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第102話 ネッガーの家でブギーな胸騒ぎ #2
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今日はこの後それぞれ予定があるから、ダンジョン前で現地解散。
「じゃあみんなまたね。僕はシル君と一緒にこのまま王都に戻るから」
「シルお姉ちゃんを頼むですよモリス。変なところに連れてっちゃダメですよ。カルアお兄ちゃん、またねー、です」
「うん、じゃあみんな、またね」
みんなと別れた僕はというと、ネッガーに招待されてミツツメにあるネッガーの家へと向かってる。家族を紹介したいんだって。アーシュ、ノルトときて今度はネッガーの家。実はちょっと楽しみだったり。
暫く歩くとミツツメの街に到着したんだけど、その門を通る時、門衛さんがネッガーに話し掛けてきた。
「おや、若じゃないですか。今日は里帰りですか?」
「そんなところです」
顔見知り、かな?
門を通り過ぎてからネッガーに訊いてみた。
「若ってネッガーの事?」
「うちは剣術道場をやっていてな、門下生達からは昔からそう呼ばれているんだ」
剣術道場……何て言うか凄くイメージ通り。
で、その上お父さんが街の警備隊の隊長さんって言うんだから、もうますますイメージ通りって感じだよ。
少し歩いて到着したネッガーの家は、木造平屋の大きな一軒屋。敷地の中には広い庭があって……あ、あの離れが道場なのかな?
「さあ、入ってくれ」
入ると目に飛び込んできたのは凄く広い玄関。そしてその先は一段高くなっていて、全面木の板が張ってある。
って事は靴を脱ぐタイプの家かな。
「ようこそいらっしゃい。カルア君、でよかったかしら」
「はい、カルアです。ネッガーにはいつもお世話になってます」
「あら、しっかりした挨拶をありがとう。良い友達が出来てよかったわね、ネッガー」
「はい、母上。カルアは俺には過ぎた仲間だと思っています」
そんな挨拶を交わしたネッガーのお母さん、との横に立つのは……小さなネッガー?
「こんにちは、僕はローンです。ようこそいらっしゃいました」
「こんにちはローン君。僕はカルアです」
挨拶を終えた小さなネッガー改めローン君は、続いてネッガーの方を向くと――
「兄上っ!」
と凄く良い笑顔。あ、絶対ネッガーの事が大好きだ、この子。
「良い挨拶だったぞ、ローン」
「はいっ! ありがとうございます!」
ネッガーもまたローン君に向ける眼差しが柔らかい。仲良し兄弟だね。
「さあ、中へとどうぞ。あ、靴は――」
「ええ、脱いで上がるんですよね。大丈夫です」
「ふふっ、よかった。結構馴染みのない方もいらっしゃるから」
ネッガーのお母さんに案内されて進んだ先は……客間とかじゃなくて道場だった。予想外!
……でもやっぱりイメージ通りなんだよなぁ。
「おお、来おったか。お客人もよう来なさった。いきなり道場に連れられて驚いただろうが、なに大した理由ではないぞ。人となりを見るのにはここが最も適した場所、というだけの事よ」
そう僕達に声を掛けてきたのは、道場の中で一段高くなっている場所で正座してるおじいさん。
何て言うかイメージ通り……の展開になっちゃいそうなのは、気のせいかな……
「立ち会い二本、まずは木剣のみ、魔法、スキルなしとする。さあ始めい」
僕の前に立つのは厳つい顔したお弟子さん。
この人何だか強そうな雰囲気。それに四方から沢山の人に見られる緊張もあって、いつもより身体が強張ってる感じがする。
剣は……ヒトツメで冒険者の人達に教えてもらったものだから、多分正式なものじゃないだろうし、ほとんど狩りにしか使った事ないんだよなあ。
でもまあどうやったって剣技で勝てる訳はないし、僕に出来る事をやるだけだ。
「やっ!」
間合いを詰めて、両手で持った剣を振り下ろす。
相手は僕よりずっと背が高いから、上から振り下ろしても肩口から胸にかけての太刀筋になる。
で、やっぱりというか当然というか……軽く合わされて、そのまま剣筋を外側に逸らされちゃった。
――でもこれは想定通り!
