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第40話 マリアンヌの帰還
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マリアンヌが出立してから五日目の朝、その日ラルフは日の出と共に港に到着していた。
獣人の勘が、マリアンヌの帰還を感じ取っていた。
朝日を反射する海面をじっと眺めていると、ぷくぷくと気泡が波打ち始めた。
もしやと思い、海岸に駆けつけて固唾を飲んで見守っていると、「ぷはぁ!」と勢いよくマリアンヌが顔を出した。
「マリアンヌ!!」
「ふぅ、ようやく着いたわね……あら、ラルフ様?」
髪をかき上げながら、すいーっと海岸まで泳いできて上陸するマリアンヌ。海面から全身が出ると、その身体は輝きを放ちながら二本の足とワンピースへと変容する。
「ほら、見てください。薬ですわ……あら?」
「危ないっ」
ふふんと得意げに薬が入った袋を掲げたマリアンヌの身体は、がくりと膝から崩れるように傾いた。咄嗟にラルフがその身体を支える。
さすがに海賊との戦闘後もぶっ通しで泳ぎ続けていたため、すでにマリアンヌの身体は満身創痍であった。
「ごめんなさい。まだ乾かしていなかったから濡れてしまったわね」
「いい、気にするな。……よく無事で戻ってくれた」
「ふふ、お任せくださいと言いましたよね?……ひゃっ!?」
マリアンヌはまだペンダントの温風で身体を乾かしていなかった。そのため、マリアンヌを抱きとめたラルフの身体からもポタポタと海水が滴ってしまう。
慌てて身体を離してペンダントに触れようとしたマリアンヌであるが、ラルフに力強く抱きしめられたため、それは叶わなかった。
(な、ななな、なに!?なんなの…っ!あ、もしかしてシェリルの容態が悪化したのかしら!?大変だわ!)
ぎゅうぎゅう抱きしめられて動転してしまったが、ハッとその理由に思い当たり、マリアンヌはラルフの腕の中で身を捩る。なんとかペンダントに触れると、二人の身体を暖かな風が纏い、あっという間に乾かしてくれた。
「ラルフ様、早くシェリルの元へ!」
「ん、あ、ああ、そうだな」
マリアンヌを抱きしめていたラルフは、ハッと我に返ると慌ててマリアンヌから離れてゴホンと咳払いをした。
マリアンヌは今にも駆け出しそうであるが、その足はおぼつかず、まっすぐ歩くこともままならずにふらふらと左右に揺れている。
「全く、また無理をしたんだろう。掴まれ。舌を噛むから口を開くなよ」
「え?え?キャァァっ!?」
ラルフは手でマリアンヌの足を払うと、ヒョイっと両腕に抱えて足を踏み締めた。ミシッと地面が少しめり込み、次の瞬間飛び出すように走り出していた。
マリアンヌは言われた通り慌てて口をつぐむと、振り落とされないように必死にラルフの首にしがみ付いた。
ビュンビュンと風を切る音だけが耳につき、景色も流れるように変わっていく。海中は猛スピードで泳ぐマリアンヌも、こうして地上を獣人のトップスピードで走った経験はないため、バクバクと心臓が跳ねる。
だが一方で、頬を撫でていく風は心地よく、時折感じる浮遊感も慣れれば心地が良い。
逞しい腕に抱えられ、恐怖よりも安心感が勝る。
――きっとそれも相手がラルフだからだろう。
マリアンヌがほんのり頬を染めていたことに、王宮を見据えて走り続けるラルフは気がついていなかった。
◇◇◇
あっという間に王宮に到着したラルフは、マリアンヌを両手に抱いたままシェリルの部屋へと向かった。
「え!?ちょ、下ろして…!」
きっと両陛下がいるであろう場所に、この状態ではいられないと抵抗するマリアンヌの声は無視して、ラルフは器用に扉を開けた。
「父上!母上!マリアンヌが戻りました」
「おおっ!無事であったか、よかった…!」
シェリルのベッドサイドで肩を寄せ合っていたレナード王とカミラは、二人の様子に驚いた表情を見せたが、すぐに立ち上がってマリアンヌを迎え入れた。
ようやく解放されたマリアンヌは、こほんと咳をひとつ落とし、袋の中から大切に保管していた薬を取り出した。
