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第56話 エルフ少女が世界を変えそうです #1
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「ねえカルア、あたし達全員【回復】を覚えたわよ。約束通り新魔法を教えてくれるのよね?」
アーシュがそんな質問をしてきたのは、放課後のクーラ先生の戦闘訓練の前。怪我をしないようにみんなでストレッチをしている最中だ。
「もちろんだよアーシュ。やるのなら早いほうがいいと思うけど、いつにしようか」
授業は朝から始まるし、昼休みはあまり時間がないし、放課後は毎日戦闘訓練だし。どうしようかな……
「あら、だったら今からやったらどう? 噂の新魔法は私も興味あるし」
そう言ってきたのはクーラ先生。でも……
「戦闘訓練が――」
でもその辺りはクーラ先生もちゃんと考えていたみたい。
「ふふっ、新しい技術を取り入れた戦闘方法を考えるのだって立派な訓練よ。それに私だってどんな魔法なのか知っていればそれに合わせたアドバイスが出来るんだし、この時間にやるのが一番合理的だと思うけど?」
なるほど……言われてみれば確かにその通りかも。
クーラ先生の意見にはみんなも賛成みたい――って言うか『待ちきれない』って顔だよね、それ?
「じゃあ今から始めようか」
と言う事で、それでも一応ストレッチは最後まで終わらせてから新魔法の説明を始める事にした。
「授業でもやったと思うけど、魔法の分類分けには『物質を操作する魔法』と『現象だけを発現させる魔法』の二つに分ける考え方があって――」
まずは錬成魔法の基礎的な考え方についての説明。
そこから一般的な氷魔法のイメージを説明し、僕なりの解釈による新しいイメージから【冷却】に進んで、そしてようやく【加熱】の説明に辿り着く。
「――と、大体こんな感じなんだけど……どう? 何となく感じは掴めた?」
最初に笑顔で応えたのはノルト。
「前にカルア君が『僕だったらすぐに錬成も覚えられるかも』って言ってた意味が分かったよ。確かにこれって土魔法に使ってるイメージとよく似てる気がするね」
流石は土プロ、凄く自信有りげだ。
「――それにこの考え方って、実は水や風にも通じるんじゃ……?」
あ、やっぱりそっちにも気付いた? ホントに流石だよ。
「まあ、何とかなるんじゃない? 取り敢えずやってみるわよ」
アーシュはここでもいつも通り。
きっとすぐにマスターしちゃうんだろうなあ。
「氷の逆……ちょっと難しそうだけど、やってみる」
これはワルツ。でも――
「ワルツなら大丈夫じゃないかな。すぐに出来るようになると思うよ?」
「おおお、カル師、わたし、がんばる」
――あれだけ『氷魔法』が得意なんだから間違いないでしょ。
そしてネッガー。
「俺は――」
今まで【身体強化】に集中してきたネッガーにとっては、考え方の切っ掛けを掴むのも大変だと思う。何となくだけど『ゴブま』を読んだだけの僕がいきなり魔法に挑戦するような感じなんじゃないかな。
「そうねネッガー、あなたは今はまだ手を出さない方がいいかもね」
「……クーラ先生」
「でも仲間に置いてかれるのは悔しい――そう思ってるんでしょう? だからネッガー、あなたには私の段階型の【身体強化】を教えてあげる。今のあなたに一番必要なのは得意な技術を伸ばす事。苦手の克服はそれからで十分でしょう」
「は……はいっ! お願いします、クーラ師匠!!」
「あら、いきなり『師匠』に格上げ? でも残念、学校の授業でやる以上は師弟関係って訳にはいかないのよ。だから今まで通り私は『先生』よ。わかった?」
「はいっ、クーラ先生!!」
「よろしい」
ネッガーも新しい目標が見つかったみたい。よかった。
でもこれでネッガーの【身体強化】は今よりもっと凄い事になりそうだ。だってこれでネッガーも『俺は強化をまだ2段階も残している』になるんだから。
そうだ、僕もクーラ先生の指導を横で聞いてようかな。【身体強化】の参考になりそうな気がするし。
「それでカルア君、あなたとしてはこの魔法はどのような使い方を考えてるの?」
そのクーラ先生からそんな質問が来た。きっと戦術への組み込みを考える為の質問なんだろうな。
「これって基本的には氷魔法と同じなんです。だから攻撃への使い方としては、ワルツの氷魔法と全く同じですね。遠くからは氷や加熱した何かを飛ばす、至近距離では直接対象を凍らせるか加熱する。……ホントは時空間魔法が使えれば【遠見】とか【俯瞰】で空間ごと把握出来ちゃうから、距離とか関係なくなるんですけどね」
「……分かったわ。最後に付け足した凄く怖い話は聞かなかった事にして……よし、じゃあ今のあなた達が【加熱】と【冷却】を戦闘に組み込む場合のプランだけど――」
それから2週間、毎日の訓練で僕達は見違えるように強くなったと思う。
ノルトもアーシュもワルツもあっという間に【加熱】と【冷却】を習得して、その上で自分達なりのアレンジも加えて。もちろんそれを組み合わせた戦闘方法もクーラ先生が考えてくれたしね。
それからネッガーの急成長。
クーラ先生の【身体強化】はネッガーと相性が良かったみたいで、指導を受けながらみるみる自分のモノにしていった。
で、その指導内容を僕も見てたんだけど、この技術って僕の【身体強化】とも凄く相性がいい気がする。だって今まではオンとオフしかなかったけど、このやり方だったら『ちょっとだけ強化』が出来るようになるから。もしかして【身体強化】が解禁になる日も近い?
