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龍星本山編
八話 目と目が合ったらポケモンバトルとか懐かしいと思ってたけど半年前までやってたわ
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ピロリン!
携帯が鳴る。
起きて画面を見るとそこには
『勤務時間ちょうどに事務所に集まること。』
と赤城から連絡が来ている。
普段、赤城は滅多にハピネスクラブ自体にいることがなく、基本的に連絡事項は野畑が伝えてくれるのだが、、、
「あー、俺クビかもな~。」
よっぽどの重要事項なのだろう。
正直どちらに転んでも構わない俺は優香に朝食をたしなみ事務所へ向かうのであった。
事務所に着くと、そこにはマフィア部隊の面々が集結している。
「おはよー!!今日はいい天気だねー!」
「おはようございます。檸檬さん。檸檬さんも呼ばれたんですか?」
「うん!!なんか他の皆も赤城さんから呼ばれたみたい!!!」
「ちなみに理由知ってたりしますかね?」
「私も分かんないんだよねー。ほら。」
そう言って見せてくれたスマホの画面には俺に送られてきたのと同じ文が並んでいる。
「おそらく、貴方の解雇宣告じゃないですか?」
声の主は清嶺地先輩。まぁ貴女しかそゆこと言いませんよね。
「てことは俺、公開処刑されるってことすか!?」
「貴方の処刑。楽しみにしてますね。」
流石にそんな酷いことはしないと思いたいが、、、いや、しそうやな。
「いやでもよー。ぶっちゃけ、オレのクビはおかしいと思うんだ。」
そんな戯言を真顔で言っているアホはもちろんこの場に一人しかいないだろう。ベルガモットだ。
「なんでそう思うの?」
檸檬さんが幼稚園児相手のトーンで尋ねる。
「だってよ姉貴、オレはよーアルハゼンに命令されたんだぜ、てことは無罪じゃね?」
「あのねベルちゃん。世の中には共犯って概念が存在してね、、、」
コイツ、前と言ってたことが変わってやがる。精神病でも患ってんのか?
ちなみにコイツの俺へのアルハゼン呼びは前のコードネーム決めの時からずっとである。
元々はフルネーム呼びだったのを金を払って止めてもらった。5千も取られちったよ。
そんなこんなでガヤガヤしていると唐突にドアが開く
「呼ばれて飛び出て野畑デース!!」
静まり返る室内。コイツはどれだけ人望が無いのだろうか。可哀想に。
「あれ?皆?なんでノーリアクション!?」
そう慌てふためく野畑を押し除け、我らがボスが入ってくる。
「流石、リーダー。貴方のおかげで静かになりました。感謝します。」
「んー複雑な心境だなぁー」
「貴方達に集まっていただいたのは、お伝えしたいことがあるからです。
先日の龍星本山支部襲撃において手に入れた情報から龍星本山の本山つまり大元の位置が判明しました。」
ん?俺のクビは繋がってるみたいだな。
「その結果から政府の命令により、ホワイトマフィア合同、龍星本山壊滅作戦が決行されることとなりました。」
いや、リアルの首が飛ぶかもしれんわ。
「ついにきたか。」
「やるっきゃないよねー!!」
「さぁさぁ皆ー!!張り切っていこうかー!!!」
あっれー?皆様、待ってましたと言わんばかりにやる気満々なんですけどー?
え?だって、あのバケモンまだ生きとるんしょ?コイツらの頭はニワトリかな?
