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第66話 モリスさんのお陰で完成しました #3
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5分――いや10分くらい経ったかな……?
「いやぁゴメンゴメン、すっかり考え込んじゃったよ。まあ何はともあれ……カルア君、世界初の未踏場所への【転移】成功おめでとう!」
ようやく帰ってきたモリスさんの、これが第一声。
「はいっ、ありがとうございますモリスさん!」
「見せてもらった君の【転移】の瞬間と、その後聞かせてもらったその瞬間の感覚……その辺りからもう少し検証して、僕の方で理論的なところを構築してみるよ。けど……これもまた、あんまり公開して良い情報じゃあなさそうな気がするなぁ。その辺りどうしたものか、また校長に相談しておかなきゃ」
あ、今すっごく嫌そうな顔をしたベルベルさんの姿が思い浮かんだ……
「……今回もまた全てお任せします。いつもいつもすみません」
きっと今回のも、僕が気付いてない色んな問題があるだろうから……
「そうだね。まあその辺りは僕に任せておくれよ。ああ、でも今回のこれについてはカルア君はじゃんじゃん使っちゃって構わないと思うよ」
「えっ、いいんですか?」
「うん。だって君がその転移先に行った事があるかどうかなんて、他の誰にも分かる訳ないんだからね」
言われてみれば確かに……
今回の実験はこれで終了って事で、僕達3人はモリスさんの部屋へと戻ってきた。
「さて、それじゃあ話の続きだけど……さっきのが『簡単な方』なんだよね? じゃあ次のって……どうしようロベリー君、僕は今更ながら怖くなってきちゃったよ」
「室長、私の事は気にせず頑張って下さいね」
「他人事だと思って……」
えと、もう始めちゃっていいのかな? いいんだよね?
「ええっとですね、次の相談もちょっとよく分からない事についてなんですけど」
「ほほう、よく分からない事になっちゃう相談か」
「いえ、よく分からない事について――なんです」
「うん、だから、よく分からない事になっちゃう――って事だよね?」
「ええっと……あれ? ん? そういう事……なのかな??」
よく分からない事を相談すると、よく分からない事になっちゃう――の?
「うんうん、『そういう事』なんだよ。その点について僕は君に絶大な信頼を寄せてるんだ。これはもう鋼鉄の信頼感で結ばれていると言っても過言じゃあないってくらいにね」
「ええっ!? 嫌ですよ、そんな信頼感……」
「ははは、まあ気にしない気にしない。さあ、それじゃあ聞かせてくれるかい? ようやく僕の心の準備が完了したからさ」
――はい、じゃあ遠慮なく。
「あのですね……何かを錬成しようとすると、その対象物って宙に浮くじゃないですか。それに火魔法や水魔法、あと風魔法なんかでも、浮かべたり方向を決めて飛ばしたり出来ますよね。あれって魔法の一部なんでしょうか?」
「む……」
あれ? 考え込んじゃった。
「……確かそれ、何かの論文で見た事があったなぁ。何だったっけ、ええっと……」
暫く考えていたけど、思い出せなかったみたい。
「……ちょっと待ってね」
そう言ってモリスさんが取り出したのは、さっき僕も使ったチームの通信機。
「ああ、オートカ? ゴメンちょっと訊きたいんだけどさ――」
通信相手はオートカさんのようだ。多分さっきの論文についてオートカさんに訊こうとしてるんだろう。
「――ほら、以前魔法発動の【ベクトル】研究の論文ってあったじゃない。あれってさ、結局どういう推論でどういう仮説になってたんだっけ? ……うん、そうそう……ああ、イメージで? ……発動時の魔力……ああ、共通のね……え? じゃあサブルーチン、いやファンクション的な? …………それってつまり、完全には独立してないって事?」
もの凄い専門的な話をしてる。もしかして凄く難しい質問をしちゃったって事?
どうしよう、これ説明されても意味が分からないんじゃ……
「そうすると順序的には発現の前? それとも後? ……ああそうか、それがイメージの個性か……うんうん……ちなみに追加研究とかは? ……じゃあ最新か……うん、分かったよ。ありがとう……え? ……ああ、カルア君のね…………ははは、僕もさ。今まさにって感じ。え? ……うん、ドッキドキだよ…………ああそうだね、じゃあまた」
モリスさんもオートカさんも凄く警戒してるって事?
どうしよう、これやっちゃいけないパターンなんじゃ……
「――お待たせカルア君。それについては以前誰かの研究論文で読んだ事があったんだけどさ、ちょっと記憶があやふやだったからオートカに聞いてみたんだよ。でね、その論文によれば、その移動させようとする方向とか力の事を【ベクトル】って呼んでいてね、それによると、【ベクトル】っていうのは、どうやら各魔法に付随する共通機能って事らしいよ」
「共通機能……ですか?」
「うんそう。単独ではどうやっても発動させられないんだけど、他の魔法にくっつける事なら出来る――そんな『追加魔法』みたいに考えてくれればいいかな。まあこれも例によって『現時点では』っていう但し書きが付くんだけどね。ああ、でもそれを言い出しちゃうとどんな研究も全部そうなっちゃうか」
なるほど……他のどんな魔法にも追加できるって事か。だったら……
「うん、それなら出来そうだ」
じゃあやってみよー。
「ああ、ついによく分からない事が始まる……」
「いやぁゴメンゴメン、すっかり考え込んじゃったよ。まあ何はともあれ……カルア君、世界初の未踏場所への【転移】成功おめでとう!」
ようやく帰ってきたモリスさんの、これが第一声。
「はいっ、ありがとうございますモリスさん!」
「見せてもらった君の【転移】の瞬間と、その後聞かせてもらったその瞬間の感覚……その辺りからもう少し検証して、僕の方で理論的なところを構築してみるよ。けど……これもまた、あんまり公開して良い情報じゃあなさそうな気がするなぁ。その辺りどうしたものか、また校長に相談しておかなきゃ」
あ、今すっごく嫌そうな顔をしたベルベルさんの姿が思い浮かんだ……
「……今回もまた全てお任せします。いつもいつもすみません」
きっと今回のも、僕が気付いてない色んな問題があるだろうから……
「そうだね。まあその辺りは僕に任せておくれよ。ああ、でも今回のこれについてはカルア君はじゃんじゃん使っちゃって構わないと思うよ」
「えっ、いいんですか?」
「うん。だって君がその転移先に行った事があるかどうかなんて、他の誰にも分かる訳ないんだからね」
言われてみれば確かに……
今回の実験はこれで終了って事で、僕達3人はモリスさんの部屋へと戻ってきた。
「さて、それじゃあ話の続きだけど……さっきのが『簡単な方』なんだよね? じゃあ次のって……どうしようロベリー君、僕は今更ながら怖くなってきちゃったよ」
「室長、私の事は気にせず頑張って下さいね」
「他人事だと思って……」
えと、もう始めちゃっていいのかな? いいんだよね?
「ええっとですね、次の相談もちょっとよく分からない事についてなんですけど」
「ほほう、よく分からない事になっちゃう相談か」
「いえ、よく分からない事について――なんです」
「うん、だから、よく分からない事になっちゃう――って事だよね?」
「ええっと……あれ? ん? そういう事……なのかな??」
よく分からない事を相談すると、よく分からない事になっちゃう――の?
「うんうん、『そういう事』なんだよ。その点について僕は君に絶大な信頼を寄せてるんだ。これはもう鋼鉄の信頼感で結ばれていると言っても過言じゃあないってくらいにね」
「ええっ!? 嫌ですよ、そんな信頼感……」
「ははは、まあ気にしない気にしない。さあ、それじゃあ聞かせてくれるかい? ようやく僕の心の準備が完了したからさ」
――はい、じゃあ遠慮なく。
「あのですね……何かを錬成しようとすると、その対象物って宙に浮くじゃないですか。それに火魔法や水魔法、あと風魔法なんかでも、浮かべたり方向を決めて飛ばしたり出来ますよね。あれって魔法の一部なんでしょうか?」
「む……」
あれ? 考え込んじゃった。
「……確かそれ、何かの論文で見た事があったなぁ。何だったっけ、ええっと……」
暫く考えていたけど、思い出せなかったみたい。
「……ちょっと待ってね」
そう言ってモリスさんが取り出したのは、さっき僕も使ったチームの通信機。
「ああ、オートカ? ゴメンちょっと訊きたいんだけどさ――」
通信相手はオートカさんのようだ。多分さっきの論文についてオートカさんに訊こうとしてるんだろう。
「――ほら、以前魔法発動の【ベクトル】研究の論文ってあったじゃない。あれってさ、結局どういう推論でどういう仮説になってたんだっけ? ……うん、そうそう……ああ、イメージで? ……発動時の魔力……ああ、共通のね……え? じゃあサブルーチン、いやファンクション的な? …………それってつまり、完全には独立してないって事?」
もの凄い専門的な話をしてる。もしかして凄く難しい質問をしちゃったって事?
どうしよう、これ説明されても意味が分からないんじゃ……
「そうすると順序的には発現の前? それとも後? ……ああそうか、それがイメージの個性か……うんうん……ちなみに追加研究とかは? ……じゃあ最新か……うん、分かったよ。ありがとう……え? ……ああ、カルア君のね…………ははは、僕もさ。今まさにって感じ。え? ……うん、ドッキドキだよ…………ああそうだね、じゃあまた」
モリスさんもオートカさんも凄く警戒してるって事?
どうしよう、これやっちゃいけないパターンなんじゃ……
「――お待たせカルア君。それについては以前誰かの研究論文で読んだ事があったんだけどさ、ちょっと記憶があやふやだったからオートカに聞いてみたんだよ。でね、その論文によれば、その移動させようとする方向とか力の事を【ベクトル】って呼んでいてね、それによると、【ベクトル】っていうのは、どうやら各魔法に付随する共通機能って事らしいよ」
「共通機能……ですか?」
「うんそう。単独ではどうやっても発動させられないんだけど、他の魔法にくっつける事なら出来る――そんな『追加魔法』みたいに考えてくれればいいかな。まあこれも例によって『現時点では』っていう但し書きが付くんだけどね。ああ、でもそれを言い出しちゃうとどんな研究も全部そうなっちゃうか」
なるほど……他のどんな魔法にも追加できるって事か。だったら……
「うん、それなら出来そうだ」
じゃあやってみよー。
「ああ、ついによく分からない事が始まる……」
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