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終幕:ケジメ
終幕の壱:ケジメ/隠れ家
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俺、ビークラスターのフォー
俺たち――、俺とガトリングのエイト、そして緋色会から派遣されてきた代表の二人の4人で俺たちはある場所へと来ていた。
三浦半島の高級保養地・葉山、その南側一帯に子安と言う集落がある。昔ながらの農村風景のイメージの残る古い地域だ。
その子安集落のさらに山間の中へと入った場所、都心の近くでありながらまさに山奥と言った風情の場所に俺たちは来ていた。
ある〝人物〟を仕留めるために――
† † †
俺とエイトのおっさんが乗ってきたのは1987年式のジープ・ラングラー、古臭いイメージのあるゴツい四駆車だ。エイトのおっさんの選択だった。
かたや、緋色会の代表の二人が乗ってきたのはベンツのBクラス。フルタイム四駆仕様のスポーツタイプ。場所が山間の狭い場所になることを想定してあえて小柄な車を選んできたらしい。
俺たちの車が先頭で、緋色会の二人が後ろをついてくる。街路灯も無い月明かりの下の夜道を俺たちは進む。
運転しているのはエイトのおっさん。おれは助手席で道案内だ。
「この先か」
「あぁ、この細い道の奥に古いペンションがある。とっくに廃業になってるが道はそれなりに手入れされてて、廃ペンションも電気がひかれたままなんだってよ。俺の蜂どもを飛ばして探ったが、間違いなく人の気配がある」
「籠もりきりか」
「バリバリの引きこもり」
「ヤクザのくせにか?」
「〝あれ〟をヤクザって言えるんならな」
俺が言い放った言葉にエイトのおっさんが苦笑している。
「どんだけ様変わりしたか見ものだな」
「俺はさっさと終わらせて帰りたいがな。残してきた3子や6美が心配だ」
俺が漏らした言葉にエイトのおっさんが言う。
「それくらい信用してやれ。明治村の一件できちんと状況判断できるようになってるのは解ってるだろう?」
「まぁ――、そりゃな」
俺は思わず頭をかいた。なんでこんなに自分の仲間が気になるか自分自身不思議だった。
だが、エイトのおっさんは言った。
「覚えとけ。そう言うのを〝親心〟って言うんだ」
「あぁ」
俺はあえて短く答えた。俺自身が今までの人生で一番縁遠かったものだからだ。無論、俺が抱いている複雑な感情をエイトのおっさんは解っている。話題を振り切るように告げる。
「行くぞ。後ろへも連絡しろ」
そう言いながら、おっさんはジープを進ませる。俺はアバターの無線機能で〝後ろ〟へと連絡する。
「ついてきてくれ。〝本丸〟を攻める」
〔了解〕
帰ってきた声はシンプルだった。
俺たちは夜道を奥へと進んでいったのだった。
そして先程の場所から200メートルは奥へと進んだだろうか、不意に茂みが切れて開けた場所へとたどり着いた。雑草が生い茂る広い庭の奥に、木造家屋のペンションが建っている。廃業してから7年は経つと言う。外観はかなり傷んでいるが立て付けはしっかりしている。あきらかに何者かが住んでいる。そのために定期的に手入れがなされているのだ。
それを目の当たりにして俺は言う。
「どうする? 追い出すか?」
「いや――」
俺の問いかけにつぶやきながら、エイトのおっさんはジープから降り立った。
「じきに出てくるはずだ」
「オッケイ」
俺たちが降りれば後ろのベンツからも降りようとしている。だが俺はそれを片手で静止した。
それから数分。俺たちはじっと待った。
ジープもベンツもエンジンは止めない。ヘッドライトとフォグライトを煌々と照らしている。
そして――
――ドタドタと無様な足音を響かせながら〝そいつ〟は現れたのだ――
俺たち――、俺とガトリングのエイト、そして緋色会から派遣されてきた代表の二人の4人で俺たちはある場所へと来ていた。
三浦半島の高級保養地・葉山、その南側一帯に子安と言う集落がある。昔ながらの農村風景のイメージの残る古い地域だ。
その子安集落のさらに山間の中へと入った場所、都心の近くでありながらまさに山奥と言った風情の場所に俺たちは来ていた。
ある〝人物〟を仕留めるために――
† † †
俺とエイトのおっさんが乗ってきたのは1987年式のジープ・ラングラー、古臭いイメージのあるゴツい四駆車だ。エイトのおっさんの選択だった。
かたや、緋色会の代表の二人が乗ってきたのはベンツのBクラス。フルタイム四駆仕様のスポーツタイプ。場所が山間の狭い場所になることを想定してあえて小柄な車を選んできたらしい。
俺たちの車が先頭で、緋色会の二人が後ろをついてくる。街路灯も無い月明かりの下の夜道を俺たちは進む。
運転しているのはエイトのおっさん。おれは助手席で道案内だ。
「この先か」
「あぁ、この細い道の奥に古いペンションがある。とっくに廃業になってるが道はそれなりに手入れされてて、廃ペンションも電気がひかれたままなんだってよ。俺の蜂どもを飛ばして探ったが、間違いなく人の気配がある」
「籠もりきりか」
「バリバリの引きこもり」
「ヤクザのくせにか?」
「〝あれ〟をヤクザって言えるんならな」
俺が言い放った言葉にエイトのおっさんが苦笑している。
「どんだけ様変わりしたか見ものだな」
「俺はさっさと終わらせて帰りたいがな。残してきた3子や6美が心配だ」
俺が漏らした言葉にエイトのおっさんが言う。
「それくらい信用してやれ。明治村の一件できちんと状況判断できるようになってるのは解ってるだろう?」
「まぁ――、そりゃな」
俺は思わず頭をかいた。なんでこんなに自分の仲間が気になるか自分自身不思議だった。
だが、エイトのおっさんは言った。
「覚えとけ。そう言うのを〝親心〟って言うんだ」
「あぁ」
俺はあえて短く答えた。俺自身が今までの人生で一番縁遠かったものだからだ。無論、俺が抱いている複雑な感情をエイトのおっさんは解っている。話題を振り切るように告げる。
「行くぞ。後ろへも連絡しろ」
そう言いながら、おっさんはジープを進ませる。俺はアバターの無線機能で〝後ろ〟へと連絡する。
「ついてきてくれ。〝本丸〟を攻める」
〔了解〕
帰ってきた声はシンプルだった。
俺たちは夜道を奥へと進んでいったのだった。
そして先程の場所から200メートルは奥へと進んだだろうか、不意に茂みが切れて開けた場所へとたどり着いた。雑草が生い茂る広い庭の奥に、木造家屋のペンションが建っている。廃業してから7年は経つと言う。外観はかなり傷んでいるが立て付けはしっかりしている。あきらかに何者かが住んでいる。そのために定期的に手入れがなされているのだ。
それを目の当たりにして俺は言う。
「どうする? 追い出すか?」
「いや――」
俺の問いかけにつぶやきながら、エイトのおっさんはジープから降り立った。
「じきに出てくるはずだ」
「オッケイ」
俺たちが降りれば後ろのベンツからも降りようとしている。だが俺はそれを片手で静止した。
それから数分。俺たちはじっと待った。
ジープもベンツもエンジンは止めない。ヘッドライトとフォグライトを煌々と照らしている。
そして――
――ドタドタと無様な足音を響かせながら〝そいつ〟は現れたのだ――
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