「皆さん既に分かっているとは思いますが、今回も任務達成の報酬には政府からの多額の追加援助が来ますので、ボーナス目指して頑張ってください。」
「おっしゃやるぞぉーーー!!!」「いえーい!」
政府からの命令なら仕方ねぇ。男にはヤバいと思っても越えなきゃならねぇ壁がある。
「はいはい、みんなー。まだ何かあるみたいだよん。」
野畑が手を叩いてその場の浮ついた空気を沈めさせる。
赤城が咳払いをしてから、話を続ける
「はい。今回の合同作戦なのですが、多くのホワイトマフィアでメンバーの大幅入れ替えや新規加入が行われたため、合同演習会が行われることとなりました。」
「合同演習会?」
「えー、あれやんのかー。」
「こいつは厄介なことになりそうだ、、、。」
俺だけでなく清嶺地先輩も知らないのだろうか、俺と同じく周りの空気感についていけていないようだ。
野畑やフェデーレの反応から察するにロクな行事ではなさそうだが。
「合同講習会は来週の土曜となりますので各員、それ相応の準備をしておくように。それと野畑君。あとで解散後、私の元に早急に来ること。以上、解散。」
そして、赤城は事務室を出て行った。
それを追いかけるように野畑が慌てて部屋から出ていく。
「なんすか?合同演習会って?」
壁にもたれかかり余裕ぶっこきポーズをとっているフェデーレに尋ねる。
「私にも詳しくお願いします。」
清嶺地先輩が入ってくる。やはり、彼女も知らなかったようだ。
「そうか、坊主共は初参加になるのか、、。いいだろう。」
そう言ってフェデーレが説明を始める。
「端的に言うと合同演習会ってのはマフィア共の運動会みたいなものだ。昔は1年に一度くらいの頻度で行われていたんだが、俺達ホワイトマフィアの中心でもあった大手マフィア『タルタロス』が全滅して以来行われなくなったはずだ。」
川崎を牢獄とするみたいな意味でタルタロスなのだろうか、そこそこイカしたネーミングセンスしとるやんけ、誰だよハピネスクラブって名前考えたやつ。
「だが、忘れてはいけないことが一つ。これはマフィアの運動会だ。弱けりゃ死ぬぞ?」
フェデーレのサングラス越しの目が光ったように見える。
「準備とはそういうことですか。」
「つまり俺たち新人はクソ雑魚ナメクジだから鍛えろってことすね。」
「あぁ。嬢ちゃんはともかく、坊主は平凡な爆弾魔だ。武器の新調と最低限の防衛術は学んどく必要があるだろうな。」
平凡な爆弾魔とは?爆弾魔の時点でだいぶ平凡じゃ無い気がするんだが。
「新調はともかく防衛術なんてどこで覚えるんすか?フェデーレさんが教えてくれるとか?」
「俺は教えられんが、それに関してはプロがいる。」
そう言って指差す方向には
「柊さん?」
「呼びましたかぁ?」
いや、呼んでない呼んでない。地獄耳ってやつですか。
「柊、確かアンタは元自衛隊とかじゃなかったか?」
「はいぃ。元2等海尉ですぅ。」
「マジで?」
「だから、迷彩柄の服をたくさん持っていたんですか。」
「いえ、迷彩服は私の趣味ですぅ。」
「てか、幹部じゃないですか!なんでそんな人が監察官なんかに?」
「だから、元ですよぉ。」
「仲間のことを知れて嬉しいのはわかるが、要点がズレているぞ。」
フェデーレの一言で思い出す。
「そうですよぉ。なんで私を呼んだんですかぁ?」
「えっとすね、俺こんままじゃ死ぬらしいんで助けてください。」
「えっとぉどうやってですかぁ?、、、。」
「防衛術ってやつを叩き込んでください。」
「なるほどぉ!いいですよぉ。びしばし、いきますからねぇ。」
こうして、俺と柊先生となぜか清嶺地先輩の防衛術レッスンが始まった。
1日目
「いいですかぁ。自己防衛の基本は受け身からですぅ。よく見ててくださいねぇ。」
柊さんが綺麗に前まわり受け身を行う。
先ほどの会話が終わってすぐに柊さんが運動着に着替えて運動場に来いと言うため、唐突に始まったこのレッスンだが、何より一番驚きだったのがこの従業員宿所の規模である。
ここで生活してから1週間以上経つが運動場があるなんて知らなかった。ましてや地下に。外面は4階だての小さめのビルだがまさか地下に
7階近く広がっているとはビックリだ。
「はいぃ。では二人ともやってみてくださいぃ。」
柊さんの動きを真似して受け身をとる。受け身なんて中学以来だが、自称体は柔らかい方の俺にかかれば余裕である。
「卍原くんは合格ですけどぉ。キーラちゃんはなんというか、論外ですねぇ。」
先輩は以前の襲撃の際、華麗な空中旋回を行っていたため器械運動系統が得意なのかと思っていたが、、、。
受け身以前に前転ができていないとは。
「うるさいです。というか、防御とか回避とかスーツを着ていれば賄えるじゃないですか。攻撃面の技を教えることが合理的だと考えます。」
「あれぇ。そうでしたかぁ。私は所持していないので知りませんでしたぁ。」
え?
