が変えられない』って言ってたんですけど、動きがそっくりだから逆にイメージし難くって」
そう、気になったのは錬成と氷魔法の違い。
だって、この前ワルツが見せてくれた氷魔法、水魔法とか火魔法みたいに氷を出現させるんじゃなくって、そこにある水や鉄なんかを凍らせてたんだ。それって、前にオートカさんが言ってた『その場にある物質への干渉』だよね。だったら氷魔法と錬成の違いって……何?
「それは非常に高度で、そして素晴らしい疑問ですね。確かに錬成の【凝固】でも魔力を注いでいる間は氷と同じような状態になりますから。ではその違いは何かと言うと、『物質に対してどのように干渉するか』という事になります」
うん、ここまでは思った通りだ。
「錬成では状態変化の結果をイメージしますから、【凝固】の場合は魔力を注いでいる間は非常に不自然で不安定な状態を維持し、魔力を停止した瞬間に安定します。ですので本来氷となる温度ではない水の場合、魔力を停止すると【凝固】が解けてしまうんですね」
ふむふむ……逆に金属の場合は本来固まる温度だから安定するって訳か。
「一方で氷魔法ですが、こちらは水の小さな粒そのものの動きが非常にゆっくりになる――もしくは停止する、そんなイメージを対象とする水全体に注ぐんです。するとそのイメージを受けた水は徐々に温度を下げ、そして氷になります。これは水以外に対しても同じ事で、このイメージを『雑念なく自然に』持つ事が出来るようになると、氷魔法が上達するんです」
そうか……固まった状態をイメージするんじゃなくって、魔力に乗せたイメージで水そのものの温度が下がる、だから凍る。【凝固】と氷魔法ってイメージとしては全く逆なんだ!
「分かりました、やってみます!」
「はい。他にも質問がありましたらいつでもどうぞ」
って言うか強くなった。
いまいち実感が湧かないけど、クーラ先生がそう言ってるんだから間違いない。でも実感が湧かないのもそのクーラ先生のせい。毎回一方的にボコボコにされてるから。
だからそろそろ冒険者登録する前にやらなきゃならないもうひとつの課題にも手を付けなきゃ。そう――生きて帰る為の命綱、『回復魔法』の習得をね。
パーティによっては【回復】に特化した『回復役』を立てる場合もあるらしいけど、僕はパーティ全員に回復魔法を覚えさせ、自分や仲間を【回復】出来る力を持たせたいと思ってる。
だって――
突然の事故で自分以外のパーティメンバーが動けなる可能性だってあるから。
全ての狩りに毎回パーティ全員が参加するとは限らないから。
一人でいる時に突然危険な目に遭う事だってあり得るから。
こういう考え方って、やっぱりずっとソロでやってきたから――なんだろうなあ。
でも別に『回復役』を否定するつもりはない。むしろ、パーティで活動するのならば効率のいい回復方法だと思う。
でもそれはそれとして、みんな自分の身は自分で守れるように回復魔法を覚えとこうよって事。
――命だいじに。
という事だからさ――
「そろそろ、回復魔法の勉強を始めなきゃね」
「そっか。そういえば回復魔法も冒険者登録に必要って話だったわね。でも、回復魔法の授業っていつやるんだろ? ねえ、誰か知ってる?」
アーシュが話を振ると、みんな首を振ったり肩を竦めたり。
でもそこで案を出してくれるのがノルト。地味に頼れる男。
「じゃあ今日の放課後、訓練の時にクーラ先生に訊いてみない?」
「いいかもな。冒険者クラスだったら間違いなく回復魔法の訓練もやるだろう」
ネッガーも賛成。確かに冒険者クラスは在学中にみんな冒険者登録するだろうから、回復魔法の授業は早い段階でやってそう。
「じゃあそうしましょう。あ、でもその前に午後の実技の先生にも訊いてみるわよ。属性別の指導にも追加してもらえるかも」
それもそうだ、流石は陰ってない『陰のリーダー』アーシュ……
お昼も終わり、今日も午後の実技授業がスタート!