アーシュがそんな質問をしてきたのは、放課後のクーラ先生の戦闘訓練の前。怪我をしないようにみんなでストレッチをしている最中だ。
「もちろんだよアーシュ。やるのなら早いほうがいいと思うけど、いつにしようか」
授業は朝から始まるし、昼休みはあまり時間がないし、放課後は毎日戦闘訓練だし。どうしようかな……
「あら、だったら今からやったらどう? 噂の新魔法は私も興味あるし」
そう言ってきたのはクーラ先生。でも……
「戦闘訓練が――」
でもその辺りはクーラ先生もちゃんと考えていたみたい。
「ふふっ、新しい技術を取り入れた戦闘方法を考えるのだって立派な訓練よ。それに私だってどんな魔法なのか知っていればそれに合わせたアドバイスが出来るんだし、この時間にやるのが一番合理的だと思うけど?」
なるほど……言われてみれば確かにその通りかも。
クーラ先生の意見にはみんなも賛成みたい――って言うか『待ちきれない』って顔だよね、それ?
「じゃあ今から始めようか」
と言う事で、それでも一応ストレッチは最後まで終わらせてから新魔法の説明を始める事にした。
「授業でもやったと思うけど、魔法の分類分けには『物質を操作する魔法』と『現象だけを発現させる魔法』の二つに分ける考え方があって――」
まずは錬成魔法の基礎的な考え方についての説明。
そこから一般的な氷魔法のイメージを説明し、僕なりの解釈による新しいイメージから【冷却】に進んで、そしてようやく【加熱】の説明に辿り着く。
「――と、大体こんな感じなんだけど……どう? 何となく感じは掴めた?」
最初に笑顔で応えたのはノルト。
「前にカルア君が『僕だったらすぐに錬成も覚えられるかも』って言ってた意味が分かったよ。確かにこれって土魔法に使ってるイメージとよく似てる気がするね」
流石は土プロ、凄く自信有りげだ。
「――それにこの考え方って、実は水や風にも通じるんじゃ……?」
あ、やっぱりそっちにも気付いた? ホントに流石だよ。
「まあ、何とかなるんじゃない? 取り敢えずやってみるわよ」
アーシュはここでもいつも通り。
きっとすぐにマスターしちゃうんだろうなあ。
「氷の逆……ちょっと難しそうだけど、やってみる」
これはワルツ。でも――
「ワルツなら大丈夫じゃないかな。すぐに出来るようになると思うよ?」
「おおお、カル師、わたし、がんばる」
――あれだけ『氷魔法』が得意なんだから間違いないでしょ。
そしてネッガー。
「俺は――」
今まで【身体強化】に集中してきたネッガーにとっては、考え方の切っ掛けを掴むのも大変だと思う。何となくだけど『ゴブま』を読んだだけの僕がいきなり魔法に挑戦するような感じなんじゃないかな。
「そうねネッガー、あなたは今はまだ手を出さない方がいいかもね」
「……クーラ先生」
「でも仲間に置いてかれるのは悔しい――そう思ってるんでしょう? だからネッガー、あなたには私の段階型の【身体強化】を教えてあげる。今のあなたに一番必要なのは得意な技術を伸ばす事。苦手の克服はそれからで十分でしょう」
「は……はいっ! お願いします、クーラ師匠!!」
「あら、いきなり『師匠』に格上げ? でも残念、学校の授業でやる以上は師弟関係って訳にはいかないのよ。だから今まで通り私は『先生』よ。わかった?」
「はいっ、クーラ先生!!」
「よろしい」
ネッガーも新しい目標が見つかったみたい。よかった。
でもこれでネッガーの【身体強化】は今よりもっと凄い事になりそうだ。だってこれでネッガーも『俺は強化をまだ2段階も残している』になるんだから。
そうだ、僕もクーラ先生の指導を横で聞いてようかな。【身体強化】の参考になりそうな気がするし。
「それでカルア君、あなたとしてはこの魔法はどのような使い方を考えてるの?」
そのクーラ先生からそんな質問が来た。きっと戦術への組み込みを考える為の質問なんだろうな。
「これって基本的には氷魔法と同じなんです。だから攻撃への使い方としては、ワルツの氷魔法と全く同じですね。遠くからは氷や加熱した何かを飛ばす、至近距離では直接対象を凍らせるか加熱する。……ホントは時空間魔法が使えれば【遠見】とか【俯瞰】で空間ごと把握出来ちゃうから、距離とか関係なくなるんですけどね」
「……分かったわ。最後に付け足した凄く怖い話は聞かなかった事にして……よし、じゃあ今のあなた達が【加熱】と【冷却】を戦闘に組み込む場合のプランだけど――」
それから2週間、毎日の訓練で僕達は見違えるように強くなったと思う。
ノルトもアーシュもワルツもあっという間に【加熱】と【冷却】を習得して、その上で自分達なりのアレンジも加えて。もちろんそれを組み合わせた戦闘方法もクーラ先生が考えてくれたしね。
それからネッガーの急成長。
クーラ先生の【身体強化】はネッガーと相性が良かったみたいで、指導を受けながらみるみる自分のモノにしていった。
で、その指導内容を僕も見てたんだけど、この技術って僕の【身体強化】とも凄く相性がいい気がする。だって今まではオンとオフしかなかったけど、このやり方だったら『ちょっとだけ強化』が出来るようになるから。もしかして【身体強化】が解禁になる日も近い?
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