「いや、ちょっと待ってください。前回の襲撃時、生身で突っ込んだんですか?」
「はいぃ。私は監察官の立場上、観察対象への過度な肩入れは禁止されておりますのでぇ。」
確か、チームαって幹部と交戦したとか言ってなかったけか?もしかして、この人バカ強いんじゃないか?
「でもぉ。戦闘服に頼らないと自分を守れないなんてぇ。私的にはどうかと思いますけどねぇ。」
やっすい煽りだが、この人が言うと異様に腹立たしく感じる。とはいえ、流石に先輩も引っかかりはしないはず、、、。
「スーツも私の実力の一つだと考えますけど何か?」
ちょっとだけイラついていらっしゃる。前に冗談を言った時もそうだったが、煽り耐性低くないか?
「ならぁ。いい方法がありますぅ。」
ニコニコ笑いながら、ジャージを脱ぎタンクトップ姿になりファイティングポーズをとる柊。
「キーラちゃん。戦闘服の着用を許可しますぅ。実際にやりあえばぁ、どっちが正しいか分かりますよねぇ?」
「素手で着用者相手とタイマンですか?武道一貫とか、時代錯誤も良いところです。でも、その腕、使えなくなっても知りませんよ?」
見つめ合う二人の目には光がない。
「いや、どっちが正しいとかどうでもいいんで早く続き教えてくださいよ。」
「卍原君。審判は貴方に任せます。それでいいですよね?」
「少し心配ですがぁ、異論はありませんよぉ。」
「は?アンタら、話聞いてんのか?」
「3分後、ここに集合でいいですねぇ?あぁ、キーラちゃんは着用時間が必要だから30分にした方がいいですかぁ?」
「30秒後でも構いませんけど?」
「あのー、俺のことは無視ですかー?もしもしー?」
「冗談ですよぉ、3分後でぇ。」
俺のことは無視で運動場を出て行く二人。
いや、3分しかないのに歩くって悠長すぎでしょ。
次回、キーラ 対 杏 デュエルスタンバイ
携帯が鳴る。
起きて画面を見るとそこには
『勤務時間ちょうどに事務所に集まること。』
と赤城から連絡が来ている。
普段、赤城は滅多にハピネスクラブ自体にいることがなく、基本的に連絡事項は野畑が伝えてくれるのだが、、、
「あー、俺クビかもな~。」
よっぽどの重要事項なのだろう。
正直どちらに転んでも構わない俺は優香に朝食をたしなみ事務所へ向かうのであった。
事務所に着くと、そこにはマフィア部隊の面々が集結している。
「おはよー!!今日はいい天気だねー!」
「おはようございます。檸檬さん。檸檬さんも呼ばれたんですか?」
「うん!!なんか他の皆も赤城さんから呼ばれたみたい!!!」
「ちなみに理由知ってたりしますかね?」
「私も分かんないんだよねー。ほら。」
そう言って見せてくれたスマホの画面には俺に送られてきたのと同じ文が並んでいる。
「おそらく、貴方の解雇宣告じゃないですか?」
声の主は清嶺地先輩。まぁ貴女しかそゆこと言いませんよね。
「てことは俺、公開処刑されるってことすか!?」
「貴方の処刑。楽しみにしてますね。」
流石にそんな酷いことはしないと思いたいが、、、いや、しそうやな。
「いやでもよー。ぶっちゃけ、オレのクビはおかしいと思うんだ。」
そんな戯言を真顔で言っているアホはもちろんこの場に一人しかいないだろう。ベルガモットだ。
「なんでそう思うの?」
檸檬さんが幼稚園児相手のトーンで尋ねる。
「だってよ姉貴、オレはよーアルハゼンに命令されたんだぜ、てことは無罪じゃね?」
「あのねベルちゃん。世の中には共犯って概念が存在してね、、、」
コイツ、前と言ってたことが変わってやがる。精神病でも患ってんのか?
