スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第52話 回復魔法の訓練がはじまりました #2

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「次は【中回復】についてです。こちらは止血と深めの傷、それにある程度の内臓ダメージも治す事が出来ます。ただし、大きく損傷した内臓は部位欠損の状態ですから、その場合は【中回復】では対応しきれません。重ね掛けすればある程度まで治す事は出来ますが、完全に元通りというのは難しいでしょう」

そうすると、そのまま【回復】が強力になった感じなのかな?

「【回復】との大きな違いとしては、傷跡が残らない点や自然治癒出来ない病気にも対応出来る点があります。これらについては、後ほど【大回復】と一緒に説明します」

――と思ったら結構な違いがあるみたい。
あれ? でもその前に先生、ひとつ質問です。

「重ね掛けである程度治せるっていうのは、どんな感じなんでしょうか?」
「そうですね、少しずつ元の形に近付いていくと考えてくれればいいでしょう。ただ、重ねるに従って使用する魔力に対する効果が少なくなっていくのと、損傷部の大きさによっては完全に治る前に効果が出なくなる事があります」

つまり、治せる『範囲や大きさ』に限界があるって事か。

「そして次は最も強力な【大回復】について説明します。こちらは、生きてさえいれば部位欠損を含め完全に治す事が出来ます。病気についても同様です。ただそれだけに使用出来る人は極僅かで、しかも必要な魔力もかなりの量となります。ですので、回復魔法においては【中回復】が事実上の最上位として扱われる事もあります」

極僅かって、どんな人が使えるんだろう。んー、聖女さまとか? ――付与じゃない方の。

「では、先ほど省いた【回復】と【中回復】【大回復】との違いについて説明します。【中回復】では自然治癒出来ない病気の回復、【大回復】はそれに加えて部位欠損までも回復する事が出来ますが、この事は最初に説明した『回復の先取り』だけでは説明出来ません。実はこれこそが、回復魔法が時空間魔法に分類される最大の要因なのです」

なっ、なんだってーーーーーーー!?
――ってみんなと一緒に叫びたいところだけど、みんな普通に真顔。
先生! 時空間魔法との関連を至急っ!!

「時空間魔法と考えられる大きなポイントとして、『傷跡が残らない』点が挙げられます。この点から考えられる事は何だと思いますか? えー今度は、ワルツさん?」
「むむ、とても綺麗に治る」
「そうですね。とても綺麗に治ります。――まるで傷を受ける前がどのような状態だったのかを知っていたかのように」

っまた!? 今度はワルツから先生の望む答えが自然に出てきた!

「ここから導き出されたのが、『中以上の回復魔法には時空間魔法の最上位のひとつである【過去視】が限定的に組み込まれていて、怪我や病気となる前の状態と同じ状態にまで強制的に自然治癒させているのではいか』、という仮説でした。中と大の違いは【過去視】の強さ、そして必要魔力の大きさの違いもそれによるものではないか――と言われているのです」

「【過去視】とか【未来視】ってお伽噺じゃないの!? あ……ないんですか?」
「過去に使用した魔法師がいたという記録が残っていますので、全くのお伽噺と言う訳ではないようです。とは言っても半ば【ゲート】スキルのような伝説的な扱いなのですけどね。それでも記録として残っている以上、この二つが時空間魔法の最上位魔法である――とされているのですよ」

時空間魔法の最上位……【過去視】と【未来視】かぁ。
いつか使えるようになりたいなあ。
あと、いきなり【ゲート】スキルの話とかビックリするからやめてっ!

「とは言えやはり回復魔法である以上、必ず栄養摂取は必要になります。例えば足一本失った場合は、その足一本分を構成するだけの栄養は当然必要となりますね。特に骨の栄養分の摂取は非常に大変でしょう。卵の殻とか動物・魔物の骨などをすり潰して摂取するなどの工夫が必要です」

足一本分の骨を食べるとか……想像するだけでももの凄く大変そう。

「最後に非常に重要な注意点を伝えます。いいですか、これは絶対に忘れないでください。では……回復の後の栄養摂取は必ず早く行って下さい。疲労や体力回復にはパンや穀物類、出血や傷などには肉などが必要となります。どちらも体が自然と欲しがりますので、食べたいと感じるものを食べるようにして下さい。もしこれを怠った場合は体が飢餓状態となり、次の回復魔法を受け付けにくく――もしくは受け付けなくなります。その状態で大怪我などすると死に直結しますから、本当に気を付けて下さい」

これは前ピノさんに教えてもらった内容そのままだ。
そう言えばピノさんって今頃何してるかなあ……
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