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第38話 似た者同士って事じゃないですか #3
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基礎魔法研究所、その所長室――
先程やって来たモリスのお陰で今日は普段と違いかなり賑やかである。
「いやあ、こうしてオートカの部屋に来るのも久し振りな気がするねえ。前来た時と全然変わってないじゃない。相変わらず殺風景な部屋だねえ。ぬいぐるみでも並べてみたらどう?」
「いや、ここは仕事場であって私の部屋じゃありませんよ? それにぬいぐるみというのは……糸くずが舞って機材に悪影響が出そうですからね、やめておきましょう」
「あはははは、気にするのがそこってのが何とも君らしいよ。それにまあ、ぬいぐるみってのはどちらかというとミレア君の趣味って感じがするよね。――ああ、ミレア君といえば、この間の突然の襲来には驚いたねえ。そのうえまさか彼女までチーム入りするなんてさ。あの場の成り行きとはいえ、これもまた想定外の出来事だったねえ。あそうそう、そのミレア君の事だけどさ――君達そろそろくっついちゃいなよ」
「――なっ!?」
「って、そんな驚く事かい? 君だって彼女の気持ちには以前から気付いているんだろう? あれだけあからさまなんだしさ。彼女、僕達の一学年下だったよね。あれ? でも彼女も飛び級してるんだっけ……? だとしても多分僕達とそんなに年は離れてないよね?」
「彼女は2年飛び級ですよ。我々が1年飛び級ですから、年齢は2才下になるはずです」
「何だ、オートカもちゃんと彼女の事を把握してるんじゃない。なら君だって彼女の事は憎からず想ってるんだろう? あんまり待たせちゃ悪いよ?」
「ええ、まあ……」
「いやあ、しかし彼女も優秀だねえ。18才で王宮魔法師長やってるんだからさ。これって歴代最年少なんだろう?」
「まあ……。ですがそれは我々も同じですけどね。校長の大掃除で当時の連中の役職が軒並み空席となりましたからね。まあ、そこにねじ込まれた我々の事は陰で『ベルマリア女史の手駒』なんて呼ばれてるようですけど」
「あははは、まあ逆にやり易くなっていいじゃない? 煩い連中はいないし風通しはいいしね」
「ふっ、確かにそうですね」
トゥルル トゥルル トゥルル――
突然机の上から軽やかな音が鳴り響く。
所内有線通信具の呼び出し音だ。
3コール鳴ったところでオートカが応答ボタンを押すと、スピーカーから受付の声が流れてきた。
『所長にお客様です。応用ま――あれ!? いない!?』
「――オートカせんぱーい、ミレアが研究のお誘いに気まし――げ、モリス先輩!?」
「もうこちらに来たようだ。はは……、すまないね」
『……いえ、では失礼します』
「それで今日はどうしました、ミレアさん?」
受話器を置いたオートカがミレアに訊ねた。
「魔石の件でししょーの所だったんですけど、通信具が壊れてて来ちゃいました」
「それは――『魔石の研究でマリアベル氏の所に行った』ら『私に用があり連絡しようとした』けれども『マリアベル氏の通信具が故障していた』ために『直接ここに来た』、という事でいいですか?」
「流石は先輩、ちゃんと私の言う事を理解してくれるんだから! ステキ!」
「いやそれはミレア君が端折り過ぎるからじゃあ――」
「モリス先輩、ステイ!」
「ははは……オートカが『ステキ』で僕には『ステイ』か……ミレア君は相変わらず僕に手厳しいなあ。はあ、一体何で僕こんなに嫌われてるんだろう?」
「分かりました。じゃあ我々もあちらに移動しましょう。受付に外出を伝えて――と、よし。ではモリス、【転移】をお願いします」
「はいはい了解だよ。他に忘れ物とか無いかい? 大丈夫? よし、じゃあ【転移】っと」
「ししょー、ただいまー。オートカ先輩を連れてきましたよー」
「あーあ、煩いのが帰ってきちまったよ」
「煩いなんて酷いですよ、ししょー。あ、モリス先輩お疲れ様でした。もう帰っていいですよ。ヵェ✓」
「いや君のが酷くないかい!? って言うか今最後に『帰れ』って言わなかった!?」
来て早々賑やかな人達だ。
「あのベルベルさん? ミレアさんって何故モリスさんにだけあんな感じなんですか?」
ベルベルさんは少しだけ考えてから答えを返してくれた。
「ああ、あれはキャラカブりの同族嫌悪ってやつだよ」
一部で物議を醸しそうな答えを。
「はあっ!? ちちちっ、ちっがーーーーーーうっ!! ししょー、それはあまりにあんまりですっ! いくらししょーだからって、言っていい事と悪いモリスがあるんですからね!! 私とモリス先輩の何処がキャラカブりだっていうんですかっ!!」
「はは、サラっとまた僕の事ディスってるし……」
「何処って……人の言う事ろくに聞かずに言いたい事だけだらだら喋るトコだろ? 人の迷惑考えずに突っ走るトコだろ? それにやたらとオートカに絡むトコだろ……?」
「ああ、言われてみれば確かに行動がよく似てるかも」
「だろ? だからまあ――そういう事さ」
「いやあああぁぁぁーーっ!! うっそぉぉぉーーーーっ!!」
「そういう喧しいトコもだよっ!!」
▽▽▽▽▽▽
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先程やって来たモリスのお陰で今日は普段と違いかなり賑やかである。
「いやあ、こうしてオートカの部屋に来るのも久し振りな気がするねえ。前来た時と全然変わってないじゃない。相変わらず殺風景な部屋だねえ。ぬいぐるみでも並べてみたらどう?」
「いや、ここは仕事場であって私の部屋じゃありませんよ? それにぬいぐるみというのは……糸くずが舞って機材に悪影響が出そうですからね、やめておきましょう」
「あはははは、気にするのがそこってのが何とも君らしいよ。それにまあ、ぬいぐるみってのはどちらかというとミレア君の趣味って感じがするよね。――ああ、ミレア君といえば、この間の突然の襲来には驚いたねえ。そのうえまさか彼女までチーム入りするなんてさ。あの場の成り行きとはいえ、これもまた想定外の出来事だったねえ。あそうそう、そのミレア君の事だけどさ――君達そろそろくっついちゃいなよ」
「――なっ!?」
「って、そんな驚く事かい? 君だって彼女の気持ちには以前から気付いているんだろう? あれだけあからさまなんだしさ。彼女、僕達の一学年下だったよね。あれ? でも彼女も飛び級してるんだっけ……? だとしても多分僕達とそんなに年は離れてないよね?」
「彼女は2年飛び級ですよ。我々が1年飛び級ですから、年齢は2才下になるはずです」
「何だ、オートカもちゃんと彼女の事を把握してるんじゃない。なら君だって彼女の事は憎からず想ってるんだろう? あんまり待たせちゃ悪いよ?」
「ええ、まあ……」
「いやあ、しかし彼女も優秀だねえ。18才で王宮魔法師長やってるんだからさ。これって歴代最年少なんだろう?」
「まあ……。ですがそれは我々も同じですけどね。校長の大掃除で当時の連中の役職が軒並み空席となりましたからね。まあ、そこにねじ込まれた我々の事は陰で『ベルマリア女史の手駒』なんて呼ばれてるようですけど」
「あははは、まあ逆にやり易くなっていいじゃない? 煩い連中はいないし風通しはいいしね」
「ふっ、確かにそうですね」
トゥルル トゥルル トゥルル――
突然机の上から軽やかな音が鳴り響く。
所内有線通信具の呼び出し音だ。
3コール鳴ったところでオートカが応答ボタンを押すと、スピーカーから受付の声が流れてきた。
『所長にお客様です。応用ま――あれ!? いない!?』
「――オートカせんぱーい、ミレアが研究のお誘いに気まし――げ、モリス先輩!?」
「もうこちらに来たようだ。はは……、すまないね」
『……いえ、では失礼します』
「それで今日はどうしました、ミレアさん?」
受話器を置いたオートカがミレアに訊ねた。
「魔石の件でししょーの所だったんですけど、通信具が壊れてて来ちゃいました」
「それは――『魔石の研究でマリアベル氏の所に行った』ら『私に用があり連絡しようとした』けれども『マリアベル氏の通信具が故障していた』ために『直接ここに来た』、という事でいいですか?」
「流石は先輩、ちゃんと私の言う事を理解してくれるんだから! ステキ!」
「いやそれはミレア君が端折り過ぎるからじゃあ――」
「モリス先輩、ステイ!」
「ははは……オートカが『ステキ』で僕には『ステイ』か……ミレア君は相変わらず僕に手厳しいなあ。はあ、一体何で僕こんなに嫌われてるんだろう?」
「分かりました。じゃあ我々もあちらに移動しましょう。受付に外出を伝えて――と、よし。ではモリス、【転移】をお願いします」
「はいはい了解だよ。他に忘れ物とか無いかい? 大丈夫? よし、じゃあ【転移】っと」
「ししょー、ただいまー。オートカ先輩を連れてきましたよー」
「あーあ、煩いのが帰ってきちまったよ」
「煩いなんて酷いですよ、ししょー。あ、モリス先輩お疲れ様でした。もう帰っていいですよ。ヵェ✓」
「いや君のが酷くないかい!? って言うか今最後に『帰れ』って言わなかった!?」
来て早々賑やかな人達だ。
「あのベルベルさん? ミレアさんって何故モリスさんにだけあんな感じなんですか?」
ベルベルさんは少しだけ考えてから答えを返してくれた。
「ああ、あれはキャラカブりの同族嫌悪ってやつだよ」
一部で物議を醸しそうな答えを。
「はあっ!? ちちちっ、ちっがーーーーーーうっ!! ししょー、それはあまりにあんまりですっ! いくらししょーだからって、言っていい事と悪いモリスがあるんですからね!! 私とモリス先輩の何処がキャラカブりだっていうんですかっ!!」
「はは、サラっとまた僕の事ディスってるし……」
「何処って……人の言う事ろくに聞かずに言いたい事だけだらだら喋るトコだろ? 人の迷惑考えずに突っ走るトコだろ? それにやたらとオートカに絡むトコだろ……?」
「ああ、言われてみれば確かに行動がよく似てるかも」
「だろ? だからまあ――そういう事さ」
「いやあああぁぁぁーーっ!! うっそぉぉぉーーーーっ!!」
「そういう喧しいトコもだよっ!!」
▽▽▽▽▽▽
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