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第44章|守ったのに届かない
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――守るのが遅いと、守りは“演出”に見える。
――届かないのは、手じゃない。時間だ。
祝賀の夜。
王宮の大広間は、光で満ちていた。
シャンデリアの火が宝石のように瞬き、磨かれた床がその光を二倍に返す。
音楽は甘く、笑い声は高く、香水は薄い霧のように漂う。
——ここは“公の場”。
ここでは誰も泣かない。泣くなら物語ができる。
ここでは誰も怒らない。怒るなら悪役になる。
ここでは誰も弱くならない。弱い者は、飲み込まれる。
リディアは大広間の端から端へ、ゆっくり視線を巡らせた。
プラチナブロンドの髪は、灯りを受けて白金の線になる。
ドレスは王太子妃にふさわしい色と重み。
胸元の宝飾は控えめだが、控えめだからこそ品格が際立つ。
そしてその品格が——いまの彼女を守り、同時に孤独にした。
“私は王太子妃です”
その事実だけで立っていられる。
けれど、事実だけで温度は戻らない。
隣に立つべき黒髪の男が、少し遅れて入ってくる。
アーヴィン。王太子。
彼の礼装の黒は、華やかな広間の中で不自然に引き締まって見えた。
表情も引き締まっている。
——守る、と決めた者の顔。
けれどその決意が、遅れてきたことを彼自身が知っている顔。
リディアは彼を見ない。
見ないという行為が、最も強い拒絶になる。
拒絶は怒りではない。
ただ、もう心を差し出さないだけ。
女官長リュクレースが小さく合図し、導線が整えられる。
人が自然に道を空けていく。
“妃案件は王妃管轄”——通達の力は早い。
しかし空気の癖は、もっとしぶとい。
視線が集まる。
集まる視線の中には、敬意もある。
けれど、好奇も混じっている。
——夫婦は、どうなる?
——妃は、許す?
——王太子は、どちらの味方?
噂は言葉よりも視線で生まれる。
そして、その視線の集まる場所へ——ミレーユが現れた。
黒髪は艶やかに巻かれ、淡い色のドレスが“可憐”を強調する。
可憐は武器だ。
可憐は守りたくなる。
守りたくなる感情は、王宮では一番扱いやすい。
ミレーユが、わずかに迷うように立ち止まった。
迷いに見せて、距離を詰める。
そして彼女は、規定の“外”に足を踏み出す。
「殿下……」
声が小さい。
小さいほど、聞きに行きたくなる。
聞きに行くと、越境になる。
アーヴィンが動いた。
動きが、早い。
これまでよりずっと早い。
——けれど、早い動きほど“用意していた”に見える。
彼はミレーユの前に、半歩出た。
半歩。
それは近衛が守る距離ではなく、夫が守る距離だ。
誰のために前に出たのかが、広間全体に見えてしまう距離。
「伯爵令嬢。そこまでだ」
言葉は硬い。
硬いのは、公の言葉だから。
公の言葉に、私情を混ぜると崩れる。
ミレーユが目を見開く。
そして、泣く。
泣ける者は強い。
泣けば空気が動くから。
「わたくし……ただ……謝罪を……」
謝罪。
そう言いながら、彼女の視線はアーヴィンの腕に絡みつこうとする。
絡めば“近い”という証拠になる。
証拠になれば、また物語ができる。
アーヴィンは、迷わず距離を取った。
そして、言った。
かつて“場”の言葉に逃げていた男が、逃げずに言う。
「許可なき接近は禁ず」
同じ言葉。
けれど今回の言葉は、逃げではない。
線引きだ。
妃の席を守る線。
妃の呼吸を守る線。
——それでも。
広間がざわつく。
ざわつきは、称賛ではない。
疑いだ。
“今さら?”
“演出?”
“王妃に言われたから?”
“妃が倒れそうだから、体面を整えたいだけ?”
空気は残酷に正直だ。
遅れてきた正しさを、正しさとして受け取らない。
リディアは、微笑みを崩さない。
崩さないほど、冷たい。
冷たいほど、妃は“強い”とされる。
強い者は、守られなくていいとされる。
——違う。
強いふりをしているだけ。
強くなければ、壊れるだけ。
アーヴィンは、視線だけでリディアを探した。
探して、言葉を飲み込む。
彼女は彼を見ない。
見ないことが、彼の胸を締めつける。
司会役が声を上げ、音楽が再び流れ始める。
場が、無理やり“正常”へ戻される。
正常という名の、隠蔽。
穏便という名の、鎖。
アーヴィンは、リディアの前に椅子を引いた。
その動作は丁寧で、真面目で、懺悔に近いほど慎重だ。
「……座ってくれ」
優しい言い方を選んだつもりだろう。
けれど彼の声には、まだ“許してほしい”が混じる。
許してほしい、と言えない男が、動作で言っている。
リディアは、その椅子の前へ歩いた。
歩みは完璧。
ドレスの裾が床を撫でる音まで整っている。
彼女は腰を下ろす。
座る。
形としては、夫婦の席が整う。
——空席ではない。
けれど、隣が空いている。
椅子に座るのは身体だけ。
心は、そこに座らない。
アーヴィンは隣に腰を下ろし、初めて分かる。
距離があるのではない。
“届いていない”のだ、と。
彼は小さく囁いた。
「……リディア。今夜は——」
今夜は、何。
穏便に?
争うな?
また“場”の言葉を言うつもりか?
リディアは微笑みを少し深くし、視線を前に固定したまま言った。
声は柔らかい。
柔らかいほど、折れない。
「殿下。ご安心くださいませ。
わたくしは、王太子妃としてここにおります」
“妻として”ではない。
“王太子妃として”。
言い換えは、刃だ。
刃を丁寧な声で包んで渡す。
アーヴィンの喉が小さく動く。
飲み込んだ言葉が、痛みになって残る。
そのとき、リディアの視界がふっと白くなった。
シャンデリアの光が、急に近づいた気がする。
床が、わずかに傾く。
——眩暈。
膝がほんの少し、揺れた。
完璧な礼を崩さないように固めていた身体が、裏切る。
リディアは息を止めた。
止めたまま微笑む。
微笑みが、彼女の最後の盾になる。
「……」
誰も気づかない。
気づかないように、彼女が隠したから。
隠せてしまうから、誰も守れない。
しかし一人だけ、気づいた。
宮廷医クラウス。
彼は広間の端、薬草の香りを微かに纏ったまま、視線を鋭く細めた。
“妃の呼吸”が乱れた瞬間を、見逃さなかった。
クラウスは動こうとした。
だが動けば、また物語ができる。
“妃は弱い”の物語が完成する。
だから彼は、動けない。
医師としての焦りが、政治の鎖に絡め取られる。
アーヴィンは気づかない。
隣にいるのに、気づかない。
気づくには、彼はまだ“場”を見すぎている。
音楽が続く。
踊る者たちが回る。
笑う者たちが笑う。
そして、その背後で噂が完成していく。
——王太子は今さら守るふり。
——妃は冷たい。
——伯爵令嬢が可哀想。
——殿下は、どちらが本当は好きなの?
リディアの耳に、直接は入らない。
入らないように、皆が上品に囁くから。
上品な囁きほど、逃げ道がない。
リディアは、笑みを保ったまま思う。
——守られても、心は戻らない。
——戻る場所が、もう壊れてしまったから。
アーヴィンは隣で、拳を膝の上で握りしめた。
守った。
止めた。
線を引いた。
それでも——何一つ、彼女の温度に触れられない。
守るのが遅いと、守りは償いに見える。
償いは、温度にならない。
温度にならないものは、心を溶かせない。
クラウスが、視線だけで近衛ルシアンへ合図を送った。
合図は小さい。
けれど意味は大きい。
——妃殿下が危ない。
ルシアンの表情がわずかに変わる。
そして彼は、アーヴィンの背にある“遅さ”を初めて憎む。
その夜、王宮は何事もなかったように笑い、踊る。
何事もなかったように終える。
そして何事もなかったように——噂だけを持ち帰る。
リディアは退室しない。
消えない。
崩れない。
ただ、隣へ心を置かないまま、完璧に終える。
アーヴィンは、その完璧さが一番怖いことを、まだ知らない。
――届かないのは、手じゃない。時間だ。
祝賀の夜。
王宮の大広間は、光で満ちていた。
シャンデリアの火が宝石のように瞬き、磨かれた床がその光を二倍に返す。
音楽は甘く、笑い声は高く、香水は薄い霧のように漂う。
——ここは“公の場”。
ここでは誰も泣かない。泣くなら物語ができる。
ここでは誰も怒らない。怒るなら悪役になる。
ここでは誰も弱くならない。弱い者は、飲み込まれる。
リディアは大広間の端から端へ、ゆっくり視線を巡らせた。
プラチナブロンドの髪は、灯りを受けて白金の線になる。
ドレスは王太子妃にふさわしい色と重み。
胸元の宝飾は控えめだが、控えめだからこそ品格が際立つ。
そしてその品格が——いまの彼女を守り、同時に孤独にした。
“私は王太子妃です”
その事実だけで立っていられる。
けれど、事実だけで温度は戻らない。
隣に立つべき黒髪の男が、少し遅れて入ってくる。
アーヴィン。王太子。
彼の礼装の黒は、華やかな広間の中で不自然に引き締まって見えた。
表情も引き締まっている。
——守る、と決めた者の顔。
けれどその決意が、遅れてきたことを彼自身が知っている顔。
リディアは彼を見ない。
見ないという行為が、最も強い拒絶になる。
拒絶は怒りではない。
ただ、もう心を差し出さないだけ。
女官長リュクレースが小さく合図し、導線が整えられる。
人が自然に道を空けていく。
“妃案件は王妃管轄”——通達の力は早い。
しかし空気の癖は、もっとしぶとい。
視線が集まる。
集まる視線の中には、敬意もある。
けれど、好奇も混じっている。
——夫婦は、どうなる?
——妃は、許す?
——王太子は、どちらの味方?
噂は言葉よりも視線で生まれる。
そして、その視線の集まる場所へ——ミレーユが現れた。
黒髪は艶やかに巻かれ、淡い色のドレスが“可憐”を強調する。
可憐は武器だ。
可憐は守りたくなる。
守りたくなる感情は、王宮では一番扱いやすい。
ミレーユが、わずかに迷うように立ち止まった。
迷いに見せて、距離を詰める。
そして彼女は、規定の“外”に足を踏み出す。
「殿下……」
声が小さい。
小さいほど、聞きに行きたくなる。
聞きに行くと、越境になる。
アーヴィンが動いた。
動きが、早い。
これまでよりずっと早い。
——けれど、早い動きほど“用意していた”に見える。
彼はミレーユの前に、半歩出た。
半歩。
それは近衛が守る距離ではなく、夫が守る距離だ。
誰のために前に出たのかが、広間全体に見えてしまう距離。
「伯爵令嬢。そこまでだ」
言葉は硬い。
硬いのは、公の言葉だから。
公の言葉に、私情を混ぜると崩れる。
ミレーユが目を見開く。
そして、泣く。
泣ける者は強い。
泣けば空気が動くから。
「わたくし……ただ……謝罪を……」
謝罪。
そう言いながら、彼女の視線はアーヴィンの腕に絡みつこうとする。
絡めば“近い”という証拠になる。
証拠になれば、また物語ができる。
アーヴィンは、迷わず距離を取った。
そして、言った。
かつて“場”の言葉に逃げていた男が、逃げずに言う。
「許可なき接近は禁ず」
同じ言葉。
けれど今回の言葉は、逃げではない。
線引きだ。
妃の席を守る線。
妃の呼吸を守る線。
——それでも。
広間がざわつく。
ざわつきは、称賛ではない。
疑いだ。
“今さら?”
“演出?”
“王妃に言われたから?”
“妃が倒れそうだから、体面を整えたいだけ?”
空気は残酷に正直だ。
遅れてきた正しさを、正しさとして受け取らない。
リディアは、微笑みを崩さない。
崩さないほど、冷たい。
冷たいほど、妃は“強い”とされる。
強い者は、守られなくていいとされる。
——違う。
強いふりをしているだけ。
強くなければ、壊れるだけ。
アーヴィンは、視線だけでリディアを探した。
探して、言葉を飲み込む。
彼女は彼を見ない。
見ないことが、彼の胸を締めつける。
司会役が声を上げ、音楽が再び流れ始める。
場が、無理やり“正常”へ戻される。
正常という名の、隠蔽。
穏便という名の、鎖。
アーヴィンは、リディアの前に椅子を引いた。
その動作は丁寧で、真面目で、懺悔に近いほど慎重だ。
「……座ってくれ」
優しい言い方を選んだつもりだろう。
けれど彼の声には、まだ“許してほしい”が混じる。
許してほしい、と言えない男が、動作で言っている。
リディアは、その椅子の前へ歩いた。
歩みは完璧。
ドレスの裾が床を撫でる音まで整っている。
彼女は腰を下ろす。
座る。
形としては、夫婦の席が整う。
——空席ではない。
けれど、隣が空いている。
椅子に座るのは身体だけ。
心は、そこに座らない。
アーヴィンは隣に腰を下ろし、初めて分かる。
距離があるのではない。
“届いていない”のだ、と。
彼は小さく囁いた。
「……リディア。今夜は——」
今夜は、何。
穏便に?
争うな?
また“場”の言葉を言うつもりか?
リディアは微笑みを少し深くし、視線を前に固定したまま言った。
声は柔らかい。
柔らかいほど、折れない。
「殿下。ご安心くださいませ。
わたくしは、王太子妃としてここにおります」
“妻として”ではない。
“王太子妃として”。
言い換えは、刃だ。
刃を丁寧な声で包んで渡す。
アーヴィンの喉が小さく動く。
飲み込んだ言葉が、痛みになって残る。
そのとき、リディアの視界がふっと白くなった。
シャンデリアの光が、急に近づいた気がする。
床が、わずかに傾く。
——眩暈。
膝がほんの少し、揺れた。
完璧な礼を崩さないように固めていた身体が、裏切る。
リディアは息を止めた。
止めたまま微笑む。
微笑みが、彼女の最後の盾になる。
「……」
誰も気づかない。
気づかないように、彼女が隠したから。
隠せてしまうから、誰も守れない。
しかし一人だけ、気づいた。
宮廷医クラウス。
彼は広間の端、薬草の香りを微かに纏ったまま、視線を鋭く細めた。
“妃の呼吸”が乱れた瞬間を、見逃さなかった。
クラウスは動こうとした。
だが動けば、また物語ができる。
“妃は弱い”の物語が完成する。
だから彼は、動けない。
医師としての焦りが、政治の鎖に絡め取られる。
アーヴィンは気づかない。
隣にいるのに、気づかない。
気づくには、彼はまだ“場”を見すぎている。
音楽が続く。
踊る者たちが回る。
笑う者たちが笑う。
そして、その背後で噂が完成していく。
——王太子は今さら守るふり。
——妃は冷たい。
——伯爵令嬢が可哀想。
——殿下は、どちらが本当は好きなの?
リディアの耳に、直接は入らない。
入らないように、皆が上品に囁くから。
上品な囁きほど、逃げ道がない。
リディアは、笑みを保ったまま思う。
——守られても、心は戻らない。
——戻る場所が、もう壊れてしまったから。
アーヴィンは隣で、拳を膝の上で握りしめた。
守った。
止めた。
線を引いた。
それでも——何一つ、彼女の温度に触れられない。
守るのが遅いと、守りは償いに見える。
償いは、温度にならない。
温度にならないものは、心を溶かせない。
クラウスが、視線だけで近衛ルシアンへ合図を送った。
合図は小さい。
けれど意味は大きい。
——妃殿下が危ない。
ルシアンの表情がわずかに変わる。
そして彼は、アーヴィンの背にある“遅さ”を初めて憎む。
その夜、王宮は何事もなかったように笑い、踊る。
何事もなかったように終える。
そして何事もなかったように——噂だけを持ち帰る。
リディアは退室しない。
消えない。
崩れない。
ただ、隣へ心を置かないまま、完璧に終える。
アーヴィンは、その完璧さが一番怖いことを、まだ知らない。
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