女性一人読み台本

あったいちゃんbot

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花屋の願い事

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ねぇ、聞いて?
この前紫陽花(あじさい)を花束で包んで欲しいってお客さんがきてさ。そう、紫陽花。
そもそも花屋に来る男の人なんて、だいたい2つパターンに分けれるのね。一つは老紳士みたいな、花が好きな奥さんのいるお家に帰るんだろうなぁ…、日常的にお家に花があるんだろうなぁって人。
もう一つは、そのお客さんみたいに、デートの前。え?だって、そんなの。顔見たらわかるでしょう?そう。
それでさ、紫陽花ってあんまりいい花言葉じゃないしさ、その人もあんまり花に詳しくなさそうだったからやんわりと別の花を薦めたの。「プレゼントでしたらこちらの方がおすすめですよ」って。
そしたらさ、その人なんて言ったと思う?
「いいんです。紫陽花って色が変わるじゃないですか。そこが表情がコロコロ変わる彼女に似てるから」って。
あーあー。いいよね。わたしもそんな風に言ってくれる彼氏が欲しいよ。
え?…うん。そうだね。
なんか…、うまく行ってるといいなぁ…。
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