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第60話 殲滅の後にその事件は起きました #2
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ゴブリンの集落が見える場所まで移動した僕達の目に入ったのは、森の中のちょっと拓けた場所に点々と建つ、木の枝を寄せ集めたような粗末な住処。
「あれが集落ね。見える範囲にゴブラットの姿は無し。巣穴の中かしら?」
ゴブリンの反応は……10匹とも集落の中だ。
「ゴブラットは1匹も逃したくないわね。さてどうするか……」
集落を見ながら考えるクーラ先生。そこへ――
「あの、先生? 僕がこの集落を固めた土壁で囲んじゃいましょうか?」
我らが誇る土プロからそんな提案があった。
「それは凄くいいアイデアだけど、魔力は大丈夫? 結構広いわよ?」
「2メートルくらいの高さまでだったら多分行けます。その高さで足りますか?」
「ゴブラットならその高さがあれば問題無いわね……よし、じゃあまず最初に集落を壁で囲む、次にゴブリンの殲滅、そのあと集落に有るはずのゴブラットの巣穴を探す。今回は2パーティ合同ミッションよ。いいわね?」
方針は決まった。全員頷き、そして隊長のアーシュから作戦が発表される。
「よし……じゃあまず最初に全員で集落に突入、ノルトが土壁を作る間に他の皆で外に出ているゴブリンを剣で倒す。同士討ちを防ぐため魔法攻撃は禁止、ただし小屋にゴブリンが立て篭った場合は例外よ。あたしが火魔法で小屋を焼くから、ワルツは燃え広がるのを防いで。小屋から飛び出してきたゴブリンは近くの人が斬ること。ゴブラットの巣穴を探すのはゴブリンを殲滅した後よ。いいわね?」
シンプルで的確な作戦に、みんなは再び頷く。
「よし、じゃあ作戦開始!」
僕達が集落に突入すると、ゴブリン達は大騒ぎを始めた。そんなゴブリンを尻目にノルトが土魔法を発動させると、集落を囲むように土壁が地面から生えてきた。
だけど、ゴブリン達にそれを気にする余裕はない。
だって次々と斬り倒されていくから。
グギャギャギャギャアーーーー……
よし、これで10匹目、殲滅完了だ。
「小屋の中にはもう残ってないわね。ならゴブリンは殲滅完了よ。あとは巣穴だけだけど……その前にこいつらどうする?」
『こいつら』っていうのは転がってるゴブリンの死体。このままだとゴブラット殲滅の邪魔になりそうだ。
「僕が森の中に埋めてくるから、その前に魔石だけ取り出しちゃおうか」
僕もこれくらいはやらないとね。
という事でみんなでゴブリンを解体――というか魔石だけを取り出した。
だって、ゴブリンって素材にも食材にもならないから。
「じゃあちょっと捨てに行ってくるね」
で、僕はゴブリンの死体と一緒に森に【転移】。そこで土魔法で穴を掘ってゴブリンをポイっと入れたら、あとは掘った土を上から被せて【圧縮】して完了。
「ただいまー」
集落に戻ると、みんなは一か所に集まっていた。巣穴を見つけたみたいだ。
「――この木も邪魔よね。カルア、これもお願いできる?」
小屋っぽく組まれたたくさんの枯れ枝。確かにこのままだと邪魔になりそう。
――という事で邪魔な枯れ枝は森の奥へポイっと【転送】。木々よ、森へお帰り。
「あんたってホント便利よねー。感心するわ」
すっきりと片付いた集落の中に響いた、アーシュのそんな一言。
「あはは、でも【転移】の事は秘密だから、みんなも他の人には言わないでね」
「言わないわよ! ――っていうか言えない事多過ぎよ! もうあんたの存在そのものを隠したくなってきたわ。あんたの事が広まったら、絶対こっちにも面倒事が回って来るだろうし」
はは……それって言い方がキツいだけで、チームのみんなと同じ事言ってない?