ちなみにコイツの俺へのアルハゼン呼びは前のコードネーム決めの時からずっとである。
元々はフルネーム呼びだったのを金を払って止めてもらった。5千も取られちったよ。
そんなこんなでガヤガヤしていると唐突にドアが開く
「呼ばれて飛び出て野畑デース!!」
静まり返る室内。コイツはどれだけ人望が無いのだろうか。可哀想に。
「あれ?皆?なんでノーリアクション!?」
そう慌てふためく野畑を押し除け、我らがボスが入ってくる。
「流石、リーダー。貴方のおかげで静かになりました。感謝します。」
「んー複雑な心境だなぁー」
「貴方達に集まっていただいたのは、お伝えしたいことがあるからです。
先日の龍星本山支部襲撃において手に入れた情報から龍星本山の本山つまり大元の位置が判明しました。」
ん?俺のクビは繋がってるみたいだな。
「その結果から政府の命令により、ホワイトマフィア合同、龍星本山壊滅作戦が決行されることとなりました。」
いや、リアルの首が飛ぶかもしれんわ。
「ついにきたか。」
「やるっきゃないよねー!!」
「さぁさぁ皆ー!!張り切っていこうかー!!!」
あっれー?皆様、待ってましたと言わんばかりにやる気満々なんですけどー?
え?だって、あのバケモンまだ生きとるんしょ?コイツらの頭はニワトリかな?
「皆さん既に分かっているとは思いますが、今回も任務達成の報酬には政府からの多額の追加援助が来ますので、ボーナス目指して頑張ってください。」
「おっしゃやるぞぉーーー!!!」「いえーい!」
政府からの命令なら仕方ねぇ。男にはヤバいと思っても越えなきゃならねぇ壁がある。
「はいはい、みんなー。まだ何かあるみたいだよん。」
野畑が手を叩いてその場の浮ついた空気を沈めさせる。
赤城が咳払いをしてから、話を続ける
「はい。今回の合同作戦なのですが、多くのホワイトマフィアでメンバーの大幅入れ替えや新規加入が行われたため、合同演習会が行われることとなりました。」
「合同演習会?」
「えー、あれやんのかー。」
「こいつは厄介なことになりそうだ、、、。」
俺だけでなく清嶺地先輩も知らないのだろうか、俺と同じく周りの空気感についていけていないようだ。
野畑やフェデーレの反応から察するにロクな行事ではなさそうだが。
「合同講習会は来週の土曜となりますので各員、それ相応の準備をしておくように。それと野畑君。あとで解散後、私の元に早急に来ること。以上、解散。」
そして、赤城は事務室を出て行った。
それを追いかけるように野畑が慌てて部屋から出ていく。
「なんすか?合同演習会って?」
壁にもたれかかり余裕ぶっこきポーズをとっているフェデーレに尋ねる。
「私にも詳しくお願いします。」
清嶺地先輩が入ってくる。やはり、彼女も知らなかったようだ。
「そうか、坊主共は初参加になるのか、、。いいだろう。」
そう言ってフェデーレが説明を始める。
「端的に言うと合同演習会ってのはマフィア共の運動会みたいなものだ。昔は1年に一度くらいの頻度で行われていたんだが、俺達ホワイトマフィアの中心でもあった大手マフィア『タルタロス』が全滅して以来行われなくなったはずだ。」
川崎を牢獄とするみたいな意味でタルタロスなのだろうか、そこそこイカしたネーミングセンスしとるやんけ、誰だよハピネスクラブって名前考えたやつ。
「だが、忘れてはいけないことが一つ。これはマフィアの運動会だ。弱けりゃ死ぬぞ?」
フェデーレのサングラス越しの目が光ったように見える。
「準備とはそういうことですか。」
「つまり俺たち新人はクソ雑魚ナメクジだから鍛えろってことすね。」
「あぁ。嬢ちゃんはともかく、坊主は平凡な爆弾魔だ。武器の新調と最低限の防衛術は学んどく必要があるだろうな。」
平凡な爆弾魔とは?爆弾魔の時点でだいぶ平凡じゃ無い気がするんだが。
「新調はともかく防衛術なんてどこで覚えるんすか?フェデーレさんが教えてくれるとか?」
「俺は教えられんが、それに関してはプロがいる。」
そう言って指差す方向には
「柊さん?」
「呼びましたかぁ?」