「それでは今日も、希望する属性に分かれて下さい」
クラスのみんながそれぞれに散っていく中、僕達は先生の元へと集まった。
「先生すみません、僕達は回復魔法を覚えたいんですけど、その場合はどうしたらいいですか?」
「ああ、回復魔法ですか。魔法師クラスの回復魔法の授業はもう少し後に予定されていますが……そうか、あなたたちは冒険者登録したいのでしたね」
「そうなんです。夏頃に登録したいと考えてるので、全員それまでに使えるようになりたくて」
「ふむ」
軽く顎に手を添えた実技の先生は、僕の言葉にちょっと考える様子。
「回復魔法はちょっと特殊な魔法なので、まずは座学できちんと仕組みを理解する必要があります。回復担当の先生に相談してみますので、今日のところは属性の訓練を進めていて下さい」
やった!
振り返ると、みんなもいい笑顔で頷いてる。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
【身体強化】のネッガーはそのままこの場へ残り、ノルトは今日もやっぱり土魔法。
そして僕はちょっと考えるところがあって氷魔法を受ける事にした。
そして何と、アーシュはワルツと一緒に水魔法へ。てっきり今日もついて来ると思ってたから意外に思ってたら――
「制御出来ない魔法なんて、発動出来ないよりも質が悪いわ! 見てなさい、水魔法だってきちんと制御が出来るようになって、あんたとの差を一気に広げてやるんだから!」
よかった、アーシュは今日もやっぱりアーシュだった。
そしてワルツはと言うと――
「目標コップ2杯」
一度に出せる水の量を増やしたいみたい。
うん、確かに氷のナイフが大きくなれば攻撃力が増すからね。
すっごくいい考えだと思うよ。
僕は氷魔法の指導員さんに声を掛けた。
「すみません、氷魔法のイメージについて教えて下さい」
他のみんながそれぞれ自分の訓練を始めて、指導員さんの手が空いた今がチャンス。
「はいいいですよ。君はえっと……ああカルア君か、あの――」
『あの』って一体どの!? すっごく気になるんですけど。
でも聞きたいような聞きたくないような……うん、訊かないに決めた。
「えっと……僕は錬成魔法を使うんですけど、錬成魔法の【凝固】と何が違うのかよく分からなくって。錬成魔法を教えてくれた人は、『錬成魔法は温度が変えられない』って言ってたんですけど、動きがそっくりだから逆にイメージし難くって」
そう、気になったのは錬成と氷魔法の違い。
だって、この前ワルツが見せてくれた氷魔法、水魔法とか火魔法みたいに氷を出現させるんじゃなくって、そこにある水や鉄なんかを凍らせてたんだ。それって、前にオートカさんが言ってた『その場にある物質への干渉』だよね。だったら氷魔法と錬成の違いって……何?
「それは非常に高度で、そして素晴らしい疑問ですね。確かに錬成の【凝固】でも魔力を注いでいる間は氷と同じような状態になりますから。ではその違いは何かと言うと、『物質に対してどのように干渉するか』という事になります」
うん、ここまでは思った通りだ。
「錬成では状態変化の結果をイメージしますから、【凝固】の場合は魔力を注いでいる間は非常に不自然で不安定な状態を維持し、魔力を停止した瞬間に安定します。ですので本来氷となる温度ではない水の場合、魔力を停止すると【凝固】が解けてしまうんですね」
ふむふむ……逆に金属の場合は本来固まる温度だから安定するって訳か。
「一方で氷魔法ですが、こちらは水の小さな粒そのものの動きが非常にゆっくりになる――もしくは停止する、そんなイメージを対象とする水全体に注ぐんです。するとそのイメージを受けた水は徐々に温度を下げ、そして氷になります。これは水以外に対しても同じ事で、このイメージを『雑念なく自然に』持つ事が出来るようになると、氷魔法が上達するんです」
そうか……固まった状態をイメージするんじゃなくって、魔力に乗せたイメージで水そのものの温度が下がる、だから凍る。【凝固】と氷魔法ってイメージとしては全く逆なんだ!
「分かりました、やってみます!」
「はい。他にも質問がありましたらいつでもどうぞ」
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