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第67話 全員で魔王クーラ先生に挑みます #1
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魔石は圧縮しても重さが変わらないから、20倍に圧縮した魔石は20個分の重さ。つまり、身に付けるには重いんだよねー。
という事で、【ベクトル】を使って重さを軽減させたいんだけど……
モリスさんの話だと【ベクトル】は単体で発動させる事は出来ない。だから他の魔法に組み合わせなきゃなんだけど……よし決めた、じゃあこれを組み込んで……完成っと。
付けたのは【加熱】と【冷却】、それに【ベクトル】を加えた【微風】。これで身体の周りの空気を気持ちいい温度に調整しつつ、魔石は薄い空気の膜で包んで持ち上げるから重さを感じない。うん、快適快適。
今度ピノさんにプレゼントしたアクセサリーにも快適機能を追加しよっと。
そうそう、僕の風魔法は周りの空気を動かす事は出来るんだけど、水の中とかに風を生み出す事は出来なかった。だからこれも水魔法と同じで『なんちゃって風魔法』。いつかどっちの魔法も『なんちゃって』が取れたらいいなあ。
次の日――
「みんなおはよー」
「おはようカルア。今日はクーラ先生にダンジョンの事を相談するのよねっ?」
アーシュはダンジョンが凄く楽しみみたいだ。
「うん、そうだね。放課後の訓練の時にお願いしようって思ってるよ。あとその時に新しいパーティ専用装備をみんなに渡すから、楽しみにしててね」
「「「「――えっ!?」」」」
みんな、何故そんなに驚くかなあ……
――という事で放課後。
結局みんなあれから新しい装備については何も訊いて来なかった。
もしかしてこの前、チームのみんなから『やらかし注意』なんて言われたりしたのかな?
今回のはモリスさんとかにも相談したから大丈夫、ほーらほら怖くないよぉ……?
「――と言う事で、今回のは安全装備だよ。身体に沿って展開される結界が、戦ってる最中も身体を守ってくれるんだ。『結界で出来た鎧』みたいな感じ」
「いいじゃない! 見えない鎧なんて、ちょっとかっこいいかも」
「でしょ?」
だよね、ちゃんと説明すれば絶対気に入ってくれるよ思ったよ。他のみんなの表情も好感触って感じ。
「それに身体の周りに快適な温度の風の層を展開するから、暑い所とか寒い所に行っても快適に過ごせるんだ」
「それもいい機能だね。普段から役に立ちそう……農場にも」
「ホントよね、中々気の利いた装備じゃない。警戒して損した」
さて、いい感じに場が温まってきたところで――
「次の機能はパーティみんなで使える【共有ボックス】だよ。みんなで使えるでっかい【ボックス】を用意してあってね、装備してるとその【ボックス】に色々と収納したり取り出したり出来るんだ」
「「「んなっ!?」」」
「へえ、それも便利そうじゃない。あたしも自分の【収納】と使い分け出来そう」
アーシュは自分で【収納】魔法を使ってるから普通のリアクション。
ノルトとネッガーとワルツは初めての【ボックス】だからビックリしちゃったかな。
大丈夫、とっても便利だよーー。
「これで全部?」
「うん。あとは『おまけ』みたいな機能だけだからね」
「ふーん、今回は普通の便利機能ね。ホント警戒して損したわ」
「ひどいなあ。そんな変なものを作ったりしないよー?」
横で聞いてるクーラ先生は今日はちょっと静か。
「そっか、あなた達ってこれを『普通』って感じるんだ……やっぱりもう……手遅れ……」
あれ、もしかして酷い事言われてる? ――みんなが。
「そうそう、それでその『おまけ』機能なんだけどさ、モリスさんに【ベクトル】っていうのを教えてもらって、それを付けてあるんだ」
アーシュは小さく首を捻る。
「【ベクトル】――聞いた事ないわね。それってどんな事が出来るの?」
だよね、僕も昨日初めて聞いたし。って事でちょっと説明。
「火魔法とか水魔法、あと他の魔法なんかでも、出したものを飛ばしたり動かしたり出来るでしょ? あれの事を【ベクトル】って言うんだって。それでこの『結界の鎧』に【ベクトル】を追加してさ、自分で操作出来るようにしてみたんだ」
「ふーん、確かに『おまけ』っぽいわね。それで具体的には何が出来るわけ?」
「ええっと、浮かんだり飛んだりかな」
「ああ、言われてみればそうよね。結界を動かせば当然その中にいる私だって…………って…………え?」
「カルア、それってつまり戦いながら空中を自在に移動出来る、って事か?」
「そうだね。慣れは必要だと思うけど、それも出来ると思うよ。」
「カル師、わたし、空を飛べる?」
「うん、でも飛ぶ時は気を付けてね。落ちたら危ないから」
「……相手の攻撃を受け付けずに空中からやりたい放題かあ。カルア君って結構えげつない事を考えるよね。それで今この話をしたって事は――クーラ先生が最初の標的って事?」
「えっ!?」
そんなつもりじゃ――
「「「「おおおお!!」」」」
そんなつもりは全然無かったけど……みんな結構やる気!?
