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第100話 キノコ狩りから世界の秘密に? #3
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キック一発でマエノキンは吹き飛び、衝撃で千切れ飛んだたくさんの細い傘を周囲に撒き散らした。
そしてもう動く様子はない。
「何? もう終わりなのか?」
「弱い……」
軽く目を逸らせながら解説する『マキノコン情報のコーナー』担当のラルさん。
「ええーーーーっと……群生型のマキノコンは小さくて弱い個体が合体したものです。すっごく弱くてすぐに散らばるのが特徴です」
……早く言って欲しかった。
一方、爆散したみたいになってるマキノコンを悲しげに眺めるネッガーはというと――
「すまないカルア。こいつも美味いんだが、この状態じゃあ……」
……だよねぇ。
「仕方がないよネッガー。ここまで脆いんじゃあね」
「ああ。すまないが俺には群生型の相手は無理そうだ。任せていいか?」
「うん、【スティール】で優しく狩るよ」
という事で、ここから群生型のマキノコンの相手は僕。ネッガーはそれ以外のマキノコンをよろしく!
そして次。
出てきたのは――
「『ママイタケ』です。見た通り群生キノコ型のマキノコンです。カルアお兄ちゃんの出番です」
って事で【スティール】、そしてそっと【収納】。
それから先も出てくるのは群生キノコ型ばかり。おかしいなー、どこかでフラグでも立った?
「どうやらこの階層は群生型ばかりのようだ。カルア、役に立てなくてすまん」
そうか、その可能性も……と言うかむしろそれが正解な気がする。誰、フラグとか言ったの?
「いやいやいや、そんな事全然無いよ。情報も助かってるし、群生型じゃないのが出てきたらお願いするから」
「ああ。それは任せてくれ。だがやはり――むっこの反応……この先に何かあるのか? カルア、ちょっとこっちに行ってみないか?」
何かの気配を感じたみたい。ギルマス直伝の気配察知かな?
勿論反対する理由なんて無いし――
「うん、行ってみよう」
ネッガーの誘導で分かれ道を右へ。そこから暫く歩いた所にあったのは――
「扉?」
通路の突き当たりに付いた木の扉だった。
「ここか。この辺りに薄っすらと漂っている魔力、どうやらこの扉から放たれているようだ」
「もしかして……宝箱の部屋だったりして」
「その逆に魔物部屋かもな」
うん、その可能性もありそう。魔物部屋には縁が深いし。……嬉しくないけど。
「ここまで出てきた魔物も弱かったし魔物部屋でも大丈夫じゃない? 折角だから入ってみようよ」
「そうだな。じゃあ開けるぞ」
扉を開けてそっと中へ。するとそこには――
「これは……そうか、『キノコ部屋』だったか!」
……キノコ部屋? 何ソレ?
「父から聞いた話なんだが、このダンジョンにはランダムで突然現れる部屋があるそうなんだ。その中には大量のキノコが生えていて、冒険者達に『キノコ部屋』と呼ばれているそうだ」
キノコが沢山生えてるキノコ部屋……
確かにこの部屋、キノコだらけだ。
「その部屋にはここのダンジョンで採れる全てのキノコが生えているそうでな、それらをまとめて採取できる事から、中にはこの部屋を探す事を目的にダンジョンへ入る冒険者もいるとか」
つまり、宝部屋のキノコバージョンって事か。
「そんなの見つけるなんて凄いよネッガー! さっきの扉の気配を察知したって事だよね!」
「ああ、扉の魔力を感じてな」
ホントに凄いよ。あの扉、ネッガーに言われるまで魔力が出てるとか分からなかったし。
「よぉし、じゃあこの部屋のキノコ、みんなで取りつくそう!!」
久し振りに【ゲート収納】の出番。ヒトツメの家の地下倉庫から籠を取り出したら、さあ、みんなでキノコ狩り開始だ。
「ラルもお手伝いするですよー」
「ははっ、たまにはこういうのも楽しいねえ」
マッシュルーム、えのき、エリンギ、シメジ、なめこ、しいたけ、ポルチーニ茸、きくらげ、トリュフ、マツタケ……知ってるキノコ、知らないキノコ……
あ、でもキノコと言えば――
「森に生えてるキノコって毒があるのが多いけど、このダンジョンには毒キノコはないの?」
「あるぞ。最下層には毒キノコ専門のエリアがあるらしくてな、冒険者が薬師の依頼でそこに行く事があるそうだ」
へえ、毒キノコ専門エリアか。あ、じゃあ……
「毒のあるキノコはそこにしか生えてない、ってこと?」
「そう聞いている。だからこのダンジョンのキノコは誰でも安心して採取できると」
おおーー、サーケイブさんもいいひとだ!