まあそれはともかく、今は巣穴の中のゴブラットを何とかしなきゃ。
小屋が無くなった事で、そこに隠されていた巣穴が丸見えに。地面に空いた直径1メートルくらいの巣穴の入口が……
「先生、これってどうしよう。このまま埋めちゃうってのもありかしら?」
「うーん、それで全滅するなら解決するけど……でもそれだとゴブラットの存在と殲滅が証明出来ないからあなた達の実績にならないのよね。冒険者になったからには、ちゃんと自分の功績を積み上げる意識を持たなきゃ駄目。『人知れず事件を解決』するなんて行為は冒険者としては失格よ。『絶対に生き残って功績を持ち帰る!』――これが一流の冒険者ってものよ」
功績を上げるだけでも駄目、生きて帰るだけでも駄目――か。
ホント、勉強になります!
「――って事は、まずは全部のゴブラットをここから引き摺り出さなきゃダメね。どうしようか」
全部――ってそもそも何匹くらいいるんだろう。ちょっと【俯瞰】で……えっ?
「アーシュ、ちょっとこの下の様子を視て」
「『視て』って【俯瞰】で? 使っていいなら視るけど――って、嘘!?」
やっぱり驚くよね……
「どうしたの?」
「クーラ先生、この中のゴブラット……100どころじゃない、その倍の200匹以上はいるわ!!」
「ええっ、そんなに!?」
「こいつらを一匹残らず外に出す方法なんて……」
そこでまた悩むみんな。
何かいい方法ないかな……
「いい匂いで、おびき出す?」
ワルツから出たのは、とってもワルツらしいアイデア。
「うーん、それも難しそう……でも『自分達から外に出たくなるように』って考えは凄くいいと思うわ!」
「自分達から外へかあ……それって外が凄く魅力的か、それとも中の居心地が凄く悪くて……っそうか!」
「ノルト、もしかして何か思い付いたの?」
その問い掛けにノルトは笑顔――すっごく悪い笑顔で答えた。
「中にいられないくらい穴の中が暑く、いや熱くなっちゃったらさ……嫌でも出てきたくなるんじゃないかな」
「あれが集落ね。見える範囲にゴブラットの姿は無し。巣穴の中かしら?」
ゴブリンの反応は……10匹とも集落の中だ。
「ゴブラットは1匹も逃したくないわね。さてどうするか……」
集落を見ながら考えるクーラ先生。そこへ――
「あの、先生? 僕がこの集落を固めた土壁で囲んじゃいましょうか?」
我らが誇る土プロからそんな提案があった。
「それは凄くいいアイデアだけど、魔力は大丈夫? 結構広いわよ?」
「2メートルくらいの高さまでだったら多分行けます。その高さで足りますか?」
「ゴブラットならその高さがあれば問題無いわね……よし、じゃあまず最初に集落を壁で囲む、次にゴブリンの殲滅、そのあと集落に有るはずのゴブラットの巣穴を探す。今回は2パーティ合同ミッションよ。いいわね?」
方針は決まった。全員頷き、そして隊長のアーシュから作戦が発表される。
「よし……じゃあまず最初に全員で集落に突入、ノルトが土壁を作る間に他の皆で外に出ているゴブリンを剣で倒す。同士討ちを防ぐため魔法攻撃は禁止、ただし小屋にゴブリンが立て篭った場合は例外よ。あたしが火魔法で小屋を焼くから、ワルツは燃え広がるのを防いで。小屋から飛び出してきたゴブリンは近くの人が斬ること。ゴブラットの巣穴を探すのはゴブリンを殲滅した後よ。いいわね?」
シンプルで的確な作戦に、みんなは再び頷く。
「よし、じゃあ作戦開始!」
僕達が集落に突入すると、ゴブリン達は大騒ぎを始めた。そんなゴブリンを尻目にノルトが土魔法を発動させると、集落を囲むように土壁が地面から生えてきた。
だけど、ゴブリン達にそれを気にする余裕はない。
だって次々と斬り倒されていくから。
グギャギャギャギャアーーーー……
