197 / 278
第80話 死闘!激闘!パーティの戦いです #4
しおりを挟む
「ここは俺が出よう」
「ネッガー……」
「やれるの?」
アーシュの問いにネッガーは少し考え、小さく首を振った。
「倒すのは難しいだろう。時間を稼ぐからその間に次の手を考えてくれ」
「……分かった、気を付けるのよネッガー」
そしてネッガーとアニキゴブリンの第2ラウンドが始まった。
今回はどちらも最初から全力全開、目で追うのがやっとの高速戦闘だ。そしてもう一つの違いはネッガーが剣を手にしているって事。今のアニキゴブリンはそれ程危険な相手って事なのか……
「ノルト、何か作戦ある?」
「――今考え中」
「分かったわ」
きっと今のノルトは【シンク】スキルを全開にしているんだろう。頭の中では凄い速さでいろんな事を考えてるんだろうな。
ネッガー、作戦が決まるまでもう暫く頑張って!!
そんな僕達の前で、ネッガーとアニキゴブリンの戦いはますます激しくなっていく……
「うん!」
ノルトの表情がパッと明るくなった。もしかして何か閃いた?
「カルア君、ひとつ訊きたいんだけど、君の【結界】って展開した後からでも形とか変えられる?」
「出来るよ。スーツとかその応用だし」
「よし! じゃあ作戦決定だ。いいかいみんな、まず――」
そしてノルトからその作戦を聞いたんだけど……
凄い! これなら絶対いけるっ!!
「さあ作戦開始よ! カルア!」
「うんっ! 【結界】」
反対の壁一面に【結界】を展開。やりたい放題の逆向き――つまり外から中への一方通行で!
「ネッガー! 剣を棒にチェンジ! 奴を向こうの壁に撥ね飛ばしなさい!」
「おうっ!!」
アーシュからの指示にネッガーは一瞬のステップから剣を鋭く横に薙ぐ。虚を突かれたアニキゴブリンは腹に迫る剣を避け切れないと踏み、胴体の魔力を鎧のように固めてそれを受けようとする――
が、ネッガーは素早く【共通ボックス】を発動すると、握った剣をそのまま撲撲棒にチェンジっ!!
「ナニッ!?」
撲撲棒は完全に振り切るまでその動きを止める事はない。
魔力の鎧ごと吹き飛ばすあり得ない衝撃は、アニキゴブリンをうしろの壁まで弾き飛ばした。そしてその壁には僕の【結界】が展開されている。外から中への一方通行のその【結界】へ。
「次! 行けワルツっ!!」
「おおぉ」
【結界】に吸い込まれていったアニキゴブリンの後を追うように、ワルツの氷が【結界】の中に撃ち込まれる。その大きさはワルツが作れる最大サイズ。でもその氷塊が飛んで行った先はアニキゴブリンの場所とはかけ離れた【結界】の隅だった。
「今よカルア、【結界】を縮めて!」
「了解っ!」
アニキゴブリンの体より少し大きい程度までサイズ変更っ!
立ち上がったアニキゴブリンの足元にはワルツの氷が転がっていき、そして――
「【激☆加熱】」
――結界の中に静かな大爆発が巻き起こった。
と言っても外に漏れ出さないだけで、あの中ではとんでもない音が鳴り響いてるんだろうけど。
そして結界の内側には揺らめく緑の影が……
「ワルツ、あの中の温度をこっちと同じくらいまで下げて」
「りょ、程よく、【冷却】」
「いくらあいつでも流石にこれなら……ってまだ生きてるの? ゴブリンの癖にゴキブリ並みの生命力ね。これからアイツの事ゴキブリンって呼ぼうかしら」
アーシュ、それは流石に可哀想じゃないかな。
なんてちょっと場違いな感想を持った僕だったけど、ノルトからの提案に我に返る。
「でもかなりギリギリっぽいし、もう【スティール】出来るんじゃないかな。カルア君、やってみてよ」
オッケー、じゃあ――
「【スティール】」
これでようやくアニキゴブリンは動かなくなり、そして僕達は奴の魔石を手に入れた。
「解除」
結界の解除と共に中に閉じ込められていたバケツ2杯分の水が床に広がってゆき、その真ん中には自慢のスーツが欠片も残っていないアニキゴブリンの裸の死骸がポツンと横たわっている。
「よし、こいつもお持ち帰りっと……あ」
収納を終えたアーシュが急に表情を曇らせた。何かに気付いたって感じ。
「そうだ、こいつら全部カルアの【スティール】で倒してるのよね。魔石を見せろとか言われたらどうしよう……帰ったらお祖母様に相談しなきゃ」
ああ、言われてみれば確かに。
僕もこういうところに気付くようにならなくっちゃ!
