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第46話 最後まで油断ならない初日でした #3
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学校から徒歩10分。
冒険者ギルドへも徒歩10分。
そこが僕の住むアパート。
「ただいまー」
――って言っても、当然誰もいないんだけどね。
「お帰りなさい、カルア君」
「えっ!?」
この声、もしかして!?
「ピノさんっ!! うわぁ、どうしてここに!?」
「ふふふ、今日一日だけ夕方でお仕事を抜けさせてもらって、片付けのお手伝いと晩御飯を作りにね。こっちへは学校が終わる時間に来たんだけど、カルア君まだ帰ってきてなかったみたいだから、ちょっとビックリさせちゃおうと思ってここで待ってたの。ふふ、驚いた?」
「すっごく。声でピノさんだってすぐ分かったけど、『何故ここにいるの?』って――」
「この部屋は私も一緒に選んだんだもの。場所さえ知ってれば【転移】して来るのは簡単よ。折角こんな素敵な【転移】の魔道具を貰ったんだから、ちゃんと使わなくっちゃね」
一人でやる予定だった引越し荷物の片付けは、ピノさんと二人だったお陰ですぐに終わっちゃった。
その後買い物に行って足りない物を買い足したら、ヒトツメみたいに二人で晩御飯!
「今日は久し振りにカレヱライスにしましたよ」
「やった!!」
「ふふふ、ちょっと多めに作ったから、明日も食べてね。鍋の魔力を切らさなければ傷まないから。あ、焦げ付く事は無いけど水分が飛んじゃうから、そうしたら水を足してね。あと香りはだんだん弱くなるかも。あっそうだ、鍋にフタを付けたら水分飛ばないかも」
「ああ! フタ、いいですね。作ってみます」
学校での出来事を話しながら楽しい食事。
「ふーん、すっごく変わった先生なんだね」
「ビックリしましたよ。それで返事をする時は、みんなで声を揃えて『はーーい』って」
「ふふふ、本当に幼年学校みたいね」
「それで後で聞いたんですけど、レミア先生って実はミレアさんのお姉さんで」
「そうなんだ。あの学校って優秀な卒業生をそのまま教員に採用する事があるから、もしかしたらそれかもね」
「えっ、優秀――なのかな?」
「それでその人がベルベルさんのお孫さんだったんです。アーシュっていうんですけど、そのあと僕の事を『宿命のライバル』とかって」
「ふふふ、それでカルア君のライバルになったわけね。――私のライバルにならなきゃいいけど」
「え?」
「ふふ、それからどうなったの?」
「一般教養の学科は今のところみんなに教えてもらった内容の復習みたいな感じで。ベルベルさんは『いつでも卒業できる』なんて言ってたけど、ずっとこんな感じなのかな?」
「うーん、新発見とかあるとそれがすぐに反映されるし、歴史なんかでも学説が変われば教わる内容も変わるから、油断しない方がいいかもね」
「えー、途中で内容が変わったりするんですか。それは要注意ですね」
「それでアーシュが『昼食フォーメーション』って――」
「!?」
「『バーサクフェアリーピノ様が編み出した伝説の戦術』とか言って……あれ? ピノさん? ちょ、ちょっとしっかり! ピノさーーーん!?」
「そのアイさんって人がピノさんのファンクラブの現会長とかで、アーシュもその会員で……」
「ななな、なぜアレが今もまだ存続を? 卒業と同時に解散したものとばかり……」
「それでみんなに囲まれて、ピノさんとの関係を訊かれて……」
「なっ、何て答えたの!?」
「『姉弟です』って……」
「ソウナンダ……」