よし、これで10匹目、殲滅完了だ。
「小屋の中にはもう残ってないわね。ならゴブリンは殲滅完了よ。あとは巣穴だけだけど……その前にこいつらどうする?」
『こいつら』っていうのは転がってるゴブリンの死体。このままだとゴブラット殲滅の邪魔になりそうだ。
「僕が森の中に埋めてくるから、その前に魔石だけ取り出しちゃおうか」
僕もこれくらいはやらないとね。
という事でみんなでゴブリンを解体――というか魔石だけを取り出した。
だって、ゴブリンって素材にも食材にもならないから。
「じゃあちょっと捨てに行ってくるね」
で、僕はゴブリンの死体と一緒に森に【転移】。そこで土魔法で穴を掘ってゴブリンをポイっと入れたら、あとは掘った土を上から被せて【圧縮】して完了。
「ただいまー」
集落に戻ると、みんなは一か所に集まっていた。巣穴を見つけたみたいだ。
「――この木も邪魔よね。カルア、これもお願いできる?」
小屋っぽく組まれたたくさんの枯れ枝。確かにこのままだと邪魔になりそう。
――という事で邪魔な枯れ枝は森の奥へポイっと【転送】。木々よ、森へお帰り。
「あんたってホント便利よねー。感心するわ」
すっきりと片付いた集落の中に響いた、アーシュのそんな一言。
「あはは、でも【転移】の事は秘密だから、みんなも他の人には言わないでね」
「言わないわよ! ――っていうか言えない事多過ぎよ! もうあんたの存在そのものを隠したくなってきたわ。あんたの事が広まったら、絶対こっちにも面倒事が回って来るだろうし」
はは……それって言い方がキツいだけで、チームのみんなと同じ事言ってない?
まあそれはともかく、今は巣穴の中のゴブラットを何とかしなきゃ。
小屋が無くなった事で、そこに隠されていた巣穴が丸見えに。地面に空いた直径1メートルくらいの巣穴の入口が……
「先生、これってどうしよう。このまま埋めちゃうってのもありかしら?」
「うーん、それで全滅するなら解決するけど……でもそれだとゴブラットの存在と殲滅が証明出来ないからあなた達の実績にならないのよね。冒険者になったからには、ちゃんと自分の功績を積み上げる意識を持たなきゃ駄目。『人知れず事件を解決』するなんて行為は冒険者としては失格よ。『絶対に生き残って功績を持ち帰る!』――これが一流の冒険者ってものよ」
功績を上げるだけでも駄目、生きて帰るだけでも駄目――か。
ホント、勉強になります!
「――って事は、まずは全部のゴブラットをここから引き摺り出さなきゃダメね。どうしようか」
全部――ってそもそも何匹くらいいるんだろう。ちょっと【俯瞰】で……えっ?
「アーシュ、ちょっとこの下の様子を視て」
「『視て』って【俯瞰】で? 使っていいなら視るけど――って、嘘!?」
やっぱり驚くよね……
「どうしたの?」
「クーラ先生、この中のゴブラット……100どころじゃない、その倍の200匹以上はいるわ!!」
「ええっ、そんなに!?」
「こいつらを一匹残らず外に出す方法なんて……」
そこでまた悩むみんな。
何かいい方法ないかな……
「いい匂いで、おびき出す?」
ワルツから出たのは、とってもワルツらしいアイデア。
「うーん、それも難しそう……でも『自分達から外に出たくなるように』って考えは凄くいいと思うわ!」
「自分達から外へかあ……それって外が凄く魅力的か、それとも中の居心地が凄く悪くて……っそうか!」
「ノルト、もしかして何か思い付いたの?」
その問い掛けにノルトは笑顔――すっごく悪い笑顔で答えた。
「中にいられないくらい穴の中が暑く、いや熱くなっちゃったらさ……嫌でも出てきたくなるんじゃないかな」
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