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第89話 セントラルダンジョン探索の前編 #3
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で、そこからすぐ横に視線を動かすと、そこにあるのは『下のフロアはこちらから』の立て札が立つ階段。きっとこの階段が下のフロアに続いているんだろうな。
「一応僕達も対象年齢に入ってるみたいだね。寄ってく?」
「当然でしょ。このフロアはあんたがセントラルにお願いして作らせたんだから、ちゃんと見て感想を言ってあげなさいよね、『お兄ちゃん』」
うん、アーシュの言う通りだ。
って事で、ちょっと散策!
「へぇ、この辺りは私のダンジョンと似てるかも」
「そうだねセカン――ってセカン!? いつからいたの?」
すぐ横から聞こえてきたセカンの声に普通に応えたけど……さっきまでいなかったよね?
僕のすぐ横、目線の高さに浮かんでるんだけど……
「さっきセントラルから、あなた達が来たって連絡があってね、それで大急ぎでセントラルのところの私の操化身に入って、セントラルに【転送】して貰ったの。私だってセントラルのダンジョンを見せて貰いたいじゃない」
完全に理解。こうしてセカンも一緒に行くことになった。
で、周りに広がるのはそのセカンが言った通りの景色だった。まるで外みたいに草原や森があるあたり、セカンケイブの森ダンジョンとよく似た雰囲気でとてもいい感じ。
草原から川原沿いに進んで森へと入り、優しい木漏れ日が照らすなだらかな道をみんなで歩いて……
何だかまるでピクニックに来たみたいだ。
「ふうーん、なるほどなるほど……」
僕とアーシュの間でセカンがしきりに頷く。
「どうしたの?」
「流石は子供向けっていうだけあるなあって。道は平らだし草は低いし、毒のある植物や危ない魔物とかも全然いないし……セントラルえらい! 可愛い!」
うん、それに時々小鳥の声が聞こえてきて……すっごく長閑でいい雰囲気だよね。
「それに薬草とか香草とか、ちゃんと本来の植生に合わせて生やしてるし、これなら森林マイスターの私の目から見ても十分合格点をあげられるわ」
セカン、いつからそんな肩書を……通信講座で資格取った?
「さっきの川も浅くて流れも穏やかだったし、子供達にはいい遊び場になりそう。あ、でも直した方がいいところもあったわ。子供が下層への階段を降りちゃわないような工夫とかね」
「あはは、セカンって子供向けの仕事とかが向いてそうだよね」
だってねぇ……さっきから指摘が的確すぎるよ。
「ふふふ、何言ってるのよカルア。ダンジョンなんてある意味子供向け施設みたいなものでしょ? 冒険者ってみんなおっきな子供みたいなものだし」
……否定できないかも。
「実際そんな冒険者達をこれまでずっと見てきたからね。これからはその経験を活かして大人気ダンジョンに上り詰めてやるんだから!」
そんな話をしながら、そしてみんなと今度はホントにピクニックに来ようかなんて約束をしながら、僕達はこの階層をぐるっと一回りして下層への階段の前まで戻ってきた。
うん、全体的にすっごく良い所だった。もちろんラルにも後でそう言ってあげるつもりだし。
「じゃあそろそろ本番ね。みんな、ここからは気を引き締めて行くわよ!」
さあ、冒険の始まりだ!
◇◇◇◇◇◇
セントラルダンジョンへようこそ
さあ、ここからいよいよ冒険のスタートです。
この第2階層から最下層の第29階層まで、先へ進むごとに難易度が高くなってくですよ。油断してるとホントに死んじゃうですから、みんな十分注意するです。
[注意!]
そこのあなた、本当にその装備で大丈夫です?
問題ないとか言ってる奴から死んでくですよ?
セントラルダンジョン運営
◇◇◇◇◇◇
何て言うか……すっごくラルらしさが溢れてるって感じ?
「微妙に緊張感が削がれるわね、これ」
「あはははは……」
直球の感想を漏らすアーシュ。そして――
「でもまあ、注意喚起は大事だよね。その先は受けとる側の責任かな」
「注意一秒、怪我一生。死して屍拾う者無し。生きて帰るのが冒険者」
「装備か……確かに装備は目的や状況によって見直すべきだ。この言葉、案外深いな」
クールな反応のノルト、クーラ先生の言葉をちゃんと覚えてるワルツ。あとネッガーには案外響く内容だったみたいだ。
「分かってるとは思うけど無理はしちゃ駄目よ。明日からは普通に授業があるんだし、帰りに掛かる時間も計算して、早めに撤収する事。いいわね」
クーラ先生からは先生らしい注意が。
そっか、明日からはまた学校かあ。久し振りっていうか……何だか変な気分だ。
先へと進む僕達の目に写るのは、どこもかしこも武骨な石壁で出来た通路。
何処からも光が差してないのに何処からか光が広がり、なのに結構先の方までよく見える。そんな通路の所々に付いている扉を開くと、そこは小部屋になっていたり通路が続いていたり。
ダンジョンって聞いたら最初に思い浮かべそうな、そんなダンジョン。
「何て言うか……『これこそダンジョン!』って感じのダンジョンね」
「ホントだね。頭に思い浮かぶダンジョンのイメージそのまんまって感じで」
そんな僕とアーシュの感想を聞いたノルトが、『ああ、そうか』と呟いた。
「これもつまり『本格派ダンジョン』って事か」
なるほど!
