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雄琴
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一旦自宅に戻ると、夕方になるまでしばらくぼんやりと過ごした。どれ位の金額がいるのかさえわからなかったが、給料日後のために十万弱は入っている。午後五時位に財布の中の金を確認して、母に晩ご飯はいらないからと家を出た。
結局少し腹が減って来たので、まずは腹ごしらえの為に自宅近くのコンビニで、パンをいくつか買って琵琶湖大橋に向けて走り出しながら食べることにした。湖岸道路を走れば、琵琶湖大橋まで三十分位で行ける。琵琶湖大橋は、滋賀県の守山市と大津市に架かる1400mの橋である。乗用車以外にも自転車や徒歩でも渡ることが出来る。しかし風が強い時には、自転車で走るには体力が必要らしい。
休日とようやく暖かい日が続いていることもあり、湖岸道路は少し混んでいた。日が沈みかけた琵琶湖の湖岸には、まだカップルや子供連れが大勢残っていた。琵琶湖大橋が見えてくると、ふと、このままUターンして帰ろうかという気持ちが湧き上がってきた。
実は一年位前から、会社の同僚の山下とソープランドへ行こうと言っていたが、いつまでたっても実現しないままだった。それは、俺の方が乗り気じゃなかったからだった。理由は先に書いたように、愛した女以外とする気はなかったからだった。
帰ろうとする気持ちと、そんなことでどうする。せっかく意気込んでここまで来たんだから、目的を渡さないといけないという気持ちが出てきて、私はまたもや戸惑った。いつもなら、すぐさま帰る方を選んだだろうが、この時は違った。
『いつもお前は逃げてばっかりだ。一人で行く勇気がないから帰ろうとするだけなんだ。愛があるとかないとか、綺麗な言葉を使いたがるが、ただ行くだけの勇気がないから、そんな言葉で逃げているんだ。』いつの間にか俺は、琵琶湖大橋を渡っていた。
琵琶湖大橋を渡って、左へ曲がる。ここから2キロぐらい先には、雄琴のソープランド街がある。橋を渡り切りはしたが、俺はまだ決心が鈍ったのままだった。すぐに派手な看板が見えてきた。エレガンスとか、ジェントルマンと書かれた看板が、派手なライトを点灯させて夜の湖岸を飾っていた。俺はそのまま一旦素通りして、左に拡がるソープ街の様子を見た。
平成に入ってから、エイズ問題や暴力団の取り締まりがきつくて、雄琴も閉店する店が出てきていると噂で聞いていた。外から見た感じでは、あまり車が入っていないように見えた。時間が早いからかなと思いながら、通り過ぎた。しばらく走って横道に入り、同じ道を戻った。今度は入って行こうと、覚悟を決めながら。
しかし、ネオン街が見えだすとその気持ちが揺らぎだし、またもや素通りしてしまった。結局、雄琴前を四往復してしまった。五回目に前を通った時、ハンドルを切りようやくソープ街に入ることができた。後から知ったことだが、雄琴のソープ街はシルクロード、ゴールデンゲート、川筋通りの三つの通りで出来ていて、値段も1万円台の格安店、大衆店では2万位から、高級店では5万以上の店が入り交じり三十件ほど立ち並んでいたらしい。俺は、事前調査もせずに店も決めずに乗り込んでいった。
結局少し腹が減って来たので、まずは腹ごしらえの為に自宅近くのコンビニで、パンをいくつか買って琵琶湖大橋に向けて走り出しながら食べることにした。湖岸道路を走れば、琵琶湖大橋まで三十分位で行ける。琵琶湖大橋は、滋賀県の守山市と大津市に架かる1400mの橋である。乗用車以外にも自転車や徒歩でも渡ることが出来る。しかし風が強い時には、自転車で走るには体力が必要らしい。
休日とようやく暖かい日が続いていることもあり、湖岸道路は少し混んでいた。日が沈みかけた琵琶湖の湖岸には、まだカップルや子供連れが大勢残っていた。琵琶湖大橋が見えてくると、ふと、このままUターンして帰ろうかという気持ちが湧き上がってきた。
実は一年位前から、会社の同僚の山下とソープランドへ行こうと言っていたが、いつまでたっても実現しないままだった。それは、俺の方が乗り気じゃなかったからだった。理由は先に書いたように、愛した女以外とする気はなかったからだった。
帰ろうとする気持ちと、そんなことでどうする。せっかく意気込んでここまで来たんだから、目的を渡さないといけないという気持ちが出てきて、私はまたもや戸惑った。いつもなら、すぐさま帰る方を選んだだろうが、この時は違った。
『いつもお前は逃げてばっかりだ。一人で行く勇気がないから帰ろうとするだけなんだ。愛があるとかないとか、綺麗な言葉を使いたがるが、ただ行くだけの勇気がないから、そんな言葉で逃げているんだ。』いつの間にか俺は、琵琶湖大橋を渡っていた。
琵琶湖大橋を渡って、左へ曲がる。ここから2キロぐらい先には、雄琴のソープランド街がある。橋を渡り切りはしたが、俺はまだ決心が鈍ったのままだった。すぐに派手な看板が見えてきた。エレガンスとか、ジェントルマンと書かれた看板が、派手なライトを点灯させて夜の湖岸を飾っていた。俺はそのまま一旦素通りして、左に拡がるソープ街の様子を見た。
平成に入ってから、エイズ問題や暴力団の取り締まりがきつくて、雄琴も閉店する店が出てきていると噂で聞いていた。外から見た感じでは、あまり車が入っていないように見えた。時間が早いからかなと思いながら、通り過ぎた。しばらく走って横道に入り、同じ道を戻った。今度は入って行こうと、覚悟を決めながら。
しかし、ネオン街が見えだすとその気持ちが揺らぎだし、またもや素通りしてしまった。結局、雄琴前を四往復してしまった。五回目に前を通った時、ハンドルを切りようやくソープ街に入ることができた。後から知ったことだが、雄琴のソープ街はシルクロード、ゴールデンゲート、川筋通りの三つの通りで出来ていて、値段も1万円台の格安店、大衆店では2万位から、高級店では5万以上の店が入り交じり三十件ほど立ち並んでいたらしい。俺は、事前調査もせずに店も決めずに乗り込んでいった。
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