――って、なれるのかなぁ?
「ふふん、今回はパーティ全員で掴み取った勝利ね。あーーでも疲れたぁ!」
笑顔で大きく伸びをするアーシュ。そんなアーシュに僕達も笑顔で応える。
「本当に強敵だった」
「ナイス爆発、トゥミー」
「ははっ、そうだね」
「ノルトもナイス作戦」
そして――
「みんな、ここで食事してたっぷり休憩! 下に行くのは完全回復してからよ! 次はもっと強い奴が出てくるかもしれないんだから!!」
そうだ、次はいよいよ『真なる最下層』の最下層だ。
確かアニキゴブリンは『本部』って言ってたっけ。
どんな所だろう、もの凄く強いボスとか出てくるのかな……
▽▽▽▽▽▽
このお話が面白いと感じてくれた方、「いいね」をお願いします。
続きが気になる方、「お気に入り」登録はいかがですか。
作者に一言ツッコみたい方やモノ申したい方、「感想コメント」お気軽にどうぞ。
「ネッガー……」
「やれるの?」
アーシュの問いにネッガーは少し考え、小さく首を振った。
「倒すのは難しいだろう。時間を稼ぐからその間に次の手を考えてくれ」
「……分かった、気を付けるのよネッガー」
そしてネッガーとアニキゴブリンの第2ラウンドが始まった。
今回はどちらも最初から全力全開、目で追うのがやっとの高速戦闘だ。そしてもう一つの違いはネッガーが剣を手にしているって事。今のアニキゴブリンはそれ程危険な相手って事なのか……
「ノルト、何か作戦ある?」
「――今考え中」
「分かったわ」
きっと今のノルトは【シンク】スキルを全開にしているんだろう。頭の中では凄い速さでいろんな事を考えてるんだろうな。
ネッガー、作戦が決まるまでもう暫く頑張って!!
そんな僕達の前で、ネッガーとアニキゴブリンの戦いはますます激しくなっていく……
「うん!」
ノルトの表情がパッと明るくなった。もしかして何か閃いた?
「カルア君、ひとつ訊きたいんだけど、君の【結界】って展開した後からでも形とか変えられる?」
「出来るよ。スーツとかその応用だし」
「よし! じゃあ作戦決定だ。いいかいみんな、まず――」
そしてノルトからその作戦を聞いたんだけど……
凄い! これなら絶対いけるっ!!
「さあ作戦開始よ! カルア!」
「うんっ! 【結界】」
反対の壁一面に【結界】を展開。やりたい放題の逆向き――つまり外から中への一方通行で!
「ネッガー! 剣を棒にチェンジ! 奴を向こうの壁に撥ね飛ばしなさい!」
「おうっ!!」
アーシュからの指示にネッガーは一瞬のステップから剣を鋭く横に薙ぐ。虚を突かれたアニキゴブリンは腹に迫る剣を避け切れないと踏み、胴体の魔力を鎧のように固めてそれを受けようとする――
が、ネッガーは素早く【共通ボックス】を発動すると、握った剣をそのまま撲撲棒にチェンジっ!!
「ナニッ!?」
撲撲棒は完全に振り切るまでその動きを止める事はない。
魔力の鎧ごと吹き飛ばすあり得ない衝撃は、アニキゴブリンをうしろの壁まで弾き飛ばした。そしてその壁には僕の【結界】が展開されている。外から中への一方通行のその【結界】へ。
「次! 行けワルツっ!!」
「おおぉ」
【結界】に吸い込まれていったアニキゴブリンの後を追うように、ワルツの氷が【結界】の中に撃ち込まれる。その大きさはワルツが作れる最大サイズ。でもその氷塊が飛んで行った先はアニキゴブリンの場所とはかけ離れた【結界】の隅だった。
「今よカルア、【結界】を縮めて!」
「了解っ!」
アニキゴブリンの体より少し大きい程度までサイズ変更っ!