「確かにそんな感じかも!」
「セカン、あんたの妹、小さいのによく分かってるじゃない」
「ありがとうアーシュ姉さま。セントラルは私の自慢の妹よ」
そんな感じで雰囲気は凄くいいんだけど、まだ階層が浅いだけあって出てくる魔物は弱くて少ない。バットとかラビットとか、あとは時々ウルフとか。そのほとんどが単体で出てくるあたり、いかにも初心者向けの階層って感じ。
そんな感じでサクサクと進み続け、次はもう第5階層。
魔物はだんだん強くなってきて、頻度と群れの数も増えてきた。そろそろ初心者向けは卒業かな?
「そろそろお昼くらい? どこか近くで休憩にしようか」
歩きながらふと空腹を感じて提案すると、みんなもそうだったみたいで一斉に頷いた。
「そうね。下への階段を見つけたら食事にす――あったわね」
丁度差し掛かった曲がり角のすぐ向こうに見えた小さな部屋と階段。たむろしてるウルフはサクッと殲滅して、お昼ごはんにしよう。
みんなで輪になって座ったら、ボックスから取り出した低いテーブルに屋台で買った焼きたて出来立てのアツアツご飯を色々並べて、いただきまーす!
「これ違う……これまで見てきた冒険者の食事と違う……」
ポツリと呟くセカン。普通はみんな携帯食だからね。
「セカンもどうぞ――ゴメン! 操化身じゃ食べられないよね」
「別にいいわよ。食べ物とか単なる嗜好品だし……でも今度うちでご馳走してね」
「分かった、次に行った時にね」
「うん、楽しみにしてるわ」
そんなほのぼのとしたお昼ごはんを終え、僕達は今階段を降りている最中。帰り時間を考えたら、あと2~3階層くらいが限界かな?
【転移】すれば最下層に直行出来ちゃうけど……それはちょっとね。
▽▽▽▽▽▽
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「一応僕達も対象年齢に入ってるみたいだね。寄ってく?」
「当然でしょ。このフロアはあんたがセントラルにお願いして作らせたんだから、ちゃんと見て感想を言ってあげなさいよね、『お兄ちゃん』」
うん、アーシュの言う通りだ。
って事で、ちょっと散策!
「へぇ、この辺りは私のダンジョンと似てるかも」
「そうだねセカン――ってセカン!? いつからいたの?」
すぐ横から聞こえてきたセカンの声に普通に応えたけど……さっきまでいなかったよね?
僕のすぐ横、目線の高さに浮かんでるんだけど……
「さっきセントラルから、あなた達が来たって連絡があってね、それで大急ぎでセントラルのところの私の操化身に入って、セントラルに【転送】して貰ったの。私だってセントラルのダンジョンを見せて貰いたいじゃない」
完全に理解。こうしてセカンも一緒に行くことになった。
で、周りに広がるのはそのセカンが言った通りの景色だった。まるで外みたいに草原や森があるあたり、セカンケイブの森ダンジョンとよく似た雰囲気でとてもいい感じ。
草原から川原沿いに進んで森へと入り、優しい木漏れ日が照らすなだらかな道をみんなで歩いて……
何だかまるでピクニックに来たみたいだ。
「ふうーん、なるほどなるほど……」
僕とアーシュの間でセカンがしきりに頷く。
「どうしたの?」
「流石は子供向けっていうだけあるなあって。道は平らだし草は低いし、毒のある植物や危ない魔物とかも全然いないし……セントラルえらい! 可愛い!」
うん、それに時々小鳥の声が聞こえてきて……すっごく長閑でいい雰囲気だよね。
「それに薬草とか香草とか、ちゃんと本来の植生に合わせて生やしてるし、これなら森林マイスターの私の目から見ても十分合格点をあげられるわ」
セカン、いつからそんな肩書を……通信講座で資格取った?
「さっきの川も浅くて流れも穏やかだったし、子供達にはいい遊び場になりそう。あ、でも直した方がいいところもあったわ。子供が下層への階段を降りちゃわないような工夫とかね」
「あはは、セカンって子供向けの仕事とかが向いてそうだよね」
だってねぇ……さっきから指摘が的確すぎるよ。
「ふふふ、何言ってるのよカルア。ダンジョンなんてある意味子供向け施設みたいなものでしょ? 冒険者ってみんなおっきな子供みたいなものだし」
……否定できないかも。
「実際そんな冒険者達をこれまでずっと見てきたからね。これからはその経験を活かして大人気ダンジョンに上り詰めてやるんだから!」
そんな話をしながら、そしてみんなと今度はホントにピクニックに来ようかなんて約束をしながら、僕達はこの階層をぐるっと一回りして下層への階段の前まで戻ってきた。
うん、全体的にすっごく良い所だった。もちろんラルにも後でそう言ってあげるつもりだし。
「じゃあそろそろ本番ね。みんな、ここからは気を引き締めて行くわよ!」
さあ、冒険の始まりだ!
◇◇◇◇◇◇
セントラルダンジョンへようこそ
さあ、ここからいよいよ冒険のスタートです。
この第2階層から最下層の第29階層まで、先へ進むごとに難易度が高くなってくですよ。油断してるとホントに死んじゃうですから、みんな十分注意するです。
[注意!]
そこのあなた、本当にその装備で大丈夫です?
問題ないとか言ってる奴から死んでくですよ?
セントラルダンジョン運営
◇◇◇◇◇◇
何て言うか……すっごくラルらしさが溢れてるって感じ?
「微妙に緊張感が削がれるわね、これ」
「あはははは……」
直球の感想を漏らすアーシュ。そして――
「でもまあ、注意喚起は大事だよね。その先は受けとる側の責任かな」
「注意一秒、怪我一生。死して屍拾う者無し。生きて帰るのが冒険者」
「装備か……確かに装備は目的や状況によって見直すべきだ。この言葉、案外深いな」
クールな反応のノルト、クーラ先生の言葉をちゃんと覚えてるワルツ。あとネッガーには案外響く内容だったみたいだ。
「分かってるとは思うけど無理はしちゃ駄目よ。明日からは普通に授業があるんだし、帰りに掛かる時間も計算して、早めに撤収する事。いいわね」
クーラ先生からは先生らしい注意が。
そっか、明日からはまた学校かあ。久し振りっていうか……何だか変な気分だ。
先へと進む僕達の目に写るのは、どこもかしこも武骨な石壁で出来た通路。
何処からも光が差してないのに何処からか光が広がり、なのに結構先の方までよく見える。そんな通路の所々に付いている扉を開くと、そこは小部屋になっていたり通路が続いていたり。
ダンジョンって聞いたら最初に思い浮かべそうな、そんなダンジョン。
「何て言うか……『これこそダンジョン!』って感じのダンジョンね」
「ホントだね。頭に思い浮かぶダンジョンのイメージそのまんまって感じで」
そんな僕とアーシュの感想を聞いたノルトが、『ああ、そうか』と呟いた。
「これもつまり『本格派ダンジョン』って事か」
なるほど!
「確かにそんな感じかも!」
「セカン、あんたの妹、小さいのによく分かってるじゃない」
「ありがとうアーシュ姉さま。セントラルは私の自慢の妹よ」
そんな感じで雰囲気は凄くいいんだけど、まだ階層が浅いだけあって出てくる魔物は弱くて少ない。バットとかラビットとか、あとは時々ウルフとか。そのほとんどが単体で出てくるあたり、いかにも初心者向けの階層って感じ。
そんな感じでサクサクと進み続け、次はもう第5階層。
魔物はだんだん強くなってきて、頻度と群れの数も増えてきた。そろそろ初心者向けは卒業かな?
「そろそろお昼くらい? どこか近くで休憩にしようか」
歩きながらふと空腹を感じて提案すると、みんなもそうだったみたいで一斉に頷いた。
「そうね。下への階段を見つけたら食事にす――あったわね」
丁度差し掛かった曲がり角のすぐ向こうに見えた小さな部屋と階段。たむろしてるウルフはサクッと殲滅して、お昼ごはんにしよう。
みんなで輪になって座ったら、ボックスから取り出した低いテーブルに屋台で買った焼きたて出来立てのアツアツご飯を色々並べて、いただきまーす!
「これ違う……これまで見てきた冒険者の食事と違う……」
ポツリと呟くセカン。普通はみんな携帯食だからね。
「セカンもどうぞ――ゴメン! 操化身じゃ食べられないよね」
「別にいいわよ。食べ物とか単なる嗜好品だし……でも今度うちでご馳走してね」
「分かった、次に行った時にね」
「うん、楽しみにしてるわ」
そんなほのぼのとしたお昼ごはんを終え、僕達は今階段を降りている最中。帰り時間を考えたら、あと2~3階層くらいが限界かな?
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