短い話

みあ

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結婚式

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パスカルに届け物をした帰り道にいい物を見つけた。キラキラ輝く服。9Sに見せようと大事に抱えて帰る。

「ウェディングドレスなんてどこで見つけたんですか?」
9Sが驚いたようにその服を見つめる。2Bには少し理解ができなかった。
「そんなに珍しい?」
9Sが大きく頷き、器用に服の破れた部分や汚れた部分を綺麗にしていく。2Bはその光景をずっと見守った。
「出来ました!」
2時間が経ってようやく元の姿を取り戻した服は汚れのない真っ白でキラキラと輝いていた。
「9Sはすごいな」
少し照れた9Sは2Bに修理したウェディングドレスを手渡そうとする。
「これは2Bが着て下さい。」
2Bは首を振って否定する。
「修理した9Sが着ればいい...」
頬を赤らめて、ウェディングドレスを突き返すと、9Sが笑っていった。
「男の子の僕には着れないから2Bが着て下さい。純白のウエディングドレスは穢れのない乙女が着るものです。」
9Sからウェディングドレスを受け取る。
「やっぱり、9Sが...」
「僕は2Bに着て欲しいです。」
真っ直ぐな9Sの視線に着ることなった。

「綺麗ですよ。あっ、ベール忘れてますよ」
「ベールは最後でいいだろう。2Bは髪が短いからどうアレンジしよう」
「司令官、9Sはアレンジしてない方が好みだと思います。」
「そうか...」
頭の上で司令官、6O、21O会話が聞こえる飛び交う。
最初は着るだけだったが、せっかくだからといろいろな人が集まり大規模なパーティとなった。
「そろそろ準備はいいか?レディ達?」
扉の外で108Sの声とざわざわとしたたくさんの声がする。
「さっ、2Bさん、ベールをつけていきましょう。」
6Oにベールをつけてもらい、司令官に手を引いてもらう。
「これからも辛いと思うが9Sを頼む」
司令官は囁いた。

軽快な音楽が流れる。人々の拍手の音が響く。めまいがしそうな人の中で9Sを探した。
「ここですよ2B...」
声した方を見ると白いS型の服を着た9S。ゆっくり待ってる場所に向かう。
ー病める時も健やかなる時もー
9Sの手を取り祭壇を登る。
ー喜びの時も悲しみの時もー
9Sと2Bは向かい合い互いの存在確かめ合う。
ー富める時も貧しい時もー
「僕は2Bのことを...」
「わかってる...私もだ...ナインズ...」
ー死が二人を別つまでー
「愛してます」
「愛してる」
純白のウエディングドレスを着て、神に愛を誓って皆に祝福される。結婚式と呼ばれたもの。今は嘘の誓いだけどいつか平和になったら...
ー病める時も健やかなる時も
    喜びの時も悲しみの時も
    富める時も貧しい時も
    死が二人を分かつまで
    ナインズを愛しますー
9Sの頬にそっとキスをした。


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