「うんうん、サーケイブお姉ちゃんも冒険者が集まるようにちゃんと工夫してるですねえ。流石ですよ」
……工夫?
いいひと、とかじゃなくて?
あ、でもそういえばセカンもラルもそんな事言ってたような……?
「そういえばラル、君達みんなどうして冒険者をダンジョンに呼びたがるの?」
「ああ、それはですね、ひとが出す魔力を吸収して根幹の魔力の流れの中に流し込むためですよ。何の特性も持たない根幹の魔力と違って、ひとの使う魔力はみんな癖があって個性的です。この癖って言うか特徴って言うか、それが調味料やスパイスみたいに根幹の魔力に刺激を加えて活性を高めるです。それがこの世界の維持に必要だそうですよ」
世界の維持……?
じゃあダンジョンが無いと世界がヤバい?
「まあつまりラル達はこの世界を守る為の大切な役割を持った精霊という事ですよ。ふっふーん、どうです?」
「世界を守る精霊……ラル、凄いや!」
「えっへん!」
ラルもみんなもちゃんとした役目を持ってて、それを頑張ってるんだから、やっぱり凄いし偉いよ。
それにしても、ダンジョンが『世界を守る為』に存在してたなんて知らなかったなぁ。
「うわぁ、またこんな雑談から世界の重大な秘密がポロっと……どうしよ、こんなの僕一人じゃ抱えきれないよ……」
後ろでモリスさんが困った顔してる。
「……よし、とりあえずチームのみんなにぶん投げよ。知ーらないっと」
ええと、モリスさんもお役目頑張って!
そんな世界の秘密に迫る雑談をしながらも手は止めず、やがて僕達はこの部屋のキノコを全て採り尽くした。
「よし、じゃあ部屋を出て探索に戻ろうか」
そしてもう動く様子はない。
「何? もう終わりなのか?」
「弱い……」
軽く目を逸らせながら解説する『マキノコン情報のコーナー』担当のラルさん。
「ええーーーーっと……群生型のマキノコンは小さくて弱い個体が合体したものです。すっごく弱くてすぐに散らばるのが特徴です」
……早く言って欲しかった。
一方、爆散したみたいになってるマキノコンを悲しげに眺めるネッガーはというと――
「すまないカルア。こいつも美味いんだが、この状態じゃあ……」
……だよねぇ。
「仕方がないよネッガー。ここまで脆いんじゃあね」
「ああ。すまないが俺には群生型の相手は無理そうだ。任せていいか?」
「うん、【スティール】で優しく狩るよ」
という事で、ここから群生型のマキノコンの相手は僕。ネッガーはそれ以外のマキノコンをよろしく!
そして次。
出てきたのは――
「『ママイタケ』です。見た通り群生キノコ型のマキノコンです。カルアお兄ちゃんの出番です」
って事で【スティール】、そしてそっと【収納】。
それから先も出てくるのは群生キノコ型ばかり。おかしいなー、どこかでフラグでも立った?
「どうやらこの階層は群生型ばかりのようだ。カルア、役に立てなくてすまん」
そうか、その可能性も……と言うかむしろそれが正解な気がする。誰、フラグとか言ったの?
「いやいやいや、そんな事全然無いよ。情報も助かってるし、群生型じゃないのが出てきたらお願いするから」
「ああ。それは任せてくれ。だがやはり――むっこの反応……この先に何かあるのか? カルア、ちょっとこっちに行ってみないか?」
何かの気配を感じたみたい。ギルマス直伝の気配察知かな?