いや、呼んでない呼んでない。地獄耳ってやつですか。
「柊、確かアンタは元自衛隊とかじゃなかったか?」
「はいぃ。元2等海尉ですぅ。」
「マジで?」
「だから、迷彩柄の服をたくさん持っていたんですか。」
「いえ、迷彩服は私の趣味ですぅ。」
「てか、幹部じゃないですか!なんでそんな人が監察官なんかに?」
「だから、元ですよぉ。」
「仲間のことを知れて嬉しいのはわかるが、要点がズレているぞ。」
フェデーレの一言で思い出す。
「そうですよぉ。なんで私を呼んだんですかぁ?」
「えっとすね、俺こんままじゃ死ぬらしいんで助けてください。」
「えっとぉどうやってですかぁ?、、、。」
「防衛術ってやつを叩き込んでください。」
「なるほどぉ!いいですよぉ。びしばし、いきますからねぇ。」
こうして、俺と柊先生となぜか清嶺地先輩の防衛術レッスンが始まった。
1日目
「いいですかぁ。自己防衛の基本は受け身からですぅ。よく見ててくださいねぇ。」
柊さんが綺麗に前まわり受け身を行う。
先ほどの会話が終わってすぐに柊さんが運動着に着替えて運動場に来いと言うため、唐突に始まったこのレッスンだが、何より一番驚きだったのがこの従業員宿所の規模である。
ここで生活してから1週間以上経つが運動場があるなんて知らなかった。ましてや地下に。外面は4階だての小さめのビルだがまさか地下に
7階近く広がっているとはビックリだ。
「はいぃ。では二人ともやってみてくださいぃ。」
柊さんの動きを真似して受け身をとる。受け身なんて中学以来だが、自称体は柔らかい方の俺にかかれば余裕である。
「卍原くんは合格ですけどぉ。キーラちゃんはなんというか、論外ですねぇ。」
先輩は以前の襲撃の際、華麗な空中旋回を行っていたため器械運動系統が得意なのかと思っていたが、、、。
受け身以前に前転ができていないとは。
「うるさいです。というか、防御とか回避とかスーツを着ていれば賄えるじゃないですか。攻撃面の技を教えることが合理的だと考えます。」
「あれぇ。そうでしたかぁ。私は所持していないので知りませんでしたぁ。」
え?
「いや、ちょっと待ってください。前回の襲撃時、生身で突っ込んだんですか?」
「はいぃ。私は監察官の立場上、観察対象への過度な肩入れは禁止されておりますのでぇ。」
確か、チームαって幹部と交戦したとか言ってなかったけか?もしかして、この人バカ強いんじゃないか?
「でもぉ。戦闘服に頼らないと自分を守れないなんてぇ。私的にはどうかと思いますけどねぇ。」
やっすい煽りだが、この人が言うと異様に腹立たしく感じる。とはいえ、流石に先輩も引っかかりはしないはず、、、。
「スーツも私の実力の一つだと考えますけど何か?」
ちょっとだけイラついていらっしゃる。前に冗談を言った時もそうだったが、煽り耐性低くないか?
「ならぁ。いい方法がありますぅ。」
ニコニコ笑いながら、ジャージを脱ぎタンクトップ姿になりファイティングポーズをとる柊。
「キーラちゃん。戦闘服の着用を許可しますぅ。実際にやりあえばぁ、どっちが正しいか分かりますよねぇ?」
「素手で着用者相手とタイマンですか?武道一貫とか、時代錯誤も良いところです。でも、その腕、使えなくなっても知りませんよ?」
見つめ合う二人の目には光がない。
「いや、どっちが正しいとかどうでもいいんで早く続き教えてくださいよ。」
「卍原君。審判は貴方に任せます。それでいいですよね?」
「少し心配ですがぁ、異論はありませんよぉ。」
「は?アンタら、話聞いてんのか?」
「3分後、ここに集合でいいですねぇ?あぁ、キーラちゃんは着用時間が必要だから30分にした方がいいですかぁ?」
「30秒後でも構いませんけど?」
「あのー、俺のことは無視ですかー?もしもしー?」
「冗談ですよぉ、3分後でぇ。」
俺のことは無視で運動場を出て行く二人。
いや、3分しかないのに歩くって悠長すぎでしょ。
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