初めから止められるか逸らされるだろうって思ってたから、流された剣の行先に合わせて、軸をぶらさないように身体ごと外側にステップして――
よしっ、重心は前に残ってる。
このまま正面、相手の脇腹辺りに身体ごと突き!
突撃いっけぇっ!!
その僕の渾身の突撃を、お弟子さんは半身の状態から床の上を滑るようにすっと半歩下がって――
ってそんなあっさり躱さないでよ!
で、勢いのまま通り過ぎようとする僕の剣の上に自分の剣を叩きつけると、反射的に剣をギュッと強く握り締め硬直した僕の頭に、剣から離した片手をそっと乗せた。
「うむ、それまで。 お客人、カルアと言ったか。その剣、狩人の剣だな。今の振る舞い、ウルフを想定した動きと見た」
「あっはい! その通りです」
そう、あの突きはウルフの初激を受け流しつつその脇腹を、もしこちらに向きを変えたら喉元を狙うもの。それを対人に応用してみたんだ。
……今の僕に出来るのはこれくらいだから。
ネッガーの……まだ紹介されてないし名前も聞いてないけど、多分おじいさんだよね? は――
「うむ。素直な良い剣だったぞ。これは次も楽しみよの」
そう良い笑顔で言ってくれた。
……って、今『次』って言った?
「よし、じゃあ続けて二本目ぞ。二本目は当然……『何でもあり』よ」
何でもあり……?
首を捻ってると、後ろからネッガーが近づいてくる気配。そして耳元で囁いたその内容が――
「魔法、スキルなんでもありって事だ。カルア、みんなの度肝を抜いてやれ! と言ってもこの道場を燃やされたらかなわんから火山弾なんかは止めておいてくれると有り難い。兄貴ゴブリンの時の戦法あたりがいいんじゃないか?」
と、中々に攻撃的。兄貴ゴブリンの時、って何だっけ……っあれか!
「あと身体強化も当然ありだ。ここでは誰もが普通に使用しているから、遠慮は要らんぞ」
最後にひとつニヤリと強い笑みを浮かべてから下がっていくネッガー。
うーん、どうしよう……
循環少なめの身体強化だったら……解禁して大丈夫かな?
「さあ、始めい」
「じゃあみんなまたね。僕はシル君と一緒にこのまま王都に戻るから」
「シルお姉ちゃんを頼むですよモリス。変なところに連れてっちゃダメですよ。カルアお兄ちゃん、またねー、です」
「うん、じゃあみんな、またね」
みんなと別れた僕はというと、ネッガーに招待されてミツツメにあるネッガーの家へと向かってる。家族を紹介したいんだって。アーシュ、ノルトときて今度はネッガーの家。実はちょっと楽しみだったり。
暫く歩くとミツツメの街に到着したんだけど、その門を通る時、門衛さんがネッガーに話し掛けてきた。
「おや、若じゃないですか。今日は里帰りですか?」
「そんなところです」
顔見知り、かな?
門を通り過ぎてからネッガーに訊いてみた。
「若ってネッガーの事?」
「うちは剣術道場をやっていてな、門下生達からは昔からそう呼ばれているんだ」
剣術道場……何て言うか凄くイメージ通り。
で、その上お父さんが街の警備隊の隊長さんって言うんだから、もうますますイメージ通りって感じだよ。
少し歩いて到着したネッガーの家は、木造平屋の大きな一軒屋。敷地の中には広い庭があって……あ、あの離れが道場なのかな?
「さあ、入ってくれ」
入ると目に飛び込んできたのは凄く広い玄関。そしてその先は一段高くなっていて、全面木の板が張ってある。
って事は靴を脱ぐタイプの家かな。
「ようこそいらっしゃい。カルア君、でよかったかしら」
「はい、カルアです。ネッガーにはいつもお世話になってます」
「あら、しっかりした挨拶をありがとう。良い友達が出来てよかったわね、ネッガー」
「はい、母上。カルアは俺には過ぎた仲間だと思っています」
そんな挨拶を交わしたネッガーのお母さん、との横に立つのは……小さなネッガー?
「こんにちは、僕はローンです。ようこそいらっしゃいました」
「こんにちはローン君。僕はカルアです」
挨拶を終えた小さなネッガー改めローン君は、続いてネッガーの方を向くと――
「兄上っ!」
と凄く良い笑顔。あ、絶対ネッガーの事が大好きだ、この子。
「良い挨拶だったぞ、ローン」
「はいっ! ありがとうございます!」
ネッガーもまたローン君に向ける眼差しが柔らかい。仲良し兄弟だね。
「さあ、中へとどうぞ。あ、靴は――」
「ええ、脱いで上がるんですよね。大丈夫です」
「ふふっ、よかった。結構馴染みのない方もいらっしゃるから」
ネッガーのお母さんに案内されて進んだ先は……客間とかじゃなくて道場だった。予想外!
……でもやっぱりイメージ通りなんだよなぁ。
「おお、来おったか。お客人もよう来なさった。いきなり道場に連れられて驚いただろうが、なに大した理由ではないぞ。人となりを見るのにはここが最も適した場所、というだけの事よ」
そう僕達に声を掛けてきたのは、道場の中で一段高くなっている場所で正座してるおじいさん。
何て言うかイメージ通り……の展開になっちゃいそうなのは、気のせいかな……
「立ち会い二本、まずは木剣のみ、魔法、スキルなしとする。さあ始めい」
僕の前に立つのは厳つい顔したお弟子さん。
この人何だか強そうな雰囲気。それに四方から沢山の人に見られる緊張もあって、いつもより身体が強張ってる感じがする。
剣は……ヒトツメで冒険者の人達に教えてもらったものだから、多分正式なものじゃないだろうし、ほとんど狩りにしか使った事ないんだよなあ。
でもまあどうやったって剣技で勝てる訳はないし、僕に出来る事をやるだけだ。
「やっ!」
間合いを詰めて、両手で持った剣を振り下ろす。
相手は僕よりずっと背が高いから、上から振り下ろしても肩口から胸にかけての太刀筋になる。
で、やっぱりというか当然というか……軽く合わされて、そのまま剣筋を外側に逸らされちゃった。
――でもこれは想定通り!
初めから止められるか逸らされるだろうって思ってたから、流された剣の行先に合わせて、軸をぶらさないように身体ごと外側にステップして――
よしっ、重心は前に残ってる。
このまま正面、相手の脇腹辺りに身体ごと突き!
突撃いっけぇっ!!
その僕の渾身の突撃を、お弟子さんは半身の状態から床の上を滑るようにすっと半歩下がって――
ってそんなあっさり躱さないでよ!
で、勢いのまま通り過ぎようとする僕の剣の上に自分の剣を叩きつけると、反射的に剣をギュッと強く握り締め硬直した僕の頭に、剣から離した片手をそっと乗せた。
「うむ、それまで。 お客人、カルアと言ったか。その剣、狩人の剣だな。今の振る舞い、ウルフを想定した動きと見た」
「あっはい! その通りです」
そう、あの突きはウルフの初激を受け流しつつその脇腹を、もしこちらに向きを変えたら喉元を狙うもの。それを対人に応用してみたんだ。
……今の僕に出来るのはこれくらいだから。
ネッガーの……まだ紹介されてないし名前も聞いてないけど、多分おじいさんだよね? は――
「うむ。素直な良い剣だったぞ。これは次も楽しみよの」
そう良い笑顔で言ってくれた。
……って、今『次』って言った?
「よし、じゃあ続けて二本目ぞ。二本目は当然……『何でもあり』よ」
何でもあり……?
首を捻ってると、後ろからネッガーが近づいてくる気配。そして耳元で囁いたその内容が――
「魔法、スキルなんでもありって事だ。カルア、みんなの度肝を抜いてやれ! と言ってもこの道場を燃やされたらかなわんから火山弾なんかは止めておいてくれると有り難い。兄貴ゴブリンの時の戦法あたりがいいんじゃないか?」
と、中々に攻撃的。兄貴ゴブリンの時、って何だっけ……っあれか!
「あと身体強化も当然ありだ。ここでは誰もが普通に使用しているから、遠慮は要らんぞ」
最後にひとつニヤリと強い笑みを浮かべてから下がっていくネッガー。
うーん、どうしよう……
循環少なめの身体強化だったら……解禁して大丈夫かな?
「さあ、始めい」
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