「午後は魔法の実技で、自分の受けたい属性ごとに分かれたんです」
「カルア君は何を選んだの?」
「僕は土魔法にしました。そしたらノルトがいて、『実家の手伝いで土魔法で畑を耕してた』って。小さい頃から魔法で家の手伝いとか、凄いですよね。あっそうそう、アーシュも一緒だったんです。『ライバルなんだからお互い見える所にいないと』とか言って」
「そうね。小さな頃から魔法で手伝いとか、ノルト君凄いわね。それにアーシュちゃんもスゴイワネ……」
「そう言えば、ピノさんって魔法はどうなんですか?」
「私? 私はどれも少しは使えたけど、【身体強化】ばっかり使ってたかな。ほら、誰よりも速く動いて誰よりも強く殴れば、大体勝てるじゃない?」
「ああそっか、それで『バーサクフェアリー』って――」
「うっく、お願いカルア君、その呼び名の事は忘れて……」
「え? でもピノさん、学校でみんな知ってたみたいですけど」
「何故? 何故今もまだ……はっ! ファンクラブ! そうか、それが私の――敵っ!!」
「ちょピノさん! カレヱが冷め、いや冷えちゃいますよー!」
「それで何だかよく分からないうちにパーティを組む事になって……。嫌な訳じゃないんだけど……むしろ嬉しかったし。でもみんな怪我とかしたら大変だから、どうしたらいいかなって。それで冒険者クラスの先生とかに相談しようって言って……」
「ふふふ。何だ、ちゃんとパーティリーダーしてるじゃない。そうね、『如何にリスクを抑えて最大の効果を得るか。その為にはどう動くべきか』、これをちゃんと考えられる事が良いリーダーになる為のの条件よ。だから、カルア君はしっかりしたリーダーになれそうね」
「……そうでしょうか」
「これでも冒険者クラスを卒業して冒険者ギルドの受付嬢をやってるんだから。ふふ、私の言葉を信じなさい。ね?」
「――はいっ!!」
「……他にもまだ何か残ってたりしないでしょうね? 『ファンクラブ』とか『昼食フォーメーション』とか今でも残ってるなんて……大体『バーサクフェアリー』なんて恥ずかしい呼び名が生徒の間で今でも知られてるなんて、想定外すぎよ。ううぅーーーー」
「――あの、ピノさん?」
「それに何、アーシュって? 何でその子いきなりそんな積極的なの? もしかしてこれなの? これがロベリーが前に言ってた『誰かに突然掻っ攫われる』って事? だとしたら……。ど、どうしよう……」
「――あのーー、ピノさん? ……ピノさーーーん!」
「私っ、どうしようーーー」
▽▽▽▽▽▽
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冒険者ギルドへも徒歩10分。
そこが僕の住むアパート。
「ただいまー」
――って言っても、当然誰もいないんだけどね。
「お帰りなさい、カルア君」
「えっ!?」
この声、もしかして!?
「ピノさんっ!! うわぁ、どうしてここに!?」
「ふふふ、今日一日だけ夕方でお仕事を抜けさせてもらって、片付けのお手伝いと晩御飯を作りにね。こっちへは学校が終わる時間に来たんだけど、カルア君まだ帰ってきてなかったみたいだから、ちょっとビックリさせちゃおうと思ってここで待ってたの。ふふ、驚いた?」
「すっごく。声でピノさんだってすぐ分かったけど、『何故ここにいるの?』って――」
「この部屋は私も一緒に選んだんだもの。場所さえ知ってれば【転移】して来るのは簡単よ。折角こんな素敵な【転移】の魔道具を貰ったんだから、ちゃんと使わなくっちゃね」
一人でやる予定だった引越し荷物の片付けは、ピノさんと二人だったお陰ですぐに終わっちゃった。
その後買い物に行って足りない物を買い足したら、ヒトツメみたいに二人で晩御飯!