そしてクーラ先生……笑顔なのに目だけが超真剣で怖いんですけど。
「うふふふふふ……面白いじゃない。場合によってはもう一段上を解放してあげようかしら」
――うわぁ。
「急いで練習するわよ! カルア、早くみんなに配って」
アーシュに急かされペンダントを配ると、みんなそれぞれ自分で身につけた。誰も『つけてくれる?』なんて言わずに。
……いや当たり前だけど。
そして――
「おお、浮いた!」
「わたしは今、鳥になる」
「んー、ちょっと動かし方に癖があるかも」
「これは……そうか、錬成みたいな感じか。アーシュ、土人形を動かすイメージだよ」
「ありがとうノルト、やってみるわ」
それからみんなそれぞれで空中移動を練習して、思う通りに動けるようになったら次はフォーメーションと戦術を相談・練習。そしてついに――
「そろそろ、始める?」
魔王との戦いの時。
▽▽▽▽▽▽
1話あたりの文字数9千前後というのはWeb版としては少々ヘビーなようなので、ここからは1回が2~3千文字となるよう分割して掲載させてください。
突然の方針変更すみません。
引き続きのご愛読、よろしくお願いします。
※現在、すでに公開した部分を後ろから1話ずつ遡って分割中。
という事で、【ベクトル】を使って重さを軽減させたいんだけど……
モリスさんの話だと【ベクトル】は単体で発動させる事は出来ない。だから他の魔法に組み合わせなきゃなんだけど……よし決めた、じゃあこれを組み込んで……完成っと。
付けたのは【加熱】と【冷却】、それに【ベクトル】を加えた【微風】。これで身体の周りの空気を気持ちいい温度に調整しつつ、魔石は薄い空気の膜で包んで持ち上げるから重さを感じない。うん、快適快適。
今度ピノさんにプレゼントしたアクセサリーにも快適機能を追加しよっと。
そうそう、僕の風魔法は周りの空気を動かす事は出来るんだけど、水の中とかに風を生み出す事は出来なかった。だからこれも水魔法と同じで『なんちゃって風魔法』。いつかどっちの魔法も『なんちゃって』が取れたらいいなあ。
次の日――
「みんなおはよー」
「おはようカルア。今日はクーラ先生にダンジョンの事を相談するのよねっ?」
アーシュはダンジョンが凄く楽しみみたいだ。
「うん、そうだね。放課後の訓練の時にお願いしようって思ってるよ。あとその時に新しいパーティ専用装備をみんなに渡すから、楽しみにしててね」
「「「「――えっ!?」」」」
みんな、何故そんなに驚くかなあ……
――という事で放課後。
結局みんなあれから新しい装備については何も訊いて来なかった。
もしかしてこの前、チームのみんなから『やらかし注意』なんて言われたりしたのかな?
今回のはモリスさんとかにも相談したから大丈夫、ほーらほら怖くないよぉ……?
「――と言う事で、今回のは安全装備だよ。身体に沿って展開される結界が、戦ってる最中も身体を守ってくれるんだ。『結界で出来た鎧』みたいな感じ」
「いいじゃない! 見えない鎧なんて、ちょっとかっこいいかも」
「でしょ?」
だよね、ちゃんと説明すれば絶対気に入ってくれるよ思ったよ。他のみんなの表情も好感触って感じ。
「それに身体の周りに快適な温度の風の層を展開するから、暑い所とか寒い所に行っても快適に過ごせるんだ」
「それもいい機能だね。普段から役に立ちそう……農場にも」
「ホントよね、中々気の利いた装備じゃない。警戒して損した」
さて、いい感じに場が温まってきたところで――
「次の機能はパーティみんなで使える【共有ボックス】だよ。みんなで使えるでっかい【ボックス】を用意してあってね、装備してるとその【ボックス】に色々と収納したり取り出したり出来るんだ」
「「「んなっ!?」」」
「へえ、それも便利そうじゃない。あたしも自分の【収納】と使い分け出来そう」
アーシュは自分で【収納】魔法を使ってるから普通のリアクション。
ノルトとネッガーとワルツは初めての【ボックス】だからビックリしちゃったかな。
大丈夫、とっても便利だよーー。
「これで全部?」
「うん。あとは『おまけ』みたいな機能だけだからね」
「ふーん、今回は普通の便利機能ね。ホント警戒して損したわ」
「ひどいなあ。そんな変なものを作ったりしないよー?」
横で聞いてるクーラ先生は今日はちょっと静か。
「そっか、あなた達ってこれを『普通』って感じるんだ……やっぱりもう……手遅れ……」
あれ、もしかして酷い事言われてる? ――みんなが。
「そうそう、それでその『おまけ』機能なんだけどさ、モリスさんに【ベクトル】っていうのを教えてもらって、それを付けてあるんだ」
アーシュは小さく首を捻る。
「【ベクトル】――聞いた事ないわね。それってどんな事が出来るの?」
だよね、僕も昨日初めて聞いたし。って事でちょっと説明。
「火魔法とか水魔法、あと他の魔法なんかでも、出したものを飛ばしたり動かしたり出来るでしょ? あれの事を【ベクトル】って言うんだって。それでこの『結界の鎧』に【ベクトル】を追加してさ、自分で操作出来るようにしてみたんだ」
「ふーん、確かに『おまけ』っぽいわね。それで具体的には何が出来るわけ?」
「ええっと、浮かんだり飛んだりかな」
「ああ、言われてみればそうよね。結界を動かせば当然その中にいる私だって…………って…………え?」
「カルア、それってつまり戦いながら空中を自在に移動出来る、って事か?」
「そうだね。慣れは必要だと思うけど、それも出来ると思うよ。」
「カル師、わたし、空を飛べる?」
「うん、でも飛ぶ時は気を付けてね。落ちたら危ないから」
「……相手の攻撃を受け付けずに空中からやりたい放題かあ。カルア君って結構えげつない事を考えるよね。それで今この話をしたって事は――クーラ先生が最初の標的って事?」
「えっ!?」
そんなつもりじゃ――
「「「「おおおお!!」」」」
そんなつもりは全然無かったけど……みんな結構やる気!?
そしてクーラ先生……笑顔なのに目だけが超真剣で怖いんですけど。
「うふふふふふ……面白いじゃない。場合によってはもう一段上を解放してあげようかしら」
――うわぁ。
「急いで練習するわよ! カルア、早くみんなに配って」
アーシュに急かされペンダントを配ると、みんなそれぞれ自分で身につけた。誰も『つけてくれる?』なんて言わずに。
……いや当たり前だけど。
そして――
「おお、浮いた!」
「わたしは今、鳥になる」
「んー、ちょっと動かし方に癖があるかも」
「これは……そうか、錬成みたいな感じか。アーシュ、土人形を動かすイメージだよ」
「ありがとうノルト、やってみるわ」
それからみんなそれぞれで空中移動を練習して、思う通りに動けるようになったら次はフォーメーションと戦術を相談・練習。そしてついに――
「そろそろ、始める?」
魔王との戦いの時。
▽▽▽▽▽▽
1話あたりの文字数9千前後というのはWeb版としては少々ヘビーなようなので、ここからは1回が2~3千文字となるよう分割して掲載させてください。
突然の方針変更すみません。
引き続きのご愛読、よろしくお願いします。
※現在、すでに公開した部分を後ろから1話ずつ遡って分割中。
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