31 / 40
31_伝えたい想い
しおりを挟む
「アイビス、今日はサロンで二人だけのお茶会なんてどうだ?」
「あら、素敵ね。でも急にどうしたの?」
次の休み、朝食後に道場に向かう用意をしていると、ヴェルナーがお茶会に誘ってくれた。
これまでも二人でお茶やお菓子を楽しむことはあったので快諾するが、僅かな違和感のため尋ねてみると、ヴェルナーは少し顔を背けて頬を掻いた。
「いや、エリザベス嬢とベティ嬢との稽古の後、いつもサロンでお茶会をしているのだろう?それが、その、羨ましくてな」
気まずそうに話すヴェルナーの頬が赤い。
アイビスは目をぱちくり瞬いて、思わず小さく吹き出した。
「……ぷっ」
「おい、笑うなよ」
「ぷ、くく……ごめんなさい。あなたがあまりにも可愛いから、つい」
「可愛いなんて言われても嬉しくない」
笑われたことと、可愛いと言われたことに明らかに不服そうなヴェルナーは、仕返しとばかりにアイビスの腰を抱き寄せた。
「ひゃあっ!?ちょ、ちょっと、急に何するの……ん」
「……可愛いのはアイビスのための言葉だから、俺には使わないで」
「わ、分かったわよ……」
軽く唇を啄まれて、あっという間にヴェルナーよりも顔が真っ赤に染まる。
さっきまで可愛らしい反応を見せていたヴェルナーはすっかり男の顔に戻っていた。
何だかそれが悔しくて、むぅ、と唇を尖らせてみるが、見つかったらまた啄まれること必至なので、さりげなく顔を背けて拘束から逃れた。
「じゃ、じゃあ朝稽古をしたら準備をして、サロンに向かうわね」
「ああ。昼食もサロンで取ろう。手配しておくよ」
「あら、いいわね。いつも以上に気合が入るわ」
腕をぐるんと大きく回し、アイビスは意気揚々と実家の道場へと向かった。
見えなくなるまでその背を見送りながら、ヴェルナーは口元に微笑を携えていた。
◇◇◇
稽古を終えたアイビスは、シャワーと着替えを済ませるとヴェルナーの待つサロンへと急いだ。
「お待たせ」
「アイビス、ちょうど昼食の用意が整ったところだ」
「わぁっ!美味しそう」
特別に用意されたテーブルは、色とりどりの花が飾られていて、料理と共にアイビスの目を楽しませてくれる。
給仕してくれたサラやシェフに礼を言い、早速食べ始める。使用人たちを下がらせて、夫婦二人の時間を楽しんだ。
食事を終え、食後のデザートに用意されていたイチジクのケーキにフォークを入れつつ、ヴェルナーが話題を変えた。
「そうだ。来月の末にアステラス帝国との国交樹立十周年を祝して使節団がやって来ることが正式に決まった。今回はパレードのような大掛かりなものはないが、街はお祭りモード一色になるだろうな」
「あら!そうなのね。祝い事は嬉しいわ。ヴェルナーは第二王子殿下のお付きだから忙しくなりそうね」
そう言うと、ヴェルナーは前髪をくしゃりと掻き上げながら溜息をついた。
「十年前のように街の賑わいに乗じて犯罪が起こる可能性もある。軍部とも密に連携を取らないといけない。それにこの訪問が無事に終われば、次はいよいよジェームズ殿下の立太子が控えている。怪しい動きをする重役がいないかどうかにも目を光らせておかないと」
「た、大変ね」
流石のビッグイベントとあって、仕事が山積みのようだ。一瞬疲れた顔を覗かせたヴェルナーであったが、おどけたように肩をすくめるといつもの優しい表情でアイビスを見つめた。
「まあな。アイビスと街を回る時間は意地でも捻出するから、一緒に祭り気分を味わおう」
「本当?嬉しいわ」
あまり無理はして欲しくないけれども、ここはヴェルナーの厚意に素直に甘える。
きっと、夫婦二人で過ごす時間が彼を癒すことに繋がると、今のアイビスには分かるから。
