スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました

東束末木

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第40話 重要参考人とともに現場検証です #3

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という事で今日もまたやってきましたフィラストダンジョン転送の間。
もう、ちょっと前まで馬車で揺られてここに来てたのは一体なんだったの?って感じ。
今じゃあ『【転移】が当たり前』って感じちゃってるんだから、慣れって怖いよね。

「じゃあ行きますね」
一歩足を踏み出して、部屋が赤くなって――
そして予定通り、そのままみんなで奥へと向かった。

「ふーん、確かに魔物は1匹も出てこなかったねぇ。これはカルア君の言った通り『魔物部屋にリソースを集中してる』からってのが正解なんだろうなあ。でもその割にコアの前では金属バットが出てくるとか、その辺りの整合性はどうなってるんだろうねえ」
「それでしたら『階段を降りる為の条件』にしているから、じゃあないですか?」

「ああそうか、そっちもあったかぁ。でもオートカ、そうだとすると前回カルア君は条件を満たしてる訳だから、今回は倒さなくても降りられるかもしれないね」
「確かにそうですね。まあ今回は昨日と同じ行動をなぞるのが目的ですから、そのあたりの検証は次回で良いのではないですか? もっとも、条件を満たしているから今回は金属バットは出現しない、という可能性も否定は出来ませんが」

「あははは、今回はどっちのタイプかねえ――ってどうやら出てくる方が正解だったみたいだよ。まあ、倒す必要がないって可能性もまだ残ってはいるけどね」
「ほらほら、お喋りはそれくらいにしときな。じゃあカルア、昨日と同じようにやってみな」
「はい、じゃあ【界壁】を張るので皆さん集まって下さい」

全員を囲むように【界壁】を張ると、みんな珍しそうにそれを観察している。
「ほほう、私の【障壁】と似ているようでちょっと違いますね。このあたりが光属性と時空間属性の違い、という事でしょうか」
「そうだねえ。でもオートカ、カルア君は君の【障壁】を参考にしたって言ってたよ。つまり君がカルア君に見せた、あの【障壁】をだ」

「――それはつまりあれですか、中からの攻撃を可能にした、と?」
「あったりー。大正解だ」
「それはまた……私あれ開発するのに結構苦労したんですよ?」
「そこはほら、カルア君だからって事で……ね?」
「まあ――そうですね、なら仕方ないか」
オートカさん! そこで諦めないで!!

意識を金属バットに移す。
今日出てきたのは水属性の個体だったみたい。
水がぴゅーーーって。
「……【スティール】」
「さあ、とっとと戻ってトラップに引っ掛かりに行くよ!」



転送の間に戻ったら、トラップを発動させて魔物部屋にヒュッと。
もうここには特に用事も何も無いし、普通に殲滅っと。
そして階段を下りる。

――金属バットが一体だけ出る部屋、ここも今更だよねえ。はい【スティール】。

そして到着、金属バットだらけの魔物部屋。
いやあ、今日も眩しいね。
「ギラギラと鬱陶しい連中だねえ。ったく年寄りの目には優しくないね。カルア、とっととやっちまいな!」
今回も4ターンで殲滅完了。『ずっと僕のターン!』なんてね。

「はぁー、それにしてもカルア君の【スティール】って本当に凄いんですねえ。今まで何度も話には聞かせてもらってましたけど、聞くのと見るのじゃ大違いです。うん、びっくりだ」

いやあ、それ程でもないですよピノさん!

「あんた、これじゃあ戦闘じゃなくって収穫って呼ぶべきだろうよ、全く! 魔物が可哀想に思えるなんて人生で初めての経験だよ。カルア、あたしゃあんたに初体験させられちまったよ」

いやあ! やめて下さいベルベルさん!!



「じゃあここはもう終わりですね。僕の家に向かいますか?」
ダンジョンを出た僕達は、僕の【転移】で家の前に移動した。そして――
「どうぞ、皆さん」
「うむ、邪魔する」
「へー、かわいらしいお家ですね、ししょー」
「ああ、そうだねえ。中々小奇麗にしてるじゃないかピノ?」
「――何でそこで私に振るんですかベルベルさん!」
「おおー、カルア君ち、地下室以外に入るのは初めてだねえ」
「お邪魔します、カルア殿」

家に入った僕達はそのまま台所へ場所を移した。
「ほほう、これがカルアとピノの初めての共同作業――じゃなくって合作したって鍋かい。しっかし魔石で鍋ねえ……カルアもカルアだけど、ピノ、あんたも相変わらず大概だねえ」
「もうベルベルさんっ! って、もういいです。じゃあお料理を始めますから、皆さんはそこで待ってて下さいね」

そうして料理を始めたピノさん――をボカンと口を開けているみんな。

「ちょっと、あのピノ君の動き――一体どうなってるのさ!? 僕の気のせいかな? ピノ君が3人くらいいるように見えるんだけど!?」
「いや、凄いとは聞いていたが……あれは人間に出来る動きなのか? いや、戦闘に置き換えてみれば――あり得なくはない、のか?」

「ししょー!? あっ、あれが伝説の『女子力』ってやつですか? だとしたら私――」
「安心おし! あれは違う――あれは『女子力』じゃあないはずだよ! くっ! 『女子力』は……『女子力』ってのはそんな恐ろしい力じゃあないはずだ!」



あ、もうそろそろ出来上がりそう。じゃあテーブルの上を片付けてっと。
「皆さんお待たせしました-。これが昨日とまったく同じ材料とレシピで作ったお料理です。どうぞ召し上がって下さい」

食べ始めたらみんな黙っちゃった。
うんうん。美味しいものを食べてる時ってやっぱり誰でも静かになっちゃうよね。

「ししょー、『女子力』――」
「ああ、これは……。いや違う、これはまさか……? そうか、これがっ――これこそがっ! 伝説の『スーパー女子力』だあぁっ!!」
「『スーパー』を引っ張るの、もうやめてぇーーーーーーっ!!」



この師弟コンビ、もうヤダ……



▽▽▽▽▽▽
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