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第六章「親友マリアンヌの喝」
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朝の光が、カフェの窓ガラスを透けて差し込んでいた。
王都の目抜き通りに面した小さなカフェは、貴族の令嬢たちが密かに好む隠れ家のような場所だった。天井が低く、丸テーブルが窓際に並び、焼きたてのタルトの甘い香りが店内に満ちている。給仕の少女たちが慣れた手つきでカップを運び、窓の外では朝の人通りが賑やかに流れていく。
エリアーナは、向かいの席を見た。
マリアンヌ・ホワイトが、頬杖をついてエリアーナを見ていた。
赤みがかったブラウンのショートボブが、朝の光を受けて艶やかに輝いている。明るいグリーンの瞳が、まっすぐに——いや、どこか探るように——エリアーナを見つめていた。
「で?」
開口一番、マリアンヌが言った。
「昨日、何かあったでしょ」
エリアーナは、カップを傾けかけた手を止めた。
「……おはよう、マリアンヌ」
「おはよう。で、何があったの」
「何もなかったわよ」
「嘘」
間髪入れず、言い切られた。
「今日のエリィ、歩き方が違う」
「……歩き方?」
「なんていうか——ふわふわしてる」
マリアンヌが、ずいっと身を乗り出してきた。
グリーンの瞳が、好奇心でキラキラしている。
「ねえ、公爵様と何かあった?」
エリアーナは、カップをそっとソーサーに置いた。
窓の外を見た。朝の街並みが流れている。馬車が通り、花売りの少女が声を上げ、パン屋の主人が店先に看板を出している。
普通の朝だ。
でも昨夜から、胸の中に灯ったあの炎が——まだ消えていなかった。
「……少し、だけ」
小さく、答えた。
マリアンヌが、弾かれたように身を起こした。
「少しって何!? どのくらいの少し!?」
「声が大きいわよ」
「ごめん! でも——ちょっと待って、落ち着く」
マリアンヌが深呼吸をした。一回。二回。
それから、改めてエリアーナを見た。
「話して。全部」
エリアーナは、話した。
昨日の展示会のこと。二人きりになった馬車の中のこと。レオナルドに「婚約をどう思っているか」と聞かれたこと。本当のことを言えなかったこと。そして——馬車を降りる間際に、ドレスが似合っていると言われたこと。
話しながら、また頬が熱くなるのを感じた。
マリアンヌは、最初から最後まで黙って聞いていた。
途中でタルトを一口食べて、紅茶を飲んで、また聞いた。
エリアーナが話し終えると、少しの間、沈黙があった。
「……エリィ」
マリアンヌが、静かに言った。
「うん」
「一個だけ聞いていい?」
「何?」
「なんで言わなかったの」
エリアーナは、視線を落とした。
「……怖かったから」
「何が?」
「言って、拒絶されることが」
「……」
「ソフィア様の方を向かれたら、と思ったら——言葉が出なくて」
テーブルの上で、指先が微かに震えた。
「政略婚約だって、わかっているの。彼が私に恋愛感情を持っていないことも、たぶん、わかっている。だから——言っても意味がないかもしれないって」
「——エリアーナ・ウィンター」
マリアンヌの声が、変わった。
エリアーナは顔を上げた。
親友の顔が、そこにあった。
いつもの軽やかさはなかった。グリーンの瞳が、真剣で——その奥が、少し、揺れていた。
「三年間よ」
静かな、でも確かな声で、マリアンヌが言った。
「三年間、あなた、ずっと一人で抱えてきたの?」
「……」
「誰にも言わないで。泣かないで。笑顔でいて。ずっと、ずっと一人で——」
マリアンヌが、唇を噛んだ。
「なんで私に言ってくれなかったのよ」
声が、わずかに震えていた。
エリアーナは、目を瞬かせた。
「……マリアンヌ?」
「怒ってるの! 私が!」
マリアンヌが、ぱんとテーブルに手をついた。
周囲の客が振り返る。マリアンヌは気づかない。
「エリィが三年間苦しんでたのに、親友の私が何も知らなかったなんて——そっちの方がよっぽど悲しいわよ!」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていい! ただ——」
マリアンヌが、少しだけ声を落とした。
「次からは、言って。絶対に、言って」
グリーンの瞳が、潤んでいた。
エリアーナは、喉の奥が熱くなるのを感じた。
「……うん」
小さく、答えた。
「うん、言う。ごめんね、マリアンヌ」
「……もう」
マリアンヌが、ふい、と顔を逸らした。
指先で目元をさっと拭う。そしてすぐに、また向き直った。今度は、いつもの顔で。
「よし! じゃあ作戦会議ね!」
切り替えが、あまりにも早かった。
「作戦会議?」
「そう。どうやってエリィが公爵様に気持ちを伝えるか——の!」
マリアンヌが、ぐっと拳を握った。
「待って、そんな話になるの?」
「なるに決まってるでしょ! 三年分の片思いよ? このまま指くわえて見てろっていうの?」
「で、でも……」
「エリィ」
マリアンヌが、真剣な顔で言った。
「あなたは婚約者よ。もうすでに一番近くにいる。あとは——あなたの気持ちを届けるだけじゃない」
「……簡単に言うわね」
「簡単じゃないのはわかってる。でもエリィ、聞いて」
マリアンヌが、テーブルの上でエリアーナの手に、自分の手を重ねた。
温かい手だった。
「昨日、ドレスを褒めてくれたんでしょ。婚約の話を、二人きりで、ちゃんと聞こうとしてくれたんでしょ」
「……そう、だけど」
「それって——何もない人間がすることじゃないと思うけどな、私は」
エリアーナは、息を止めた。
「……どういう意味?」
「わからない。でも——ゼロじゃないと思う」
マリアンヌが、まっすぐに言った。
「だから、諦めないで」
窓の外で、花売りの少女が大きな声で呼び込みをしていた。
白い花束が、朝の光の中で揺れている。
エリアーナは、マリアンヌの手を見た。
自分の手の上に重なった、温かくて心強い手を。
(諦めないで)
三年間で何度、自分に言い聞かせただろう。
でも今日のその言葉は——自分自身に言う時とは、少し違う重さで、胸に届いた。
「……マリアンヌ」
「何?」
「ありがとう」
マリアンヌが、ぱっと顔を輝かせた。
「どういたしまして! じゃあ早速——」
「早速って、何を」
「食事会よ!」
マリアンヌが、パンっと手を叩いた。
「四人でご飯食べるの。エリィと公爵様と——あと、アラン・クロフォードも呼んで」
「クロフォード様を? なぜ?」
「彼、公爵様の親友でしょ。公爵様をほぐすのに、あの人ほど適任はいないわ」
マリアンヌが、自信満々に言った。
「あとちょっと……私も、会いたいし」
最後の一言が、少しだけ小さかった。
エリアーナは気づかなかったふりをした。
(マリアンヌも、なかなかね)
心の中で、そっと思いながら。
「でも、うまくいくかしら……」
「うまくいかせるの! 細かいことは任せて」
「……頼もしいわね」
「でしょ! 私ね、エリィが幸せになるまで絶対に諦めないから」
マリアンヌが、ニカっと笑った。
曇りのない、真っ直ぐな笑顔。
エリアーナは、その笑顔を見ていたら——胸の奥が、じんわりと温かくなってきた。
三年間、一人で抱えてきた。
でも一人じゃなかった。この子がいた。ずっとそこにいた。
「……マリアンヌって」
「うん?」
「本当に、いい子ね」
マリアンヌが、ぱちりと瞬きをした。
それからみるみる顔が赤くなった。
「なっ——何よ突然! 殺し文句じゃない!」
「本当のことを言っただけよ」
「もうっ! そういうことはいきなり言わないで! 心臓に悪いわ!」
「ふふ」
エリアーナは、笑った。
作り物ではない、本物の笑いが——自然に、零れ出た。
「……あ」
マリアンヌが、笑顔のまま、少し目を細めた。
「エリィ、今の笑い方」
「え?」
「すごく可愛い」
今度は、エリアーナの頬が赤くなる番だった。
「……もう、マリアンヌ」
「本当のことを言っただけよ」
さっき自分が言った言葉を、そのまま返された。
エリアーナは、また笑った。
マリアンヌも笑った。
二人の笑い声が、小さなカフェに溶けていった。
食事会は、三日後に設定された。
マリアンヌが手配するとあって、あっという間に話が決まった——ただし。
その夜、エリアーナは自室で机に向かっていた。
窓の外に星が瞬いている。
手元には、食事会の案内状の下書き。
レオナルドへ宛てた、招待の言葉。
ペンを持つ指が、なぜか上手く動かない。
書き出しの「レオナルド様」という五文字を、もう三回書き直していた。
(情けない)
自分でも思う。
(たった五文字なのに)
クロエが部屋を覗いてきた。
「お嬢様、まだ起きていらっしゃるんですか?」
「……案内状を書いているの」
「あら、誰への?」
「……ヴァルフォード公爵家へ」
クロエが、しばらく沈黙した。
それから、そっとエリアーナの横に来た。
机の上の、五文字だけ書かれた紙を見た。
「……お嬢様」
「何?」
「もしよろしければ」
クロエが、小さな声で言った。
「私が代わりに書きましょうか?」
エリアーナは、少し考えて——
「……お願いしようかしら」
「はい! 任せてください!」
クロエが、ぱっと顔を輝かせた。
エリアーナは苦笑しながら、ペンを渡した。
(本当に、情けない)
でも——胸の中は、今夜もあたたかかった。
三日後の食事会が、今から少しだけ——楽しみだと思っていた。
王都の目抜き通りに面した小さなカフェは、貴族の令嬢たちが密かに好む隠れ家のような場所だった。天井が低く、丸テーブルが窓際に並び、焼きたてのタルトの甘い香りが店内に満ちている。給仕の少女たちが慣れた手つきでカップを運び、窓の外では朝の人通りが賑やかに流れていく。
エリアーナは、向かいの席を見た。
マリアンヌ・ホワイトが、頬杖をついてエリアーナを見ていた。
赤みがかったブラウンのショートボブが、朝の光を受けて艶やかに輝いている。明るいグリーンの瞳が、まっすぐに——いや、どこか探るように——エリアーナを見つめていた。
「で?」
開口一番、マリアンヌが言った。
「昨日、何かあったでしょ」
エリアーナは、カップを傾けかけた手を止めた。
「……おはよう、マリアンヌ」
「おはよう。で、何があったの」
「何もなかったわよ」
「嘘」
間髪入れず、言い切られた。
「今日のエリィ、歩き方が違う」
「……歩き方?」
「なんていうか——ふわふわしてる」
マリアンヌが、ずいっと身を乗り出してきた。
グリーンの瞳が、好奇心でキラキラしている。
「ねえ、公爵様と何かあった?」
エリアーナは、カップをそっとソーサーに置いた。
窓の外を見た。朝の街並みが流れている。馬車が通り、花売りの少女が声を上げ、パン屋の主人が店先に看板を出している。
普通の朝だ。
でも昨夜から、胸の中に灯ったあの炎が——まだ消えていなかった。
「……少し、だけ」
小さく、答えた。
マリアンヌが、弾かれたように身を起こした。
「少しって何!? どのくらいの少し!?」
「声が大きいわよ」
「ごめん! でも——ちょっと待って、落ち着く」
マリアンヌが深呼吸をした。一回。二回。
それから、改めてエリアーナを見た。
「話して。全部」
エリアーナは、話した。
昨日の展示会のこと。二人きりになった馬車の中のこと。レオナルドに「婚約をどう思っているか」と聞かれたこと。本当のことを言えなかったこと。そして——馬車を降りる間際に、ドレスが似合っていると言われたこと。
話しながら、また頬が熱くなるのを感じた。
マリアンヌは、最初から最後まで黙って聞いていた。
途中でタルトを一口食べて、紅茶を飲んで、また聞いた。
エリアーナが話し終えると、少しの間、沈黙があった。
「……エリィ」
マリアンヌが、静かに言った。
「うん」
「一個だけ聞いていい?」
「何?」
「なんで言わなかったの」
エリアーナは、視線を落とした。
「……怖かったから」
「何が?」
「言って、拒絶されることが」
「……」
「ソフィア様の方を向かれたら、と思ったら——言葉が出なくて」
テーブルの上で、指先が微かに震えた。
「政略婚約だって、わかっているの。彼が私に恋愛感情を持っていないことも、たぶん、わかっている。だから——言っても意味がないかもしれないって」
「——エリアーナ・ウィンター」
マリアンヌの声が、変わった。
エリアーナは顔を上げた。
親友の顔が、そこにあった。
いつもの軽やかさはなかった。グリーンの瞳が、真剣で——その奥が、少し、揺れていた。
「三年間よ」
静かな、でも確かな声で、マリアンヌが言った。
「三年間、あなた、ずっと一人で抱えてきたの?」
「……」
「誰にも言わないで。泣かないで。笑顔でいて。ずっと、ずっと一人で——」
マリアンヌが、唇を噛んだ。
「なんで私に言ってくれなかったのよ」
声が、わずかに震えていた。
エリアーナは、目を瞬かせた。
「……マリアンヌ?」
「怒ってるの! 私が!」
マリアンヌが、ぱんとテーブルに手をついた。
周囲の客が振り返る。マリアンヌは気づかない。
「エリィが三年間苦しんでたのに、親友の私が何も知らなかったなんて——そっちの方がよっぽど悲しいわよ!」
「……ごめんなさい」
「謝らなくていい! ただ——」
マリアンヌが、少しだけ声を落とした。
「次からは、言って。絶対に、言って」
グリーンの瞳が、潤んでいた。
エリアーナは、喉の奥が熱くなるのを感じた。
「……うん」
小さく、答えた。
「うん、言う。ごめんね、マリアンヌ」
「……もう」
マリアンヌが、ふい、と顔を逸らした。
指先で目元をさっと拭う。そしてすぐに、また向き直った。今度は、いつもの顔で。
「よし! じゃあ作戦会議ね!」
切り替えが、あまりにも早かった。
「作戦会議?」
「そう。どうやってエリィが公爵様に気持ちを伝えるか——の!」
マリアンヌが、ぐっと拳を握った。
「待って、そんな話になるの?」
「なるに決まってるでしょ! 三年分の片思いよ? このまま指くわえて見てろっていうの?」
「で、でも……」
「エリィ」
マリアンヌが、真剣な顔で言った。
「あなたは婚約者よ。もうすでに一番近くにいる。あとは——あなたの気持ちを届けるだけじゃない」
「……簡単に言うわね」
「簡単じゃないのはわかってる。でもエリィ、聞いて」
マリアンヌが、テーブルの上でエリアーナの手に、自分の手を重ねた。
温かい手だった。
「昨日、ドレスを褒めてくれたんでしょ。婚約の話を、二人きりで、ちゃんと聞こうとしてくれたんでしょ」
「……そう、だけど」
「それって——何もない人間がすることじゃないと思うけどな、私は」
エリアーナは、息を止めた。
「……どういう意味?」
「わからない。でも——ゼロじゃないと思う」
マリアンヌが、まっすぐに言った。
「だから、諦めないで」
窓の外で、花売りの少女が大きな声で呼び込みをしていた。
白い花束が、朝の光の中で揺れている。
エリアーナは、マリアンヌの手を見た。
自分の手の上に重なった、温かくて心強い手を。
(諦めないで)
三年間で何度、自分に言い聞かせただろう。
でも今日のその言葉は——自分自身に言う時とは、少し違う重さで、胸に届いた。
「……マリアンヌ」
「何?」
「ありがとう」
マリアンヌが、ぱっと顔を輝かせた。
「どういたしまして! じゃあ早速——」
「早速って、何を」
「食事会よ!」
マリアンヌが、パンっと手を叩いた。
「四人でご飯食べるの。エリィと公爵様と——あと、アラン・クロフォードも呼んで」
「クロフォード様を? なぜ?」
「彼、公爵様の親友でしょ。公爵様をほぐすのに、あの人ほど適任はいないわ」
マリアンヌが、自信満々に言った。
「あとちょっと……私も、会いたいし」
最後の一言が、少しだけ小さかった。
エリアーナは気づかなかったふりをした。
(マリアンヌも、なかなかね)
心の中で、そっと思いながら。
「でも、うまくいくかしら……」
「うまくいかせるの! 細かいことは任せて」
「……頼もしいわね」
「でしょ! 私ね、エリィが幸せになるまで絶対に諦めないから」
マリアンヌが、ニカっと笑った。
曇りのない、真っ直ぐな笑顔。
エリアーナは、その笑顔を見ていたら——胸の奥が、じんわりと温かくなってきた。
三年間、一人で抱えてきた。
でも一人じゃなかった。この子がいた。ずっとそこにいた。
「……マリアンヌって」
「うん?」
「本当に、いい子ね」
マリアンヌが、ぱちりと瞬きをした。
それからみるみる顔が赤くなった。
「なっ——何よ突然! 殺し文句じゃない!」
「本当のことを言っただけよ」
「もうっ! そういうことはいきなり言わないで! 心臓に悪いわ!」
「ふふ」
エリアーナは、笑った。
作り物ではない、本物の笑いが——自然に、零れ出た。
「……あ」
マリアンヌが、笑顔のまま、少し目を細めた。
「エリィ、今の笑い方」
「え?」
「すごく可愛い」
今度は、エリアーナの頬が赤くなる番だった。
「……もう、マリアンヌ」
「本当のことを言っただけよ」
さっき自分が言った言葉を、そのまま返された。
エリアーナは、また笑った。
マリアンヌも笑った。
二人の笑い声が、小さなカフェに溶けていった。
食事会は、三日後に設定された。
マリアンヌが手配するとあって、あっという間に話が決まった——ただし。
その夜、エリアーナは自室で机に向かっていた。
窓の外に星が瞬いている。
手元には、食事会の案内状の下書き。
レオナルドへ宛てた、招待の言葉。
ペンを持つ指が、なぜか上手く動かない。
書き出しの「レオナルド様」という五文字を、もう三回書き直していた。
(情けない)
自分でも思う。
(たった五文字なのに)
クロエが部屋を覗いてきた。
「お嬢様、まだ起きていらっしゃるんですか?」
「……案内状を書いているの」
「あら、誰への?」
「……ヴァルフォード公爵家へ」
クロエが、しばらく沈黙した。
それから、そっとエリアーナの横に来た。
机の上の、五文字だけ書かれた紙を見た。
「……お嬢様」
「何?」
「もしよろしければ」
クロエが、小さな声で言った。
「私が代わりに書きましょうか?」
エリアーナは、少し考えて——
「……お願いしようかしら」
「はい! 任せてください!」
クロエが、ぱっと顔を輝かせた。
エリアーナは苦笑しながら、ペンを渡した。
(本当に、情けない)
でも——胸の中は、今夜もあたたかかった。
三日後の食事会が、今から少しだけ——楽しみだと思っていた。
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