そんなヴェルナーの気持ちが嬉しくて、アイビスの表情も自然と綻ぶ。
ヴェルナーはいつの間にか、フォークを置いてアイビスの頬を撫でている。くすぐったくて身を捩るが、一方で心地が良いとも感じてしまう。
「ねぇ、ヴェル」
「ん?なんだ?」
今なら自然に、ようやく認めた気持ちを告げることができる。
そう思ったら言葉が口から漏れ出ていた。
「私、あなたのことが好きよ。長い間待たせてしまってごめんなさい。私自身も気持ちの変化に戸惑っていたの……自覚したのは最近だけど、きっと、結婚を申し込まれた時から――私の心はあなたに向かって転がり始めていたんだわ」
頬を撫でる大きな手に、自らの手を包み込むように添えて、真っ直ぐに琥珀色に輝く瞳を見つめる。
いつも自分を映してくれる優しい瞳。アイビスはこの瞳が好きだと改めて愛おしさを噛み締めていた。
その美しい瞳が、アイビスの言葉を理解したのちに激しく揺れ動き、ゆっくりと見開かれていく。
「アイビス……?」
「なに?」
「いや、え?つまり、その……好きっていうのは、幼馴染や友人としてではなく――?」
珍しく狼狽えているヴェルナーがおかしい。
アイビスは思わず、ぷはっと吹き出してしまった。
「もうっ、あなたのことが男として好きだって言ってるでしょう?あまり何度も言わせないでよ、私だって恥ずかしいんだから……」
「――っ、アイビス」
頬を染めながら改めて気持ちを伝えると、ヴェルナーに強く抱きしめられた。ぎゅうぎゅうと、もう逃がさないとでも言うように締め付けてくる逞しい腕。
少し苦しいけれど、それ以上に、ようやく心の通った真の夫婦になれたことが嬉しくてたまらない。
「本当だな?今更嘘だと言っても遅いからな?」
「ヴェルったら……私が嘘が嫌いなことは知ってるでしょう?」
「ああ……はぁ、信じられない。こんな幸せな日が訪れるなんて」
「ふふ、大袈裟よ」
アイビスがくすりと笑うと、ヴェルナーはアイビスの耳元で熱い吐息を溢した。くすぐったさと共に、愛おしさがじんわりと胸に広がっていく。
「大袈裟なものか。何年片想いしてきたと思っているんだ」
「ヴェル……ずっと私を想ってくれてありがとう。ねぇ、ヴェル。あなたはお試しだと思って構わないと言ってくれたわよね?躊躇う私の背中を押すために。でもね、私は一度もあなたとの結婚生活をお試しだとは思っていなかったの」
ヴェルナーの腕の中で顔を上げて、真っ直ぐに琥珀色の瞳を見つめる。その瞳は、困惑や熱情、色んな感情が混じり合って色を濃くしている。
アイビスが伝えようとしていることを聞き逃すまいと、ヴェルナーは額同士をくっつけて正面からアイビスの視線を受け止めてくれる。
「私、無意識にあなたの求婚を受ける理由を探していたわ。それってつまり、あなたと結婚したいってことじゃない」
ヴェルナーは、自分との結婚をお試しだと思って利用しろと言った。
そこにはもちろん、アイビスと結婚するための打算も含まれていただろう。
けれども、何よりもアイビスへの気遣いや配慮が多く内包された優しい提案だったと、アイビスはそう理解していた。
ヴェルナーへの恋心は、始めは気付かないほど小さな種のようだった。たっぷりと愛情を注ぎ込まれ、種は静かに芽吹いて大輪の花を咲かせた。
「ゆっくりあなたへの恋心を育てさせてくれてありがとう」
「はぁ……もう絶対に離してやらないからな」
「ええ、もちろん。離さないでちょうだいね」
両頬を包み込むように手で挟まれ、視界がヴェルナーに覆い尽くされる。
「気持ちが通ったということは、もう遠慮はいらないんだな?」
そして、吐息混じりに囁かれた言葉に、アイビスは激しく瞳を揺らした。
「う、それは……というか遠慮なんてしていたの?」
「していた、つもりだが……よく箍は外れてしまっているな」
「本当よ。まったく……ヴェルが言いたいのは、その、キスの先…のことよね?」
恐る恐る問いかけると、ヴェルナーはごくりと生唾を飲んだ。ヴェルナーの表情を窺うアイビスは、本人に自覚はないが上目遣いで瞳は潤み、頬はほんのり上気していて恐ろしいほどに扇状的だった。
「はっきり言うな……ま、まあ、そうだな。だが、やっと好きだと思って貰えたんだ。先を急ぐつもりもないし、アイビスのペースに合わせるさ」
「ヴェル……ありがとう。そういう思い遣りのあるところも大好きよ」
「~っ!ったく、途端に素直になりやがって…理性がぶっ飛んで押し倒すことになっても怒るなよ」
「ええっ!?そ、それは…うう」
ヴェルナーの手のひらに伝わる体温が上昇した。
アイビスの顔は熟れた林檎のように真っ赤に染まっている。
「……心の準備ができたら、あの扉を開けてヴェルに会いに行くわ」
「あの扉……ああ、俺たちの部屋を繋ぐ扉か」
「ええ」
結婚初夜、ヴェルナーに渡された鍵は、アイビスのベッドサイドの引き出しに今も大切に収納されている。その鍵は役割を果たす日を待ち侘びている。
「分かった。いつかアイビスが扉を開けた日は、今度こそ遠慮なんてしない。思う存分愛し尽くすから覚悟しておくんだな」
「そ、そんなこと言われると余計に覚悟が決まらないわ…!」
二人は同時に吹き出すと、どちらからともなく瞳を閉じて顔を寄せていった。
唇に宿る熱は、身体を巡り、互いの想いを高めていく。
お互いの気持ちを確かめ合うように、長く深く二人は唇を重ね続けた。
「あら、素敵ね。でも急にどうしたの?」
次の休み、朝食後に道場に向かう用意をしていると、ヴェルナーがお茶会に誘ってくれた。
これまでも二人でお茶やお菓子を楽しむことはあったので快諾するが、僅かな違和感のため尋ねてみると、ヴェルナーは少し顔を背けて頬を掻いた。
「いや、エリザベス嬢とベティ嬢との稽古の後、いつもサロンでお茶会をしているのだろう?それが、その、羨ましくてな」
気まずそうに話すヴェルナーの頬が赤い。
アイビスは目をぱちくり瞬いて、思わず小さく吹き出した。
「……ぷっ」
「おい、笑うなよ」
「ぷ、くく……ごめんなさい。あなたがあまりにも可愛いから、つい」
「可愛いなんて言われても嬉しくない」
笑われたことと、可愛いと言われたことに明らかに不服そうなヴェルナーは、仕返しとばかりにアイビスの腰を抱き寄せた。
「ひゃあっ!?ちょ、ちょっと、急に何するの……ん」
「……可愛いのはアイビスのための言葉だから、俺には使わないで」
「わ、分かったわよ……」
軽く唇を啄まれて、あっという間にヴェルナーよりも顔が真っ赤に染まる。
さっきまで可愛らしい反応を見せていたヴェルナーはすっかり男の顔に戻っていた。
何だかそれが悔しくて、むぅ、と唇を尖らせてみるが、見つかったらまた啄まれること必至なので、さりげなく顔を背けて拘束から逃れた。
「じゃ、じゃあ朝稽古をしたら準備をして、サロンに向かうわね」
「ああ。昼食もサロンで取ろう。手配しておくよ」
「あら、いいわね。いつも以上に気合が入るわ」
腕をぐるんと大きく回し、アイビスは意気揚々と実家の道場へと向かった。
見えなくなるまでその背を見送りながら、ヴェルナーは口元に微笑を携えていた。
◇◇◇
稽古を終えたアイビスは、シャワーと着替えを済ませるとヴェルナーの待つサロンへと急いだ。
「お待たせ」
「アイビス、ちょうど昼食の用意が整ったところだ」
「わぁっ!美味しそう」
特別に用意されたテーブルは、色とりどりの花が飾られていて、料理と共にアイビスの目を楽しませてくれる。
給仕してくれたサラやシェフに礼を言い、早速食べ始める。使用人たちを下がらせて、夫婦二人の時間を楽しんだ。
食事を終え、食後のデザートに用意されていたイチジクのケーキにフォークを入れつつ、ヴェルナーが話題を変えた。
「そうだ。来月の末にアステラス帝国との国交樹立十周年を祝して使節団がやって来ることが正式に決まった。今回はパレードのような大掛かりなものはないが、街はお祭りモード一色になるだろうな」
「あら!そうなのね。祝い事は嬉しいわ。ヴェルナーは第二王子殿下のお付きだから忙しくなりそうね」
そう言うと、ヴェルナーは前髪をくしゃりと掻き上げながら溜息をついた。
「十年前のように街の賑わいに乗じて犯罪が起こる可能性もある。軍部とも密に連携を取らないといけない。それにこの訪問が無事に終われば、次はいよいよジェームズ殿下の立太子が控えている。怪しい動きをする重役がいないかどうかにも目を光らせておかないと」
「た、大変ね」
流石のビッグイベントとあって、仕事が山積みのようだ。一瞬疲れた顔を覗かせたヴェルナーであったが、おどけたように肩をすくめるといつもの優しい表情でアイビスを見つめた。
「まあな。アイビスと街を回る時間は意地でも捻出するから、一緒に祭り気分を味わおう」
「本当?嬉しいわ」
あまり無理はして欲しくないけれども、ここはヴェルナーの厚意に素直に甘える。
きっと、夫婦二人で過ごす時間が彼を癒すことに繋がると、今のアイビスには分かるから。
そんなヴェルナーの気持ちが嬉しくて、アイビスの表情も自然と綻ぶ。
ヴェルナーはいつの間にか、フォークを置いてアイビスの頬を撫でている。くすぐったくて身を捩るが、一方で心地が良いとも感じてしまう。
「ねぇ、ヴェル」
「ん?なんだ?」
今なら自然に、ようやく認めた気持ちを告げることができる。
そう思ったら言葉が口から漏れ出ていた。
「私、あなたのことが好きよ。長い間待たせてしまってごめんなさい。私自身も気持ちの変化に戸惑っていたの……自覚したのは最近だけど、きっと、結婚を申し込まれた時から――私の心はあなたに向かって転がり始めていたんだわ」
頬を撫でる大きな手に、自らの手を包み込むように添えて、真っ直ぐに琥珀色に輝く瞳を見つめる。
いつも自分を映してくれる優しい瞳。アイビスはこの瞳が好きだと改めて愛おしさを噛み締めていた。
その美しい瞳が、アイビスの言葉を理解したのちに激しく揺れ動き、ゆっくりと見開かれていく。
「アイビス……?」
「なに?」
「いや、え?つまり、その……好きっていうのは、幼馴染や友人としてではなく――?」
珍しく狼狽えているヴェルナーがおかしい。
アイビスは思わず、ぷはっと吹き出してしまった。
「もうっ、あなたのことが男として好きだって言ってるでしょう?あまり何度も言わせないでよ、私だって恥ずかしいんだから……」
「――っ、アイビス」
頬を染めながら改めて気持ちを伝えると、ヴェルナーに強く抱きしめられた。ぎゅうぎゅうと、もう逃がさないとでも言うように締め付けてくる逞しい腕。
少し苦しいけれど、それ以上に、ようやく心の通った真の夫婦になれたことが嬉しくてたまらない。
「本当だな?今更嘘だと言っても遅いからな?」
「ヴェルったら……私が嘘が嫌いなことは知ってるでしょう?」
「ああ……はぁ、信じられない。こんな幸せな日が訪れるなんて」
「ふふ、大袈裟よ」
アイビスがくすりと笑うと、ヴェルナーはアイビスの耳元で熱い吐息を溢した。くすぐったさと共に、愛おしさがじんわりと胸に広がっていく。
「大袈裟なものか。何年片想いしてきたと思っているんだ」