立ち上がったアニキゴブリンの足元にはワルツの氷が転がっていき、そして――
「【激☆加熱】」
――結界の中に静かな大爆発が巻き起こった。
と言っても外に漏れ出さないだけで、あの中ではとんでもない音が鳴り響いてるんだろうけど。
そして結界の内側には揺らめく緑の影が……
「ワルツ、あの中の温度をこっちと同じくらいまで下げて」
「りょ、程よく、【冷却】」
「いくらあいつでも流石にこれなら……ってまだ生きてるの? ゴブリンの癖にゴキブリ並みの生命力ね。これからアイツの事ゴキブリンって呼ぼうかしら」
アーシュ、それは流石に可哀想じゃないかな。
なんてちょっと場違いな感想を持った僕だったけど、ノルトからの提案に我に返る。
「でもかなりギリギリっぽいし、もう【スティール】出来るんじゃないかな。カルア君、やってみてよ」
オッケー、じゃあ――
「【スティール】」
これでようやくアニキゴブリンは動かなくなり、そして僕達は奴の魔石を手に入れた。
「解除」
結界の解除と共に中に閉じ込められていたバケツ2杯分の水が床に広がってゆき、その真ん中には自慢のスーツが欠片も残っていないアニキゴブリンの裸の死骸がポツンと横たわっている。
「よし、こいつもお持ち帰りっと……あ」
収納を終えたアーシュが急に表情を曇らせた。何かに気付いたって感じ。
「そうだ、こいつら全部カルアの【スティール】で倒してるのよね。魔石を見せろとか言われたらどうしよう……帰ったらお祖母様に相談しなきゃ」
ああ、言われてみれば確かに。
僕もこういうところに気付くようにならなくっちゃ!
――って、なれるのかなぁ?
「ふふん、今回はパーティ全員で掴み取った勝利ね。あーーでも疲れたぁ!」
笑顔で大きく伸びをするアーシュ。そんなアーシュに僕達も笑顔で応える。
「本当に強敵だった」
「ナイス爆発、トゥミー」
「ははっ、そうだね」
「ノルトもナイス作戦」
そして――
「みんな、ここで食事してたっぷり休憩! 下に行くのは完全回復してからよ! 次はもっと強い奴が出てくるかもしれないんだから!!」
そうだ、次はいよいよ『真なる最下層』の最下層だ。
確かアニキゴブリンは『本部』って言ってたっけ。
どんな所だろう、もの凄く強いボスとか出てくるのかな……
▽▽▽▽▽▽
このお話が面白いと感じてくれた方、「いいね」をお願いします。
続きが気になる方、「お気に入り」登録はいかがですか。
作者に一言ツッコみたい方やモノ申したい方、「感想コメント」お気軽にどうぞ。
129
あなたにおすすめの小説
一流冒険者トウマの道草旅譚
黒蓬
ファンタジー
主人公のトウマは世界の各地を旅しながら、旅先で依頼をこなす冒険者。
しかし、彼には旅先で気になるものを見つけると寄らずにはいられない道草癖があった。
そんな寄り道優先の自由気ままなトウマの旅は、今日も新たな出会いと波乱を連れてくる。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――
銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」
世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。
魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。
彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。
一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。
構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。
彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。
「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」
暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。
管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。
これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。
※アルファポリスで先行で公開されます。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
中年オジが異世界で第二の人生をクラフトしてみた
Mr.Six
ファンタジー
仕事に疲れ、酒に溺れた主人公……。フラフラとした足取りで橋を進むと足を滑らしてしまい、川にそのままドボン。気が付くとそこは、ゲームのように広大な大地が広がる世界だった。
訳も分からなかったが、視界に現れたゲームのようなステータス画面、そして、クエストと書かれた文章……。
「夢かもしれないし、有給消化だとおもって、この世界を楽しむか!」
そう開き直り、この世界を探求することに――
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる