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第66話 モリスさんのお陰で完成しました #4
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よし――
まずは全身を覆う『鎧』の結界を出して……
次はその結界に体を預けるイメージ……
そうしたら結界に【ベクトル】を追加、まずは少しだけ上に移動して……
そうか、その後に止めないと……
それでその位置で停止、そのまま浮かぶ……
あ、これが錬成中の動かす動作とか土魔法の【移動】にあたる訳か……
なるほど、じゃあそのイメージで……
うん、イメージ出来たと思う。じゃあいよいよ、やってみよう!
「――やった、出来た!」
無事宙に浮かぶ事が出来たよ。
じゃあ、このままゆっくり移動。うん、これも成功。
色々と動いてみても結界はちゃんと身体の動きをトレース出来てる。【ベクトル】もちゃんと動作してるし――
うん、いいんじゃないかな。
部屋の中をスイスイと飛び回るカルア、その下ではソファに力なく身を預けたままそんなカルアを見上げるモリスとロベリーの姿があった。その表情は酷く疲れているようにも見える。
「ほら見てご覧よロベリー君。やっぱりよく分からない事になっちゃった」
「なっちゃいましたねえ室長。これってやっぱり『やらかし事故発生』ですか?」
「……発生だねえ。しかもこれ、ひとつめの事故を処理しきる前に次のやらかしが突っ込んで来た多重事故――って感じ? ああ、どうしたものかなぁ」
……やがてロベリーはふとある事に気が付いた。
「あの、確か【浮遊】とか【飛行】って……」
「うん、夢の技術って言われてるね」
そして二人は揃ってカルアを見上げる。
「実現――しちゃってますねぇ」
「ああ、しちゃってるねぇ」
「うふふふふ……ふぅ」
「あはははは……はぁ」
よかった、実験成功だ。
「モリスさん、ありがとうございました。お陰で無事解決しました」
「うんうん、役に立ててよかったよカルア君。じゃあこれで、今日の君の目的は無事に達成出来たって事かな?」
あ、目的……
「えっと、ちょっと待ってくださいね」
折角だから付与も試しちゃおう。
【共有ボックス】【全身結界】それに【ベクトル】……
頑張れ魔石君! 君はエリート戦士、20倍だぁーーっ!!
「やったーーっ!! 出来たーーっ!!」
思わず魔石を高く掲げて――
「あああ、もう魔道具化しちゃった……」
そんなモリスさんの声は聞こえない振りして――
「あのモリスさん、圧縮魔石をあと5個欲しいんですけど……」
「あと5個か……持ってるのと合わせて6個、って事はやっぱり?」
「はいっ! パーティメンバーと…………あとピノさんに」
「はは、だろうね……」
疲れ切ったような顔をしていたモリスさんだけど、表情に少し力が戻ってきたみたい。この復活の早さがモリスさん――なんて言うと『他人事みたいに』とか怒られそうだけど。
「よし、じゃあ向こうの部屋で一緒に作ってみようか。折角だから安全な作り方をレクチャーするよ」
「はいっ! ありがとうございます!」
それからモリスさんと二人で実験室っぽい部屋に移動して、そこで圧縮魔石の作り方を教えてもらった。
まずは周囲に影響を及ぼさないように魔石の周りに空間を断絶した結界を作って、その中で揺らぎ無い一定の力で圧縮していって、その時に形も整えて……
それを繰り返して5個の圧縮魔石が完成っ!!
「とりあえず今は20倍までにしておいてね。この先はまた僕が実験してからだよ」
それから僕達はまたモリスさんの部屋へと戻ってきた。
「これで後は付与するだけかな? 付与するのはさっきの【浮遊】かい?」
「えっと、パーティの【共有ボックス】と【全身結界】です。【ベクトル】は【全身結界】に追加したんですよ」
「――よし分かった! 取り敢えずひとつづつ処理していこうか。まず【共有ボックス】って何だい?」
「あの、以前にモリスさんが僕のボックススキルだったら使えるっていう『スペアキー』の事を教えてくれたじゃないですか。あれを利用してパーティ全員でひとつの【ボックス】を共同で使えるようにしたんです。それが【共有ボックス】です」
「そうか、あれの事かぁ。言われてみれば確かに全員でスペアキーを持つようなものだね。なるほどなるほど。この使い方は……アリだね、便利そうだ。よし、それじゃあ次……【全身結界】っていうのは?」
「身を守る結界を作ろうと思ったんですけど、折角だから動き回りながら常に身を守れないかなあって。それで攻撃とかの動きも邪魔しないように、身体と同じ形を常に保ちながら身体と一緒に移動する結界にしたんです。鎧みたいなイメージですね」
「ははは……剣に空間の断面を付与したら、次は当然鎧だよねって? ……まあ自然な考え方――なのかな? ああそうそう、気付いてないと思うけどそれって凄い新技術だからね?」
え、そうなの? まあでも今はそれは置いといて……
「それで普通の魔石だと計算とか処理が追い付かなくって、だからもらった圧縮魔石でやってみようって思ったんです」
「そうか、そう来たか……まあ役に立ってよかったよ。みんな喜んでくれるといいね。僕は心からそう祈ってるよ」
「はい! ……喜んでくれたら嬉しいなあ」
「ちなみにコレ、ひとつだけ形が違うけど?」
「ピノさんの『ナックルダスター』です! 母さんが『プレゼントならコレ』って」
「ああ母子…………」
その時のモリスさんの顔は、ちょっと印象的でした。
▽▽▽▽▽▽
ピノは『立体機動』を手に入れた
ピノは『空中機動』を手に入れた
まずは全身を覆う『鎧』の結界を出して……
次はその結界に体を預けるイメージ……
そうしたら結界に【ベクトル】を追加、まずは少しだけ上に移動して……
そうか、その後に止めないと……
それでその位置で停止、そのまま浮かぶ……
あ、これが錬成中の動かす動作とか土魔法の【移動】にあたる訳か……
なるほど、じゃあそのイメージで……
うん、イメージ出来たと思う。じゃあいよいよ、やってみよう!
「――やった、出来た!」
無事宙に浮かぶ事が出来たよ。
じゃあ、このままゆっくり移動。うん、これも成功。
色々と動いてみても結界はちゃんと身体の動きをトレース出来てる。【ベクトル】もちゃんと動作してるし――
うん、いいんじゃないかな。
部屋の中をスイスイと飛び回るカルア、その下ではソファに力なく身を預けたままそんなカルアを見上げるモリスとロベリーの姿があった。その表情は酷く疲れているようにも見える。
「ほら見てご覧よロベリー君。やっぱりよく分からない事になっちゃった」
「なっちゃいましたねえ室長。これってやっぱり『やらかし事故発生』ですか?」
「……発生だねえ。しかもこれ、ひとつめの事故を処理しきる前に次のやらかしが突っ込んで来た多重事故――って感じ? ああ、どうしたものかなぁ」
……やがてロベリーはふとある事に気が付いた。
「あの、確か【浮遊】とか【飛行】って……」
「うん、夢の技術って言われてるね」
そして二人は揃ってカルアを見上げる。
「実現――しちゃってますねぇ」
「ああ、しちゃってるねぇ」
「うふふふふ……ふぅ」
「あはははは……はぁ」
よかった、実験成功だ。
「モリスさん、ありがとうございました。お陰で無事解決しました」
「うんうん、役に立ててよかったよカルア君。じゃあこれで、今日の君の目的は無事に達成出来たって事かな?」
あ、目的……
「えっと、ちょっと待ってくださいね」
折角だから付与も試しちゃおう。
【共有ボックス】【全身結界】それに【ベクトル】……
頑張れ魔石君! 君はエリート戦士、20倍だぁーーっ!!
「やったーーっ!! 出来たーーっ!!」
思わず魔石を高く掲げて――
「あああ、もう魔道具化しちゃった……」
そんなモリスさんの声は聞こえない振りして――
「あのモリスさん、圧縮魔石をあと5個欲しいんですけど……」
「あと5個か……持ってるのと合わせて6個、って事はやっぱり?」
「はいっ! パーティメンバーと…………あとピノさんに」
「はは、だろうね……」
疲れ切ったような顔をしていたモリスさんだけど、表情に少し力が戻ってきたみたい。この復活の早さがモリスさん――なんて言うと『他人事みたいに』とか怒られそうだけど。
「よし、じゃあ向こうの部屋で一緒に作ってみようか。折角だから安全な作り方をレクチャーするよ」
「はいっ! ありがとうございます!」
それからモリスさんと二人で実験室っぽい部屋に移動して、そこで圧縮魔石の作り方を教えてもらった。
まずは周囲に影響を及ぼさないように魔石の周りに空間を断絶した結界を作って、その中で揺らぎ無い一定の力で圧縮していって、その時に形も整えて……
それを繰り返して5個の圧縮魔石が完成っ!!
「とりあえず今は20倍までにしておいてね。この先はまた僕が実験してからだよ」
それから僕達はまたモリスさんの部屋へと戻ってきた。
「これで後は付与するだけかな? 付与するのはさっきの【浮遊】かい?」
「えっと、パーティの【共有ボックス】と【全身結界】です。【ベクトル】は【全身結界】に追加したんですよ」
「――よし分かった! 取り敢えずひとつづつ処理していこうか。まず【共有ボックス】って何だい?」
「あの、以前にモリスさんが僕のボックススキルだったら使えるっていう『スペアキー』の事を教えてくれたじゃないですか。あれを利用してパーティ全員でひとつの【ボックス】を共同で使えるようにしたんです。それが【共有ボックス】です」
「そうか、あれの事かぁ。言われてみれば確かに全員でスペアキーを持つようなものだね。なるほどなるほど。この使い方は……アリだね、便利そうだ。よし、それじゃあ次……【全身結界】っていうのは?」
「身を守る結界を作ろうと思ったんですけど、折角だから動き回りながら常に身を守れないかなあって。それで攻撃とかの動きも邪魔しないように、身体と同じ形を常に保ちながら身体と一緒に移動する結界にしたんです。鎧みたいなイメージですね」
「ははは……剣に空間の断面を付与したら、次は当然鎧だよねって? ……まあ自然な考え方――なのかな? ああそうそう、気付いてないと思うけどそれって凄い新技術だからね?」
え、そうなの? まあでも今はそれは置いといて……
「それで普通の魔石だと計算とか処理が追い付かなくって、だからもらった圧縮魔石でやってみようって思ったんです」
「そうか、そう来たか……まあ役に立ってよかったよ。みんな喜んでくれるといいね。僕は心からそう祈ってるよ」
「はい! ……喜んでくれたら嬉しいなあ」
「ちなみにコレ、ひとつだけ形が違うけど?」
「ピノさんの『ナックルダスター』です! 母さんが『プレゼントならコレ』って」
「ああ母子…………」
その時のモリスさんの顔は、ちょっと印象的でした。
▽▽▽▽▽▽
ピノは『立体機動』を手に入れた
ピノは『空中機動』を手に入れた
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