91 / 278
第52話 回復魔法の訓練がはじまりました #1
しおりを挟む
「みんなーっ、今日もお勉強がんばりましょうねーーーっ」
「「「「「はーーーーい」」」」」
「あとぉ、カルアくんたちのチームはぁー、午後の実技はこの教室で受けてくださーーい。じゃあよろしくねーー」
レミア先生が教室を出ていくと、授業が始まるまでの短い時間を埋めるかのように、みんな思い思いの相手と雑談を始める。
それは僕達も同様で――
「ねえ、さっきのって何だと思う? やっぱり『アレ』かな?」
「うん、そうだねアーシュ。僕も回復魔法の授業の事だと思うよ。ねえカルア?」
「だろうね。――今からレミア先生に確認しに行く気力は残ってないけど」
「大丈夫。カル師ならやれる。応援する」
「すみません勘弁してくださいワルツさん」
「おお、カル師の切り返しが氷魔法」
いやもうホント勘弁して欲しい。
気を緩めると強制的に童心に返らされるとか、黒歴史のページが増える未来しか想像出来ないよ。
「ははっ、でも正直回復魔法は楽しみだ。【身体強化】に取り入れられるところがあるかもしれないしな」
常に【身体強化】ファーストなのがネッガーだ。そのうち『2代目バーサク』を襲名したりして。
という事で午前の授業はささっと終了し、やってきました魔法の実技。
さあ今日は回復の時間! ……だよね?
教壇に立っているのは優し気な男の先生――年齢はモリスさんとかと同じくらいかな。
「皆さん、ぼくが回復の受業を担当するバリーです。リカバリーのバリー先生って覚えて下さい」
よかった。やっぱり回復魔法の授業だった。
て言うかバリー先生、名前ネタの方向性がミッチェルさん……
「それでは早速授業を始めます。質問は都度受け付けますから、気になる点があったらいつでもどうぞ」
そして授業開始が始まった。
僕の回復魔法は見よう見まねだから、実はこの授業を結構楽しみにしてたんだ。
「それではまず回復魔法の考え方から……。回復魔法は一般的に時空間魔法に分類されています。これは何故かと言うと、回復魔法は魔力によって体を治す魔法ではなく、体が治ったという未来の現象を先取りする魔法と言われているからです」
このあたりは前に聞いたとおり。
みんなも知ってたみたいで、うんうんと頷いている。
「なので、回復魔法によって体が治った人は、必ずその後に自分で体を治す必要があります。でも体はもう既に治っている訳ですね。ではここで必要となるのは何なのでしょうか。ええと……じゃあネッガー君、どう考えますか」
「む、簡単な話だ。体が治っているんだ、ならすべき事と言えば当然筋トレだろう」
うん、ネッガーなら絶対そう言うと思って――いや信じてた。
期待通りの答え、ありがとう!
「そうですね、確かに筋トレは大事です。しかし、それはもう少し後にしましょう。なぜなら、摂取した栄養が全て治った部分に吸収されるため、どれだけトレーニングしても新しい筋肉にならないからです」
「とっ、トレーニングしても筋肉が付かない!? そんな恐ろしい事が……」
愕然とするネッガー――と、魔力トレーニングの空振りを思い出したらしきワルツ。
「という事で、回復魔法を受けた後に必要――と言うより『絶対行わなければならない』のは、先取りした【回復】が使用する栄養の摂取――つまり食事なんです。だからネッガー君、君の筋肉の為にも怪我には十分気を付けて下さい」
「はいっ! 死ぬ気で気を付けます!」
「ええ、その意気です」
おおっ、ネッガーの天然な回答をニッコリ笑って自然なスルー。バリー先生……出来る!!
って言うか、今のってネッガーのナチュラルボケを誘導した? ――いやまさか、ね。
「次に説明するのは回復魔法の種類――と言うより『グレード』と言った方が分かり易いでしょうか。回復魔法には【回復】【中回復】【大回復】の3種類があり、これらは回復の度合いにより分類されています」
ただの回復から、中、大とグレードアップしていくのか。確かに分かり易い。
「では、それぞれの効果とその違いを説明しましょう。まずは【回復】から。止血と浅めの傷、多少の内臓ダメージと軽度の病気を治します。あくまで自然治癒の先取りなので、傷跡は残ります」
「――あの、怪我だけじゃなくって病気も治るんですか?」
ノルトが軽く手を上げてそんな質問をした。
「ええ。全ての病気が治るという訳ではありませんけどね。【回復】で治る病気は、【回復】と同時の投薬によって体内の毒素や病気の元などを根絶・排出できるもののみです。ただ病気により受けたダメージ自体には効果がありますので、進行の遅い病気であればその進行を押しとどめる効果はあります」
軽い病気だったら【回復】で治せるのか。怪我の事しか知らなかった。
「「「「「はーーーーい」」」」」
「あとぉ、カルアくんたちのチームはぁー、午後の実技はこの教室で受けてくださーーい。じゃあよろしくねーー」
レミア先生が教室を出ていくと、授業が始まるまでの短い時間を埋めるかのように、みんな思い思いの相手と雑談を始める。
それは僕達も同様で――
「ねえ、さっきのって何だと思う? やっぱり『アレ』かな?」
「うん、そうだねアーシュ。僕も回復魔法の授業の事だと思うよ。ねえカルア?」
「だろうね。――今からレミア先生に確認しに行く気力は残ってないけど」
「大丈夫。カル師ならやれる。応援する」
「すみません勘弁してくださいワルツさん」
「おお、カル師の切り返しが氷魔法」
いやもうホント勘弁して欲しい。
気を緩めると強制的に童心に返らされるとか、黒歴史のページが増える未来しか想像出来ないよ。
「ははっ、でも正直回復魔法は楽しみだ。【身体強化】に取り入れられるところがあるかもしれないしな」
常に【身体強化】ファーストなのがネッガーだ。そのうち『2代目バーサク』を襲名したりして。
という事で午前の授業はささっと終了し、やってきました魔法の実技。
さあ今日は回復の時間! ……だよね?