勿論反対する理由なんて無いし――
「うん、行ってみよう」
ネッガーの誘導で分かれ道を右へ。そこから暫く歩いた所にあったのは――
「扉?」
通路の突き当たりに付いた木の扉だった。
「ここか。この辺りに薄っすらと漂っている魔力、どうやらこの扉から放たれているようだ」
「もしかして……宝箱の部屋だったりして」
「その逆に魔物部屋かもな」
うん、その可能性もありそう。魔物部屋には縁が深いし。……嬉しくないけど。
「ここまで出てきた魔物も弱かったし魔物部屋でも大丈夫じゃない? 折角だから入ってみようよ」
「そうだな。じゃあ開けるぞ」
扉を開けてそっと中へ。するとそこには――
「これは……そうか、『キノコ部屋』だったか!」
……キノコ部屋? 何ソレ?
「父から聞いた話なんだが、このダンジョンにはランダムで突然現れる部屋があるそうなんだ。その中には大量のキノコが生えていて、冒険者達に『キノコ部屋』と呼ばれているそうだ」
キノコが沢山生えてるキノコ部屋……
確かにこの部屋、キノコだらけだ。
「その部屋にはここのダンジョンで採れる全てのキノコが生えているそうでな、それらをまとめて採取できる事から、中にはこの部屋を探す事を目的にダンジョンへ入る冒険者もいるとか」
つまり、宝部屋のキノコバージョンって事か。
「そんなの見つけるなんて凄いよネッガー! さっきの扉の気配を察知したって事だよね!」
「ああ、扉の魔力を感じてな」
ホントに凄いよ。あの扉、ネッガーに言われるまで魔力が出てるとか分からなかったし。
「よぉし、じゃあこの部屋のキノコ、みんなで取りつくそう!!」
久し振りに【ゲート収納】の出番。ヒトツメの家の地下倉庫から籠を取り出したら、さあ、みんなでキノコ狩り開始だ。
「ラルもお手伝いするですよー」
「ははっ、たまにはこういうのも楽しいねえ」
マッシュルーム、えのき、エリンギ、シメジ、なめこ、しいたけ、ポルチーニ茸、きくらげ、トリュフ、マツタケ……知ってるキノコ、知らないキノコ……
あ、でもキノコと言えば――
「森に生えてるキノコって毒があるのが多いけど、このダンジョンには毒キノコはないの?」
「あるぞ。最下層には毒キノコ専門のエリアがあるらしくてな、冒険者が薬師の依頼でそこに行く事があるそうだ」
へえ、毒キノコ専門エリアか。あ、じゃあ……
「毒のあるキノコはそこにしか生えてない、ってこと?」
「そう聞いている。だからこのダンジョンのキノコは誰でも安心して採取できると」
おおーー、サーケイブさんもいいひとだ!
「うんうん、サーケイブお姉ちゃんも冒険者が集まるようにちゃんと工夫してるですねえ。流石ですよ」
……工夫?
いいひと、とかじゃなくて?
あ、でもそういえばセカンもラルもそんな事言ってたような……?
「そういえばラル、君達みんなどうして冒険者をダンジョンに呼びたがるの?」
「ああ、それはですね、ひとが出す魔力を吸収して根幹の魔力の流れの中に流し込むためですよ。何の特性も持たない根幹の魔力と違って、ひとの使う魔力はみんな癖があって個性的です。この癖って言うか特徴って言うか、それが調味料やスパイスみたいに根幹の魔力に刺激を加えて活性を高めるです。それがこの世界の維持に必要だそうですよ」
世界の維持……?
じゃあダンジョンが無いと世界がヤバい?
「まあつまりラル達はこの世界を守る為の大切な役割を持った精霊という事ですよ。ふっふーん、どうです?」
「世界を守る精霊……ラル、凄いや!」
「えっへん!」
ラルもみんなもちゃんとした役目を持ってて、それを頑張ってるんだから、やっぱり凄いし偉いよ。
それにしても、ダンジョンが『世界を守る為』に存在してたなんて知らなかったなぁ。
「うわぁ、またこんな雑談から世界の重大な秘密がポロっと……どうしよ、こんなの僕一人じゃ抱えきれないよ……」
後ろでモリスさんが困った顔してる。
「……よし、とりあえずチームのみんなにぶん投げよ。知ーらないっと」
ええと、モリスさんもお役目頑張って!
そんな世界の秘密に迫る雑談をしながらも手は止めず、やがて僕達はこの部屋のキノコを全て採り尽くした。
「よし、じゃあ部屋を出て探索に戻ろうか」
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