「今日は久し振りにカレヱライスにしましたよ」
「やった!!」
「ふふふ、ちょっと多めに作ったから、明日も食べてね。鍋の魔力を切らさなければ傷まないから。あ、焦げ付く事は無いけど水分が飛んじゃうから、そうしたら水を足してね。あと香りはだんだん弱くなるかも。あっそうだ、鍋にフタを付けたら水分飛ばないかも」
「ああ! フタ、いいですね。作ってみます」
学校での出来事を話しながら楽しい食事。
「ふーん、すっごく変わった先生なんだね」
「ビックリしましたよ。それで返事をする時は、みんなで声を揃えて『はーーい』って」
「ふふふ、本当に幼年学校みたいね」
「それで後で聞いたんですけど、レミア先生って実はミレアさんのお姉さんで」
「そうなんだ。あの学校って優秀な卒業生をそのまま教員に採用する事があるから、もしかしたらそれかもね」
「えっ、優秀――なのかな?」
「それでその人がベルベルさんのお孫さんだったんです。アーシュっていうんですけど、そのあと僕の事を『宿命のライバル』とかって」
「ふふふ、それでカルア君のライバルになったわけね。――私のライバルにならなきゃいいけど」
「え?」
「ふふ、それからどうなったの?」
「一般教養の学科は今のところみんなに教えてもらった内容の復習みたいな感じで。ベルベルさんは『いつでも卒業できる』なんて言ってたけど、ずっとこんな感じなのかな?」
「うーん、新発見とかあるとそれがすぐに反映されるし、歴史なんかでも学説が変われば教わる内容も変わるから、油断しない方がいいかもね」
「えー、途中で内容が変わったりするんですか。それは要注意ですね」
「それでアーシュが『昼食フォーメーション』って――」
「!?」
「『バーサクフェアリーピノ様が編み出した伝説の戦術』とか言って……あれ? ピノさん? ちょ、ちょっとしっかり! ピノさーーーん!?」
「そのアイさんって人がピノさんのファンクラブの現会長とかで、アーシュもその会員で……」
「ななな、なぜアレが今もまだ存続を? 卒業と同時に解散したものとばかり……」
「それでみんなに囲まれて、ピノさんとの関係を訊かれて……」
「なっ、何て答えたの!?」
「『姉弟です』って……」
「ソウナンダ……」
「午後は魔法の実技で、自分の受けたい属性ごとに分かれたんです」
「カルア君は何を選んだの?」
「僕は土魔法にしました。そしたらノルトがいて、『実家の手伝いで土魔法で畑を耕してた』って。小さい頃から魔法で家の手伝いとか、凄いですよね。あっそうそう、アーシュも一緒だったんです。『ライバルなんだからお互い見える所にいないと』とか言って」
「そうね。小さな頃から魔法で手伝いとか、ノルト君凄いわね。それにアーシュちゃんもスゴイワネ……」
「そう言えば、ピノさんって魔法はどうなんですか?」
「私? 私はどれも少しは使えたけど、【身体強化】ばっかり使ってたかな。ほら、誰よりも速く動いて誰よりも強く殴れば、大体勝てるじゃない?」
「ああそっか、それで『バーサクフェアリー』って――」
「うっく、お願いカルア君、その呼び名の事は忘れて……」
「え? でもピノさん、学校でみんな知ってたみたいですけど」
「何故? 何故今もまだ……はっ! ファンクラブ! そうか、それが私の――敵っ!!」
「ちょピノさん! カレヱが冷め、いや冷えちゃいますよー!」
「それで何だかよく分からないうちにパーティを組む事になって……。嫌な訳じゃないんだけど……むしろ嬉しかったし。でもみんな怪我とかしたら大変だから、どうしたらいいかなって。それで冒険者クラスの先生とかに相談しようって言って……」
「ふふふ。何だ、ちゃんとパーティリーダーしてるじゃない。そうね、『如何にリスクを抑えて最大の効果を得るか。その為にはどう動くべきか』、これをちゃんと考えられる事が良いリーダーになる為のの条件よ。だから、カルア君はしっかりしたリーダーになれそうね」
「……そうでしょうか」
「これでも冒険者クラスを卒業して冒険者ギルドの受付嬢をやってるんだから。ふふ、私の言葉を信じなさい。ね?」
「――はいっ!!」
「……他にもまだ何か残ってたりしないでしょうね? 『ファンクラブ』とか『昼食フォーメーション』とか今でも残ってるなんて……大体『バーサクフェアリー』なんて恥ずかしい呼び名が生徒の間で今でも知られてるなんて、想定外すぎよ。ううぅーーーー」
「――あの、ピノさん?」
「それに何、アーシュって? 何でその子いきなりそんな積極的なの? もしかしてこれなの? これがロベリーが前に言ってた『誰かに突然掻っ攫われる』って事? だとしたら……。ど、どうしよう……」
「――あのーー、ピノさん? ……ピノさーーーん!」
「私っ、どうしようーーー」
▽▽▽▽▽▽
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