「大変お待たせいたしました。リェン国の薬です」
「感謝する。すぐに水を用意するのじゃ」
マリアンヌの手から丁重に薬を受け取ったカミラは、部屋に控えていたメイドに声をかけるとシェリルに声をかけてゆっくりと上体を起こさせた。
「水でございます」
「うむ。さぁ、シェリル…マリアンヌが命懸けで取りに行ってくれた薬じゃ。ゆっくり飲むといい」
「ん…」
薄っすら目を開けたシェリルの喉が上下する。無事に嚥下出来たことを確認して、カミラの表情にも安堵の色が広がる。
ほう、と息をついたシェリルは、微睡んだ目でマリアンヌを見つめた。
「マリン、ちゃん…ありがとう」
「ふふ、いいのよ。今はゆっくり休んでちょうだい。元気になったらまたお茶会をしましょう?」
「うん……」
掠れた声で礼を言ったシェリルは、やんわり微笑むと再びベッドに身を沈めて静かに寝息を立て始めた。
その寝顔は穏やかで、キツく寄せられていた眉間の皺もすっかり身を潜めている。
「……本当に、なんと礼を言って良いのか…マリアンヌ、お主が無事で何よりじゃ」
「ああ、シェリルを救ってくれて感謝する。何でも望みを叶えよう。遠慮なく言ってくれ」
カミラとレナード王に頭を下げられたマリアンヌは、ニコリと微笑んだ。
「本当にお気になさらず……そうですわね、強いて望みを申し上げるならば、獣人と魚人の関係がより良いものになるように一緒に取り組んでいただけると嬉しいですわ」
マリアンヌの言葉に、一同は目を見開いた。
金品の褒美を求めず、獣人と魚人の和睦を望むあたりマリアンヌらしいといえばらしいのだが、それでは獣王国の主として面目が立たない。
「うむ。余もカミラも魚人との関係を改善したいと話しておったのだ。是非マリアンヌを親善大使として共に取り組んでいきたい。この王宮を我が家だと思ってこれからも好きに過ごすと良い」
「まあっ!ありがとうございます。何よりのご褒美ですわ」
「マリアンヌも疲れたであろう。今日は部屋に戻ってゆっくり眠ると良い」
「はい、ではお言葉に甘えて…失礼いたします」
退出の許可を得たマリアンヌは、優雅なお辞儀を披露するとマリンブルーの美しい髪を靡かせて扉へと向かう。
だが、無事にシェリルに薬を届けられた安堵、寝ずに海を猛スピードで泳ぎ続けた疲労がドッと押し寄せ、マリアンヌの視界はぐわんと歪む。
(あら……?何だか前にもこんなことがあったわね……)
なんて呑気なことを考えながら、マリアンヌは意識を手放した。
遠くでラルフがマリアンヌの名前を呼んだ気がした。
獣人の勘が、マリアンヌの帰還を感じ取っていた。
朝日を反射する海面をじっと眺めていると、ぷくぷくと気泡が波打ち始めた。
もしやと思い、海岸に駆けつけて固唾を飲んで見守っていると、「ぷはぁ!」と勢いよくマリアンヌが顔を出した。
「マリアンヌ!!」
「ふぅ、ようやく着いたわね……あら、ラルフ様?」
髪をかき上げながら、すいーっと海岸まで泳いできて上陸するマリアンヌ。海面から全身が出ると、その身体は輝きを放ちながら二本の足とワンピースへと変容する。
「ほら、見てください。薬ですわ……あら?」
「危ないっ」
ふふんと得意げに薬が入った袋を掲げたマリアンヌの身体は、がくりと膝から崩れるように傾いた。咄嗟にラルフがその身体を支える。
さすがに海賊との戦闘後もぶっ通しで泳ぎ続けていたため、すでにマリアンヌの身体は満身創痍であった。
「ごめんなさい。まだ乾かしていなかったから濡れてしまったわね」
「いい、気にするな。……よく無事で戻ってくれた」
「ふふ、お任せくださいと言いましたよね?……ひゃっ!?」
マリアンヌはまだペンダントの温風で身体を乾かしていなかった。そのため、マリアンヌを抱きとめたラルフの身体からもポタポタと海水が滴ってしまう。
慌てて身体を離してペンダントに触れようとしたマリアンヌであるが、ラルフに力強く抱きしめられたため、それは叶わなかった。
(な、ななな、なに!?なんなの…っ!あ、もしかしてシェリルの容態が悪化したのかしら!?大変だわ!)
ぎゅうぎゅう抱きしめられて動転してしまったが、ハッとその理由に思い当たり、マリアンヌはラルフの腕の中で身を捩る。なんとかペンダントに触れると、二人の身体を暖かな風が纏い、あっという間に乾かしてくれた。
「ラルフ様、早くシェリルの元へ!」
「ん、あ、ああ、そうだな」
マリアンヌを抱きしめていたラルフは、ハッと我に返ると慌ててマリアンヌから離れてゴホンと咳払いをした。
マリアンヌは今にも駆け出しそうであるが、その足はおぼつかず、まっすぐ歩くこともままならずにふらふらと左右に揺れている。
「全く、また無理をしたんだろう。掴まれ。舌を噛むから口を開くなよ」
「え?え?キャァァっ!?」
ラルフは手でマリアンヌの足を払うと、ヒョイっと両腕に抱えて足を踏み締めた。ミシッと地面が少しめり込み、次の瞬間飛び出すように走り出していた。
マリアンヌは言われた通り慌てて口をつぐむと、振り落とされないように必死にラルフの首にしがみ付いた。
ビュンビュンと風を切る音だけが耳につき、景色も流れるように変わっていく。海中は猛スピードで泳ぐマリアンヌも、こうして地上を獣人のトップスピードで走った経験はないため、バクバクと心臓が跳ねる。
だが一方で、頬を撫でていく風は心地よく、時折感じる浮遊感も慣れれば心地が良い。
逞しい腕に抱えられ、恐怖よりも安心感が勝る。
――きっとそれも相手がラルフだからだろう。
マリアンヌがほんのり頬を染めていたことに、王宮を見据えて走り続けるラルフは気がついていなかった。
◇◇◇
あっという間に王宮に到着したラルフは、マリアンヌを両手に抱いたままシェリルの部屋へと向かった。
「え!?ちょ、下ろして…!」
きっと両陛下がいるであろう場所に、この状態ではいられないと抵抗するマリアンヌの声は無視して、ラルフは器用に扉を開けた。
「父上!母上!マリアンヌが戻りました」
「おおっ!無事であったか、よかった…!」
シェリルのベッドサイドで肩を寄せ合っていたレナード王とカミラは、二人の様子に驚いた表情を見せたが、すぐに立ち上がってマリアンヌを迎え入れた。
ようやく解放されたマリアンヌは、こほんと咳をひとつ落とし、袋の中から大切に保管していた薬を取り出した。
「大変お待たせいたしました。リェン国の薬です」
「感謝する。すぐに水を用意するのじゃ」
マリアンヌの手から丁重に薬を受け取ったカミラは、部屋に控えていたメイドに声をかけるとシェリルに声をかけてゆっくりと上体を起こさせた。
「水でございます」
「うむ。さぁ、シェリル…マリアンヌが命懸けで取りに行ってくれた薬じゃ。ゆっくり飲むといい」
「ん…」
薄っすら目を開けたシェリルの喉が上下する。無事に嚥下出来たことを確認して、カミラの表情にも安堵の色が広がる。
ほう、と息をついたシェリルは、微睡んだ目でマリアンヌを見つめた。
「マリン、ちゃん…ありがとう」
「ふふ、いいのよ。今はゆっくり休んでちょうだい。元気になったらまたお茶会をしましょう?」
「うん……」
掠れた声で礼を言ったシェリルは、やんわり微笑むと再びベッドに身を沈めて静かに寝息を立て始めた。
その寝顔は穏やかで、キツく寄せられていた眉間の皺もすっかり身を潜めている。
「……本当に、なんと礼を言って良いのか…マリアンヌ、お主が無事で何よりじゃ」
「ああ、シェリルを救ってくれて感謝する。何でも望みを叶えよう。遠慮なく言ってくれ」
カミラとレナード王に頭を下げられたマリアンヌは、ニコリと微笑んだ。
「本当にお気になさらず……そうですわね、強いて望みを申し上げるならば、獣人と魚人の関係がより良いものになるように一緒に取り組んでいただけると嬉しいですわ」
マリアンヌの言葉に、一同は目を見開いた。
金品の褒美を求めず、獣人と魚人の和睦を望むあたりマリアンヌらしいといえばらしいのだが、それでは獣王国の主として面目が立たない。
「うむ。余もカミラも魚人との関係を改善したいと話しておったのだ。是非マリアンヌを親善大使として共に取り組んでいきたい。この王宮を我が家だと思ってこれからも好きに過ごすと良い」
「まあっ!ありがとうございます。何よりのご褒美ですわ」
「マリアンヌも疲れたであろう。今日は部屋に戻ってゆっくり眠ると良い」
「はい、ではお言葉に甘えて…失礼いたします」
退出の許可を得たマリアンヌは、優雅なお辞儀を披露するとマリンブルーの美しい髪を靡かせて扉へと向かう。
だが、無事にシェリルに薬を届けられた安堵、寝ずに海を猛スピードで泳ぎ続けた疲労がドッと押し寄せ、マリアンヌの視界はぐわんと歪む。
(あら……?何だか前にもこんなことがあったわね……)
なんて呑気なことを考えながら、マリアンヌは意識を手放した。
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