「ヴェル……ずっと私を想ってくれてありがとう。ねぇ、ヴェル。あなたはお試しだと思って構わないと言ってくれたわよね?躊躇う私の背中を押すために。でもね、私は一度もあなたとの結婚生活をお試しだとは思っていなかったの」
ヴェルナーの腕の中で顔を上げて、真っ直ぐに琥珀色の瞳を見つめる。その瞳は、困惑や熱情、色んな感情が混じり合って色を濃くしている。
アイビスが伝えようとしていることを聞き逃すまいと、ヴェルナーは額同士をくっつけて正面からアイビスの視線を受け止めてくれる。
「私、無意識にあなたの求婚を受ける理由を探していたわ。それってつまり、あなたと結婚したいってことじゃない」
ヴェルナーは、自分との結婚をお試しだと思って利用しろと言った。
そこにはもちろん、アイビスと結婚するための打算も含まれていただろう。
けれども、何よりもアイビスへの気遣いや配慮が多く内包された優しい提案だったと、アイビスはそう理解していた。
ヴェルナーへの恋心は、始めは気付かないほど小さな種のようだった。たっぷりと愛情を注ぎ込まれ、種は静かに芽吹いて大輪の花を咲かせた。
「ゆっくりあなたへの恋心を育てさせてくれてありがとう」
「はぁ……もう絶対に離してやらないからな」
「ええ、もちろん。離さないでちょうだいね」
両頬を包み込むように手で挟まれ、視界がヴェルナーに覆い尽くされる。
「気持ちが通ったということは、もう遠慮はいらないんだな?」
そして、吐息混じりに囁かれた言葉に、アイビスは激しく瞳を揺らした。
「う、それは……というか遠慮なんてしていたの?」
「していた、つもりだが……よく箍は外れてしまっているな」
「本当よ。まったく……ヴェルが言いたいのは、その、キスの先…のことよね?」
恐る恐る問いかけると、ヴェルナーはごくりと生唾を飲んだ。ヴェルナーの表情を窺うアイビスは、本人に自覚はないが上目遣いで瞳は潤み、頬はほんのり上気していて恐ろしいほどに扇状的だった。
「はっきり言うな……ま、まあ、そうだな。だが、やっと好きだと思って貰えたんだ。先を急ぐつもりもないし、アイビスのペースに合わせるさ」
「ヴェル……ありがとう。そういう思い遣りのあるところも大好きよ」
「~っ!ったく、途端に素直になりやがって…理性がぶっ飛んで押し倒すことになっても怒るなよ」
「ええっ!?そ、それは…うう」
ヴェルナーの手のひらに伝わる体温が上昇した。
アイビスの顔は熟れた林檎のように真っ赤に染まっている。
「……心の準備ができたら、あの扉を開けてヴェルに会いに行くわ」
「あの扉……ああ、俺たちの部屋を繋ぐ扉か」
「ええ」
結婚初夜、ヴェルナーに渡された鍵は、アイビスのベッドサイドの引き出しに今も大切に収納されている。その鍵は役割を果たす日を待ち侘びている。
「分かった。いつかアイビスが扉を開けた日は、今度こそ遠慮なんてしない。思う存分愛し尽くすから覚悟しておくんだな」
「そ、そんなこと言われると余計に覚悟が決まらないわ…!」
二人は同時に吹き出すと、どちらからともなく瞳を閉じて顔を寄せていった。
唇に宿る熱は、身体を巡り、互いの想いを高めていく。
お互いの気持ちを確かめ合うように、長く深く二人は唇を重ね続けた。
31
あなたにおすすめの小説
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
【完結】賭けから始まった偽りの結婚~愛する旦那様を解放したのになぜか辺境まで押しかけて来て愛息子ごと溺愛されてます~
Tubling@書籍化&コミカライズ
恋愛
無事完結しました^^
読んでくださった皆様に感謝です!
ルシェンテ王国の末の王女カタリナは、姉たちから凄惨な嫌がらせをされる日々に王女とは名ばかりの惨めな生活を送っていた。
両親は自分に無関心、兄にも煙たがられ、いっそ透明人間になれたらと思う日々。
そんな中、隣国ジグマリン王国の建国祭に国賓として訪れた際、「鬼神」と恐れられている騎士公爵レブランドと出会う。
しかし鬼とは程遠い公爵の素顔に触れたカタリナは、彼に惹かれていく。
やがて想い人から縁談の話が舞い込み、夢見心地で嫁いでいったカタリナを待っていたのは悲しい現実で…?
旦那様の為に邸を去ったけれど、お腹には天使が――――
息子の為に生きよう。
そう決意して生活する私と息子のもとへ、あの人がやってくるなんて。
再会した彼には絶対に帰らないと伝えたはずなのに、2人とも連れて帰ると言ってきかないんですけど?
私が邪魔者だったはずなのに、なんだか彼の態度がおかしくて…
愛された事のない王女がただ一つの宝物(息子)を授かり、愛し愛される喜びを知るロマンスファンタジーです。
●近世ヨーロッパ風ですが空想のお話です。史実ではありませんので近世ヨーロッパはこうだというこだわりがある方はブラウザバックをお願いします。
●本編は10万字ほどで完結予定。
●最初こそシリアスですが、だんだんとほのぼのになっていきます^^
●最後はハッピーエンドです。
おひとりさまの準備してます! ……見合いですか?まぁ一度だけなら……
松ノ木るな
恋愛
ストラウド子爵家の長女・エレーゼ18歳はお父様が大好きだ。このままお父様と同じ屋敷で暮らし、いつかお父様を私が看取る、そんな将来設計があるので結婚はしたくない。だがこれでも貴族令嬢、そういうわけにもいかなくて。
ある日、仕方なく見合いに赴くことになったのだが。
見合い相手はプラチナブロンド煌めくひたすら優美な王子様、いや辺境伯の跡取り息子。
見た目も家柄もファビュラスなのに、彼は今までことごとく見合い相手に断られ、挙句エレーゼのところに話が回ってきたという訳あり物件。
この話、断る? 断られるよう仕向ける?
しかし彼は言ったのだ。「こちらの条件のんでくれたら、結婚後、自由にしていい」と。つまり、実家暮らしの妻でOKだと!
名を貸し借りする程度の結婚でいいなんて。オイシイじゃない? で、条件とは何ですの?
お父様だけがもつ“私への無限の愛”しか信じない令嬢エレーゼが、何を考えているのだかよく分からない婚約者エイリークと少しずつ絆を深めていく、日常みじみじラブストーリーです。
※第4話④⑤、最終話⑧⑨は視点を切り替えてヒーローサイドでお送りしております。
完璧な政略結婚のはずでしたが、宰相閣下の“私の妻”扱いが甘すぎます
星乃和花
恋愛
政略結婚のはずでした。
家同士の利も、立場の釣り合いも、全部きちんと整った、完璧に合理的な結婚。
……なのに、夫となった冷徹宰相は、なぜか人前で私を「最高の妻」と紹介し、暮らしを完璧に整え、他人に近づかれると不機嫌になってしまいます。
“天使”と噂される穏やかな令嬢フィオナもまた、
そんな不器用な優しさに少しずつ心をほどかれて――。
これは、条件で選ばれたはずの夫婦が、
いつの間にかお互いを“ただ一人”として欲しくなるまでの、甘くてやさしい政略結婚物語。
(毎日21:50更新ー全8話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる