13 / 39
第13章|未亡人エリザ
しおりを挟む
王宮の午前は、いつも少しだけ冷たい。
大理石の廊下は陽が差しても温まりにくく、天井の高い空間が言葉を薄く伸ばす。
——噂も、同じように薄く伸びていく。
リリアーヌは、侍女長ヴィオラと共に回廊を歩いていた。
手には、王宮への提出書類。封蝋はまだ温かい。
歩幅は一定。視線はまっすぐ。微笑は控えめ。
これが“崩れないための形”。
昨夜、ガブリエルが置いていった薬草茶の包みは、机の端にまだある。
飲んでいない。
けれど捨ててもいない。
その事実が、自分の心を微かに揺らす。
「お嬢様。お足元に」
「ありがとう」
ヴィオラの声は静かで、しかし注意深い。
王宮の廊下では、床よりも“視線”につまずく。
角を曲がったその先で、空気が変わった。
人の気配が濃い。
低い声が交わされ、紙束が擦れる音がする。
政務の場の匂い——墨、蝋、乾いた革。
そこに、アレクシスがいた。
黒の外套に銀の留め具。
いつもの“仕事の顔”。
背筋はまっすぐで、言葉は短く、無駄がない。
その姿を見るだけで、胸の奥が条件反射のように熱くなる。
熱くなるのが、腹立たしい。
——見ない。
見ないのに、目が勝手に拾う。
彼の前に、女性が立っていた。
黒の喪服。
飾りのないベール。
白い首元が細く、手は震えを隠すように握りしめられている。
まだ若い未亡人だ。
涙の跡が頬に薄く残り、唇は青白い。
その背後に、幼い子供が二人。
小さな手が母のスカートを掴んでいる。
目だけが大きく、不安そうに大人たちを見上げていた。
——エリザ。
名前が胸の中で立ち上がった。
社交界で、近頃ささやかれていた名だ。
“亡き侯爵の若い未亡人”
“領地の後見”
“公爵が動いている案件”
リリアーヌは歩みを止めなかった。
止めたら、見ているとばれる。
見ているとばれたら、胸が裂ける。
ヴィオラが一瞬、リリアーヌの横顔を見た。
止めない。
止めないのが、彼女の支え方だ。
しかし、言葉は耳に入ってくる。
王宮の回廊は音がよく通る。
通りすぎるだけで、必要なものだけが刺さる。
「……後見の件は、私が引き受ける」
アレクシスの声。
低くて、揺れない。
“決定”の声。
未亡人の肩がわずかに震えた。
驚いたのか、救われたのか、分からない。
「で、ですが……公爵閣下。私は、そんな——」
「領地の管理は急を要する。遺児の教育も。放置すれば、彼らが食い物にされる」
正しい。
正しい言葉は、正しいまま人を縛る。
正しいまま、人を救う。
リリアーヌの胸が、苦しくなる。
救う。
彼は誰かを救う。
そして私は、救われない。
未亡人が、かすれた声で言った。
「……ありがとうございます。私ひとりでは、どうにも……」
その言葉の“弱さ”が、リリアーヌの胸を刺した。
弱いと言える人は、助けを呼べる。
私は、弱いと言えない。
だから、助けを呼べない。
アレクシスは短く言った。
「泣くな。君が崩れれば、子供が怯える」
冷たい言い方に聞こえるのに、内容は優しい。
そういう人だ。
優しいのに、温かい言葉を使わない。
リリアーヌの足取りが、一瞬だけ乱れそうになった。
自分の足元を見て、どうにか整える。
——彼には、好きな人がいる。片想いだ。
名前は出なかった。
でも今、この回廊で、目の前の未亡人に向けられる“動き”がある。
後見。支援。守る。救う。
それが、恋ではないと断言できる理由を、私は持っていない。
リリアーヌの胸の中で、冷たい結論が形になる。
あの人が片想いしている相手は——エリザ様だ。
決めつけ。
それが分かっているのに、止められない。
決めつけないと、私は揺れてしまう。
揺れたら、崩れる。
ふと、子供の一人がこちらを見た。
大きな瞳が、リリアーヌの淡いドレスを映す。
その視線に、リリアーヌは微笑みを返した。
微笑みは自然に出た。
子供には、罪がないから。
未亡人エリザが、視線の先に気づいたのだろう。
こちらを見て、一瞬息を呑んだ。
喪服の下の肩がすっと引ける。
——ああ。
彼女は私を知っている。
私が、誰の何であるかを。
リリアーヌは礼をするべきか迷い、迷った瞬間に、アレクシスの視線がこちらへ向いた。
森色の瞳が、まっすぐに刺さる。
その目に、説明がない。
言葉もない。
ただ、見ている。
リリアーヌは、微笑を整えた。
薄く。薄く。
“何も感じていません”という形に。
「公爵様。お忙しそうですわね」
言ってしまった。
自分から声をかけたくなかったのに。
でも、このまま通り過ぎると、逃げたみたいになる。
逃げたくない。
——逃げたいのに。
アレクシスは、一拍置いて答えた。
「政務だ」
それだけ。
またそれだけ。
未亡人が小さく頭を下げる。
「……ヴァルモン公爵令嬢様。ご機嫌麗しゅう」
礼儀は完璧で、だからこそ痛い。
“私は、あなたの位置を奪いません”と示す礼。
示されるほど、奪われている気がする。
「ご機嫌よう、エリザ様」
リリアーヌは同じだけ丁寧に返した。
丁寧さは盾。
盾の内側で、心臓が冷える。
アレクシスが言う。
「……書類は、ユリウスに渡せ。後で確認する」
命令。
仕事の口調。
私に向ける言葉は、いつもこの温度だ。
「承知いたしました」
リリアーヌは頷き、ヴィオラへ書類を渡した。
ヴィオラは無言で一礼し、状況を理解したように一歩引く。
アレクシスは、未亡人に向き直った。
「子供を連れて、別室へ。温かいものを用意させる」
温かいもの。
その言葉が、なぜ私には向かないのだろう。
私だって、温かいものが欲しいのに。
リリアーヌの指先が、手袋の中で冷たくなる。
血が引くような冷たさ。
——片想いの相手。
——支援。後見。外套。
——守る。
これ以上見ていたら、私の心が壊れる。
「失礼いたしますわ」
リリアーヌは微笑んだまま告げ、歩き出した。
歩幅は一定。姿勢は崩さない。
崩したら、ここで泣いてしまう。
背中に、視線が刺さる。
アレクシスの視線か、未亡人の視線か、分からない。
分からないほうがいい。
角を曲がった瞬間、リリアーヌは胸の奥で小さく息を吐いた。
吐いた息が震えるのを、ヴィオラが見逃さない。
「お嬢様……」
「大丈夫よ」
言葉が、機械みたいに出た。
大丈夫じゃないのに。
リリアーヌは歩きながら、心の中で決めた。
決めてしまった。
片想いの相手は、あの人だ。
だから私は、立ち位置を変える。
公爵の幸せを邪魔しない。
その決意が、胸を冷たく固めていく。
固めないと、砕けてしまうから。
大理石の廊下は陽が差しても温まりにくく、天井の高い空間が言葉を薄く伸ばす。
——噂も、同じように薄く伸びていく。
リリアーヌは、侍女長ヴィオラと共に回廊を歩いていた。
手には、王宮への提出書類。封蝋はまだ温かい。
歩幅は一定。視線はまっすぐ。微笑は控えめ。
これが“崩れないための形”。
昨夜、ガブリエルが置いていった薬草茶の包みは、机の端にまだある。
飲んでいない。
けれど捨ててもいない。
その事実が、自分の心を微かに揺らす。
「お嬢様。お足元に」
「ありがとう」
ヴィオラの声は静かで、しかし注意深い。
王宮の廊下では、床よりも“視線”につまずく。
角を曲がったその先で、空気が変わった。
人の気配が濃い。
低い声が交わされ、紙束が擦れる音がする。
政務の場の匂い——墨、蝋、乾いた革。
そこに、アレクシスがいた。
黒の外套に銀の留め具。
いつもの“仕事の顔”。
背筋はまっすぐで、言葉は短く、無駄がない。
その姿を見るだけで、胸の奥が条件反射のように熱くなる。
熱くなるのが、腹立たしい。
——見ない。
見ないのに、目が勝手に拾う。
彼の前に、女性が立っていた。
黒の喪服。
飾りのないベール。
白い首元が細く、手は震えを隠すように握りしめられている。
まだ若い未亡人だ。
涙の跡が頬に薄く残り、唇は青白い。
その背後に、幼い子供が二人。
小さな手が母のスカートを掴んでいる。
目だけが大きく、不安そうに大人たちを見上げていた。
——エリザ。
名前が胸の中で立ち上がった。
社交界で、近頃ささやかれていた名だ。
“亡き侯爵の若い未亡人”
“領地の後見”
“公爵が動いている案件”
リリアーヌは歩みを止めなかった。
止めたら、見ているとばれる。
見ているとばれたら、胸が裂ける。
ヴィオラが一瞬、リリアーヌの横顔を見た。
止めない。
止めないのが、彼女の支え方だ。
しかし、言葉は耳に入ってくる。
王宮の回廊は音がよく通る。
通りすぎるだけで、必要なものだけが刺さる。
「……後見の件は、私が引き受ける」
アレクシスの声。
低くて、揺れない。
“決定”の声。
未亡人の肩がわずかに震えた。
驚いたのか、救われたのか、分からない。
「で、ですが……公爵閣下。私は、そんな——」
「領地の管理は急を要する。遺児の教育も。放置すれば、彼らが食い物にされる」
正しい。
正しい言葉は、正しいまま人を縛る。
正しいまま、人を救う。
リリアーヌの胸が、苦しくなる。
救う。
彼は誰かを救う。
そして私は、救われない。
未亡人が、かすれた声で言った。
「……ありがとうございます。私ひとりでは、どうにも……」
その言葉の“弱さ”が、リリアーヌの胸を刺した。
弱いと言える人は、助けを呼べる。
私は、弱いと言えない。
だから、助けを呼べない。
アレクシスは短く言った。
「泣くな。君が崩れれば、子供が怯える」
冷たい言い方に聞こえるのに、内容は優しい。
そういう人だ。
優しいのに、温かい言葉を使わない。
リリアーヌの足取りが、一瞬だけ乱れそうになった。
自分の足元を見て、どうにか整える。
——彼には、好きな人がいる。片想いだ。
名前は出なかった。
でも今、この回廊で、目の前の未亡人に向けられる“動き”がある。
後見。支援。守る。救う。
それが、恋ではないと断言できる理由を、私は持っていない。
リリアーヌの胸の中で、冷たい結論が形になる。
あの人が片想いしている相手は——エリザ様だ。
決めつけ。
それが分かっているのに、止められない。
決めつけないと、私は揺れてしまう。
揺れたら、崩れる。
ふと、子供の一人がこちらを見た。
大きな瞳が、リリアーヌの淡いドレスを映す。
その視線に、リリアーヌは微笑みを返した。
微笑みは自然に出た。
子供には、罪がないから。
未亡人エリザが、視線の先に気づいたのだろう。
こちらを見て、一瞬息を呑んだ。
喪服の下の肩がすっと引ける。
——ああ。
彼女は私を知っている。
私が、誰の何であるかを。
リリアーヌは礼をするべきか迷い、迷った瞬間に、アレクシスの視線がこちらへ向いた。
森色の瞳が、まっすぐに刺さる。
その目に、説明がない。
言葉もない。
ただ、見ている。
リリアーヌは、微笑を整えた。
薄く。薄く。
“何も感じていません”という形に。
「公爵様。お忙しそうですわね」
言ってしまった。
自分から声をかけたくなかったのに。
でも、このまま通り過ぎると、逃げたみたいになる。
逃げたくない。
——逃げたいのに。
アレクシスは、一拍置いて答えた。
「政務だ」
それだけ。
またそれだけ。
未亡人が小さく頭を下げる。
「……ヴァルモン公爵令嬢様。ご機嫌麗しゅう」
礼儀は完璧で、だからこそ痛い。
“私は、あなたの位置を奪いません”と示す礼。
示されるほど、奪われている気がする。
「ご機嫌よう、エリザ様」
リリアーヌは同じだけ丁寧に返した。
丁寧さは盾。
盾の内側で、心臓が冷える。
アレクシスが言う。
「……書類は、ユリウスに渡せ。後で確認する」
命令。
仕事の口調。
私に向ける言葉は、いつもこの温度だ。
「承知いたしました」
リリアーヌは頷き、ヴィオラへ書類を渡した。
ヴィオラは無言で一礼し、状況を理解したように一歩引く。
アレクシスは、未亡人に向き直った。
「子供を連れて、別室へ。温かいものを用意させる」
温かいもの。
その言葉が、なぜ私には向かないのだろう。
私だって、温かいものが欲しいのに。
リリアーヌの指先が、手袋の中で冷たくなる。
血が引くような冷たさ。
——片想いの相手。
——支援。後見。外套。
——守る。
これ以上見ていたら、私の心が壊れる。
「失礼いたしますわ」
リリアーヌは微笑んだまま告げ、歩き出した。
歩幅は一定。姿勢は崩さない。
崩したら、ここで泣いてしまう。
背中に、視線が刺さる。
アレクシスの視線か、未亡人の視線か、分からない。
分からないほうがいい。
角を曲がった瞬間、リリアーヌは胸の奥で小さく息を吐いた。
吐いた息が震えるのを、ヴィオラが見逃さない。
「お嬢様……」
「大丈夫よ」
言葉が、機械みたいに出た。
大丈夫じゃないのに。
リリアーヌは歩きながら、心の中で決めた。
決めてしまった。
片想いの相手は、あの人だ。
だから私は、立ち位置を変える。
公爵の幸せを邪魔しない。
その決意が、胸を冷たく固めていく。
固めないと、砕けてしまうから。
379
あなたにおすすめの小説
王太子殿下との思い出は、泡雪のように消えていく
木風
恋愛
王太子殿下の生誕を祝う夜会。
侯爵令嬢にとって、それは一生に一度の夢。
震える手で差し出された御手を取り、ほんの数分だけ踊った奇跡。
二度目に誘われたとき、心は淡い期待に揺れる。
けれど、その瞳は一度も自分を映さなかった。
殿下の視線の先にいるのは誰よりも美しい、公爵令嬢。
「ご一緒いただき感謝します。この後も楽しんで」
優しくも残酷なその言葉に、胸の奥で夢が泡雪のように消えていくのを感じた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」「エブリスタ」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎泡雪 / 木風 雪乃
[完結]「私が婚約者だったはずなのに」愛する人が別の人と婚約するとしたら〜恋する二人を切り裂く政略結婚の行方は〜
h.h
恋愛
王子グレンの婚約者候補であったはずのルーラ。互いに想いあう二人だったが、政略結婚によりグレンは隣国の王女と結婚することになる。そしてルーラもまた別の人と婚約することに……。「将来僕のお嫁さんになって」そんな約束を記憶の奥にしまいこんで、二人は国のために自らの心を犠牲にしようとしていた。ある日、隣国の王女に関する重大な秘密を知ってしまったルーラは、一人真実を解明するために動き出す。「国のためと言いながら、本当はグレン様を取られたくなだけなのかもしれないの」「国のためと言いながら、彼女を俺のものにしたくて抗っているみたいだ」
二人は再び手を取り合うことができるのか……。
全23話で完結(すでに完結済みで投稿しています)
誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜
山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、
幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。
父に褒められたことは一度もなく、
婚約者には「君に愛情などない」と言われ、
社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。
——ある夜。
唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。
心が折れかけていたその時、
父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが
淡々と告げた。
「エルナ様、家を出ましょう。
あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」
突然の“駆け落ち”に見える提案。
だがその実態は——
『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。
期間は一年、互いに干渉しないこと』
はずだった。
しかし共に暮らし始めてすぐ、
レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。
「……触れていいですか」
「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」
「あなたを愛さないなど、できるはずがない」
彼の優しさは偽りか、それとも——。
一年後、契約の終わりが迫る頃、
エルナの前に姿を見せたのは
かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。
「戻ってきてくれ。
本当に愛していたのは……君だ」
愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。
「あなたは強いから大丈夫よね」、無自覚に人生を奪う姉
恋せよ恋
恋愛
「セリーヌは強いから、一人でも大丈夫よね?」
婚約破棄され「可哀想なヒロイン」となった姉カトリーヌ。
無自覚で優しい姉を気遣う両親と『私の』婚約者クロード。
私の世界は反転した。
十歳から五年間、努力で守ってきた「次期後継者」の座も。
自分に誂えた「ドレス」も……。「婚約者」さえも……。
両親は微笑んで言う。
「姉様が傷ついているの強いお前が譲ってあげなさい」と。
泣いて縋れば誰かが助けてくれると思っているお姉様。
あとはお一人で頑張ってくださいませ。
私は、私を必要としてくれる場所へ――。
家族と婚約者を見限った、妹・セリーヌの物語。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と私を嫌う夫に言われましたので、素直に従った結果……
ぽんた
恋愛
「おれがおまえの姉ディアーヌといい仲だということは知っているよな?ディアーヌの離縁の決着がついた。だからやっと、彼女を妻に迎えられる。というわけで、おまえはもう用済みだ。そうだな。どうせだから、異母弟のところに行くといい。もともと、あいつはディアーヌと結婚するはずだったんだ。妹のおまえでもかまわないだろう」
この日、リン・オリヴィエは夫であるバロワン王国の第一王子マリユス・ノディエに告げられた。
選択肢のないリンは、「ひきこもり王子」と名高いクロード・ノディエのいる辺境の地へ向かう。
そこで彼女が会ったのは、噂の「ひきこもり王子」とはまったく違う気性が荒く傲慢な将軍だった。
クロードは、幼少の頃から自分や弟を守る為に「ひきこもり王子」を演じていたのである。その彼は、以前リンの姉ディアーヌに手痛い目にあったことがあった。その為、人間不信、とくに女性を敵視している。彼は、ディアーヌの妹であるリンを憎み、侍女扱いする。
しかし、あることがきっかけで二人の距離が急激に狭まる。が、それも束の間、王都が隣国のスパイの工作により、壊滅状態になっているいう報が入る。しかも、そのスパイの正体は、リンの知る人だった。
※全三十九話。ハッピーエンドっぽく完結します。ゆるゆる設定です。ご容赦ください。
忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。
「君は地味な裏方だ」と愛人を優遇するサイコパス気質の夫。〜私が去った後、商会の技術が全て私の手によるものだと気づいても、もう手遅れです〜
水上
恋愛
「君は地味だから裏方に徹しろ」
効率主義のサイコパス気質な夫は、妻であるクララの磨いた硝子を愛人の手柄にし、クララを工房に幽閉した。
彼女は感情を捨て、機械のように振る舞う。
だが、クララの成果を奪い取り、夫が愛人を壇上に上げた夜、クララの心は完全に凍りついた。
彼に残した書き置きは一通のみ。
クララが去った後、商会の製品はただの石ころに戻り、夫の計算は音を立てて狂い始める。
これは、深い絶望と、遅すぎた後悔の物語。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる