神すら喰らいしスキルと世界に抗う大罪スキル

てる

文字の大きさ
21 / 44

21:指名手配

しおりを挟む
いきなり話しかけられたアーサー・ソリッドと言う男に思ってみないことを聞かされこの世界の事を知ったセリム。


(成程な…カルラは少なくても400年は生きてんだな。ならあの強さには納得)


 一人カルラの異常とも言える強さに納得するセリム。


「カルラ・バーミリスはまだ生きているとされるが、少し前からその存在が疑われ始めてよ、悪魔と複数契約できる奴なんていないってな」


 どうやらカルラは本当はいない人物なのではと思われているらしい。セリムは場所も実在することも知っている、その所為で何と言えばいいかわからず曖昧な答えしか返せなかった。


「で、その隣に載っているのが現大罪スキル保持者だな」

「現大罪スキル保持者?」


 アーサーの言い方に違和感を覚え、質問をする。現と言う事は昔にもいたと言う事になるわけだ。その場合幾人も大罪人がいることになる。



「さぁな、俺もこれに関しちゃ詳しくは知らないんだ。ただ、こいつら保持者は俺が昔見た奴と違う事だけは分かるってだけだ」


 そう言って話を続ける。


(保持者が変わる?神敵なんて言うくらいのスキルだ。誰かに教えたからと言って習得できるものとは思えないが…まさか、受け継がれる型のスキルなのか?だがそんなスキルあるのか…)


 一人思案に耽っているセリム。自身が神敵スキル保持者だが、このスキル自体が世界でまだ確認されていないものだった所為で詳しくは知りようがないのだ、これから必ず接触があるとされる神敵スキル保持者を筆頭にし創設された組織、"グラムール"。接触される前に少しでも情報を集めておきたかった。


「おい、聞いてんのか?」

「聞いてなかった。もう一度頼む」


 どうやら思案に耽っていた所為で話を聞いていないことがアーサーには分かったらしい。そこは素直に聞いていないと答え尚且つもう一度と図々しくも頼む。


「そこまで素直に言われると…まあ、構わないさ。道端でバッタリ遭って戦いになりました。そんで死にました。じゃ笑い話しにもならねぇからな」

「そうだな、まぁ遭わないことを願いたいが」

「随分弱気だな。知ってんだぜ、さっきお前がオードたちに勝ったって事は。しかも圧勝だったらしいじゃねーか。そんな人物の発言とは思えねーな」


 どうやらオード達との一件は広まりつつあるようだ。


「まいいさ、説明を続けるぞ」


 そう言いアーサーは大罪スキル保持者について説明してくれた。現在スキル保持者として判明しているのは以下の者達だと言う。


 ・強欲スキル保持者:キルレシオ


 ・暴食スキル保持者:ミルフィー


 ・憤怒スキル保持者:ガルロ


 今現在はこの三名が分かっているとされるが容姿などがわかる者がなく、尚且つ名前も全てわかっていない為中々情報が集まらないらしい。これだけ聞けただけでも収穫は大いにあったように思える。

 礼を言いセリムはそろそろ立ち去ろうかとすると、一人の少女がこちらに向かってくるのが見えた。


「アーサー、終わったわよ」


 そう言い、アーサーに話しかける少女。汗をかいていることから何かしら動いてきた後なのだろう。訓練か、クエストか…

 そんな彼女は見た目サラサラの長い金髪に碧眼。そして何よりも特徴的なものがあった。金髪から覗くとがった耳、そうエルフだ。見た目セリムと変わらない年ーー外見年齢はーーに見える。ついセリムは見つめてしまう。


「じろじろ見ないでよっ!」



 キッ!と威嚇でもされるかのように向けられた目に
 いきなりの厳しい一言。本物のエルフなんて初めてみる存在だったのだからしょうがないだろう。だが、本人にしてみればそんなことは関係ないのである。


(なんか前にも似たようなことあったような気が…)


 そんなデジャヴ感に似たものを覚えていると


「なんだアーサー、子供二人も連れて、遠足にでも行くのか」

「るせーよ」


 アーサーが周りからからかわれ始めた。



「今日は中々有意義な時間だった。俺はここで行かせてもらう」


 そう告げ立ち去ろうとする。


「ちょっと待て。キーラ、こいつが今朝話題になってたセリムだ」


 エルフの名前はキーラと言うらしい。アーサーが名前を知っていたのに少し首をかしげたが、今朝の一件を知ってると言っていたのも思い出し一人納得する。名前を紹介されたので一応挨拶。


「セリムです。よろしく」


 手短に済ませ相手が名乗るのも待っていると


「あんたがC級パーティを倒したっていうセリムね思ったより幼いわね」


 こちらをじっと睨みつけるような敵意を持つ視線で見てくる。やめてほしいものだ。ちょっとコーフンしてしまうぞ。最近はM属性が開きそうだったのだ。これでは加速してしまう。というか日本人は皆外人に比べると幼く見えんだよ! あ、でも今日本人じゃねーや。


「なぁ、セリム。キーラと戦っちゃくれねーか?」

「は?」


 今まで傍観に徹していたアーサーがいきなり訳の分からんことを口にし、何故かキーラはやる気を見せている。アーサーが顔をこちらに近づけ小声で話しかけてくる。


「いやさ、こいつがさお前の話聞いて私だって三人同時に倒す位出来るわって言ってな。お前の事をライバル視してんだよ」


「なっ! そんな事言ってない。現実の厳しさを教えてやるって言ったのよ」


 どうやらキーラには聞こえていたらしくものすごい勢いで反発してきた。怒った瞬間、金髪がわさぁ~と広がりまるで山姥の如しだ。怒りか動揺か顔が赤い。もともと肌が白いせいで赤くなった部分が余計に目立っている。そこにアーサーはさらに油を注いだ。


「こいつ、年下の癖に自分より強いのは許せないって…」

「ア~サ~」


 キーラがアーサーに向かい殴りかかる。そんな光景を見ながら今日はなんかよく絡まれる日だなぁ~と暢気に考えていたのだった。



 そして次の日戦うことが決まった。


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

R・P・G ~転生して不死にされた俺は、最強の英雄たちと滅ぼすはずだった異世界を統治する~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の取材中、異世界の大地の女神と接触する。 そのまま半ば強制的に異世界へと転生させられた彼は、惑星そのものと同化し、“星骸の主”として不死の存在へと変貌した。 だが女神から与えられた使命は、この世界の生命を滅ぼし、星を「リセット」すること。 凛人はその命令を、拒否する。 不死であっても無敵ではない。 戦いでは英雄王に殴り倒される始末。しかし一つ選択を誤れば国が滅びる危うい存在。 それでも彼は、星を守るために戦う道を選んだ。 女神の使命を「絶対拒否」する不死者と、裏ボス級の従者たち。 これは、世界を滅ぼさず、統治することを選んだ男の英雄譚である。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

処理中です...