教壇に立っているのは優し気な男の先生――年齢はモリスさんとかと同じくらいかな。
「皆さん、ぼくが回復の受業を担当するバリーです。リカバリーのバリー先生って覚えて下さい」
よかった。やっぱり回復魔法の授業だった。
て言うかバリー先生、名前ネタの方向性がミッチェルさん……
「それでは早速授業を始めます。質問は都度受け付けますから、気になる点があったらいつでもどうぞ」
そして授業開始が始まった。
僕の回復魔法は見よう見まねだから、実はこの授業を結構楽しみにしてたんだ。
「それではまず回復魔法の考え方から……。回復魔法は一般的に時空間魔法に分類されています。これは何故かと言うと、回復魔法は魔力によって体を治す魔法ではなく、体が治ったという未来の現象を先取りする魔法と言われているからです」
このあたりは前に聞いたとおり。
みんなも知ってたみたいで、うんうんと頷いている。
「なので、回復魔法によって体が治った人は、必ずその後に自分で体を治す必要があります。でも体はもう既に治っている訳ですね。ではここで必要となるのは何なのでしょうか。ええと……じゃあネッガー君、どう考えますか」
「む、簡単な話だ。体が治っているんだ、ならすべき事と言えば当然筋トレだろう」
うん、ネッガーなら絶対そう言うと思って――いや信じてた。
期待通りの答え、ありがとう!
「そうですね、確かに筋トレは大事です。しかし、それはもう少し後にしましょう。なぜなら、摂取した栄養が全て治った部分に吸収されるため、どれだけトレーニングしても新しい筋肉にならないからです」
「とっ、トレーニングしても筋肉が付かない!? そんな恐ろしい事が……」
愕然とするネッガー――と、魔力トレーニングの空振りを思い出したらしきワルツ。
「という事で、回復魔法を受けた後に必要――と言うより『絶対行わなければならない』のは、先取りした【回復】が使用する栄養の摂取――つまり食事なんです。だからネッガー君、君の筋肉の為にも怪我には十分気を付けて下さい」
「はいっ! 死ぬ気で気を付けます!」
「ええ、その意気です」
おおっ、ネッガーの天然な回答をニッコリ笑って自然なスルー。バリー先生……出来る!!
って言うか、今のってネッガーのナチュラルボケを誘導した? ――いやまさか、ね。
「次に説明するのは回復魔法の種類――と言うより『グレード』と言った方が分かり易いでしょうか。回復魔法には【回復】【中回復】【大回復】の3種類があり、これらは回復の度合いにより分類されています」
ただの回復から、中、大とグレードアップしていくのか。確かに分かり易い。
「では、それぞれの効果とその違いを説明しましょう。まずは【回復】から。止血と浅めの傷、多少の内臓ダメージと軽度の病気を治します。あくまで自然治癒の先取りなので、傷跡は残ります」
「――あの、怪我だけじゃなくって病気も治るんですか?」
ノルトが軽く手を上げてそんな質問をした。
「ええ。全ての病気が治るという訳ではありませんけどね。【回復】で治る病気は、【回復】と同時の投薬によって体内の毒素や病気の元などを根絶・排出できるもののみです。ただ病気により受けたダメージ自体には効果がありますので、進行の遅い病気であればその進行を押しとどめる効果はあります」
軽い病気だったら【回復】で治せるのか。怪我の事しか知らなかった。
157
あなたにおすすめの小説
一流冒険者トウマの道草旅譚
黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。
しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。
そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。
極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――
銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」
世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。
魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。
彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。
一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。
構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。
彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。
「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」
暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。
管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。
これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。
※アルファポリスで先行で公開されます。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた
Mr.Six
ファンタジー
仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。
訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。
「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」
そう開き直り、この世界を探求することに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる